提出日:平成23年1月31日
平成22年度 卒業論文
卒業論文題目
「書く抵抗を和らげる作文指導」
大阪教育大学 教育学部
小学校教員養成課程 人文社会系 国語専攻
文章表現ゼミナール
072431 志津野隼人
指導教官 野浪正隆先生

―目次―

 

第1章   序論

 これまでの研究をもとに、作文や文章を書く妨げになる抵抗の原因と、これまで行われてきた、抵抗を和らげる実践や工夫について述べる。

1−1 背景

1−2 関連研究

1−3 本研究のねらい

 

第2章 調査の目的と調査概要

 大阪教育大学国語専攻の学生へアンケート調査をとる目的とねらい、またその調査の概要について述べる。

2−1 目的

2−2 調査概要

 

第3章 調査の準備

 調査に至る過程で考慮したことと、調査の設問にどのような意図を持たせたかについて述べる。

3−1 調査に用いる文種の設定

3−2 設問の意図

 

第4章   調査結果と考察

 大阪教育大学国語専攻を対象に行った調査とその結果について述べる。

4−1 調査結果と考察方法 

4−2 考察 

              4−2−1 文章の分析と考察

              4−2−2 学習経験や国語に関する意識の考察

第5章   結論

 

おわりに

参考文献

 

 


第1章 序論

 これまでの研究をもとに、作文や文章を書く妨げになる抵抗の原因と、これまで行われてきた、抵抗を和らげる実践や工夫について述べる。

1−1 背景

 平成203月告示の「小学校学習指導要領」第1章「総則」には以下の通りに述べられている。

学校の教育活動を進めるに当たっては,各学校において,児童に生きる力をはぐくむことを目指し,創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開する中で,基礎的・基本的な知識及び技能を確実に習得させ,これらを活用して課題を解決するために必要な思考力,判断力,表現力その他の能力をはぐくむとともに,主体的に学習に取り組む態度を養い,個性を生かす教育の充実に努めなければならない。その際,児童の発達の段階を考慮して,児童の言語活動を充実するとともに, 家庭との連携を図りながら,児童の学習習慣が確立するよう配慮しなければならない。(下線部引用者)

上記の引用にもある通り、新学習指導要領では、学力の重要な要素が

              @基礎的・基本的な知識技能の習得

              A知識・技能を活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力等

              B学習意欲

であることを示した。

また、改正教育基本法等で示された教育の基本理念を踏まえた上での現在の子どもたちの課題の対応の視点としては、「学習意欲の向上や学習習慣の確立」が重要と考えられている。国語科において「書くこと」は重視されながらも、指導の困難さ、また子どもたちの「作文嫌い」などの抵抗感から読解と比べてかけられる割合が少ないのが現状である。そこで、本研究では国語科の「書くこと」の領域における学習意欲の向上を図る指導を考察する。

1−2 関連研究

 作文(または文章)を書く抵抗を和らげる研究や、表現意欲を高める指導はこれまで数多く研究されてきた。本節では、その事例をまとめていく。

中村晃代は「書く意欲を高める作文指導―書く目的・読む相手を意識した作文指導―」の中で、以下のように述べている。

書く意欲を高めるために、次の三点が重要であると押さえ、それに沿った実践を考えてみた。

◎作文を書く目的を意識させること

◎目的意識をもてる題材を開発すること

◎書くための具体的な手立てを示すこと

生徒 「目的意識」をもたせやすいのは、書き上げた作文の読み手がはっきりしていることであろう。〔中略〕できあがった作文を実際に相手に読んでもらうことも授業に取り入れ、生徒に作文を書き上げた満足感や成就感を味あわせたいと考えた。

(中村晃代「書く意欲を高める作文指導―書く目的・読む相手を意識した作文指導―」北海道教育大学函館国語会『函館国語』第十四号、1998年、p.40

このような考えのもとに中村は、中学校1年生に「自分の学校を紹介しよう」、2年生に「宿泊研修旅行を報告しよう」、3年生に「修学旅行ガイドを書こう」という実践を行った。「自分の学校を紹介しよう」では国際交流に来校する留学生へ、「宿泊研修旅行を報告しよう」では1年生へ、「修学旅行ガイドを書こう」では2年生へと書く相手を明確にし、書く手立てを示しやすい報告文や紹介文の形式をとった。この実践は作文の題材としては目新しいものではないが、「実際に対象者に読んでもらう」という活動を設けた点が新しい取り組みといえる。

 

また、学習者が思うように文章を書けるようにならない原因について、町田守弘は以下のように述べている。

 @学校で書く作文に興味が持てず、書くことに意欲的になれない。

 A日常生活の中で公的な文章を書く機会が少ない。

 B効果的な指導法が開発されず、文章表現技術を習得することが出来ない。

 Cカリキュラムの面で、体系的な文章表現技術を確立しにくい。

(町田守弘「表現意欲喚起の戦略―書くことへ向かう意志を育てるために」東京法令出版株式会社『月刊国語教育』20065月号p.12

 

このような問題を指摘した上で町田は、特に上記引用@に焦点を当て、その打開策を以下のように述べている。

 

 作文指導において最も重視しなければならないのは、学習者の表現意欲を喚起するということである。〔中略〕書くことへの意志を育てるためには、特に次のような点への配慮が必要である。

 @書くことの効果的な教材を発掘すること

 A学習者を円滑に書くことへといざなうための課題を工夫すること

 B書くことの具体的な場所を設定すること

C個人・グループ・クラスの各レベルにおいて学習を展開し、「教室の文化」を生かし

た効果的な評価を実施すること

(町田守弘「表現意欲喚起の戦略―書くことへ向かう意志を育てるために」東京法令出版株式会社『月刊国語教育』20065月号p.13

 

町田は書くことへの動機づけとして、「多くの学習者が関心を寄せる漫画、アニメーション、映像、音楽、テレビゲーム、インターネット、携帯電話などのメディア」(引用同上)を積極的に教材として取り入れると述べている。また、「表現意欲喚起のための戦略は、文章を書くという時点から始まるものではない。文章を書くための前提として、日ごろから作文のための様々な学習を積み重ねる必要がある」と述べ、書くことの指導が独立したものでなく、日ごろの学習と深く結びついたものだということを示している。町田は、具体的な実践として「授業レポート」というワークシートの実践例を示している。この実践では、毎回の授業の内容を生徒がまとめることで、書くという場を形成しているといえる。

書く題材や表現方法については次のような研究がなされてきた。

森久保安美は『月刊国語教育研究』の「作文指導にもっと人間同士のふれあいを」の中で、言語を媒介とした人間同士のふれあいの重要性を指摘している。作文が「生徒対教師」のものだけでなく、「生徒対生徒」のものとしても存在し、そこに教師も参画する、「生徒対生徒対教師」のふれあいの場としての作文を提示している。

 

教育全体の問題ではあるが、特に国語教育では、言語を媒介とする人間と人間の連帯というものを、もっと意識した指導をするべきではあるまいか。

(森久保安美「作文指導にもっと人間同士のふれあいを」日本国語教育学会編『月刊国語教育研究』19925月号p.2

 

 森久保は同稿の中で、触れ合いが感じられる実践の例として、郵政省(現日本郵政グループ郵便事業株式会社)主催の「手紙作文コンクール」、大村はまの「第三のコーナー」を挙げている。

 

 「手紙作文コンクール」について森久保は以下のように述べている。

 

 郵政省の手紙作文コンクールも四半世紀になる。相手意識に満ちた手紙のよさと、生活や考えをつづる作文のよさとをミックスした新文種である。形式指導に傾きがちな手紙文の欠点を救い、目的意識・相手意識を失いがちな作文指導の弱点を克服することができる。

(森久保安美「作文指導にもっと人間同士のふれあいを」日本国語教育学会編『月刊国語教育研究』19925月号p.3

 

「第三のコーナー」は以下のような用紙を用いた指導方法である。

テキスト ボックス:     B       @


    
C       A

 

@の枠にAの生徒が「一つの意見」を書く

Aの枠にBがAの題で自分の「一つの意見」を書く

Bの枠は、指導者が書くところである。

Cの枠には、AやB、そして指導者の作文を

読み、ゆたかにされた心で、自分の「一つの意見」を書く

 

この方法に関して、大村はまは、著書の中で「AやBの文章を読むが、それについて批評したり感想や意見を述べるわけではない。〔中略〕ねらいは、強いて言えば、ゆたかさと、迫力をじかに伝えようとしているといえよう。〔中略〕作文を細かくていねいに批評するよりも、教師の一文がひたひたと迫って、子どもに書かせずにはおかないようである」と述べている。(大村はま「大村はま国語教室6 作文学習指導の展開」筑摩書房1983p.158より引用)

 森久保が紹介している実践例はどれも、書くという作業を自分の中で完結させず、他者を意識したものにするという効果があり、なぜ、誰に書いているのかを明確にする指導例であると言える。

