過酸化水素を触媒を使って分解すると,水と酸素になります。この反応で発生した酸素の体積から,反応速度を求めることができます。 この章の学習内容は,次の通りです。 (1)水蒸気圧の影響 (2)分解された過酸化水素の物質量 (3)過酸化水素水の濃度の変化量 (4)反応速度 それでは,最初に水蒸気圧の影響のついて検討しましょう。
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有効数字2桁で計算しますから,水蒸気圧の影響は無視できませんね。 それでは,分解された過酸化水素の物質量を求めてみましょう。過酸化水素の分解では,2molの過酸化水素から1molの酸素が発生します。したがって,一定時間に発生した酸素の体積の実測値をもとにして,水蒸気圧も考慮し,理想気体の状態方程式から酸素の物質量を計算します。求めた酸素の物質量を2倍すると,分解された過酸化水素の物質量になります。 |
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次に過酸化水素水の濃度の変化量を求めることにしましょう。 過酸化水素水4.0mL に塩化鉄(III)水溶液1.0mL 加えていますから,水溶液の体積は5.0mL になっています。したがって,濃度の変化量は分解された過酸化水素の物質量を体積で割ればよいことがわかりますね。水溶液の体積は5.0mL ですが,1/1000倍してL の単位にすることを忘れないようにして下さい。 |
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それでは,反応速度を求めることにしましょう。過酸化水素水の濃度の変化量を時間で割ります。時間は30秒です。 |
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温度が一定のとき,6%の過酸化水素では,0.011mol/(L ・s)ですが,3%では0.0047mol/(L ・s)になっています。確かに,反応物の濃度が大きくなると,反応速度は大きくなっていますね。 濃度が一定のとき,29℃では0.011mol/(L ・s)ですが,40℃では0.030mol/(L ・s)になっています。確かに,温度を上げると,反応速度は大きくなっています。 それでは,この章の学習内容を確認しましょう。
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答
1.2倍
2.酸素の分圧,体積,温度
3.体積
4.時間