修士論文・卒業論文
 
自主的に、もしくはせつかれながらも、井上研究室で学んだ大学院生の修士論文と学部学生の卒業論文の題目である。労作もあれば、突き返したいようなものもわずかにあるが、一年間かけて仕上げた、大学生活の結晶である。課題に真摯に取り組み、格闘し、やり抜く過程においてしか知り得ない、体得できない、何者かを掴む。これから井上研究室で学んでみようと思う無謀な人は、ここでどんなことができるのかを確認してください。やるのはあなたですから、たいがいどうぞお好きにと言うのだが。要は、問題(課題)をしっかりと見定めて、研究方法を整えて、調査を実行し、調査資料を大切に、記述の体系を調えて叙述する。必要に応じてフィードバックしながら軌道修正し、課題解決の手順を踏んでいく。先行論文に目配りし、授業時の小発表、研究発表会での意見を受けとめながら、自主的に考えぬく。そして書きぬく。
 
はまなすの花
 
連絡のなくなった人、年賀状ぐらい書いてくれ。ずいぶん叱ったけど、老婆心からの「愛情」だぞ。便りのないのはいい知らせとはいうものの、卒業してからの時折の近況報告が、教師としてはうれしいもの。
 
−−修士論文−−
平成15年度
 新子慶行  吉野川流域における方言性向語彙の研究 ─方言地理学の観点から─
 
平成14年度
 石川香代子 宮崎県諸県方言に於ける方言性向語彙の研究 ─体系性と世代差を中心に─
 辻野弘恵  大阪府と京都府に於ける性向語彙の比較研究 ─性向語彙の地域性を視座として─
 
平成12年度
 大福倫代  讃岐方言における生業語彙の研究 ―香川県大野原町の農業・林業・漁を中心に―
 范 傑    台湾における若者の日本語意識の研究 
 松下久美子 神戸方言における数量程度を表す副詞語彙の研究 ―意味論的分析を中心に―
 
平成10年度
 宇野 浩  京都府丹波地方における「て」敬語法の実態と変容の研究 
         ―5要地比較を通して―
 仲慎一郎  TVドラマにおける大阪弁の研究 ―文体論的な見地から―
 朱家紅   擬音・擬態語についての中国語と日本語の比較
 
平成9年度
 政本澄人  日常生活に於ける外来語の研究 ―使用語彙化するものの特質―
 ORESTIS SOIDI 日本語とインドネシア語における受身表現の対照言語学的研究
 
平成6年度
 落合真記  大阪府方言に於ける語の意味の研究 ―方言地理学的観点から―
 
 
−−短期留学生−−
平成10年度
 劉 徳萍  現代日本語における複合助詞についての研究 
         ―複合接続助詞「からといって」「とはいうものの」「とはいえ」
         「と(は)いっても」を中心にして―
 
 
−−卒業論文−−
平成15年度
 川良伸一  若者層におけるあいさつ表現の研究 −大阪教育大内における調査から−
 北森啓史  学校における呼び掛け呼称が果たす役割についての研究
          −小学校・中学校・高等学校の教師・児童・生徒の実態調査から−
 三谷翔平  大阪在住の若者層の性向語彙研究
 
平成14年度
 近藤素彦  奈良県天理市の性向語彙についての研究
 鈴木孝善  飲食店における接客言語行動の研究 −回転寿司屋のアルバイターを対象に−
 畠本夏海  広告キャッチフレーズの分析
 牧野勇介  テレビスポーツ実況中継における言語表現の研究 
          −ワールドカップサッカーの実況中継から−
 村上恵子  上方漫才の特徴と、そこに使用される関西弁の関係について
          −漫才における関西弁の果たす役割−
 片山真美子 兵庫県芦屋市の中学生の会話研究 −学校生活における方言使用実態−
 松本加奈子 若者語の使用と言語意識の実態研究 −大学生と高校生の比較を中心に−
 阿部真理子 遊びことばからみる現代の子どもの遊び 
          −神戸市立小寺小学校における実態調査からの考察−
 中村悦朗  関西若者携帯メール言葉研究
 須貝 望  大阪弁の新しい標準的スタイルの研究 −若者層における標準語の干渉から−
 吉澤智子  三重県伊賀方言における助詞・助動詞研究 −伊賀七市町村の比較を中心に−
 高窪千枝  奈良県旧上龍門村地域の林業語彙体系 
          ─上龍門のヤマイキサンことばを中心に─
 
平成13年度
 新子慶行  大阪附能勢町における「チャ敬語法」の研究
 八田祐一  熊本県八代市敷川内町の方言の社会言語学的研究 
           −民俗歴史的側面をふまえて−
 寺内史人  若年層と老年層における敬語意識と敬語使用の実態研究
 山内理恵  大阪府泉南市における方言文末詞の記述的研究
 
平成12年度
 池上のぞみ 高知県における子どもの遊び唄─東ことば地域と西ことば地域の比較を中心に─
 吉川万世  身体着脱語彙の研究─香川県高松市における若年層・中年層・老年層の比較を中心に─
 安部明直  兵庫県明石市における言葉の変遷  ─年層差に着目して─
 澤田芙貴子 兵庫県南東部におけるハル敬語の研究 
          ─地域差と年層差から見るハル敬語使用の実態と意識について─
 石川香代子 宮崎県諸県地方方言の挨拶言葉について─老年層を中心に─
 岡元直樹  若者語の使用状況と使用者の環境についての社会言語学的研究 
          ─奈良県北葛城郡・香芝市の場合─
 
