◆ぶどう
果実が樹に着生したまま食べごろまで待つことを「成熟」、果実がいったん樹から切り離された後に食べごろまで待つことを「追熟」という。
追熟は未熟なときに収穫された果実が、呼吸の上昇、エチレン排出などとともに酵素活動が盛んになり、軟化の進行、糖、酸および香の変化を伴い可食に達する現象である。しかし、適温でのみ進行し、低温や高温条件下では進行はみられない。エチレンは果実中で追熟への代謝転換を生ずるときに合成され、追熟・老化への引き金的役割をもつ。また、果実・野菜が傷害を受けたときにも排出が認められ、品質低下を早める原因ともなる。1)
●成熟
完熟したものを採取し、その直後が食べごろのもの・・・ぶどう いちご 日本なし 桜桃 びわ
●追熟
1.樹に着生しているときには完熟せず追熟により初めて食べごろになる・・・せいようなし キウイ メロン パパイヤ マンゴー
2.未熟のものを輸送などの追熟期間を経て食べごろにさせる・・・ばなな もも すもも
3.収穫後一定の期間経過したほど食べごろになる・・・なつみかん はっさく いよかん ぽんかん 温州みかん グレープフルーツ 柿
ぶどうは完熟したものを収穫し、その直後が食べごろになる。成熟過程において徐々に全糖が増え、収穫期には最大となる。(図1)

図1 ぶどうの成熟と発酵の過程における全糖の含量
(資料:果実の生理 生産と利用の基礎 苫名孝著 蒲{賢堂)
せいようなしは樹に着生しているときには完熟せず追熟により初めて食べごろになる
2〜5℃で10日間予冷し、その後15℃で15日前後の追熟を行う。
追熟過程においては糖度の増加傾向があり(図1)、酸味成分であるリンゴ酸は日数を経るとともにやや減少する(図2)。
また、軟化の進行もある(図3)。

図1 せいようなしの追熟過程における糖度の変化

図2 せいようなしの追熟過程におけるリンゴ酸含有率の変化
*リンゴ酸・・・酸味成分

図3 せいようなしの追熟過程における果肉硬度の変化
(資料:最新商品加工講座 果実とその加工 褐兆蜴ミ)
温州みかんは収穫後一定の期間経過したほど食べごろになる。そして、成熟により糖類は増加する(図1)。

図1 成熟に伴う温州みかんの糖類の変化
参考文献
1) シリーズ食品の科学 野菜の科学 高宮和彦編 朝倉書店
2) 果実の生理 生産と利用の基礎 苫名孝著 蒲{賢堂
3) 最新商品加工講座 果実とその加工 三浦洋、荒木忠治著 褐兆蜴ミ