 

作文や書くことの指導が国語学習だけにとどまらないことを示した実践として、首藤久義の実践が挙げられる。首藤久義は「おおらかに広がる作文学習の場―袖ヶ浦東小学校の実践―」の中で、教科を横断した作文学習の重要性を指摘している。

 

 書くことは、さまざまな生活場面で行われている。学校の内でも外でも、いろいろな形で行われ、さまざまな役割を果たしている。生活に生きて働く力を伸ばすためには、国語科の作文指導の時間だけでなく、広く、他教科、教科外、さらには学校内外の生活全般にまで目を向け、そこに作文学習の機会と場を見出し、その学習が出来るだけ効果的に成立するように助け導くことが必要になる。

(首藤久義「おおらかに広がる作文学習の場―袖ヶ浦東小学校の実践―」日本国語教育学会編『月刊国語教育研究』19925月号p.4

 

 袖ヶ浦東小学校で実際に実践された単元名と、関連する他教科を以下に示す。

●いきもののひみつ…生活科                  ●メダカの本を作ろう…理科

●熱戦バスケット新聞…体育科                            ●買い物と商店街…社会科

●お菓子の作り方…家庭科                     

 教科だけではなく、特別活動や学校の外の出来事に関連した単元も設定されている。

●運動会新聞…行事                                  ●「女子高生校門圧死事件」にもの申し候

これらの作文を書くだけでなく、「関係の役所に質問したり提案したり、あるいは関係の人々に配布したり、適当と思われる場所に掲示したりして、学校外の人々ともコミュニケーションするということを行う(引用同上p.5より引用)」。

これらの作文を書くことで、書く力だけではなく他教科の内容も定着させる意図があると首藤は述べている。

 

書く技術を向上させる学習だけでなく、書く内容に関わる学習も同時になされる。書くことを通して、内容の学習をより着実なものにし、同時に、書く力も伸ばそうとするのである。

(首藤久義「おおらかに広がる作文学習の場―袖ヶ浦東小学校の実践―」日本国語教育学会編『月刊国語教育研究』19925月号pp.5-6

 

 首藤の紹介している実践は、作文を書く「場」を効果的に見つけ、また掲示したり配布したりする中で、作文を書く児童にも書く目的、書く相手を意識させるものであるといえる。

 

 

 岡野恵子は、生徒の意識からみる作文を書く抵抗について、以下のように述べている。

 

作文に対する生徒の誤った認識を類型的にわけると次のようなものになる。

つまり作文とは、

(1)指導者が要求する長さのものを書かなければならない

(2)内容的にある程度整ったものを書かなければならない

(3)文章表現の上手・下手というものが評価される

(4)文章表現力の評価のために書くものである

(岡野恵子「形にとらわれず意欲的に書く生徒の育成―あらゆる機会を通して書くことの意義を理解させる指導方法―」日本国語教育学会編『月刊国語教育研究』19925月号p.16

 

 こう述べた上で、以下に述べるような作文の本来の意義を理解させる必要があると述べている。

 

(1)文章を書くということは、自分を表現する手段の一つである。

(2)文章表現の本来の目的は、記録することと伝達することである。

(3)文章表現の本来の意義は、自分の考えを確かめたり、高めたり、深めたり

    することである

(岡野恵子「形にとらわれず意欲的に書く生徒の育成―あらゆる機会を通して書くことの意義を理解させる指導方法―」日本国語教育学会編『月刊国語教育研究』19925月号p.16

 

 岡野は、生徒の実態に合わせた指導を紹介している。例えば、文章を書くことに強い抵抗を示すA児には、共感的な評語を用いることで自身をつけさせ、国語の学力の高いB児には、書かれたものを授業で発表するなどして、さらに意欲的に表現しようとする態度を育てたと述べている。岡野は、作文を「学習者と指導者の対話」と捉え、指導者側の態度について以下のように述べている。

 

 作文のような自己表現に大きくかかわる領域については、学習者のあらゆる面をひとまとめにして、抱え込むような気持が指導者側にないと、単に長さや高度な内容を求めるだけの従来の作文指導に終わってしまう危険性がある。

(岡野恵子「形にとらわれず意欲的に書く生徒の育成―あらゆる機会を通して書くことの意義を理解させる指導方法―」日本国語教育学会編『月刊国語教育研究』19925月号p.19

 

 文章の長さだけを価値とする作文指導に対しては、大西道雄も問題視している。大西は、長くまとまった作文と同様に、表現力育成の活動として一語作文などの短作文にも価値があると述べている。

 

 長くまとまった文章を書き、それを作品として完成し、目的に応じて活用する力を養うことも、作文指導の重要な目標である。このことを作品主義といって一概に否定することはできない。機会と場に生きる表現(作文)力を育成するための活動として組織していけば、いわゆる長作文も短作文も、作文指導の対象として、同じ重さをもつ目標としてとらえることができるはずである。

(大西道雄「作文・機会と場に生きる表現活動」日本国語教育学会編『月刊国語教育研究』19925月号p.29

 

 大西は「作文・機会と場に生きる表現活動」の中で、短作文指導の提唱者である方言学者藤原与一の実践を紹介している。以下、藤原与一の実践をまとめる。

 

藤原与一は、『ことばの生活のために』の中で、書く生活におけるモットーを4つ紹介している。

○気がるに筆をとる

○文章は、短くてよい

○たのしんで書く

○すぐに書く

(藤原与一『ことばの生活のために』講談社昭和42pp.69-75

 

 以上のモットーを述べた上で、「短く書くけいこ」と題し、いくつかの実践を示している。

○一語作文

 読後感を一語で表す

文章の批評を一語で書く(漢語や、和語で)

○一文作文

「人を笑わせようと思ったら、」の後に続く文を考える

 ハガキを一文で書く

○短作文

 何のかかわりもない単語を3個程度用意し、それぞれを含むセンテンスを作る。その3つのセンテンスがひとまとまりになるようにする。

(藤原与一『ことばの生活のために』講談社昭和42pp.75-116より引用)

 

藤原は、「本人自身が、やることにおもしろみを感じないでは、何ごとも、上達はしません。」と述べ、抵抗の少ない短い文から、長い文へと学習していく系統を示している。

 

これまで、書くことに対する抵抗を和らげ、書くことへ意欲的に取り組むための指導についてまとめてきた。次章では、これらの研究をもとに、実際に大阪教育大学国語専攻の学生を対象に行った調査について述べる。

 

第2章 調査の目的と調査概要

 大阪教育大学国語専攻の学生へアンケート調査をとる目的とねらい、またその調査概要について述べる。

 

2−1 目的

 第1章でまとめてきたとおり、書くことへの抵抗を和らげるためには、指導者の準備が周到になされている必要がある。つまり、なぜ、どのように、誰に書くのかということが、指導者の中で明確にされ、かつ作文を書く児童や生徒にも伝わっている必要がある。そのような活動の中で児童や生徒は、書く力を手に入れていくと考えられる。そこで、それを実際に確かめるための調査を行いたいと考えた。

今回、調査に当たっては、大阪教育大学国語専攻の学生に協力をしてもらうことになった。しかし、調査の対象が児童や生徒とは異なるため、表現力などをつけさせることを目標とすることはできない。それゆえ、具体的な書く手立てが示されている場合と、そうでないない場合にどのような差異が見られるか、比較研究していくことで、教師が児童や生徒に働きかけをすることがいかに有効であるかを明らかにすることを目的としたい。

 また、これまでの国語学習や、学習者がもっている国語に対する意識が、書く力や実際に書かれた文章とどのように関連するのかも併せて述べていく。

 

2−2 調査概要

 今回、大阪教育大学国語専攻の学生に調査協力をお願いし、次のような調査を実施した。
1. 調査日時

平成2211月下旬〜12月上旬

2. 調査対象

大阪教育大学国語専攻の1回生、文章表現ゼミナールの学生とした。調査人数は以下の通りである。

1回生…40

文章表現ゼミナール…8

3. 調査用紙

Web上でアンケートが無料作成できるサイト「アンケートツクレール(URL: http://enq-maker.com/ )」を利用。

 


第3章 調査の準備

本章では、調査に至る過程で考慮したことと、調査の設問にどのような意図を持たせたかについて述べる。

 

3−1 調査に用いる文種の設定

 実際に作文を書いてもらうにあたり、いくつかの題材を用意し、それぞれについて検討した。以下が検討した題材とその特徴である。

 

<看図作文>

            「曖昧情報」が含まれる絵を見せて、そこに物語を創作してつけてもらう。

●書く題材がないという状態にならないようにする。

●取材をしなくても、ある程度全員書くことが決まる。

 

<4コマ漫画>

            看図作文の4コマ漫画バージョン。

●ストーリーを構成しやすい。

●登場人物や行動の描写がしやすい。

 

<書評>

            新聞などに載っている書評を書いてもらう。

●自分の意見を論理的に説明する力をつける。

 

