この章では,アルデヒドについて学びます。アルデヒドaldehydeとは,アルコールal(cohol)から水素hydrogenを除いた(de)ものという意味です。第1級アルコールを酸化するとアルデヒドになりましたね。アルデヒドといえば還元性です。銀境反応やフェーリング液の還元が有名です。アルデヒドの還元性を中心に進めていきましょう。
(1)アルデヒド (2)アルデヒドの性質 最初はカルボニル基とアルデヒド基についてです。 |
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ホルムアルデヒドHCHOやアセトアルデヒドCH3CHOなどは水によく溶けます。極性分子なのですね。 |
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以前にも説明していますが,ビニルアルコールCH2=CH(OH)は不安定で,すぐにアセトアルデヒドCH3CHOに変化します。また,水銀公害の問題のため,現在ではエチレンの酸化によってアセトアルデヒドがつくられています。 くどいようですが,アルデヒドといえば還元性です。アルデヒドの還元性による銀境反応やフェーリング液の還元について,詳しくみていくことにしましょう。 硝酸銀水溶液にアンモニア水を加えると何ができましたか。水酸化銀ではなかったですね。酸化銀Ag2Oの沈殿ができます。さらにアンモニア水を加えていくとその沈殿が消えましたね。アンモニアの錯イオンであるジアンミン銀(I)イオン[Ag(NH3)2]+ができたからですね。 |
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酒石酸C2H2(OH)2(COOH)2の名前は,ぶどう酒醸造の際にできる沈殿物である酒石からきています。そしてフランスのパスツールをはじめ,多くの化学者の研究のテーマになったのです。詳しいことは光学異性体ところで扱いますが,化学の進歩に貢献した物質であると覚えておいてください。 それでは,この章の学習内容の確認です。
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答
1.アルデヒド
2.カルボン酸
3.銀が析出する
4.赤色の酸化銅(I)が沈殿する
5.ホルムアルデヒドと水
6.緑色