(問題) 9個の元からなる体が存在すれば、構成し、積の演算表をかけ。
(考察) 有限個の元からなる体 F は、ある素数 p に対して、Zp を 最小の部分体として含みます。(素体) F は Zp 上のベクトル空間とみなせるので、 その次元を m とすれば、 F の元の個数は pm です。
逆に、任意の素数ベキ pm に対して、 Zp 上の m 次既約多項式を f(X) とし、 剰余環 Zp[X]/Zp[X]f(X) を考えれば、 pm 個の元からなる体が構成できます。
9=32 なので、Z3 上の2次既約多項式をひとつ選び、 剰余環を考えましょう。
(解答例) X2+1 は 0,1,2 を代入しても 0 にならないので、 1次の因子を持ちません。よって既約です。
F = Z3[X]/(X2+1)Z3[X] = { a+bX | a,b ∈ Z3 } です。(剰余環の元は代表元のみをかく) 積の演算表は下記の通りです。
0 1 2 X X+1 X+2 2X 2X+1 2X+2
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
1 0 1 2 X X+1 X+2 2X 2X+1 2X+2
2 0 2 1 2X 2X+2 2X+1 X X+2 X+1
X 0 X 2X 2 X+2 2X+2 1 X+1 2X+1
X+1 0 X+1 2X+2 X+2 2X 1 2X+1 2 X
X+2 0 X+2 2X+1 2X+2 1 X X+1 2X 2
2X 0 2X X 1 2X+1 X+1 2 2X+2 X+2
2X+1 0 2X+1 X+2 X+1 2 2X 2X+2 X 1
2X+2 0 2X+2 X+1 2X+1 X 2 X+2 1 2X

(注意) Z3 上の2次の既約多項式は他に X2+X+2,2X2+2X+1,2X2+1 があります。 2番目は1番目の2倍、3番目は X2+2 の2倍ですね。 演算表を書くので、モニックで計算しやすいものを選びましょう。
また、2行めと4行目を足せば、5行目になりますね。 全部計算しないでいいように考えましょう。