作文評価

この課題は、作文教育メーリングリストに井上秀喜さんが投稿した「中学2年 中間テスト 課題作文」をもとに始まった。

 みなさん、こんにちは。山梨の井上秀喜です。ただ今、中間テストの採点中なのですが、次のような作文の問題を出しました。
 生徒の実際の作文を次のメールで、お送りしますので、みなさんなら、どのような評価をなさるか、ご意見などをいただけると、とても助かります。
 評価研究会で、A・B・C・Dの四段階で作品評価をするとよいということだったので、私が考える四段階に、作品を分けて、提示してみます。
 
【作文問題】
 ある新聞に、次のようなAさんの投書が掲載された。これを読んで、Aさんの投書に答える文章を正しい原稿用紙の使い方にしたがって書きなさい。あとの書く時注意することにも気をつけること。字数は、二百字以内。
〈Aさんの投書〉
 私は中学一年生です。新学期のはじめに、「一日一善」という目標を立てて、毎日何かよいことをしようと考えました。しかし、いざそれを実行してみると、することがなかなか見つからず、とても毎日なんて、続けられそうにありません。何かよい方法はありませんか。
《書く時の注意点》
採点の目安
《内容と字数などがある程度満足できるものには十三点。内容も字も丁寧で、いうことなしという作文は十五点です。》
井上秀喜
井上さんが提示したのは、井上さんの4段階評価が付いた作文だったので、評価をはずして、シャッフルした作文群をプリントで提示し、優秀と思う作品2つを選び出させ、理由を書かせた。