<意見文>

            「消費税10%」に賛成反対か、などの意見文を書いてもらう。

●型にそって順序立てて書けば、意見文を書くことはできる。

●論理的に相手を説得する力をつける。

 

PR文>

            受験生向けに大阪教育大学のPR文を書いてもらう。

●目的や相手を設定しやすいので、その相手に合わせて文章を書くことが出来る。

●自分の体験に基づいて文章が書ける。

 

以下にそれぞれの題材を検討し、題材を決定するまでの過程を述べる。

 

<看図作文>

 看図作文は、一見すると何か分からない写真や絵に対し、曖昧情報を発見し、それをもとに説明や物語を書くという方式である。今回は、調査を行う際に絵や写真を見せられる環境になかったため、この題材は断念した。

 

<4コマ漫画>

 この題材も、看図作文と同様に、ある4コマ漫画に基づいて物語を書いてもらうという題材である。この題材も4コマ漫画を提示できないという理由から断念した。

 

<書評>

新聞などに載っている書評を書いてもらうという題材である。調査に参加する人全員が読んでいる本がないという理由から断念した。

 

<意見文>

 小論文に近い形で、賛成・反対を論じてもらう題材である。この題材は、大阪教育大学の入学試験において小論文が課されており、これまで書きなれてしまっている題材であるため断念した。

 

<PR文>

 大阪教育大学のPR文を入学希望者向けに書いてもらう題材である。大阪教育大のことを書くので話題が身近であること、また、これまで書いたことのない新しいジャンルであることから、題材の1つをこれに決定した。

 

 <PR文>が、大阪教育大学の説明をするという、説明的文章であることから、もう一つの題材を文学的文章に属するものから選ぶことにした。<4コマ漫画>の「物語を書く」という創作活動を今回の調査で実現できる形にアレンジを加えた。

 

<与えられた登場人物などをつかって物語を作る(以下、物語創作)>

 物語を書く際に、ある程度の制約を加えることにより、物語を書きやすくする工夫をさせた。今回は、制約として、登場人物や登場するものをあらかじめ設定した。

 

 

 以上の検討から、今回調査に用いる題材は

 <大阪教育大学のPR文>と<物語創作>に決定した。

 

 


3−2 設問の意図

 題材が決定したところで、調査項目の設定に移った。実際に作文を書いてもらう設問を2題と、これまでの作文指導の経験や、国語に関する自己評価を尋ねる設問を11題用意した。各設問の設定の意図は次の通りである。

 

 

 学籍番号を問う設問である。これは、重複回答の防止と、不適切なイタズラ回答を防止するための設問である。

 実際に作文を書いてもらうための設問である。今回利用したアンケート作成サイト「アンケートツクレール」(URL http://enq-maker.com/ )の回答上限文字数が400字であったため、この下に問3として、

このような設問を用意した。

 問4も実際に作文を書いてもらうための設問である。問2が説明的文章であったのに対し、問4は文学的文章をつくる課題となっている。この設問の下にも、問2と同様の理由から、書ききれない人のための設問を用意したが省略する。

 

ここまで、実際に作文を書く設問について述べてきた。ここからは、回答者の作文指導に関する経験や、国語科との関わりを見る設問である。

 

 

 回答者に文章を書くことが好きかどうか自己評価させる設問である。文章を書くことを自分で好きか嫌いか尋ねることで、実際に書いた作文との関連や、他の回答者との比較をするための設問である。

 回答者のこれまでの作文指導の経験を尋ねる設問である。作文指導を経験してきた回答者と、特に作文指導を受けた経験のない回答者を比較するための設問である。

 問7に関連して、具体的にどのような作文を書いたことがあるかを尋ねる設問である。

 作文を書くにあたりどのようなことが抵抗となり、作文を書きにくくしているかを尋ねる設問である。

 文章や作文に関する興味・関心を尋ねる設問である。興味を持っている文種と作文の完成度や作文を書く抵抗について関連性を見るための設問である。

 どのような文種の作文を書くことに抵抗があるか尋ねる設問である。

 回答者の読書経験を尋ねる設問である。読書の量と作文の完成度についての関連を見る設問である。

  問12と同じく読書経験を尋ねる設問である。問12は説明的文章、問13は文学的文章の読書経験を尋ねている。

 

 国語科における4つの領域の中で、得意(または好き)なものと、苦手(または嫌い)なものを尋ねる設問である。「書くこと」だけではなく、その他の能力と、作文を書く力関連しているのかを見る設問である。

 最後に、今日書いた作文のうち、どちらが書きやすかったかを尋ねた。説明的文章と文学的文章のどちらが書きやすいかを尋ねる設問である。

 また、今回の調査において、問2と問4は2種類用意した。学籍番号が奇数の人用に用意した、先に提示した設問と、学籍番号が偶数の人用に用意した、次に示す設問である。

 

<問2(学籍番号が偶数の人用)>

 

<問4(学籍番号が偶数の人用)>

 このように学籍番号が偶数の人用の設問には。作成者が用意した作文の例が示されている。このような例がある場合とない場合で、出来上がった作文にどのような違いが見られるか調べるため、調査を2種類用意した。

以上が各設問における意図である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第4章 調査結果と考察

 4−1 調査結果と分析方法

 今回の調査で、文章例が提示されていない「学籍番号奇数グループ」の中で4名、章例が提示されている「学籍番号偶数グループ」の中で8名の回答を得た。まず、「奇数グループ」・「偶数グループ」の中から、それぞれ1名の回答を表にまとめる。

奇数1

PR文

自然豊かな大阪教育大学は、学生がのびのびと勉強をするのに最適な環境です。授業では、教育学を深く学ぶことができ、現在の教育の在り方について正面から捉え、非常に良い学習になります。また、教室で学ぶだけではなく、数多くの実習を行います。そこで、自分が経験したことを今後の課題として、大学生活を送ることができます。実習は実践的な学習なので、周りの先生方を観察することで見えてくるもの・自分が実際に経験してみて感じたこと・反省点など本当に様々な面で良い体験です。そして、大阪教育大学はエコな大学を目指し、ソーラーパネルを取り付けています。太陽光を利用し、電気を実際に補っている場所もあります。サッカーグラウンドは、関西の国立大学では唯一の芝生を使用しています。このように、勉強面だけでなく部活動やエコ活動、また、ボランティア活動にも専念している学校です。
是非、足を運んでみてください。

物語文

52組の五月ちゃんは、学校の帰り道の河川敷で野良猫に駄菓子をあげることを日課としていました。しかし、野良猫に駄菓子をあげるためには、学校に駄菓子を持って行かなくてはなりません。学校の規則で、駄菓子は学校には持ってきてはいけないことになっているのです。毎日、駄菓子をランドセルの中に隠し、担任の上田先生に見つからないように、こっそりとかばんを開けているのです。ある日、かばんを開けるときに手が滑ってしまい、中に入っていた駄菓子が床におちてしまいました。そこを上田先生に見つかってしまい、五月ちゃんは上田先生に怒られました。しかし、五月ちゃんは納得がいかなかったので先生に事情を話しました。すると、上田先生は、五月ちゃんが家に帰ってから河川敷へ行き、野良猫に駄菓子をあげるよう言いました。五月ちゃんは、それからは、家に帰ってから、野良猫に会いにいくことにしました。

書くことは

どちらかといえば好き

指導経験

なし

困ること

書き出し

興味ある文種

困るとき

感想を述べるとき

評論文を読むのは

3か月に1冊

小説を読むのは

1か月に1冊以上

得意な領域

話すこと

苦手な領域

書くこと

書きやすさ

物語

 

偶数1

PR文

ちょっと小高い山の上にある大阪教育大学。広大な敷地と豊かな自然が織りなす四季折々の風景は、訪れた人々だけでなく、毎日大教で生活している私たちにも感動を与えてくれます。
 
そんなキャンパスには、教員を志望する学生が多く、同じ志の仲間とともに高めあうことが出来ます。教育大学だけあって教員になるために専門的な知識を得ることができる講義がたくさんあります。
 
サークル・部活動も大変盛んで、多くの学生が自分のやりたいことに没頭しています。
 
大阪教育大学では教員志望の人はもちろん就職希望の人にとっても魅力的な大学です。大学に入ってから進路を考えることもありなので大教に入ってともに学びましょう。

物語文

日差しが強く汗をたっくさんかく季節がやってきた。毎年、この季節になるとたくさんの児童が駄菓子屋に冷たいもの欲しさにやってくる。「帰り食いはやったらあかんぞ!」という先生の言葉など耳には入れずに。「おばちゃんこれください。」
「ぼくもおんなじの!」「わたしお金たりへん・・・」 そんなやりとりが毎日。「先生が来たぞ。隠れろ!」ある児童があわてて叫んだ。児童たち駄菓子屋の物陰に隠れ、台風が去るのを待つかのようにじっと身をひそめていた。 「おばちゃんアイスください。」先生の発した言葉に、児童たちは顔を見合わせた、と同時に笑いが噴出した。
 
