平成13年度国語科分科会提案
表現愛に向かっていく子どもを育む授業と評価
1 表現愛に向かっていく子どもを育てるために
(1)表現愛に向かっていく子どもとは
今ある自分そのものを、「話す」「聞く」「書く」「読む」ことで他者とかかわり、さらに自分の内にある思いや考えを豊かに自分らしくしていこうとするとともに人間関係をも豊かにしていこうとする子どものことである。
(2)表現愛に向かっていくために(カリキュラムの考え方)
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3つの領域(横軸)
国語科の学習活動である「話す」「聞く」「書く」「読む」ことを、「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」の3つの領域にまとめて考えることにした。しかし、これらは、それぞれが独立して存在するのではなく、お互いが密接に関連しあっている。
A 子どもの育ち(縦軸)
子どもの育ちの中では、「言葉を意識して使っていこうとする時に他者を思いやる心情」と「よりよい言葉の使い方を意識して使っていける技能」の二側面が大切だと考えている。この心情と技能の二側面は、密接に関わっているものであるので、「言葉を意識して使っていく心情と技能の育ち」とも言える。これらの育ちをまとめたのが書籍○ページの表になる。
B カリキュラムを創りだす
このように、3つの領域を横軸に、「言葉を意識して使っていく心情と技能」の育ちを縦軸に設定し、それらがクロスしたところに、国語科の単元が想定されていくのである。これらの単元は、低・中・高の2学年ごとに、らせん的に繰り返し配列していくことで国語科のカリキュラムが創りだされると考えた。(書籍 ページ)
2 表現愛に向かっていく子どもを育てるための評価観
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3つの領域の中で共通のものを見る(言葉を意識する心情と技能の育ちと単元の目標から設定した評価)
先に述べたように、「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」の3つの領域は、それぞれが密接に関連しあっている。その中で培いたい「言葉を意識して使っていく心情と技能の育ち」(書籍○ページ)を共通の評価規準として設定する。そして、それらの規準を具体的な単元の内容と関連させることで、いつ、どこで、何を評価していくのかが明確になると考えた。つまり、単元の目標としては、「関心・意欲・態度」「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」のそれぞれの目標が設定されるが、それらは全く別個の評価規準をもつのではなく、「言葉を意識して使っていく心情と技能の育ち」と関連した目標を設定する。そうすることで、指導者は、共通した評価規準をもって授業に臨めることになるのである。
A 自分を認める・お互いに認め合う(全体を支える表現愛に向かっていく評価)
表現愛のねらいの中に、「自分の内にある思いや考えを豊かに自分らしくしていこうとするとともに、人間関係をも豊かにしていこうとする子ども」ということがある。すなわち、自分自身で自分の成長を感じ取ると共に、お互いの学びあいの中で生まれてくる相互の信頼関係も大切にしていきたい。
そのためには、子ども自身が、自分は、今何を目標にして、どのような手ごたえを感じとっているのかを見つめられる場が必要である。また、子ども同士の交流の中で、お互いの成長を認め合う場も必要になってくる。
これらの、自分を認めることや、お互いを認め合うことは、国語科の学習全体で常に行われておかなくてはならない。どのような単元においても指導者は意識しておく必要がある。
具体的には、子ども自身が自分の活動を振り返るような習慣をつけていくためのワークシートの工夫や、ノートの活用方法があげられる。また、単元の中で、交流活動を取り入れていくことが考えられる。これらの交流では、まず、お互いを認め合うことが前提であること。次に「だれと、いつ、どのようなことで」交流するのかを明確になっていること。前単元または、前回の交流との違いが感じられるような場を設定すること。これらを指導者が意識しておくことが大切になってくる。
また、指導者の言葉がけも、注目したい。指導者は、ただ単に、その子どものよさを取り上げるのではなく、その学年に応じた、子どもの育ちや、単元の目標、授業でのめあてに応じた発言や感想を取り上げていくことを意識しておく必要がある。そして、子どもたちが、それらのよさを意識していくことができるような声かけを心がけたい。また、そのよさを他の子どもたちに、広げていくようにしていきたい。
3 単元の評価規準設定の仕方と具体的な場面での評価(3年生の授業で)
自分と友だちとの共通点や相違点を意識するようになる子どもに向かっていく (表現愛に向かっていく)