平成11年度
 中橋諭史  大阪府河内方言の研究
         ─八尾市における老年層、若年層のアクセント体系の実態について─
 岩谷志保  若年層と老年層における敬語使用の実態研究
          ─大阪府羽曳野市における両年層の比較を中心に─
 高本明子  方言類義語についての研究 
          ─広島県安芸郡江田島町小用港周辺における疲労表現─
 樋口久美子 商品の命名法についての研究 ─化粧品名を中心に─
 寳来良子  明石方言の研究 ─老年層と若年層の会話表現を比較して─
 森 真紀  商売の場面における大阪方言の研究
 森本啓二  南河内方言における子どもの遊び言葉の地域性 ─「じゃんけん」を中心に─
 
平成10年度
 柳浩太郎   「名張ことば」における文末詞の研究
 山崎陽子  福井県若狭方言の研究 ―若狭西部地方を中心に―
 松下久美子 類義語の研究 ―神戸市北区山田町における数量を表す程度副詞を中心に―
 木村智規  奈良県曽爾村・御杖村における待遇表現法の変容
 大井愛子  和歌山県由良町方言の研究 ―衣奈地区の漁業語彙を中心に―
 大福倫代  香川県と愛媛県の県境における方言の分布
          ―大野原町、豊浜町、川之江市における方言地理学的研究―
 
平成9年度
 石橋真美  大阪和泉方言に関する研究 ―和泉市におけることばの実態を中心に―
 大岸奈央  大阪における若年層の性向語彙研究
 仁田原隆志 移住による言語変化の研究 ―肥筑方言域から大阪方言域への移住―
 水ノ上大樹 日常的談話における話題の移行と展開
 横関滋徳  テレビスポーツ中継における実況の役割
 佐藤知彩  意図的カタカナ表記における研究 ―各種雑誌における読者投稿欄より―
 佐々木めぐみ 福井県嶺北方言における若年層の会話表現の研究
 
平成8年度
 中内健喜  兵庫県と岡山県との県境南部域におけるアクセントの記述的研究
          ―京阪式アクセントと東京式アクセントとの対立を中心として―
 野場大策  関西人の関西の言葉への意識―関東の言葉への意識と比較して―
 宇野 浩  兵庫県宍粟郡山崎町河東地区における「て」敬語法の体系」
 仲慎一郎  TVドラマにおける大阪弁についての考察
 米今一正  若者の会話における助詞の使用について
 中田有美  淀川流域における子どもの遊び言葉 ―じゃんけんを中心に―
 
平成7年度
 竹内瑞絵  形容詞「アマイ」の意味について 
          ―愛媛県東予市方言と大阪府枚方市方言の地域差と世代差―
 牧田真由子 話し言葉における若者のオノマトペ ―堺市方言をもとに特定分野について―
 金 知花  在日朝鮮人1世の言語特徴 ―日本語による話し言葉を中心として―
 安田哲雄  コテコテ大阪弁の実態 ―日常会話に見られるコテコテ大阪弁―
 仲村典子  大阪府南河内郡太子町において生き残ることばと消えいくことばの研究
          ―太子町方言における形容詞と形容動詞を中心に―
 山口貴明  プロ野球実況中継のラジオとテレビにおける言語表現の違いについて
 
平成6年度
 政本澄人  日常生活語にとり入れられる外来語の研究
 西川欣伸  家庭内における語アクセントの異相とゆれの要因
 津田真由美 大阪における子どもの遊び唄に見られる地域性 
          ―ジャンケン・手遊び唄・なわとび唄を中心に―
 鶴原佳世  島根県仁多町方言における子どもの遊びことばの研究
 瀬尾智宏  感動を誘うプロレス実況の研究
 安西千絵  兵庫県明石市における語アクセントの変容
 寺岡裕芳  会話文における現代の若者の言語意識
 横田久美子 小説における大阪のことばについての考察
 塚西真紀  西宮・丹波篠山間におけるアスペクト表現の地域性 
          ―グロットグラムを用いて―
 
平成5年度
 小谷有美  広告キャッチフレーズの表現特性についての研究
 堀井克美  商品の命名法と変遷についての研究 ―電化製品名を中心に―
 勝林美子  奈良市における待遇表現法の変容
 菅 光徳  播州東条と神戸市における敬語表現法の比較
 宮本吉庸  大阪方言域の子どもの言葉の研究 ―新旧住宅地の観点から―
 泉谷 剛  話芸としての「しゃべくり」の構成
 深山泰利  兵庫県加西市における農業語彙の体系的研究
 川上誠治  泉州弁の地位 ―方言イメージを中心に―
 落合真記  大阪府方言における方言類義語の意味の記述
 貴志幸司  和泉岸和田方言の記述的研究
 安川淳二  司馬遼太郎の時代小説における会話文の研究
 吾郷美喜  出雲地方における方言の変化―老年層と若年層の比較を通して―
 江川克弘  和歌山市における若年層の言葉の変容について 
          ―老・中年層との比較を通して―