この章では,合成繊維の6,6-ナイロンと,再生繊維の銅アンモニアレーヨンを合成する実験を紹介しましょう。 6,6-ナイロンは,アジピン酸とヘキサメチレンジアミンを使って合成します。しかし,脱水剤が必要ですので,今日の実験ではアジピン酸ジクロリドCl-CO-(CH2)4-CO-Clを使います。これを使えば,水ではなく塩化水素ができます。塩基の水溶液を使えば,塩化水素は中和されますね。したがって,反応がうまく進むことになります。化学平衡のところで学びましたね。 銅アンモニアレーヨン(キュプラ)はセルロースをシュワイツァー試薬(銅アンモニア溶液)に溶かし,それを希硫酸中に通してつくります。つまり,セルロースが再生するわけです。
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実験結果を確認しましょう。 試験管に巻き取っても,6,6-ナイロンが次々にできてきますね。おもしろいでしょう?水洗いしながらナイロンを少し引き延ばすと,より丈夫な繊維になります。でも,あまり強く引くと,切れてしまいますよ。 次は,銅アンモニアレーヨンの合成です。 |
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実験結果を確認しましょう。 脱脂綿は溶けて,粘性のある深青色の溶液ができましたね。希硫酸中に移すと,繊維になりました。 硫酸銅(II)五水和物が水に溶けると,次のように電離します。
それでは,考察です。 |
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この章の実験のポイントは,次の通りです。
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