極大 と 最大 について、
英語の Text の中にあった「 maxmal subgroup 」という言葉を学生が
「 最大の部分群 」と訳したので「 極大部分群 ですね 」と訂正しました。
あまり、しっくりしないようでしたので。
「 最大は全てのものより大きいもの、
極大はそれより大きなものはないものです。
この場合は包含関係が大小関係ですね。」といいました。
正確な定義は次の通りです。
(包含関係による)順序集合 X において
「 a が最大であるとは b ⊆ a for ∀ b ∈ X 」
「 a が極大であるとは b ∈ X に対して a ⊆ b ならば b = a 」
極小、最小もまったく同様に定義できます。
黒板に書いた、二つの定義をみくらべて、
「どう違うんですか?」ときくので、
同じではない例を一つあげることにしました。
もう一つ、よく間違えられるのが「最大公約元」です。
小学校の算数では「二つの自然数の公約数の中で(通常の大小関係に関して)
最大のもの」を「最大公約数」ということにしているようです。
環における最大公約元も同じように考えてしまい、
最大のものをとればいいと思っている学生がけっこういる様です。
また、ゼミでのこと。
体 K に α を添加した体 K(α) の定義に
「 K の拡大体 L の元 α に対して、
K と α を含む最小の L の部分体を K(α) とかく。」
とありました。
「最小のものは必ずあるんですか?」と質問したところ、
「一番小さいものをとってくればいいです。」と答えました。
最小のものの存在は次の週までの宿題になりました。
上のことをふまえて、
ここでは、代数学概論で学んだ復習もかねていくつかのことを考察します。
最大元ではない極大元
最小の体、最小の部分群
最大公約元