さらに理解を深めるために、下記の問題を考えてみましょう。
(1)(2) には ○× で答え、(3) には数字で答えましょう。
(問題)
Z は有理整数環とする。
(1) Z は単項イデアル整域である。
(2) Z 上の多項式環 Z[X] は単項イデアル整域である。
(3) Z の正則元(単数、単元)の個数を求めよ。
(問題)
(1) 任意の体 F は単項イデアル整域である。
(2) 環 R のべき零元全体集合 N は R のイデアルである。
(環 R の元 a がべき零元であるとは an=0 となる
自然数 n が存在するときをいう。)
(3) 固有多項式が (X-1)4 であるような C
上の行列全体の集合 M は相似であるという同値関係によって
何個の同値類に分割するか。
(問題)
環 R の部分環 S に対して、次の問を考える。
(1) S を加法群とみなし、R の作用を R における
通常の積で定義すれば S は R 加群となる。
(2) R を加法群とみなし、S の作用を R における
通常の積で定義すれば R は S 加群となる。
(3) 9991 と 20467 の最大公約数を求めよ。
(問題)
(1) 環 R 上の加群 M が 1つの元からなる基底 {x} を持つ時、
M は自由加群である。
(2) 環 R 上の加群 M が 2つの元からなる基底 {x,y} を持つ時、
M の3つの元は a,b,c は R 上 一次従属である。
(3) 80837 と 35953 の最大公約数を求めよ。
(問題)
(1) 環 R 自身を (積による作用によって)R 加群 と
みなせば R 自由加群である。
(2) 階数 2 の R 自由加群 M の元 a,b が一次独立ならば
M の基底である。
(3) 整数成分の 2次正方行列全体 M は
(通常の加法と整数倍による作用によって)
Z 自由加群である。
その階数を求めよ。
(問題)
(1) R 自由加群 M の部分加群 N も R 自由加群である。
(2) Z 上の3次正方行列 A の単因子が (1,1,1) ならば
A は Z 上 の行列として可逆である。
(3) 次の整数行列の単因子を求めよ。
(問題)
R 加群 M が有限個の元からなる生成系を持つとき有限生成であるという。
(1) R 加群 M が有限生成ならば、
その部分加群 N も有限生成である。
(2) 下の整数行列 A は B の初等変形である。
(3) 下の整数行列 A の行列式因子を求めよ。
(問題)
Zn は 有理整数環 Z の n が生成するイデアル
nZ による剰余環であり + は Z 加群としての直和を表す。
(1) Z4 + Z6 と Z24
は Z 加群として同型である。
(2) Z8 + Z25 と
Z200
は Z 加群として同型である。
(3) 位数が 96 のアーベル群は同型をのぞいて いくつ存在するか。
(問題)
(1) 「位数が n のアーベル群は同型をのぞいてちょうど 3つ 存在する」
をみたす自然数 n は無限に存在する。
(2) 「位数が n のアーベル群は同型をのぞいてちょうど 100個 存在する」
をみたす自然数 n は存在しない。
(3) 7で割ると 2 余り、8で割ると 3 余り、9 でわると 5 余るような整数は、
1000から 2000の間にいくつ存在するか?
(問題)
複素数上の n 次正方行列 A と B に対して、次に答えよ。
(1) A と B が相似であるための必要十分条件は
A と B の Jordan 標準形が一致することである。
(2) A と B が ともに対角化可能ならば、AB も対角化可能である。
(3) 次の行列 A の最小多項式の次数を求めよ。
( A の最小多項式とは f(A)=O を満たす次数最小の
多項式 f(X) ∈ C[X] である。)
1 | 0 | 1 | 0 | -1 |
0 | 1 | 0 | 1 | -1 |
0 | 0 | 1 | 0 | 0 |
0 | 0 | 0 | 1 | 0 |
0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
(問題)
複素数上の n 次正方行列 A と B に対して、次に答えよ。
(1) A と B が相似ならば、最小多項式は一致する。
(2) A と B の最小多項式が一致すれば、A と B は相似である。
(3) 次の行列の最小多項式の次数を求めよ。
1 | 1 | 1 | 1 | 1 |
0 | 1 | 1 | 1 | 1 |
0 | 0 | 1 | 1 | 1 |
0 | 0 | 0 | 1 | 1 |
0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
(問題)
複素数上の n 次正方行列 A に対して、次に答えよ。
(1) A の最小多項式が X2-1 ならば、 A は対角化可能である。
(2) A の最小多項式が (X-1)2 ならば 、A は対角化可能である。
(3) 次の行列の最小多項式を求めよ。
( A の最小多項式とは f(A)=O を満たす次数最小の多項式 f(X) ∈ C[X] である。)
1 | 1 | 0 | 0 | 0 |
0 | 1 | 0 | 0 | 0 |
0 | 0 | 1 | 0 | 0 |
0 | 0 | 0 | -1 | 1 |
0 | 0 | 0 | 0 | -1 |