微速度ビデオ撮影法
微速度撮影とは
私たちは縦・横・高さの三次元的広がりを持つ物体や事象が時間軸に沿って変化していく様子を観察することがで
きる。しかし、その時間軸が人間の感覚で捉えられる範囲を超えると、急に認識・把握することが困難になる。そのような
変化を捉えるために、私たちは微速度撮影や高速度撮影など特殊な映像撮影法を用いてきた。
通常、映画やビデオなどの動画は、人間の時間的感覚が静止画として認識するよりも早いタイミングで時系列順に大量の静
止画を切り替えて、人間の感覚にとって”動いているように見える”状態にしたものである。いわゆるパラパラ漫画と同じ
である。このとき、静止画の撮影間隔とその表示間隔が同じであれば、リアルタイムの動画として認識できる。一方、撮影
時よりも早いタイミングで切り替えれば、時間を縮めたような効果をもたらすし、逆に遅いタイミングで切り替えれば、時
間を伸ばしたような効果をもたらす。
動画再生時の静止画切り替えのタイミングは、従来のフィルム映画なら毎秒24コマ、8ミリ映画なら毎秒16コマである。一
方、ビデオでは毎秒30コマを切り替える。これをビデオレートという。これ以上早く切り替えても、人間の感覚ではあまり
大きな違いはない。
注:実際にはビデオの場合はインターレース映像なので、1/60秒ごとに偶数の走査線と奇数の走査線を切り替えて
毎秒30フレームの静止画を切り替えている。ブログレッシブ[ノンインターレース]動画もあるが、ここでは説明を省略する。
ビデオを例にもう少し具体的に説明すると、1秒ごとに撮影した静止画をビデオレートで切り替えると、実際の時間が
1/30に縮められたように見える。一方、毎秒300コマ撮影した静止画をビデオレートで切り替えると、実際の時間を10倍に引
き延ばしたように見える。これらが微速度撮影、高速度撮影の原理である。
生物教材の中には、動物の発生現象や植物の動きのように、その変化が人の時間感覚よりもはるかにゆっくりと進行する現
象を扱うものがあり、リアルタイムの観察では、児童や生徒にとってその変化や全体像を捉えにくいものがある。これを微
速度撮影した映像で提示すると、その変化が児童や生徒にも大変わかりやすいものになる。
なぜデジタル一眼レフカメラを用いた微速度撮影法なのか?
ここではデジタル一眼レフカメラを用いた微速度撮影法に至った経緯について説明する。
一般に微速度撮影を行うには、専用の装置が必要である。生物学の研究室レベルでは、かつてはコマ撮り可能な16mmシネカメ
ラが用いられ、近年はコマ撮り可能なビデオ装置に置き換わっている。ビデオ装置もオープンリールタイプのビデオ装置から
始まり、カセットや追記型ビデオディスクなどを経て、最近はハードディスクに記録するものが利用されている。しかし、主
として工場や店舗などの防犯用に作られているものが多く、生産台数が少ないためか価格が高い。また16mmフィルム時代は印
画紙に焼き付けてもかなり高い画質であったが、ビデオテープはもちろんのこと、デジタル化されてからも画像ファイルが高
圧縮されており、そこから静止画を取り出すと画質が今ひとつに思われる。
ハードディスク録画で微速度撮影できる装置があるのなら、ビデオカメラとパソコンでも当然できるはずと調べてみた。パソ
コンでお手軽に微速度撮影をするためのソフトとして、野村XXさん作のフリーソフト「SlowCAM」が有名である(http://www.v
ector.co.jp/soft/win95/hardware/se166448.html)。ただ、動画ファイルとして生成されるため、静止画の画質は望めない。
また、Win2000までは動作が確認されているが、それ以降のOSでは少し不安がある。
ところで最近購入したニコンのコンパクトデジタルカメラP5100の説明書を見ていたところ、動画撮影の中に微速度撮影ができ
ることがわかった。ただ画面サイズは640×480ピクセル固定で1800フレームまで、撮影間隔も30秒、1分、5分、10分、30分、
