第61回人工知能学会 AI チャレンジ研究会

-人工知能学会合同研究会2022にて-

第61回人工知能学会 AI チャレンジ研究会概要

招待講演

  • ・吉井和佳(京都大学)
    「スマートグラスを用いた音環境理解支援」
     本講演では、実環境下でのリアルタイム音声コミュニケーションを支援することを目的として開発中の、ユーザが指定した話者の音声の みを強調し、リアルタイムで認識・翻訳して表示を行うARグラスについて紹介する。ARグラスに搭載されたマイクアレイから得られる 音響信号は、未知の環境における多数の音声・雑音・残響が重畳したものであり、音源の移動、さらにはユーザの移動や頭部の動きに影響 を受けるため、研究室環境のベンチマークとは本質的に難しさが異なる。それでもなお、頑健性と応答性を備えた実用システムを開発する ための技術的なチャレンジについて解説する。

    ・鈴木俊貴(京都大学白眉センター・特定助教、京都大学創発PI)
    「シジュウカラの言語能力と動物言語学の挑戦」
     アリストテレスの時代から、「言語」はヒトと動物を隔てる決定的な性質であると考えられてきました。私たち人間は、単語を用いて物 事を示したり、それらを組み合わせて文章をつくり会話しますが、動物の鳴き声は単なる感情の表れにすぎないと捉えられてきたのです。 しかし、この二分は本当に正しいのでしょうか? たしかに、感情を伝える音声だけでもうまく意思疎通がとれる動物もいるでしょうが、 研究者たちは動物たちのコミュニケーションをどれほど詳細に解明できているのでしょうか? 私は、この疑問を胸に、シジュウカラの鳴 き声について研究を続けてきました。
     シジュウカラは都市部から山地まで広く見られる私たちに身近な野鳥です。15年以上にわたる野外研究の成果として、シジュウカラは 捕食者の種類を示したり仲間を集めたりするための様々な鳴き声をもつことがわかってきました。さらに、彼らはこれらの鳴き声を組み合 わせ、より複雑なメッセージまで作ることができるのです。
     さらに、野外において認知実験をおこなうことで、聞き手のシジュウカラは、鳴き声の示す対象をイメージしたり、音列に文法のルール を当てはめることで情報を読み解いていることもわかってきました。これらの発見は、私たちが普段会話のなかで使っている認知能力を動 物において初めて実証した成果であり、言語の進化に迫る上でも大きな糸口を与えるはずです。
     本講演では、上記の研究内容を紹介しながら、野外観察や行動実験から動物たちの豊かな会話の世界にどのように迫れるのか、その新た な学問の枠組み(動物言語学)についてもご紹介したいと思います。

プログラム

予稿

  • 決まり次第プログラムを公開します.予稿は研究会当日数日前に研究会ウェブページで暫定版を公開し,研究会開催日以降に JSTAGEにて準備ができ次第正式公開します.

講演募集

人工知能学会 AIチャレンジ研究会では,人工知能学会合同研究会の一環としてロボット聴覚を中心とした研究の講演を募集します.また,そ れらに限らず本研究会の研究テーマと関連する投稿も広くお待ちします.

カメラレディ原稿(使用言語は日本語または英語,最大8ページ程度(多少超えても問題ありません))を用意し,上記の講演申込み URL よりお申し込み下さい.

原稿は,PDF 形式で作成してください. PDF を作成される場合には,画像のクオリティが印刷に耐えられるよう ご注意ください.

なお,本研究会では,予稿の完全な電子化に取り組んでいます. 紙による予稿の配布は行わず,電子ファイルのみの配布とする予定です.

公知日について

本研究会では,聴講者の便宜を図るため,研究会の1週間前に予稿を公開する予定です.公知日が研究会開催日より早まりますのでご注意くだ さい.

研究テーマ

  • ロボット聴覚・音環境理解 (聴覚による情景分析)
    ロボット聴覚機能のための音響技術
    音声処理
    対話処理
    音楽ロボット
    屋外での音環境理解
    極限音響
    音声に限らず音一般の知覚・理解
    その他, 研究会に関連するテーマ

原稿様式

人 工 知能学会 研究会スタイルファイル/Wordテンプレートを利用して作成下さい.日本語論文については Abstract (概要) を日本語で記載して構いません(テンプレートでは英語です).

投稿された論文の著作権について

AIチャレンジ研究会は人工知能学会の第2種研究会として,投稿いただいた論文の著作権は著者にあるものとしています.予稿集のそれ以外 の部分については研究会にあります. 著作権規定については 一 般社団法人人工知能学会の研究会への投稿論文等に関する著作権規程 をご確認下さい.規定のおおまかな内容は下記の通りですが、齟齬があった場合には著作権規定が優先します。

We, Special Interest Group on AI Challenges, note the following to contributors for the seminar;

  • o The author keeps the copyright for his/her paper.
  • o The SIG asks for a license to publish the article as the first publisher.
  • o The SIG asks the author to mention the Special Interest Group on AI Challenges, Japanese Society for Artificial Intelligence, as a first publisher of the paper whenever the author copies or publishes the paper on other repositories or the author's own web sites.

AIチャレンジ研究会では,投稿いただいた論文の著作権は著者にあるものとしています.したがって本文・図・表の利用や再投稿について特 段の制限はありませんが,以下をお願いしております.

  • ・投稿いただいた原稿(の全部もしくは部分)を研究会の予稿集の一部として研究会もしくは人工知能学会が電子ファイルや印刷物と してインターネット等で公開・提供することをご了承ください.
  • ・また原稿そのもの以外に,書誌情報(論文タイトル,著者名,著者所属機関名,論文内の図表のキャプション)など)や著者抄録 (論文からの概要の抽出)の形で公開・提供する場合があります.
  • ・所属機関等のアーカイブに登録する場合には,出典として本研究会を明記ください.
また,研究会や人工知能学会とは別の機関等が,予稿(電子ファイル)を収集し書誌情報や著者抄録等を公開する可能性があります.研究会として は,アクセス制限等を設けることはしませんので,ご留意ください.

問い合わせ先:

  • 鈴木麗璽(幹事, 名古屋大学)
    Email:reiji@nagoya-u.jp

更新履歴

  • 2022/9/7 CFP公開
  • 2022/10/4 講演申し込み締切延長
  • 2022/10/27 プログラム掲載

リンク

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