 それを集計して、学生たちが選んだ優秀作を得票数順に並べたのが次のリストである。

27票 ( 4) 《小さな親切から》
 毎日、人の役に立つ事を見つけて実行するのは、むずかしい事だと思いますが、その事を目標だから良い事をするという事では意味がないと思います。もし、困った人がいても目標が「一日一善」ではなかったら助けないのでしょうか?良い事は探すのではなく、自分の目で見つける物だと思います。回りを見ればきっと、小さな親切が見つかると思います。そうじを手伝うだけでもいいと思います。小さな親切から始めてみてはどうですか?
21票 (13) 《自分の事だけじゃなく、まわりの事も》
 私もむずかしいと思います。でもきっとする事は必ずあると思います。どんな小さな事でもいいと思うからです。
 たとえば、給食の時の協力班を手伝ったり、うるさい人を注意したり、困っている人に話しかけてみたりと考えればたくさんあると思います。大きな事から小さな事まで、自分の出来る範囲で探してみて下さい。自分の事だけでなくまわりの事もみれるようになればできるんじゃないかと思います。
20票 (19) 《自分がしてもらって……》
 とてもいい目標だと思います。しかしそれを続けるのはたしかにむずかしいことですね。しかし、「一善」とは、自分がなにかをして相手によろこばれるようなことです。そこで、自分がしてもらってうれしいことをよく考えてみましょう。いろんなしんせつがうかぶと思います。それを、見つけて、毎日毎日相手によろこばれることをしていけば続けていけるはずです。でも一番大切なのは意織です。意織を高めて、一日一善していきましょう。
16票 (20) 《こまっている人を助けよう》
 初めは、小さなことからでいいと思います。たとえば、学校で友達がこまっていたら助けてあげたり、道でおばあさんがわたれなくてこまっていれば、一緒にわたってあげるなど、自分にできる小さなことからしていけば良いと思います。毎日できそうもないとしても、こまっている人を見かけたら、自分にできる限りのことをしてあげれば良いのです。そして、そのことを毎日できるように、だんだんと習慣をつけていけば良いと思います。
11票 (16) 《リラックスすること》
 私は、目標、目標というと自分が何をすればいいのかわからなくなります。あまり、目標を意識しないで、自然に毎日をすごしていけば、「よいことはこんなことがある」と思いつくと思います。
 例えば、友達と話をしていて、友達を笑わせたとします。そして、その人が楽しいと思ったら、それはよいことと言えると思います。だから、Aさんはきっと「一日一善」を続けていけると思います。
10票 (23) 《人のために》
 Aさんはすることがないと言っていますが、よく見てみると身近な所に人の役にたてる事があると思います。例えば、今はゴミの問題などがあり、今ではあたり前のように公園などにゴミが捨てられています。環境と人のために、このような小さな事にも目をむけ、Aさんなりに身近な問題を見つける努力をすればいいと思います。そして、人のために少しでも力になれればいいと思います。
6票 ( 6) 《僕の考え方》
 僕的にはそんなに深く考える必要は無いと思います。例えば学校で忘れ物をした子がいたら借してあげるとかそういう細かい事でいいと思うんです。だから一日一善ではなく困っている人や迷ったりしている人がいたら助けてあげる。とか人を悲しめないようにするみたいに基本的ですが人として大切な事と思います。僕はこう思っています。とてもいい目標なのでがんばって下さい。応援しますよ。
6 (33) 《一日一善》
 一日一善とは、とても良い目標だと思います。毎日、毎日何か良ことを気が付いた時だけすればいいと思います。むやみに良い事をさがしてそれを行っても、おせっかいになってしまうかもしれないからです。だから、何か小さな良い事でも、その場を通りすぎないでコツコツとやっていけばいいと思います。
5票 ( 3) 《本当によいこと》
 私が思うよいこととは、大きいことからではなく小さいことからだと思います。例えば毎日、近所の人や友達いろんな人達にあいさつをすることだと思います。よいことを考え実行するのは、いいことだと思いますが、自分が毎日できるあいさつや、何かのお手伝いをコツコツしてけばいいのでは、ないのでしょうか。
5票 (17) 《こうすればいい》
 困っている人から、声をかけられるのを待っているのではなく、自分から積極的に声をかけていけばいいと思います。あとは、お母さんとご飯の手伝いをしたり、朝、ポストから新聞を持ってきたりしてもいいと思います。僕も一日一善をしたことがありました。右に書いた様な事をやってほめられた事がありました。いい事をすると、自分もされた相手もいい気持ちになるので続けたほうがいいと思いました。
4票 ( 2) 《手伝い》
 身近かなことで、探せば色々あると思います。たとえば、いつもは、親がやる事を手伝えば、親も一つやる事が減り、少しは、らくになると思います。おふろそうじ・食器洗い・げんかんはきなどの中から一つやればいいと思います。中学校時代は、忙しいけれど、ぼくも、おふろの水入れを出来るだけ毎日やっています。
 これで「一日一善」の目標がたっせいできると思います。
4票 (24) 《あいさつ》
 私の場合では、あいさつをする事が良い事だと思います。あいさつは、言う自分も言われた相手もとてもうれしいと思います。良い事をする時は、難かしく考えなくても、ふつうにあいさつをするだけで「一日一善」です。
4票 (30) 《生活から》
 まず一つは、そうじをしっかりやることです。そして、自分のそうじ場所が終わったら別のそうじを手伝うことです。これだけで、一つの善になります。
 ほかに、自分の係をしっかりすることです。係は必要な物ばかりなので、やってそんをすることはないと思います。
3票 ( 9) 《プラスに考える》
 私が思うには、毎日なにかいいことをしようということを実行したんだったら、「毎日なんて、続けられそうにない。」とかは考えない方がいいと思うしそういうふうに思わない方がいいと思います。そう思ってしまうと本当に続かなくなるかもしれないからです。だから、「私は毎日続く」と思ってやっていけばいいと思います。
3票 (14) 《          》←題名なし
 いい方法かは、分かりませんがやっぱり一日、一日、そういう気持ちが大切だと思います。することがなかなか見つからないなら、聞けばいいのです。「何かすることはありませんか。」とかだれにでも聞いてみる、話かけれることが大切だと思います。だからあきらめず、その気持ちをいつも大切に一日をフルに使って考えてみたり、聞いてみたりすればよいと僕はあなたの投書を読んで思いました。がんばってください。
3票 (15) 《ささいなことから》
 まず、することが見つからずではなく、探すことの方が大事だと思います。もっと視やを広げて行くのがいいと思います。
 例えば大きなゴミは自分の視界の中に簡単に入り簡単に拾えて捨てれます。逆に小さなごみを視界に入れさせるのでなく視界に入れるのです。だから、そんなに意識せず視や広げれば「一日一善」を普通にできるようになるでしょう。だから大きなこと考えすささいなことからこつこつ始めたらいいです。
2票 ( 8) 《ボランティア》
 毎日何かよいことをすると思うと、できないので、みんなで協力できるボランティアがいいと思います。ボランティアは、落ちているごみをひろったり、困まってる人がいたら助けてあげたりできるからです。そうすれば、みんなで助け合い、地球にもやさしいからです。私は、ボランティア方法がいいと思います。
2票 (18) 《少しずつ》
 私もよいことはできてないけど思ったことは困っている人を助けたり、家の人の手伝いとかかなぁって思います。よいことは悪いことをしないこととかも私はいいことだと思います。だから別にいいと思います。ちがうかもしれないけど人にしたことでよろこんでもらえたらいいことだと思います。だから「一日一善」とか決めないで悪いことをしないでふつうにしていればいろんなことに気がついて少しずついいことをできると思います。
1票 ( 1) 《一日一善は良い事》
 言っちゃ悪いけど、考えろ。まぁ、俺だったら、あいさつかな。だって、あいさつって言う方も言われる方も、いい気持ちになるじゃん。あと、落ちてるゴミをひろって捨てるかな、かんたんに言ってるけど、むずかしいよね。教室にゴミが無いと良い気持ちになるからね。むずかしいけどそんなに、一日一善やりたかったらやってみれば。まあ俺は、あいさつしてるけどね。まぁがんばって一日一善してくれや。
1票 ( 5) 《みんなからしたされよう》
 マンガみたいに朝早く来て、教室の花の水などを、しかりやったり、机のせいとんなどをすれば、いいことになり先生や友達にほめられたりするこら、たぶん毎日続けられると思います。
1票 (10) 《一日一善をするために》
 一日一善は一日に良い事を一つするという意味です。でもそれは良い事をするときがあるからできてするときがなければしなくていいと思います。だからすることが見つからなくてもがんばんばって続けていってください。そうすればいつか良い事ができるときがくると思います。大切なのは一日一善をするのに良いことが見からなくてやめるんじゃなくて、自分がその場面でなにができるかだと思います。
1票 (32) 《            》←題名なし
 私が考えるよい方法は家事のお手伝いがいいと思います。お母さんは毎日、そうじ、せんたく、ご飯の仕たくと色々大変なので、ご飯の仕たくなど一人でやるにはえらい仕事をやってあげるのがいいと思います。お母さんも喜ぶし、助かると思います。自分も料理を覚えられるしいいと思います。一度、そうじせんたくをやってあげた事があるのですがすごくつかれます。なのですごく助かると思うし親こうこうにもなると思います。

大阪教育大学  国語教育講座  野浪研究室  頁頭  戻る

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