柏原キャンパス緑の便り


その4
学園だより No.116 (平成7年7月10日)掲載


 春から夏へキャンパスは年毎に色彩が豊かになってきました。このキャンパスの在学生も池田分校、天王寺分校で学んだ人はほとんどいなくなりました。が、4回生は平成4年の開校時の砂漠のような状況を記憶しているでしょう。キャンパスの中のあちこちに、この3年間に何らかの想いを込めた植樹がされてきたことは忘れないでください。現在の緑の少なからずのものが、ここではその一部しか記述していませんが、前身校の人達の努力の成果をいただいたものです。


1. ヤマボウシ(みずき科)

 平成5年秋、教養学科教官の拠金の一部と自然研究第2期生(平成5年3月卒)卒業生寄贈により、A・B棟間に列植された。山法師とも書く。我国と中国、朝鮮の山地に自生。当キャンパスに似合わしい種として選ばれた。アメリカ産ハナミズキの近縁種。





2. ノウゼンカズラ(のうぜんかずら科)

 図書館東側のパーゴラに沿って植えられた。付属幼稚園に数十年と思われる立派な壁面植えがあり、それから採集し、3年にわたり育てられたものを平成5年春に移した。原産地は中国。7〜8月の長期にわたり開花。大花が本種で小花筒状のものは北米原産のアメリカノーゼンカズラ。





3. セコイアスギ(すぎ科)

 元本学教授の三木 茂先生が、化石木メタセコイアを発見されたが、その名は北米産の本種に由来する。常緑で、巨木となる。自然研究第一期生が学ぶことのなかった新校舎に思いを寄せた寄贈樹でB1からB3棟間の斜面に植えられた。





4. サトザクラ(ばら科)の果実

 平成5年春、エスカレーター完成に向けて、北西階段沿い斜面の植栽も精力的に行われた。今年の5月中旬、花期を終えた枝々にたくさんの果実がみられた。





5. 旧天師植樹の会の寄贈植栽域2面

 昭和3年昭和天皇即位大礼祝儀記念事業として、本学前身校の一つ、大阪府天王寺師範が南河内郡の山地に、教職員、学生が植林し、その後も下草刈り、間伐などが続けられてきたが、昭和46年、この地が処分され、処分金は委員会で管理されてきた。本学移転統合完了と創基120周年を記念して、この基金により、造園された。大部分の樹木は天王寺師範時代から続いた羽曳野市にあった大学の農場から根回しの上、移植された。二面各々の中央には株立ちのシラカシが置かれた。本学の紋章は大学という文字を両手で支える意味をデザインしたものであるが、シラカシの形と位置は、この意にちなんで決められた。なお、写真右下の丸い石は、天文学横尾教授、地理学石井教授らの努力で測定されて緯度、経度がエッチングされている。石と銘板のデザインは美術浮川教授の労を賜った。写真左手前に記念碑が置かれているが、文字は書道大塩教授の授筆である。





6. 事務局前

 満開のキリシマツツジが赤色を誇り、小木のヤマツツジが橙色を添えて美しい。少し前に咲く紫色のミツバツツジを加え、日本山地の原型を組み込んだ造園。





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