墨汁,インキ,絵の具,牛乳に共通していることは何だと思いますか?実はこれらはいずれもコロイド溶液とよばれているものです。では,コロイドとは何でしょうか。
この章の学習内容は,次の通りです。 (1)コロイド (2)チンダル現象 (3)ブラウン運動 (4)透析 (5)電気泳動 (6)凝析 (7)塩析 非常にたくさんありますが,がんばって勉強しましょう。 それでは,コロイドについて説明することにしましょう。 |
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雲のすき間から光の道筋が燃えることがありますね。どうしてこのような現象が起こるのでしょうか。実は光の散乱が起こっているのです。普通の粒子でもわずかに散乱しますが,コロイド粒子に比べるとずっと弱いようです。 |
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次はコロイド粒子が不規則に動くブラウン運動という現象です。実はブラウンは,化学者ではなく植物学者です。植物学者の彼がどうしてブラウン運動を発見したのでしょうか。彼は顕微鏡を使って花粉の観察をしていたようです。彼が見たのは植物の花粉から生じた微粒子であると考えられます。 |
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人工透析という言葉を聞いたことがあるでしょう。腎臓の機能が低下すると,血液をきれいな状態にもどすことができなくなるようです。そこで,人工的に血液をきれいな状態にする操作を人工透析といいます。現在では老廃物を分離する機能をもった高分子の中空が使われているようです。 |
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コロイド粒子の多くは電荷をもっています。したがって,同じ電荷をもつコロイドどうしは反発し合い,大きな粒子になることを防いでいるのです。コロイド粒子が電荷をもっていることは,電気泳動の実験で確かめることができます。 |
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コロイド粒子は電荷をもっているため,大きな粒子になることができません。では,その電荷を取り除いたらどうなるでしょうか。泥水中では粘土がコロイド粒子として分散しています。粘土は負の電荷をもったコロイドです。この泥水が海水に出会うと海水のイオンによって電荷を失います。すなわち,粘土が大きな粒子となって沈殿するわけです。河口にできる三角州は,この凝析が原因の1つです。 |
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私たち日本人の食文化に豆腐は欠かすことができませんが,ではどのようにしてつくっているか知っていますか。水につけて軟らかくした大豆をすりつぶして加熱し,布でこすと豆乳とおからに分けることができます。豆乳にカルシウム塩などを加えると沈殿して固まります。これが豆腐です。水との親和力が大きい親水コロイドに多量の電解質を加えると沈殿する現象を塩析といいます。 |
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疎水コロイドに親水コロイドを加えると,疎水コロイドは親水コロイドでおおわれ凝析しにくくなります。このようなはたらきのある親水コロイドを保護コロイドといいます。例えば墨汁にはニカワ,インキにはアラビアゴムを加えていますが,これらが保護コロイドとしてはたらいているのです。 それでは,この章の学習内容を確認しましょう。
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答
1.チンダル現象
2.ブラウン運動
3.電気泳動
4.価数
5.疎水コロイド
6.親水コロイド
7.塩析
8.保護コロイド