60分の6段階のみと融通が利かない。もう少し高画質で自由度が効かないかといろいろ調べたが、コンパクトデジカメでは無
理のようであった。
注:今春(2010年)発売されたペンタックスのOptio W-90にはインターバル撮影モードがあり、画像サイズが自由で
撮影間隔も10秒〜4分までは1秒単位で、4分以上99分までは1分単位で設定可能である(本機種を用いた「クマゼミの羽化」を本
ホームページに収録済み)。しかもデジタル顕微鏡モードという拡大撮影が可能で、防水型であるため、生物の微速度撮影に
適したコンパクトデジカメである。ただ、残念なことに1000コマまでの撮影しかできない。単体での微速度撮影(ペンタックス
ではインターバル動画と呼んでいる)も可能だが、撮影間隔は1分、5分、10分、30分、60分の5段階しかない。ただ、解像度は
1280×720、640×480、320×240ピクセルの3段階でフレームレートが15fpsと30fpsを選べる。ニコンのP5100よりは多少自由度
がある程度である。
それではとデジタル一眼レフカメラに調査範囲を拡大したところ、幸運なことに私物のキャノンEOS Kiss de
getal X2で同梱ソフトのEOS Utilityを使うとインターバル撮影ができることがわかった。おまけに接続したパソコンでピント
やフレームを確認できるリモートライブビューも可能である。しかも専用レンズでなくても絞り優先オートやマニュアル露出
で撮影ができる。まるで顕微鏡微速度撮影のためのカメラのようである。
早速Kiss X2で試したところ、簡単にインターバル撮影ができた。画質も撮影間隔の自由度も撮影コマ数もP5100から格段に良
くなった。後は動画化であるが、これはアニメーションの手法を利用できると踏んでいたのでインターネットで調べたところ、
ORIENTAL DESIGNさんのホームページ(http://www.I-design-I.com)などいくつか解説があった。解説ではPhotoshopやAfterEf
fectsを使っていたが、手元にあったPhotoshop 6.0ではやり方が分からない。ただ、HD STORMに付属していたトムソン・カノ
ープスのEDIUS Pro 5を用いたところ、あっさりと微速度動画ができたことに驚いた。おそらくここに挙げた以外の映像編集ソ
フトや動画編集ソフトでもできるかもしれないが、今のところは確かめていない。
次に、デジタル一眼レフカメラEOS Kiss X3を用いた微速度撮影法について説明する。
デジタル一眼レフカメラを用いた具体的な微速度撮
影法
すでにKiss X4が発売されているが、ここではKiss X3を用いた微速度撮影法を
説明する。おそらくKiss X4やほかのEOS Utility対応機種でも同じように撮影できると思う。
カメラを顕微鏡に取り付ける場合は、顕微鏡撮影アダプターを利用する。キャノンの純正品はない。当研究室で使用している
オリンパスのBH2型顕微鏡やSZH型双眼実体顕微鏡では、運よくビクセンの天体望遠鏡用の拡大撮影カメラアダプターが適合し
たのでこれとEOS用のTリングを利用している。またニコンのOptiphoto用にはアルミ材を旋盤加工した自作アダプターを介して
拡大撮影カメラアダプターを取り付けている。これらの顕微鏡は撮影鏡筒が丈夫なので、アダプターだけでぶれは生じていな
い。一般の顕微鏡を用いる場合は、ビクセンの顕微鏡撮影アダプター(MS)Tあるいは(MF)TとEOS用のT-リングでカメラを顕微鏡
に接続することになる(手元にないので、確認はしていない)。同じくビクセンのデジタルカメラアダプターDG-MPとT-リングで
も接続できる(これは確認済み)。(MS)Tや(MF)T、DG-MPを使用する場合は、撮影鏡筒の強度を考えると、三脚等でカメラを固定
して撮影時のカメラの振動を除く必要があるだろう。
マクロ撮影の場合は、当研究室ではキャノンEFS60mmマクロレンズを使用しているが、室内撮影では焦点距離が少し長すぎる。