「せんせいも帰り食いしてるやん!」児童の一言に先生は笑うしかなかった。

書くことは

どちらかといえば嫌い

指導経験

なし

困ること

何を書いていいかわからない

興味ある文種

感想

困るとき

何かを描写するとき

評論文を読むのは

ほとんど読まない

小説を読むのは

ほとんど読まない

得意な領域

話すこと

苦手な領域

書くこと

書きやすさ

PR文

 

 以下本節では、今回の調査で出た結果の分析方法について述べる。

 

【実際に書いてもらった文章の分析方法】

 今回、<PR文>と<物語文>の二種類の文章を実際に書いてもらった。文種の異なる文章であることから、それぞれの文種に沿った観点を定め、点数化をし、「奇数グループ」と「偶数グループ」で差異が見られるか比較していく。

 

<大阪教育大学のPR文>

PR文は受験生・保護者などに大阪教育大学の魅力を伝えるためにある。そこで、PR文では

 @大阪教育大学のよさを多角的に紹介できているか

 A説明に終わるのでなく、読んでいる人にアピール出来ているか

という観点をもとに

 ◎自然、授業、実習、課外活動などいくつの観点からPR出来ているか(各1点)

 ◎在学生としての自分からのメッセージや呼びかけがあるか(3点)

上記の2点を点数化して評価を行った。文として間違いを含むもの、読みにくいものはPR文としての適性に欠けるので1点ずつ減点した。

「偶数グループ」に提示した文章例を使って、評価例を示す。

◎PR数

自然、設備、友人、教採、課外活動

◎メッセージ

あり

▲「たり」の使い方

 

 

加点 8

減点 1

合計 7

大阪教育大学は広大な敷地に豊かな自然がいっぱいの大学です。キャンパス、図書館、大学生協、グラウンドなどさまざまな施設が充実しています。

 本大学には、教員を志望している人が多く、教育に関して興味を持つ仲間がたくさんいます。教育に関することについて議論したり、ともに教員採用試験合格に向けて勉強会も開かれています。

 また、体育系・文科系を問わず、さまざまなクラブ活動やサークルが充実しており、きっと興味のあることに参加できます。

 「自分のやりたいことがきっと見つかる!」

 大阪教育大学はそんな大学です。みなさんも大阪教育大学に来て、ともに熱い教師になりましょう。

<物語>

 物語は、今回登場人物などの制約を与えたので、まず与えられた登場人物などを使うことが出来ているか(各1点)をみた上で

 @描写をすることが出来ているか

 A一場面だけでなく、完成させることが出来ているか

という観点をもとに

 ◎情景描写、心理描写、会話描写、行動描写、状況描写からいくつ使われているか(各1点)

 ◎完成させることが出来ているか(3点)

上記3点を点数化して評価を行った。PR文と同様に例を示す。

◎条件

親、子ども、犬、チョコレート

◎描写

情景、心理、会話、行動、状況

◎完成

 

 

 

 

 

 

 

合計 12

冷たい風が顔を襲ってくる冬の朝に、愛犬のラッキーの散歩にでかけた。寒いのなどおかまいなしにどんどん進んでいくラッキーに、眠い目をこすりながらついていくと、ある親子に出会った。こんな朝早くに、と思っていると親子のやりとりが聞こえてきた。

「すごいよ!公園貸し切りだよ!!」

「あぁ、さぁどれでも好きなので遊ぼう。早起きしてよかったね。」

「うん。あ、この滑り台すごい冷たい。」

「夜のうちに冷えてしまったんだね。」

「いつもはそんなことないのにな。」

「今日は公園も、お父さんも独り占めしていいからね。」

 そんなやりとりを聞いて、ふと昔自分も亡くなった父親とこの公園で遊んだのを思い出した。

 ラッキーと目が合うと、ラッキーは不思議そうな顔をしていた。ポケットに手を入れ、食べかけのチョコレートをかじった。チョコレートの甘さが口の中に広がり、寝ぼけた頭を起こしてくれた。

 

 では、実際に得た回答をこのように点数化し分析することで、考察を行っていく。

 

 

 

 


4−2 考察

4−2−1 文章の分析と考察


奇数1

◎PR数

自然、設備、授業、実習、課外活動、環境配慮

◎メッセージ

あり

▲「専念している」の使い方

 

 

加点 9

減点 1

合計 8

自然豊かな大阪教育大学は、学生がのびのびと勉強をするのに最適な環境です。授業では、教育学を深く学ぶことができ、現在の教育の在り方について正面から捉え、非常に良い学習になります。
また、教室で学ぶだけではなく、数多くの実習を行います。そこで、自分が経験したことを今後の課題として、大学生活を送ることができます。実習は実践的な学習なので、周りの先生方を観察することで見えてくるもの・自分が実際に経験してみて感じたこと・反省点など本当に様々な面で良い体験です。そして、大阪教育大学はエコな大学を目指し、ソーラーパネルを取り付けています。太陽光を利用し、電気を実際に補っている場所もあります。サッカーグラウンドは、関西の国立大学では唯一の芝生を使用しています。このように、勉強面だけでなく部活動やエコ活動、また、ボランティア活動にも専念している学校です。是非、足を運んでみてください。

◎条件

先生、児童、猫、駄菓子

◎描写

なし

◎完成

 

全部が説明形式になってしまっている。

 

 

合計 7

52組の五月ちゃんは、学校の帰り道の河川敷で野良猫に駄菓子をあげることを日課としていました。しかし、野良猫に駄菓子をあげるためには、学校に駄菓子を持って行かなくてはなりません。学校の規則で、駄菓子は学校には持ってきてはいけないことになっているのです。毎日、駄菓子をランドセルの中に隠し、担任の上田先生に見つからないように、こっそりとかばんを開けているのです。
ある日、かばんを開けるときに手が滑ってしまい、中に入っていた駄菓子が床におちてしまいました。そこを上田先生に見つかってしまい、五月ちゃんは上田先生に怒られました。しかし、五月ちゃんは納得がいかなかったので先生に事情を話しました。すると、上田先生は、五月ちゃんが家に帰ってから河川敷へ行き、野良猫に駄菓子をあげるよう言いました。五月ちゃんは、それからは、家に帰ってから、野良猫に会いにいくことにしました。

書くことは

どちらかといえば好き

指導経験

なし

困ること

書き出し

興味ある文種

困るとき

感想を述べるとき

評論文を読むのは

3か月に1冊

小説を読むのは

1か月に1冊以上

得意な領域

話すこと

苦手な領域

書くこと

書きやすさ

物語


 

奇数2

◎PR数

授業、課外活動、設備

◎メッセージ

なし

▲「もを」

▲「たり」の使い方

加点 3

減点 2

合計 1

大阪教育大学では、自分の専門科目を中心に、教師になるために必要な力をつけるための実践的な授業を受けることができます。実習もをはじめ、実際の教育現場に関わる機会や、現場の先生のお話を伺う機会も多く、教師を目指す学生にとっては理想的な環境です。学習面以外でも、部活動が盛んで、特に体育会には全国の国立大学の中でも有数の強豪として知られている部活が多くあります。国立大学としては初の人工芝グラウンドも整備されたりと、部活動に取り組むにも恵まれた環境です。このように、大阪教育大学は、教師を目指す学生や部活動に真剣に取り組みたい学生にとって非常に恵まれた環境にあるといえます。

◎条件

児童、猫、駄菓子

◎描写

会話、行動

◎完成

 

 

 

 

 

 

 

合計 8

「おっちゃーん。今日もいつものあるー?」ガラガラと駄菓子屋の扉を開けて、よく日焼けした快活そうな女の子2人が入ってくる。「ごめんごめん。今日はもう売り切れてしまってなあ。」申し訳なさそうに頭をかきながら人のよさそうなおじいさんが中から出てきた。「えー。せっかく楽しみにしてたのに。」2人が口をそろえておじいさんを揶揄するのを、ほほえましい目でみつめながら「明日。明日は絶対用意しとくから。」と言うと、「約束ね。あたしたちの一番の楽しみなんだから。」と言って、来た時のような慌ただしさで帰っていった。
1か月前なら考えられなかった光景だなあ。」と、奥の座布団の上で丸まってる猫をなでながら、おじいさんは嬉しそうに目を細めた。長年学校の近くでこの商売をしていると、様々な児童に出会う。喧嘩したり仲直りしたり、そうして成長していく児童の姿をみることが、いつしか彼の楽しみとなっていた。

