11校プロジェクトニュース4号
大阪教育大学附属学校園情報ネットワーク推進プロジェクト 


附属池田小学校
<事例>『ビデオメッセージCDを作ろう』 6年

@友達や先生に対するメッセージビデオを作成する。
 ○メッセージを送る相手を決め、メッセージの内容を考える。
 ○ビデオカメラの前でメッセージを語る。
AビデオをMpegファイルに変換する。
 ○ビデオをキャプチャーし、必要な部分をトリミングする。
 ○この時に静止画像もキャプチャーしておく。
Bビデオを閲覧できるホームページを作成する。
 ○メッセージを送信相手のフォルダに保存する。
 ○それぞれの静止画像をクリックするとビデオが再生されるようにする。
CオリジナルのCDラベルを作成する。
 ○ラベルをデザインして印刷し、CD−Rに貼り付ける。
DCD−Rに記録する。
 ○自分のフォルダに保存されたデータをCD−Rに記録する。
 ○自分宛てのメッセージビデオを視聴する。

 従来の卒業アルバムや文集は全員を対象にしたものである。この取り組みでは、特定の人を対象にしてメッセージを残すので、個々に中身の違う物を持つことになる。また、CDにはこれまでの学習のようす(作文や感想文、習字、絵画、劇など)も収録した。学習の様子は共通にして、メッセージ部分だけを個別した。友達からのメッセージを見て(卒業直前だったこともあって)涙を流す光景が見られた。小学校に限らず、卒業直前にふさわしい取り組みと思われる。

附属池田中学校
インターネットとテレビ会議を使ったイギリス姉妹校との共同学習

 平成9年度から始まった、イギリスの姉妹校「ホーリークロスコンベントスクール」との共同学習では、「KABUKI プロジェクト」「クリスマス プロジェクト」「フォークミュージックプロジェクト」を行ってきた。そして、現在は姉妹校とのカリキュラムの共有をめざし、「ドラマ」の共同授業に取り組んでいる。(運用は教科間選択授業で、担当は音楽科田中龍三、英語科山本惠信)なお、この取り組みは、本校の研究指定校としての課題である新教科設立の一環である。
 本「ドラマ科」は役者の養成が目的でなく、ドラマを通して自分への振り返りや他者を理解するための視点を増やし、コミュニケーションに関わる感性を豊かにすることを目的としている。
 カリキュラムの大筋と教材を姉妹校から提供してもらい、教師どうしが電子メールで連絡をとりあいながらその教材とカリキュラムに添って授業を進めている。
 生徒どうしも電子メールで自己紹介メールを交換し始めており、最近では両校に自分自信のメールアドレスを持つ生徒が何名かいて、学校のインターネットを介さずに家庭から直接連絡をとりあう生徒もいることに、インターネットの普及の速さを感じる。
 第一回目のテレビ会議は7月14日(金)午後5時30分から一時間行う予定である。場所は附属池田中学校・高等学校メディアセンター3階(PEC)で、姉妹校のドラマの先生の授業をテレビ会議を通して両校の生徒が受けることになる。

写真:場面を想定し表情を作るレッスン「見てる人に伝わるかな?」



附属高等学校池田校舎
1999年度家庭科総合学習『北海道』とインターネット

 池田校舎では,95年家庭科男女共修以来,複数教員による家庭科の取り組みを行って来た。1999年は,そのテーマとして『北海道』と決まった。2年生全員を対象に隔週土曜日2時間(1単位)通年の総合学習である。これには,4教科(社会2,国語4,数学1,体育1)8人の教師が参加した。この学習活動にはインターネットをフル活用した。以下に,総合学習の概要とインターネットの活用例の一部を紹介する。
 以下の年間スケジュールにあるように,各教員が専門性や興味関心に基づいた7つのコースを設けた上で,前半はコース別の講義を行った。生徒は希望のコースを選び,後半は各教師の指導の下テーマを深める学習を行い,その成果を1月29日に発表した。

 各コースでの調べ学習においてインターネットの活用例を簡単に紹介する。
 1,牛乳と日本人コースでは,社団法人中央酪農会議が,酪農家から「Welcome to日本の酪農」という情報量の極めて多いホームページを作成しており,またリンクも丁寧に作成されていることがわかった。また,特筆すべきことは,全国の酪農家が多くのホームページを持っており,彼らへの直接質問のメールを送り,有意義な解答を引き出す生徒たちが相次ぎ,臨場感のある調べ学習が行えたことだ。2,エネルギー問題と地球温暖化コースでは,テーマが今日的ということもあり,生徒たちは大学の研究室や企業の研究所の環境に関するホームページを探して,ホットな情報を集めていた。エネルギー源から見た未来のクルマとして,ハイブリットカーや電気自動車,燃料電池車,ソーラーカー,水素自動車等を検索していた。技術的なことはともかくとして,環境に関するキーワードとその概要くらいは知ってくれただろう。3,北海道の文学と映画コースでは,山田洋次の代表作や「北の国から」シリーズにつてインターネットで調べていた。その他,生徒によるインターネットの活用は,実に様々でまた,教師の知らない所で自由に行われているため,このくらいの紹介としたい。生徒には,まとめのレポートでインターネットの検索先を銘記するようにさせている。

 最後に発表の題目の一部をコース別に紹介する。
A 『環境負荷を考える』(・ゴミの修学旅行・環境に優しい北海道旅行をめざして・修学旅行と炭酸ガス・粉塵の量と視界)
B 『エネルギー問題と地球温暖化』(・地球の守り方・志発島に移住しよう)
C 『北海道の文学と映画』(・北海道と司馬遼太郎・文学と函館・アイヌ文学と知里幸恵)
D 『北海道を食べる』(・アイヌ料理・ジンギスカンの秘密・鮭・郷土料理)
E 『アイヌの彫刻』(・彫刻の説明・各作品の紹介)
F 『牛乳と日本人』(・羊でなくなぜ牛乳か・牛乳が家に届くまで・牛番付・北海道の牛乳がおいしいわけ)
G 『アイヌの歴史』(・アイヌ民族の抵抗・アイヌの宗教意識・アイヌの祭り・言葉から見たアイヌのこれから・樺太アイヌの対雁強制移住)