ただ、キャノンのマクロレンズでは50mmがもっとも短いので、あまり差はない。トキナーのAT-X M35 pro DXのような35mmマク
ロレンズがあれば、35mm換算で50mmマクロレンズとなって使い勝手がよいと思われる。
長時間撮影になるので、カメラには必ずACアダプターを接続する。コントロール用のパソコンにはEOS Utilityをインストール
し、カメラ付属のUSBケーブルで接続する。パソコンの節電設定はすべて解除すること。またノートパソコンの場合は、必ずAC
アダプターを接続する。なお、パソコンはOSがWindows XP SP2あるいはMac OS X 10.4以上が必要で、USB2あるいはIEEE1394を
備え、画面解像度が1024×768ピクセル以上必要である。最初、画面解像度が足りないパソコンを使ったところ、ソフトが起動
しなかった。
顕微鏡撮影ではカメラがコントロールできる絞りがないので、絞り優先(AV)に設定する。シャッター速度が遅
い場合は、顕微鏡の光源を明るくするか、カメラのASA感度を高く設定する。双眼実体顕微鏡でマクロツインライトやマクロリ
ングライトを使う場合などは別であるが、ストロボは通常意味がないので、強制OFFにすること。マクロ撮影の場合は、必要に
応じて撮影モードを選べばよい。いずれにせよ、光源の安定性には注意すること。インターバル撮影で撮影コマごとに明るさ
に差があると、動画が明滅して大変見苦しくなる。必要に応じて安定化電源や人工光を利用し、マニュアル撮影(M)モードで撮
影してもよい。
カメラとパソコンの接続を済ませ、EOS Utilityを起動したら、初期メニューウィンドウから「カメラ操作」の「カメラの設定/
リモート撮影」を選択する。「カメラの設定/リモート撮影」ウィンドウが開いたら、ASA感度の設定などを済ませた後、「リ
モートライブビュー撮影」を選択し、顕微鏡のフォーカスノブで正確にピントを合わせる。リモートライブビューでは画面の一
部を拡大表示できるので、拡大枠を適切な場所に移動させ、さらに精密にピントを合わせる。フォーカスが設定できたら、リ
モートライブビューを閉じる。不必要に長時間リモートライブビューを続けると撮像素子が熱を持ち、ノイズが載るので避け
る。
次に「カメラの設定/リモート撮影」ウィンドウのほぼ中央右端にあるストップウォッチのアイコンをクリックする。「タイマー
撮影設定」ウィンドウが開くので、「インターバルタイマー撮影を行う」にチェックを入れ、撮影間隔と撮影枚数を設定する。
撮影間隔は5秒以上99分59秒まで設定でき、撮影枚数は2枚以上パソコンのハードディスクの容量の限界まで撮影可能である。
カメラのメモリカードに保存することもできるが、枚数の制約に注意。撮影画像の画素数の設定にも注意すること。不要に高
解像度にすると大きなハードディスク容量を必要とする。カメラのメモリカードへの保存やハードディスクでの保存先は「カ
メラの設定/リモート撮影」ウィンドウの「環境設定」で行える。撮影開始時間を設定できる「遅延設定」も可能である。これら
の設定が済んだら、撮影を開始する。撮影は「タイマー撮影設定」ウィンドウの下にある「撮影」をクリックすると始まる。
次に、撮影間隔と時間の短縮効果について説明する説明する。
撮影間隔の設定と微速度動画における時間短縮効果について
ある時間のかかる現象を撮影して、特定の時間内に縮めた動画を作るためには、撮影期間と撮影間隔の設定が重要に
なる。また、その動画の閲覧者にとってどの程度の短縮率と動画継続時間が適当かも勘案する必要がある。あまり短縮率を上
げると変化があっという間に終わるし、短縮率を下げると変化がわかりにくくなる。動画継続時間が長すぎると集中が途切れ
る場合があるし、動画継続時間を短くしすぎると短縮率を上げざるを得なくなる場合もある。このあたりは閲覧者によって変
える必要があるかもしれない。また、大人相手と小学生相手では当然違いが出てくる。
日本で使われているNTSCの規格では、ビデオ動画は通常1秒間に30フレーム使う。たとえば、1分に1コマのインターバル撮影を