書くことは

どちらかといえば好き

指導経験

なし

困ること

文章の組み立て方
何を書いていいかわからない

興味ある文種

意見主張

困るとき

感想を述べるとき

何かを描写するとき

評論文を読むのは

1か月に1冊以上

小説を読むのは

1か月に1冊以上

得意な領域

読むこと

話すこと

苦手な領域

書くこと

書きやすさ

PR文

奇数3

◎PR数

自然、友人、設備、授業

◎メッセージ

あり

加点 7

減点 0

合計 7

自然に囲まれた、非常に恵まれた環境の中で、ともに教員を目指す仲間とともに有意義な学生生活を送ることができます。
春には満開の桜が、秋には見事な紅葉が見もの。駐車場から見える夜景も最高です!
教員養成課程では、子どもとかかわる機会も多く設けられており、現場の空気を感じつつ、教育法などの実践的な教養も学ぶことができます。なにより、4年間で得るともだちとの思い出は、priceless!!!!こんな大阪教育大学にぜひぜひお越しください♪

◎条件

先生、児童、猫、駄菓子

◎描写

会話、行動

▲未完成

 

なぜAが泣いているのかわからない

 

 

合計 6

児童が拾ってきた猫の背中には、小さな袋がくくりつけられていた。クラスでもおとなしいその児童が、学校に猫をつれてきたのは、おとついのことである。見た目は痩せ衰え、震えている。クラスの子どもたちは、その子猫を興味津々で眺めるが、だれも触れようとしない。「なにか背中についてる」気づいたのは拾ってきたAだった。先生はそのこえに反応し、子猫を拾い上げて、背中の部分をみた。確かに、古い布がくくりつけられている。中に何か入っているようだ。先生は、一度Aのほうをちらっとみたあと、その布に手をかけた。中から、小さな紙切れと、よくみる駄菓子がポロリと転がり落ちた。その紙切れの中身を確認したあと、黙って先生はそれをAに渡した。「ごめんなさい」それだけが書かれた紙をみたAの瞳は、心なしか潤んでいた。

書くことは

どちらかといえば好き

指導経験

なし

困ること

書き出し

終わりとまとめ
文章の組み立て方

興味ある文種

感想

生活

創作

困るとき

意見を述べるとき

感想を述べるとき

何かを描写するとき

評論文を読むのは

3か月に1冊

小説を読むのは

1か月に1冊以上

得意な領域

話すこと

苦手な領域

話すこと

書きやすさ

物語

 

奇数4

◎PR数

駅、友人、健康、環境配慮、服装、食堂

◎メッセージ

あり

語り口調になっている。

多くの魅力を自分の言葉で伝えている。

▲ら抜き言葉

加点 9

減点 1

合計 8

まずあの駅!!大教生以外誰も降りないので、絶対友達を見つけられる!登校のとき一人寂しく行くことはありません!!
 
そしてあの大学までの長い道のり!!上まで15分かかるので、ダイエットに最適!大学キャンパスまでの長い階段は足を上げるので、足の筋力アップを目指す方はぜひ!
 
夏は大学まで登るだけで汗だくになれます!!一日でTシャツを二枚着れて、「一日中同じ服は嫌!!」というおしゃれさんには最適です!!
 
さらに冬は寒い!!標高が高い位置にあるので、同じ大阪なのに自宅を出たときには暖かかった服装も意味をなさない!しかし、あの大学までの長い道のりによって、体の芯から温まることができます!なので、ヒーターを低い温度に設定しても大丈夫!うちの大学はエコにもいいんです!!
 
食堂の値段(二食)が高い!!でもそれは値段を高く設定することによって、学生に労働することの大切さを教えてくれているのです!!

はぁ…、なんといい大学なんだ…。

◎条件

先生、児童、猫、駄菓子

◎描写

会話、情景、行動

▲未完成

猫の登場理由がわからない。

 

合計 7

「なんで人間は二本足で歩くの?」「手を使うからだよ。」児童のさりげない疑問に、先生はさらっと答えた。昼下がりの校庭の隅。あたたかい日差しの中、にぎやかな声が聞こえる。赤い金魚の泳ぐ池の横、児童と先生はそれを見ながら話していた。「何で手を使うの?
「道具を使うからだよ。」「何で道具を使うの?」「色んなことがしたいからだよ。」「ふーん。」わかったようなわからないような顔をして、児童は頭をかきました。先生は伸びをして、大きなあくびを一つしました。日が傾きました。校庭に遊びに戻ってきた子どもが、お小遣いで買った10円のお菓子を差し出しました。二匹の猫にはその駄菓子は大きすぎるのでした。

書くことは

どちらかといえば好き

指導経験

なし

困ること

文章の組み立て方

興味ある文種

創作

困るとき

意見を述べるとき

評論文を読むのは

ほとんど読まない

小説を読むのは

ほとんど読まない

得意な領域

書くこと

苦手な領域

読むこと

書きやすさ

物語

 

 

偶数1

◎PR数

自然、授業、友人、課外活動

◎メッセージ

あり

 

 

 

加点 7

減点 0

合計 7

ちょっと小高い山の上にある大阪教育大学。広大な敷地と豊かな自然が織りなす四季折々の風景は、訪れた人々だけでなく、毎日大教で生活している私たちにも感動を与えてくれます。
 
そんなキャンパスには、教員を志望する学生が多く、同じ志の仲間とともに高めあうことが出来ます。教育大学だけあって教員になるために専門的な知識を得ることができる講義がたくさんあります。
 
サークル・部活動も大変盛んで、多くの学生が自分のやりたいことに没頭しています。
 
大阪教育大学では教員志望の人はもちろん就職希望の人にとっても魅力的な大学です。大学に入ってから進路を考えることもありなので大教に入ってともに学びましょう

◎条件

先生、児童、駄菓子

◎描写

会話、行動、状況

◎完成

 

 

 

 

合計 9

日差しが強く汗をたっくさんかく季節がやってきた。毎年、この季節になるとたくさんの児童が駄菓子屋に冷たいもの欲しさにやってくる。「帰り食いはやったらあかんぞ!」という先生の言葉など耳には入れずに。「おばちゃんこれください。」「ぼくもおんなじの!
「わたしお金たりへん・・・」 そんなやりとりが毎日。
「先生が来たぞ。隠れろ!」ある児童があわてて叫んだ。児童たち駄菓子屋の物陰に隠れ、台風が去るのを待つかのようにじっと身をひそめていた。 「おばちゃんアイスください。」先生の発した言葉に、児童たちは顔を見合わせた、と同時に笑いが噴出した。
 
「せんせいも帰り食いしてるやん!」児童の一言に先生は笑うしかなかった。

書くことは

どちらかといえば嫌い

指導経験

なし

困ること

何を書いていいかわからない

興味ある文種

感想

困るとき

何かを描写するとき

評論文を読むのは

ほとんど読まない

小説を読むのは

ほとんど読まない

得意な領域

話すこと

苦手な領域

書くこと

書きやすさ

PR文

 

 

 

 

 

偶数2

◎PR数

授業、友人、課外活動、学園祭

◎メッセージ

あり

▲「たり」の使い方

 

加点 7

減点 1

合計 6

大阪教育大学は教員を志望する学生がほとんどなので、学生一人一人がとても温かく、何事にも熱心に取り組むため、5月と11月に行われる大学祭がとても盛り上がります。また学科が細かくわけられており、小人数で、自分の専門教科や科目を学べます。 また、部活やサークル活動が盛んで、学生のほとんどが所属しています。学科や部活・サークル活動を通して、様々な回生と交流できます。サークルの中には、小学校の放課後学習に参加できるものがあったりと、教育大らしく将来につながることができるものもたくさんあります。
 
まだ私は1回生ですが、高校までとはまた違う大学生活を楽しんでします。みなさんもぜひ大阪教育大学で有意義な4年間を過ごし、理想の教師を目指しましょう

◎条件

先生、児童、駄菓子、猫

◎描写

会話、行動、状況

◎完成

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

合計 10

寒い冬の朝、いつものように生徒を校門で迎え入れるつぐみ。ずっとなりたかった国語の先生。母校であるこの学校で教えることがつぐみの夢だった。冷え性のつぐみにとって、冬の朝に30分以上も外で立っているのは、冷蔵庫に押し込められたことと同じだった。だが、つぐみに向かって元気に挨拶する無数の笑顔はつぐみが冷え性だと忘れられるくらいに眩しく、温かいものだった。 あと3分で予鈴が鳴るというとき、ふと、学校の前にある公園に目をやると、つぐみが担任している32組の坂東孝太が何かをじっと見つめていた。「坂東くーん!早くしないと遅刻するよー!」つぐみの声にぴくりと反応し、じっと見ていたところの周辺をきょろきょろした後、無言のまま走ってつぐみの横を通り過ぎ校舎の方へ向って行った。孝太が校舎に入ったことを確かめるとつぐみは孝太が先ほどまで視線を注いでいたところに行ってみた。するとそこには真っ黒の子猫が小刻みに震えていた。子猫にはその辺から抜いてきたのだろう、引きちぎられてしなしなになった雑草がまるで布団のようにかぶさっていた。つぐみはしばらく考えて、ポケットに忍ばせておいた駄菓子をそっと子猫の横に置いて職員朝礼にむかった。

