(問題) 体 K から 環 R への準同型写像は単射であることを示せ。
(考察) (環)準同型写像とは次の条件を満たす環から環への写像のことでした。
・ f(a+b)= f(a)+f(b)
・f(ab)= f(a)f(b)
・f(1)= 1

体 K からの環準同型 f : K → R に対して ker f は K のイデアルです。
体 K のイデアルは K または {0} であり、 ker f = {0} ならば単射なので、結論が得られます。
(解答) 最初に、Ker f = {0} ならば f は単射であることを示す。

f(a) = f(b) と仮定すれば、f(a-b) = f(a) - f(b) = 0 となる。よって、 a-b ∈ ker f = {0} より a = b を得る。

次に、体 K のイデアルは K または {0} であることを示す。

イデアル I が {0} でなければ、0 でない元 a を含む。
しかし、体 K の 0 でない元 a は正則元であり、 逆元 a-1 が存在する。
このとき、任意の K の元 b に対して、 b = b (a-1 a) = (b a-1) a ∈ I となり、I = K を得る。

体 K からの環準同型 f : K → R に対して
ker f は K のイデアルであり、f(1) = 1 より、ker f = {0} となる。 したがって、f は単射である。