行うと、これを動画にした場合、1時間当たり60コマ撮影されるので1時間が2秒に、24時間撮影すると1440コマ撮影され、丸
1日が48秒に短縮されることになる。したがって、時間短縮率から撮影間隔を設定するか、撮影期間から撮影間隔を設定し、時
間短縮率を決めることになる場合が多い。ただし、短いインターバルで撮影しておき、動画作成時に1コマおき、2コマおき
といったようにファイルを間引きして圧縮率を上げることが可能である。逆に同じ画像を2回使って引き伸ばすことも可能だ
が、カクカクした動きになるので薦められない。ただ、コンパクトカメラ利用時には撮影枚数に制限があるため、非常手段と
して使うこともできる(実例として本HPの「クマゼミの羽化」を参照)。
次の表は、撮影間隔と撮影期間から計算した撮影コマ数・動画時間を示したものである。もっとも、EOS Kiss X3で最短5秒間
隔、Optio W-90で最短10秒間隔、P5100で最短30秒間隔なので、現実的でない撮影コマ数・動画時間もあるが、圧縮効果と撮影
条件のおおよその目安にはなる。特にコンパクトデジタルカメラのようにインターバル撮影の枚数が限られているもの(W-90で
1000コマ、P5100で1800コマ)を使う場合に、この表に基づいて撮影間隔を決める必要がある。
| | | 撮影間隔(秒) |
| | | 1 | 2 | 5 | 10 | 20 | 30 | 60 | 120 |
| 時間圧縮率(倍) | 30 | 60 | 150 | 300 | 600 | 900 | 1800 | 3600 |
撮影期間 | 1時間 | コマ数 | 3600コマ | 1800コマ | 720コマ | 360コマ | 180コマ | 120コマ | 60コマ | 30コマ |
動画時間 | 120秒 | 60秒 | 24秒 | 12秒 | 6秒 | 4秒 | 2秒 | 1秒 |
2分 | 1分 | 0.4分 | 0.2分 | 0.1分 | 0.067分 | 0.033分 | 0.017分 |
2時間 | コマ数 | 7200コマ | 3600コマ | 1440コマ | 720コマ | 360コマ | 240コマ | 120コマ | 60コマ |
動画時間 | 240秒 | 120秒 | 48秒 | 24秒 | 12秒 | 8秒 | 4秒 | 2秒 |
4分 | 2分 | 0.8分 | 0.4分 | 0.2分 | 0.133分 | 0.067分 | 0.033分 |
3時間 | コマ数 | 10800コマ | 5400コマ | 2160コマ | 1080コマ | 540コマ | 360コマ | 180コマ | 90コマ |
動画時間 | 360秒 | 180秒 | 72秒 | 36秒 | 18秒 | 12秒 | 6秒 | 3秒 |
<6分 | 3分 | 1.2分 | 0.6分 | 0.3分 | 0.2分 | 0.1分 | 0.05分 |
5時間 | コマ数 | 18000コマ | 9000コマ | 3600コマ | 1800コマ | 900コマ | 600コマ | 300コマ | 150コマ |
動画時間 | 600秒 | 300秒 | 120秒 | 60秒 | 30秒 | 20秒 | 10秒 | 5秒 |
10分 | 5分 | 2分 | 1分 | 0.5分 | 0.333分 | 0.167分 | 0.083分 |
10時間 | コマ数 | 36000コマ | 18000コマ | 7200コマ | 3600コマ | 1800コマ | 1200コマ | 600コマ | 300コマ |
動画時間 | 1200秒 | 600秒 | 240秒 | 120秒 | 60秒 | 40秒 | 20秒 | 10秒 |
20分 | 10分 | 4分 | 2分 | 1分 | 0.667分 | 0.333分 | 0.167分 |
24時間 | コマ数 | 86400コマ | 43200コマ | 17280コマ | 8640コマ | 4320コマ | 2880コマ | 1440コマ | 720コマ |