書くことは

どちらかといえば嫌い

指導経験

なし

困ること

書き出し、終わりとまとめ文章の組み立て方

興味ある文種

詩、創作

困るとき

意見を述べるとき、何かを描写するとき

評論文を読むのは

ほとんど読まない

小説を読むのは

3か月に1冊

得意な領域

話すこと、読むこと

苦手な領域

書くこと

書きやすさ

PR文

偶数3

◎PR数

自然、環境、友人、OB、教採、設備、課外活動

◎メッセージ

あり

 

 

 

 

加点 10

減点 0

合計 10

ここ大阪教育大学は大阪教育大前駅からエスカレーターや階段を登っていった山の上にあり、自然に囲まれていて、勉強やスポーツといった大学生活を充実させていくのに好条件な大学といえます。また、真面目で子供が大好きな学生が多いです。教員志望の学生が多く、一緒に『将来どんな教師になりたいのか』とか『子供たちのためになにができるのか』など熱い会話をすることができたり、OBさんも教師になってる方が多いことから、いろいろ話を聞くことができたり、教採に対するサポートも充実してたりなど、教師になりたい人にとっては最適な環境が整ってています。そして、この広大な敷地を利用して数多くの部活やサークルが活動しており、きっと気のあう『仲間』が見つかることでしょう。そこでの活動を通してさらに大学生活が充実していけると思います。みなさんもこの大学を通うことになったら楽しい毎日をおくることができ後悔することはないでしょう

◎条件

先生、児童、駄菓子、猫

◎描写

会話、行動、状況、心理、

◎完成

 

 

 

 

 

 

 

合計 11

「おい、早く行こうぜ」 最近、こどもたちがもっぱら楽しみにしていることといったら、学校帰りにいつもの駄菓子屋で買い食いして帰ることである。「ランドセル背負ったまんま、ごくろうなこったい。」
と思いながらも、子どもたちになでられるのが好きでたまらないこの駄菓子屋の看板ねこのミーは、子供たちが来る時間帯になると、日なたぼっこがてら、駄菓子屋の前に出てきてごろごろしている。「ミーげんきかぁ?」「今日もいっしょに遊ぶか?」「それとも、のイカソーメン食うか?」ミーはこんなに声をかけてくれる子どもたちが大好きなのである。「やったーあたりだ。おばちゃんもういっこちょうだい。」「はいよ。」こんなどこにでもある平凡な日常。今日はそこに異変がおこった。「こらーおまえたち。寄り道はだめだといっただろ」「やべー逃げろー」今日たまたま駄菓子屋の前を先生が通りかかったのである。「あいつら明日学校でとっちめてやる。ミーやめろ。くっつくな。」みーはなつかしいおもかげにひかれすりよった。「あの逃げ回ってた子が、今は追いかける側とはねぇ」そんなどこにでもある日常の風景。

書くことは

どちらかといえば好き

指導経験

あり(環境問題の作文コンクール)

困ること

文章の組み立て方

興味ある文種

意見主張

困るとき

何かを説明するとき、何かを描写するとき

評論文を読むのは

ほとんど読まない

小説を読むのは

1か月に1冊以上

得意な領域

話すこと、書くこと

苦手な領域

聞くこと

書きやすさ

物語

偶数4

◎PR数

自然、環境、教採、課外活動

◎メッセージ

あり

 

 

 

 

加点 7

減点 0

合計 7

大阪教育大学は豊かな緑に囲まれた土地で、広々としています。
都会にある大学のように華やかさはないかもしれませんが、その反面静かな環境で勉強することができ、騒音などに悩まされることも全くありません。そしてこの大学は教員養成に非常に力をいれていて毎年多くの教師を輩出しています。それはやはり教員採用試験対策、面接対策など、先生方の徹底的なサポートによるものです。また教育に関わることだけでなく、部活やサークル活動も充実しており今まで培ってきた経験を活かすも良し、全く経験のない新しい世界に踏み出すも良し、入学者の多様なニーズに応えてくれる大学です。今後の人生設計に直結する大切な大学生活です。
みなさんも大阪教育大学に来て、思い出に残るような生活を楽しみませんか?

◎条件

先生、児童、駄菓子、猫

◎描写

情景、行動、心理

◎完成

 

 

 

 

 

 

合計 10

強い風が吹く秋の夕暮れ時、僕は一人ぼっちで背中を丸めて歩いていた。今日も先生に怒られた。僕は何も悪いことなんてしていない。何になぜなんだ?疑問、怒りは収まることを知らない。寂しそうに佇む小石を思い切り蹴飛ばしてみたけれど、心は晴れない。帰り道、駄菓子屋に寄った。駄菓子屋のおばちゃんはいつも元気で怒る僕の顔を見ても臆することなく笑顔で話しかけた。おばちゃんに僕の気持ちは分からない。そんな気持ちが表情に出たのか僕の顔を見て悲しそうな顔をした。家に帰る途中、一匹の猫がいた。足に纏わりつき甘えてくる猫に苛つき舌打ちを繰り返した。しかしそのときなぜかおばちゃんの顔が思い浮かんだ。僕は人の優しさにさえ気づけないのかと感じポケットにいれていた駄菓子を取り出し、猫にあげた。とてもおいしそうに食べてくれた。自分に関わる人をもっと大切にしていこう。僕は背筋を伸ばし前を向いて歩き始めた。

書くことは

どちらかといえば好き

指導経験

なし

困ること

書き出し
文章の組み立て方

興味ある文種

創作

困るとき

何かを説明するとき

評論文を読むのは

ほとんど読まない

小説を読むのは

1か月に1冊以上

得意な領域

読むこと

苦手な領域

話すこと

書きやすさ

物語

 

偶数5

◎PR数

自然、友人、課外活動

◎メッセージ

あり

 

加点 7

減点 0

合計 7

大阪教育大学は小高い山の上にあり、春は桜、秋は紅葉と四季折々の変化を楽しむことができる自然に囲まれた国立大学です。教育大学という名前を冠している通り、教育学部のみの大学ですが、近年中には教養学科が学部として独立します。教育者を目指す人は多く、教員志望者同士士気を高めることができますが、公務員や一般就職など多岐にわたる目標を持った学生が様々な施設を使用しながら学びを続けています。またクラブ活動の運動部においては近畿ひいては全国でも多くの大会で勝利をおさめています。勉学だけでなくスポーツやその他自分の力を伸ばすにも最適な大学なので、感性や能力を共に高めていきましょう!

◎条件

先生、児童、駄菓子、猫

◎描写

行動、会話、心理

◎完成

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

合計 10

「先生あそこの草むらが動いてる!」体育の授業の最中、児童の一人が声をあげた。「え、何々?」「野良犬かな〜」「怖ーい」その声に子どもたちは一斉にざわめきはじめ、私はそれを収束するために少し大きな声で、「ちょっと見てくるから、静かにしてね!」と言い、草むらの方に向かった。本当に野良犬ならばかわいそうだけれど、学校からは出さなければならない。草むらをそっとかき分けると、そこには生まれたばかりのように思われる子猫と親猫がいた。みゃ、みゃー…か細い声で鳴く猫達をどうしようかと逡巡していると、後ろからがやがやと子ども達が近づいてくるのがわかった。「先生何だったの〜?」「やっぱり犬?」仕方なく振り向きながら「子猫だったよ」と一言言うと、彼らは一気に走り寄ってきて私の横から草むらを覗き込んだ。「きゃーかわいい!」「ちっちゃーい」「この子たちどうするの?」「うーん、学校で飼うのは無理だろうからね」歯切れ悪くそれだけ言うと、さらにわいわいと騒がしくなり「私の家で飼うよ!」「うちも聞いてみるー」「かわいそうだよ」と様々な声が上がり、そのなかの一人が「おなかすいてるよね」と、駄菓子をポケットから出して猫の前に出した。教師としては叱らなければならない場面ではあったが、どうしても叱ることはできなかった。小さな子どもたちが、自分より弱いものを守ろうとしている様子に、教えることは難しい優しさを彼らが持っていることがわかり無性に嬉しかったからだ。

書くことは

とても好き

指導経験

あり(教科書の続きの文章)

困ること

終わりとまとめ

興味ある文種

詩、感想、説明、報告、創作

困るとき

何かを描写するとき

評論文を読むのは

3か月に1冊

小説を読むのは

1か月に1冊以上

得意な領域

読むこと、書くこと、聞くこと

苦手な領域

話すこと

書きやすさ

物語

 

偶数6

◎PR数

友人、授業、自然、猫、環境、人間関係、課外活動

◎メッセージ

あり

 

 

