(問題) 有限可換群 G の元の位数の最大値を m とする時、 G の任意の元の位数は m の約数であることを示せ。
(解説) 可換群 G における、次の基本的な事実を用います。
(1) G に 位数 k の元が存在すれば k の任意の約数 d に対して、 G は 位数 d の元を含む。
(2) G の 元 a,b に対して、 ab の位数は a の位数と b の位数の最小公倍数である。
(解答例) a を 位数 m の元とします。
G の 任意の元 b に対して b の位数 k とし、 k と m を素因数分解します。
m = p1e1 ... ptet,  k = p1f1 ... ptft
ここで、pj はどちらかの素因数分解に現れる素数とし、 一方にあらわれない場合は指数を 0 とします。
全ての j に対して、fj ≦ ej ならば k は m の約数です。
もし、fj > ej となる j が存在したとしましょう。
この時、上の事実 (1) より、 G は 位数が m/pjej の元 a* と 位数が pjfj の元 b* を含み、 事実 (2) より、 a*b* の位数はその積となるため、 m より大きくなります。 これは m の最大性に反します。 よって、k は m の約数であることがわかりました。
(解答例) 有限アーベル群の基本定理をより、 G = Z/(d1) + ... + Z/(dr),  di | di+1 を満たす dj が存在します。
位数の最大値は dr であり、 任意の元の位数は dr の約数です。