この章では,ゴムについて学びましょう。本校の化学講義室の後ろに鉢植えのゴムの木があります。以前,あのゴムの木からラテックスを採取しようとした生徒がいました。おかげで,ゴムの木は傷だらけになってしましました。 この章の学習内容は,次の通りです。 (1)天然ゴム (2)合成ゴム (3)ゴムの弾性 ゴムは伸び縮みが特徴ですね。分子の構造に注目しましょう。
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トランス型ポリイソプレンをグタペルカとよびますが,これは硬いのでゴルフボールの外皮や歯科用充填材などに利用されます。 加硫によって,架橋構造ができますが,それにより弾性や強度が大きくなるそうです。硫黄が5%以下では軟質ゴムです。30%以上ではエボナイトになります。 次は合成ゴムです。 |
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ブタジエンゴムBRはタイヤやホースなどに使われています。 クロロプレインゴムCRはコンベアーベルトなどに使われています。 スチレン−ブタジエンゴムSBRはタイヤやホース,パッキングなどに使われています。 アクリロニトリル−ブタジエンゴムNBRはガソリンホースなどに使われています。 シリコーンゴムQはほ乳瓶の乳首などに使われています。 最後におもしろい実験を紹介します。 ガラス管の中には,輪ゴムをつないだものが入っており,輪ゴムの下にはおもりを吊しています。このガラス管の中を,氷水と熱湯を通すと,おもりの位置はどのようになるでしょうか。 氷水を通すと,ゴムは伸びます。逆に,熱湯を通すと,ゴムは縮みます。不思議な気がしませんか?冷やすと伸びるのですよ。また,温めると縮むのですよ。 |
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ゴムの弾性を示す高分子化合物は,鎖状分子で,分子の対称性が悪く,室温付近では複雑に曲がりくねった構造をとる特徴があります。理由がわかっていても,温度を上げると縮むというのは,やはり不思議な気がしますね。 それでは,この章の学習内容の確認です。
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答
1.イソプレン
2.グタペルカ
3.硫黄
4.H2C=CH−CH=CH2
5.H2C=CCl−CH=CH2
6.縮む