Karl Heinrich Pölitz (1772 - 1838): Jean Pauls Geist oder Chrestomathie der vorzüglichsten, kräftigsten und gelungensten Stellen aus seinen sämtlichen Schriften (1801) 4.Aufl. 1821
マクス・コメレル『ジャン・パウル』抄訳
いまから10年以上も前、修士論文を書き終えたときに、コメレルのジャン・パウル論を読み始めた。1933年に書かれたこの論文は、それ以降のジャン・パウル研究を決定的に方向づけた、といわれるくらいものすごい論文である。ちょっと読んでみると、ジャン・パウルその人を向こうにはって(かどうかは知らないが)、もう凝りに凝った文章がならんでいる。わたしのドイツ語能力ではとても歯が立ちそうになかったが、とりあえず、とにかく辞書を引いて、字義どおりに翻訳し、ルーズリーフに書き取ってみることにした。ノートの最初の方は、今、読み返してみても、なにが書いてあるのかちっとも分からない代物である。しかし、作業は無駄ではなかった(と思う)。そうやって翻訳しているうちに、だんだん文意が取れるようになってきたのである。結局、この作業は一年半あまりつづき、最後の二章を残して中断。両面にぎっしり書き込まれた251枚のルーズリーフがその成果だった。なんというか、これはやはり、奇跡的な体験だった(少なくとも、わたしにとっては)。
ここで公表するのは、別の機会に訳した最後の一章である。初めて読んだときよりは、多少、ドイツ語が読めるようになったつもりだが、それでもきっと誤訳があるだろう。
(準備中)