タンパク質は英語でproteinといいます。この語源は,ギリシャ語のproteiosで,第一の性質という意味のようです。昔から大切なものという認識があったのでしょうか。
この章の学習内容は,次の通りです。 (1)ペプチド結合 (2)タンパク質の構造 (3)いろいろなタンパク質 それでは,ペプチド結合から勉強しましょう。 |
|
アミノ酸がペプチド結合によってつながり,鎖状の高分子化合物ができます。これがタンパク質ですね。しかし,天然のタンパク質をつくっているアミノ酸は,すべてL型でしたね。L型のアミノ酸がつながっていくと,どのようなかたちになるのでしょう。MOPACを使って分子モデルをつくってみましょう。 最初はL-アラニンをつないでみましょう。
なんだか,ねじれた感じがしませんか。 次は,L-フェニルアラニンをつないでみましょう。
これだと,らせん構造がはっきりしますね。 最後に,実際にあるトリペプチドをつくってみましょう。
グルタチオンとは,L-グルタミン酸HOOCCH(NH2)CH2CH2COOH,L-システインHOOCCH(NH2)CH2SH,グリシンHOOCCH2NH2がつながったトリペプチドで,生体内における酸化還元に重要な役割を果たしています。グルタチオンをG-SHと表しますと,酸化型グルタチオンはG-S-S-Gの形になります。 |
|
タンパク質を構成するアミノ酸の配列順序をタンパク質の一次構造といいます。また,α-ヘリックスやβ-シートなどのような部分的な立体構造をタンパク質の二次構造といいます。さらに,分子内原子の三次元的な構造をタンパク質の三次構造といいます。 タンパク質を酸で加水分解すると,いろいろなアミノ酸を生じます。また,アミノ酸だけではなく,糖類や色素,核酸,脂質,リン酸なども生じることがあります。 |
|
タンパク質の構造は複雑ですが,コンピュータの発達によって,多くのタンパク質の構造が解明されています。 それでは,この章の学習内容を確認しましょう。
|
答
1.ジペプチド
2.ペプチド結合
3.α-ヘリックス
4.水素結合やジスルフィド結合