有機化合物は難しいと思っている人がいますが,そのようなことはありません。少しずつ慣れていくことが大切です。まず,実験を楽しむことにしましょう。しかし,有機化合物の実験では,濃硫酸を使ったり,引火性の溶媒を使うことが多いですね。反応も,少し時間がかかるものが多くなります。実験では,注意点をよく守り,間違いのないようにして下さい。 この章では,メタンCH4,エチレンC2H4,アセチレンC2H2の性質を調べる実験を紹介します。これらの物質は,常温では気体です。
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エチレンは,次の方法でつくってください。160℃がポイントです。
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アセチレンは,次の方法でつくってください。
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これで準備が整いました。それぞれの炭化水素の性質を調べます。まず最初は燃え方の違いを調べましょう。ろうそくの炎は黄色で,明るいですね。これは,ろうが炭素を多く含んでいるからです。水素が燃えても黄色い炎を出しませんね。したがって,炎の色で炭素含有量の多少がわかるのです。また,炭素を多く含んでいるものは,燃えるときにすすを出します。 |
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実験結果の確認をしましょう。
エチレンやアセチレンのように不飽和結合をもっている物質は,臭素の付加反応が起こります。したがって,臭素分子の色(赤褐色)が消えるのです。しかし,アセチレンに臭素水を入れても臭素分子の色が消えないことがあります。二重結合への付加の方が速いのですね。 それでは考察です。 |
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この章の実験のポイントは,次の通りです。
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