この章では,サリチル酸の性質を調べる実験や,サリチル酸メチル,アセチルサリチル酸の合成の実験を紹介します。 実験の途中で,きっとよく知っている「におい」が登場します。
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実験結果を確認しましょう。 サリチル酸は冷水に溶けにくいですが,温めると溶けるようになります。フェノールよりも親水性の効果が大きいと考えることができます。また,サリチル酸の水溶液は酸性で,塩化鉄(III)水溶液を加えると赤紫色に呈色します。 |
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実験結果を確認しましょう。 4ではCO2を発生しながら溶けますから,サリチル酸の方が酸性が強いことがわかります。また,塩酸を加えると,炭酸水素ナトリウムとの反応で気体(二酸化炭素)を発生し,サリチル酸の結晶が析出します。サリチル酸の塩が遊離するからです。しかし,加える塩酸が少ないと,結晶が析出しません。二酸化炭素が出なくなるまで塩酸を加えた方がよいですね。
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実験結果を確認しましょう。 強い芳香をもった無色の液体ができましたね。これは知っているにおいです。さて,何のにおいでしょう? 消炎鎮痛剤のにおいですね。消炎鎮痛の湿布やぬり薬には,サリチル酸メチルが含まれています。 炭酸水素ナトリウムは未反応のサリチル酸や硫酸と反応して,二酸化炭素が発生します。このとき,サリチル酸メチルは油状になって,ビーカーの底で分離しています。 |
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実験結果を確認しましょう。 白色の針状結晶が得られます。これはアセチルサリチル酸です。アセチルサリチル酸は解熱鎮痛剤に用いられています。アセチルサリチル酸はフェノール類でなくなっているため,塩化鉄(III)水溶液を加えても,呈色反応を示しません。 それでは,考察です。 |
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薬として使っている物質の中には,案外簡単に合成できるものがあるのですね。意外に思った人も多いのではないでしょうか。 この章の実験のポイントは,次の通りです。
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