アミノ酸にはいろいろな種類があります。タンパク質を構成するα-アミノ酸は,約20種類が知られています。今日は,その中で最も構造が簡単なグリシンとL−アラニンを使って実験を行いましょう。この章の実験によって,アミノ酸の特徴を理解して下さい。
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実験結果を確認しましょう。 1の結果は次の通りです。 (a)溶ける。(b)溶ける。(c)溶けない。 このことより,アミノ酸は水に溶けるが,ヘキサンのような有機溶媒には溶けないことがわかります。水は極性溶媒,ヘキサンは無極性溶媒でしたね。 2の結果は次の通りです。 (a),(b)ともに赤紫色に変化する。 この反応を,ニンヒドリン反応といいます。ニンヒドリン反応は,ペプチド,タンパク質,多くの第一級アミン,アンモニアなどにみられる反応です。グリシンでは,アミノ基が関係しています。
3の結果は,次の通りです。 pH試験紙→塩基性を示す。 濃塩酸との反応→白煙が生じる。 発生した気体は,水溶液が塩基性で塩化水素HClと反応すると,白い固体ができるものですね。発生した気体はアンモニアNH3です。 4では気泡を生じながら炭酸水素ナトリウムが溶けます。発生する気体は二酸化炭素CO2です。これより,アラニンは炭酸より強い酸性の基があることがわかります。この基は,カルボキシル基−COOHですね。 |
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実験結果を確認しましょう。 グリシンよりアラニンの方が高く上がります。したがって,ペーパークロマトグラフィーによりグリシンとアラニンを分離することができます。 それでは考察です。 |
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この章の実験のポイントは,次の通りです。
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