M-ファイル

MATLAB の実行文を含んだ拡張子 .m を持つ単なるテキストディスクファイルを M-ファイルと呼ぶ.

M-ファイルはテキストエディタで作成し編集することができる.

Windows 版や Macintosh 版の MATLAB にはエディタが組み込まれている.

M-ファイルは関数 M-ファイル(function M-file)とスクリプト M-ファイル(script M-file)の 2 種類に分類される.

スクリプト M-ファイルとは MATLAB の実行文を含んだ M-ファイルであり,単にスクリプトあるいは M-ファイルと呼ばれる.

関数 M-ファイルは別の種類の M-ファイルであり,単に関数と呼ばれる.
この 2 種類の M-ファイルの重要な違いを述べると

スクリプトは呼び出されるたびにディスクから読み込まれて各行ごとに実行される.

関数は実行にあたって RAM に読み込まれる.

関数は入力と出力のパラメータを持つ.

スクリプトはスクリプト自身に書き込まれた変数に対してのみ作用する.関数は書式の異なるデータに対して作用する一般的な作業に柔軟に対応でき,適している.

スクリプトは同じ作業を繰り返し行う場合に適している.

スクリプトはキーボードマクロと考えられる.

関数の変数は関数の中だけで有効な局所変数である.

スクリプト名をタイプするだけで,スクリプトに含まれるすべての実行文がコマンドウィンドウにタイプされたときと同じように順番に実行されていく.

スクリプトに含まれる変数名がすでにワークスペースに記憶されている場合にはスクリプトはこの記憶されている変数に作用する.したがって,この変数の値はスクリプトによって変わり得る.この性質を利用することができる反面,思わぬ結果を招くことがある.

関数の変数が関数の中だけで有効であるという性質は非常に安全であり柔軟性を持つ.

関数との情報のやり取りはパラメータリストにある変数を通してのみ可能である.

唯一の例外はグローバル変数(global variable)を使ったときであるが,これにはグローバル変数の使用を宣言する必要がある.