加点 10

減点 0

合計 10

大阪教育大学には同じ志を持った人たち、同じ科目に興味を持っている人たちと共に学び議論することのできる環境があります。また、各専門分野でトップレベルにある先生の授業を受けることもできます。あなたに学ぶ意欲があれば、大学在学中に多くのことを吸収することができるのです。 勉学だけではありません。1年を通し四季折々の自然を楽しむことができるのも魅力のひとつです。春の桜、夏の緑、秋の紅葉、冬の雪景色は圧巻です。その景色の中で、大教名物でもある多くの猫たちが、愛くるしい姿を見せています。 先生を志す人たちばかり…ということが、堅い人たちばかりではないのだろうかと短所に感じる人もいるでしょう。しかし、大教の学生は勉学だけでなく、部活動やサークル、アルバイトも精力的に行っている人たちがたくさんいます。大学の人数が少ないことも相まって、誰とでも分け隔てなく接することのできる気さくな人たちが多いです。自然の中で、熱く、しかしのびのびと学び、人間関係を築くことのできる大阪教育大学。あなたにもぜひ体感してほしい、そう思います。

▲条件

 

◎描写

行動、会話、心理、情景、状況

◎完成

 

 

条件を完全に満たしていない。

 

 

 

 

合計 8

草食系男子が流行ってからも、まるで女性のような華奢さで、ぼそぼそとしか話せない僕には大学4年目に入っても友人ができることはなかった。 今年は猛暑らしくアスファルトの道は数メートル先が揺らいで見える。細い腕を露わにするのが嫌で七分丈のTシャツを着ていたが、汗染みができてないかと気が気でない。 大学にもう少しというところで我慢できなくなり、僕は自販機のボタンを押し、出てきたジュースを素早く開け口もとに持っていこうとした。突然衝撃が体に加わり膝かっくんをされているような体勢になった。見ると、犬が足にすがりついていた。昔からなぜか犬には好かれるんだよな…と思うと同時に、手に持っていたジュースからは泡が飛び散る。僕の選んだジュースは、コーラであり、すぐに蓋を開けてはいけないものだったのだ。そのコーラが体勢が崩れた僕の手からさらにこぼれる。 「うわっ!」地面に倒れた僕が声に驚き振る返ると、スーツを着た男性がコーラにまみれて立っていた。「すっすみません!」焦って鞄からハンカチを取り出しコーラをふく。ハンカチを持ち歩いているから余計なよなよして見えるんだよな…とふと思いながら必死でふいていると、手をがしりと掴まれた。怒られる…!!「これだ!この手だ!」僕の手を掴みながら男性は顔を火照らせている。「君、モデルにならいか!?」話し下手な僕の手が、指輪をつけてポスターとなり街中に溢れるまでそう時間はかからなかった。

書くことは

どちらかといえば好き

指導経験

あり(小学校の先生と交換日記)

困ること

文章の組み立て方

興味ある文種

詩、感想、説明、報告、創作

困るとき

感想を述べるとき

評論文を読むのは

ほとんど読まない

小説を読むのは

1か月に1冊以上

得意な領域

読むこと、書くこと、話すこと

苦手な領域

書くこと、聞くこと

書きやすさ

PR文

偶数7

◎PR数

環境、実習、教採、自然、猪、食堂

◎メッセージ

あり

 

 

 

 

 

加点 9

減点 0

合計 9

“大阪教育大学には夢がある” 特に教師を志す者にとってはまさに楽園、とは言いすぎにしても環境の整った大学である。初年次からある小・中学校への実習。そして、教育実習を経て受験する教員採用試験。そのいずれについてもサポートが充実している。そのうち、試験対策講座は無料ではないがその分濃い時間を過ごすことができる。 自然に囲まれていることも大きなポイントである。山の上に立つ大阪教育大学は非常に緑豊かであり、山に登ることも可能である。また、紅葉スポットや果物が生っている場所も存在する。さらに、運が良ければ猪にも会えることだろう。 美味しさに定評のある食堂も忘れてはならないだろう。一階の第一食堂はリニューアルされたばかりで非常に綺麗であり、決して美味しさだけではない良さが広がっている。それはまるで東京のお洒落なカフェテリアを思わせる佇まいである。
 
大阪教育大学はこのような場所である。

◎条件

先生、児童、猫、駄菓子

◎描写

行動、会話、心理

◎完成

 

 

 

 

 

 

合計 8

授業の終わりを知らせるチャイムが鳴ってからしばらく後、子供たちが校門から駆けて行く。と、走っていた一人の男の子が転んでしまった。先生が近寄って声をかけている。だが、彼は泣かなかった。我慢強い子である。彼は土を払うと、「さようならあ!」と言ってまた元気に走って行った。 私がこのような景色を眺めていると、先ほどの先生が私に近づいてきた。「いらっしゃっていたのですか。もっと早くにいてくださればあの子たちも喜んだでしょうに。」そんなことを言われても困る話である。先生は忙しなさそうに校内に戻った。 私も帰宅することにした。すぐ近くの駄菓子屋が私の家だ。家の前につくとお客さんがいた。膝を擦りむいている。顔を見ると先ほど転んでいた男の子であった。「おかえりー!」と言って私に駄菓子を差し出してきた。しかし、私には食べられないので「にゃあ」と鳴いて「ただいま」と「ありがとう」を返した。

書くことは

どちらかといえば好き

指導経験

なし

困ること

書き出し

興味ある文種

創作

困るとき

何かを説明するとき、意見を述べるとき、感想を述べるとき

評論文を読むのは

半年に1冊

小説を読むのは

3か月に1冊

得意な領域

読むこと

苦手な領域

書くこと、話すこと、聞くこと

書きやすさ

物語

 

 

偶数8

◎PR数

自然、施設、イベント、学園祭、教採、友人、環境

◎メッセージ

あり

 

 

 

 

加点 10

減点 0

合計 10

大阪教育大学は豊かな自然に囲まれた素敵な大学です。四季折々の美しい景観が魅力です。 それだけでなく、図書館・情報処理センター・大学生協・食堂・カフェテリア・体育館など様々な施設が充実しており、快適なキャンパスライフを送ることができます。 キャンパス内では学園祭や七夕祭り、クリスマス会など様々なイベントも開催されます。 五月に開催される五月祭という学園祭は、主に入学したての1回生が学科ごとに出店します。みんなで協力して実行する中で、友達との仲が深まったり、まだ話したことのなかった人とも交流して友達が増えたりします。 また、教育大だけあって教員採用試験への対策に力が入っており、講義や面接指導を受けることができます。 そして何より、教師をめざす仲間と共に勉学に励む環境が揃っていることが最大の魅力です。 みなさんも大阪教育大学に来て、素敵な仲間と共に教師をめざしましょう!

◎条件

先生、児童、猫、駄菓子

◎描写

行動、心理

◎完成

 

 

 

 

 

 

 

 

合計 9

日曜日。セミの鳴き声がうるさくて起きた。気が付けばもう7月だ。
社会人になってから、3ヶ月があっという間に過ぎた。遠く地元を離れたこの土地での一人暮らしにも慣れてきた。ぼくが住んでいるのは小さなアパートの1階だ。そのアパートに最近猫が遊びにくるようになった。たぶん近くの家で飼われているのだろう。いつも綺麗だし、人間に慣れている。ぼくはその猫のために、いつも会社帰りにちくわを買う。アパートのすぐ側に小学校がある。日曜日になると、野球部の練習する声が聞こえてくる。ぼくも昔野球部だった。コーチや監督はものすごく恐かったけれど、チームメイトは最高の仲間だ。その声とセミの鳴き声をきいていると、あるシーンをふと思い出した。小学校最後の試合で負けて泣いている。担任の先生が応援に来てくれていた。若くて優しい女の先生だった。先生は差し入れに、ビニール袋いっぱいのびっくりマンチョコをもってきてくれて、泣いている僕らの口に入れていって笑っていた。蒸し暑い部屋の中、なんだか急に懐かしくなってびっくりマンチョコを買いに出かけた。

書くことは

どちらかといえば好き

指導経験

なし

困ること

文章の組み立て方

興味ある文種

創作

困るとき

意見を述べるとき

評論文を読むのは

ほとんど読まない

小説を読むのは

3か月に1冊

得意な領域

読むこと

苦手な領域

話すこと

書きやすさ

物語

 ここからは行った分析をもとに、考察を述べていく。まず、「奇数グループ」と「偶数グループ」の点数を表にまとめたものを以下に示す。

<奇数グループ>                                      <偶数グループ>

 

PR文

物語

合計

1

8

7

15

2

1

8

9

3

7

6

13

4

8

7

15

平均

6.0

7.0

13.0

 

PR文

物語

合計

1

7

9

16

2

6

10

16

3

10

11

21

4

7

10

17

5

7

10

17

6

10

8

18

7

9

8

17

8

10

9

19

平均

8.3

9.4

17.6

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 PR文、物語文ともに「偶数グループ」の方が高いという結果が出た。今回の調査の対象は、どちらのグループも大阪教育大学の同じ学科の学生である。また、同時にした質問によると、文章を書くことについて好きか嫌いかにも偏りはみられなかった。つまり、今回の調査では、文章例がある方が内容がよいものを書けるということが示された。

