今までの章で学んだことをもとにして,環境ホルモンについて考えてみることにしましょう。 一時,新聞やテレビで環境ホルモンやダイオキシンについて,大々的に報道されました。しかし,最近環境ホルモンということばはあまり聞かれなくなりました。あれはいったい何だったのでしょうか? この章の学習内容は,次の通りです。 (1)有機化合物 (2)脂肪族炭化水素 (3)芳香族化合物 (4)環境ホルモン
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分子が鎖状構造のものを脂肪族とよんでいます。一方,分子が環状構造のものを脂環式とよんでいます。また,ベンゼン環をもつものを芳香族とよんでいます。 私たちが毎日使っている都市ガスの主成分はメタンCH4です。 |
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脂肪族化合物には,炭素と水素以外に酸素を含むものがあります。たとえば,アルコール,エーテル,アルデヒド,ケトン,カルボン酸などです。
次に,ベンゼン環をもつ化合物を紹介しましょう。 |
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環境ホルモンとは,いったいどのような物質をさすのでしょうか。公式には「内分泌かく乱物質」と言います。生体内ホルモンの合成,分泌,体内輸送,結合,作用あるいは分解に介入することによって生体の恒常性の維持,生殖,発達あるいは行動に影響を与える外来物質と定義されているいるようです。少し,難しいですね。つまり,私たちの内分泌系を乱し,私たちの子孫にまで悪い影響を及ぼす有害物質と言うことです。具体的にはダイオキシンが有名ですが,ダイオキシンという物質はありません。正確にはダイオキシン類と言います。ダイオキシン類にはポリクロロジベンゾ-p-ダイオキシン類(PCDD)とポリクロロジベンゾフラン(PCDF)があります。PCDDには75種類,PCDFには135種類の物質が存在します。 |
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これらのダイオキシン類で最も強い毒性を示すのは,炭素の2,3,7,8の位置に4個の塩素がついたPCDDです。これは,2,3,7,8-テトラクロロダイオキシン(TCDD)とよばれており,これまで人間がつくりだした化合物の中でも最も少ない量で毒性を示すと言われています。 それでは,この章の学習内容を確認しましょう。
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答
1.炭素を含む化合物。ただし,CO,CO2,KCNなどのシアン化物,CaCO3などの炭酸塩は無機物。
2.脂肪族炭化水素
3.芳香族炭化水素
4.内分泌かく乱物質