河内平野の地盤

 本学へ通学する人の多くが利用している近鉄大阪線の布施から国分までは、

河内平野と呼ばれる低地を造っている。この低地の地盤は、第四紀(人類が出

現してから現在まで)の気候変動を反映した堆積物からなっている。海岸線の

位置は、私たちの目には潮の満ち引きによる変化以外のものは見えないが、

地球の歴史においては絶えず変化してきたと考えられている。



 すなわち、この時代は約10万年周期で氷河期と間氷期が交互に繰り返した時

代であり、さらに、この氷河期や間氷期の期間中でも何回かの小規模な寒暖

の変化が認められている。気温が下がると雨は雪になり、その雪は解けず万

年雪になり、それが氷河となる。従って、氷河期になれば海面が低下し粗い堆

積物をためていき、間氷期になると氷河がどんどん溶けだして海水面が上昇

し、海岸は内陸部まで入ってきて、海が深くなるため、細かい堆積物をためて

いく。

 一方、大きな地震が発生すれば、地盤は場所によって隆起したり沈降したり

する。生駒山系は、傾動地塊と言われ、地震が起こる度毎に奈良県側に比べ

て大阪側が著しく隆起してできた地形と考えられている。そして、河内平野と生

駒山系の境界にはほぼ南北に走る断層があり、この断層は活断層と言われて

いる。