動画時間 | 2880秒 | 1440秒 | 576秒 | 288秒 | 144秒 | 96秒 | 48秒 | 24秒 |
48分 | 24分 | 9.6分 | 4.8分 | 2.4分 | 1.6分 | 0.8分 | 0.4分 |
48時間 | コマ数 | 172800コマ | 86400コマ | 34560コマ | 17280コマ | 8640コマ | 5760コマ | 2880コマ | 1440コマ |
動画時間 | 57600秒 | 2880秒 | 1152秒 | 576秒 | 288秒 | 192秒 | 96秒 | 48秒 |
96分 | 48分 | 19.2分 | 9.6分 | 4.8分 | 3.2分 | 1.6分 | 0.8分 |
72時間 | コマ数 | 259200コマ | 129600コマ | 51840コマ | 25920コマ | 12960コマ | 8640コマ | 4320コマ | 2160コマ |
動画時間 | 8640秒 | 4320秒 | 1728秒 | 864秒 | 432秒 | 288秒 | 144秒 | 72秒 |
144分 | 72分 | 28.8分 | 14.4分 | 7.2分 | 4.8分 | 2.4分 | 1.2分 |
| | | 撮影間隔(分) |
| | | 5 | 10 | 15 | 20 | 30 | 60 | 100 |
| 時間圧縮率(倍) | 9000 | 18000 | 27000 | 36000 | 54000 | 108000 | 180000 |
撮影期間 | 10時間 | コマ数 | 120コマ | 60コマ | 40コマ | 30コマ | 20コマ | 10コマ | 6コマ |
動画時間 | 4秒 | 2秒 | 1.33秒 | 1秒 | 0.67秒 | 0.33秒 | 0.2秒 |
0.067分 | 0.033分 | 0.022分 | 0.017分 | 0.011分 | 0.006分 | 0.003分 |
24時間 | コマ数 | 288コマ | 144コマ | 96コマ | 72コマ | 48コマ | 24コマ | 14.4コマ |
動画時間 | 9.6秒 | 4.8秒 | 3.2秒 | 2.4秒 | 1.6秒 | 0.8秒 | 0.48秒 |
0.16分 | 0.08分 | 0.053分 | 0.04分 | 0.027分 | 0.013分 | 0.008分 |
48時間 | コマ数 | 576コマ | 288コマ | 192コマ | 144コマ | 96コマ | 48コマ | 28.8コマ |
動画時間 | 19.2秒 | 9.6秒 | 6.4秒 | 4.8秒 | 3.2秒 | 1.6秒 | 0.96秒 |
<0.32分 | 0.16分 | 0.107分 | 0.08分 | 0.053分 | 0.027分 | 0.016分 |
72時間 | コマ数 | 864コマ | 432コマ | 288コマ | 216コマ | 144コマ | 72コマ | 43.2コマ |
動画時間 | 28.8秒 | 14.4秒 | 9.6秒 | 7.2秒 | 4.8秒 | 2.4秒 | 1.44秒 |
0.48分 | 0.24分 | 0.16分 | 0.12分 | 0.08分 | 0.04分 | 0.024分 |
96時間 | コマ数 | 1152コマ | 576コマ | 384コマ | 288コマ | 192コマ | 96コマ | 57.6コマ |
動画時間 | 38.4秒 | 19.2秒 | 12.8秒 | 9.6秒 | 6.4秒 | 3.2秒 | 1.92秒 |
0.64分 | 0.32分 | 0.213分 | 0.16分 | 0.107分 | 0.053分 | 0.032分 |
120時間 | コマ数 | 1440コマ | 720コマ | 480コマ | 360コマ | 240コマ | 120コマ | 72コマ |
動画時間 | 48秒 | 24秒 | 16秒 | 12秒 | 8秒 | 4秒 | 2.4秒 |
0.8分 | 0.4分 | 0.267分 | 0.2分 | 0.133分 | 0.067分 | 0.04分 |
240時間 | コマ数 | 2880コマ | 1440コマ | 960コマ | 720コマ | 480コマ | 240コマ | 144コマ |
動画時間 | 96秒 | 48秒 | 32秒 | 24秒 | 16秒 | 8秒 | 4.8秒 |
1.6分 | 0.8分 | 0.533分 | 0.4分 | 0.267分 | 0.133分 | 0.08分 |
360時間 | コマ数 | 4320コマ | 2160コマ | 1440コマ | 1080コマ | 720コマ | 360コマ | 216コマ |
動画時間 | 144秒 | 72秒 | 48秒 | 36秒 | 24秒 | 12秒 | 7.2秒 |
2.4分 | 1.2分 | 0.8分 | 0.6分 | 0.4分 | 0.2分 | 0.12分 |
次に、画像処理と動画化について説明する。
画像処理と動画化について
撮影が終わると、膨大な数の静止画が得られる。もちろん処理中のトラブルに対応できるよう、元データはバックア
ップを取り、各種の処理はコピーに対して施す。
圧縮率や動画時間を考えてコマ数を間引きする場合は、エクスプローラーを用いて不要な画像ファイルを削除する。エクスプ
ローラーのウインドウ内に削除にあわせて表示するファイル数を調節し、矩形で削除ファイルを指定すると、一度に除去する
ことができる。
次に、ファイル名を連番ファイル名に変換する。つまり、撮影した静止画ファイルの名前を撮影の時系列順に連番の名前をつ
けなおす。たとえば「00001.jpg」「00002.jpg」といった具合である。
画質調節や時計表示が必要な場合は、フォトショップなどの画像処理ソフトを用いて画像処理する。ファイルはjpegなど、動
画処理ソフトで動画化できるファイル形式で保存する。フォトショップなら自動処理のバッチを用いると便利である。時計表
示があると、見ている人は時間の圧縮具合が感覚的に把握できるので、できるだけ入れるようにする。マクロ撮影などでは、
画面の邪魔にならないところにアナログ時計を入れるだけでよい。デジタル表示の時計は撮影のシャッター速度にもよるが、
表示が移らないことが考えられる。顕微鏡撮影などでアナログ時計を入れられない場合は、フォトショップなどで画像の邪魔
にならない場所に「12:20」といったように時間表示を書き込む。自動処理のバッチを用いて書き込み、ファイルの作成時間
を参考に撮影時間に変更するとよい。同じ場所にデジタル時計のように表示される。
動画化はトムソン−カノープスのエディウス5を用いて行っている。なお、試用版のAdobeのPremiere Element 9でもほぼ同様
に連番ファイルを取り込み動画クリップ化できる。
エディウスプロ5では、BINウィンドウから「クリップの追加」を選択し、連番ファイルの最初の番号のファイルを選択して「シー
ケンスとして読み込む」にチェックを入れたのち、ファイルを開く。すると動画クリップに変換されるので、Timelineウィン
ドウにドラッグし、必要に応じて編集を加える。編集が終了したら、メインウィンドウから「ファイル」を選択し、「書き出し」
の「ファイルに出力」を選択する。「エクスポーターの選択」ウィンドウが開くので、適切な動画ファイル形式への変換を行
うエクスポータを選択し、レンダリングを行う。これで動画化は完成である。実際に動画化されたファイルを再生して、希望
する時間圧縮効果が得られているかどうかを確認する。圧縮率が高すぎたら動画化するファイル数を増やし、逆に圧縮率が低
すぎる場合は動画化するファイル数を間引きして減らす。これは静止画から微速度動画を作る利点の一つで、最初から微速度
動画として撮影した場合は、取り直しをするか、早送りやスロー再生など何らかの方法で再生速度を調節するしか手がない。なお、エディウスプロ5ではビデオクリップの再生速度を変えることができるので、これを変更した後にファイルに書き出せば、再生速度を自由に調節できます。