 

 PR文では、大阪教育大学のアピールポイントがたくさん挙げられていた。文章例に挙げた以外にも、「学園祭」、「実習」、「OB」、などが挙げられていた。今回のアンケートは、1回生と文章表現ゼミの4回生にアンケートを取ったが、4回生の方が、1回生よりもたくさんのアピールや自分の体験に基づいたアピールをしていた。これは文章力の大きな差というよりも、大学に長くいる分、多くの題材を持っていたと考えられる。

 誤字はみられなかったが、「たり」の使い方が間違っている文が多かったのが気になる点である。

 

 物語は、条件はほとんどの文章が満たしていた。文字数の制約からか、物語として完成しておらず、場面として成立していないものもあった。完成度の高い(点数の高い)作品は、描写が多岐にわたっているものであった。今回は、描写の種類につき1点にしたが、数だけで見たらまた結果が変わってきていたであろう。物語を書くのに、説明だけでおわっているものもあり、その文章は点数が低かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4−2−2 学習経験や国語に関する意識の考察

続いて、今回アンケート調査に協力してくれた人が書くことにどのような意識を持っているか、また、これまでの国語の学習の経験を聞いた設問にも考察を行っていく。

 

<問6 あなたは文章を書くことが好きですか>

とても好き

1

8%

どちらかといえば好き

9

75%

どちらかといえば嫌い

2

17%

とても嫌い

0

0%

合計

12

100%

 

今回のアンケート回答者の83%が、文章を書くことが「とても好き」あるいは「どちらかといえば好き」と回答し、文章を書くことを好んでいることがわかる。

 

<問7 これまで感想文・小論文指導以外で文章を書く機会がありましたか>

ある

3

25%

ない

9

75%

合計

12

100%

 

 これまで作文指導を受けた経験は、「ない」と答えた回答者が75%になった。

「ある」と答えた回答者の<問8 それはどんな作文でしたか>には、

○環境問題の作文コンクール

○担任の先生との交換日記

○教科書の続きの文章を書く

が挙げられていた。

 

<問9 作文を書くときに困ることはなんですか(複数回答可)>

困ることは無い

0

書き出し

5

終りとまとめ

3

文章の組み立て方

8

何を書いていいかわからない

2

 

文章を書くことが好きな回答者が多い中で、困ることはないと述べた人は0人で、全員何かしら困ることを抱えているという結果が出た。今回の回答者には「何を書いていいかわからない」と困る人は少なかった。このような集団に対しては、題材集めの働きかけをするよりも、文章の構成を考えやすくする指導(構成メモなど)をすると効果的であると考えられる。

 

<問10 どのような文種に興味がありますか(複数回答可)>

8

16

文学的文章

創作

8

行事

0

9

説明的文章

生活

1

説明報告

2

意見主張

2

感想

4

 

 「詩」や「創作」など感性を働かせる文種、文学的な文種に興味が集中している。文学系の文種と説明系の文種の回答の合計数をみても、文学系の文種の方が回答が多かった。

これに関連して、問12、問13で聞いた「読書量」に関しても、小説などを読む人が圧倒的に多い。

これまでの学校生活で多く書かされてきた「行事」には、興味を持っている回答者はいなかった。

 

 

<問11 作文を書くときに困るときはなんですか(複数回答可)>

困ることはない

0

 

何かを説明するとき

3

12

説明的文章

意見を述べるとき

5

感想を述べるとき

4

何かを描写するとき

6

6

文学的文章

 

 この問も、問9と同様に、「困ることはない」という回答をする人はいなかった。どれに対しても偏ることなく困ると回答されていた。問10で創作に興味を示しつつも、「描写すること」に対しては、抵抗をあらわしていることがわかる。

 問10と同様にジャンルを分けてみると、合計数で、説明系の文章を書くときに困るときが多いということが示されている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<問12、13 どれだけの頻度で評論や小説を読みますか>

 

評論

小説

1か月に1冊以上

1

7

3か月に1冊

3

3

半年に1冊

1

0

ほとんど読まない

7

2

 

 

評論文と小説を比べると、小説の方がよく読まれていることがわかる。評論文はほとんど読まない人が7人いた。それに対し、小説はほとんど読まない人が2人で、それ以外の回答者は3か月に1冊以上小説を読んでいる。

 

<問14 国語科の4領域の中で、得意(または好き)なのはどれですか(複数回答可)>

読むこと

6

書くこと

4

話すこと

7

聞くこと

2

 

得意(または好き)な領域は、「読むこと」と「話すこと」が同じくらいの回答数を集めた。問6で、10人の回答者が「文章を書くことが好き」と回答したが、国語科の領域でみると、この設問で「書くこと」を選んだのは4人であった。

 

 

 

<問15 国語科の4領域の中で、苦手(または嫌い)なのはどれですか(複数回答可)>

読むこと

4

書くこと

6

話すこと

5

聞くこと

3

 

得意(または好き)な領域に比べるとばらつきが少なかった。もっとも苦手(または嫌い)と回答されたのは「書くこと」だった。「文章を書くことが好き」と思っている集団においても、書くことへの抵抗があることが示されている。

 

 

 それぞれの領域における、「好きまたは得意」と答えた人と、「嫌いまたは苦手」と答えた人の人数を合わせてグラフ化したものが上のグラフである。4領域の中で、「嫌いまたは苦手」と回答した人の数が「好きまたは得意」を上回ったのは、「書くこと」と「聞くこと」であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<問16 今日書いてもらった2つの文章でどちらが書きやすかったですか>

 

文章例あり

文章例なし

PR文

3

0

物語

5

4

 

文章例のない回答者は、全員「物語」の方が書きやすかったと回答したのに対して、文章例がある回答者は書きやすかった文章に「PR文」を回答している人もいた。しかし、文章例がある回答者でも、「物語」の方が書きやすかったという回答が多かった。

物語は、これまで教科書などの作品を通して、必ず読んだことがあるため文章のイメージがつかみやすかったと考えられる。それに対し、PR文はこれまで意識して見ることがあまりなかったため、何を書くのかわかりにくかったと考えられる。その点、文章例がある方が、PR文のイメージがつかめ、何を書くか自由度の高い物語よりも書きやすかったと考えられる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第5章 結論

 本研究においては、まず、「作文が嫌い」、「書くことが苦手」という意識がなぜ生まれてくるのかをまとめた。これまでの研究では、「ただ単に書かせて終り」という指導への問題が指摘されていた。その上で、様々な実践を通して書く意欲を向上させようという取り組みをまとめてきた。これまでの実践をみていくと、どれも指導者によって、書くことへの抵抗を和らげる工夫がなされていることがわかった。今回、大阪教育大学の国語専攻の学生の協力をいただき、自分の設定した題材で作文を書いてもらうという貴重な機会をいただいた。指導という形ではないが、何か工夫をすることで、書かれたものに差異がみられることをねらいとしてアンケート調査を行った。今回工夫として採用したのが「文章例を示す」という方法である。作文を書くときの抵抗要素である、「書き出し」、「取材」、「構成」、「まとめ」を文章例という形で一気に示したものである。

 まず、アンケートの回答数だが、文章例のあるグループの方が回答数を多く得ることが出来た。文章例がある分、どのような文章を書いたらよいかのイメージがつかみやすく、回答をしやすかったとも考えられる。

 次に、実際に書いてもらった文章を比較した。これはさきほど考察でも述べたように、文章例のある方が点数が高いという結果が出た。アンケートの段階では、評価の観点や、点数化することは伝えていなかったが、文章例は、評価の観点の例ともなっていたため、それに倣って書いた文章の方が高得点を出したとも考えられる。

 そして、これまでの学習経験や、書くことへの意識を調査した。それぞれの設問の考察は先に述べたとおりだが、本研究の最後に、書くことへの意識と実際の文章の得点差について述べる。

 上のグラフは、グループごとの文章の平均点と、「好きまたは得意」「嫌いまたは苦手」と答えた人の文章の平均点を比較したものである。PR文は「好きまたは得意」の人と「嫌いまたは苦手」の人で2.0点の差があるが、物語ではほとんど差がみられない。むしろ、「奇数グループ」と「偶数グループ」の差の方が大きい。この結果をみると、個人が思っている苦手意識や抵抗を取り除くことが重要だと考えられる。

おわりに

今回の調査は、国語の能力に関して大きな差のない同じ学科の学生を対象に行った調査であり、どこでもこの結果があてはまるとは限らない。しかし今回の調査結果の中で、個人の意識ではなく、書かせやすくする工夫の有無によって平均点に大きな違いがみられた。このことは、これから小学校で作文指導をしていく自分にとって大きな励みとなった。

 今後は、調査ではなく指導として、自らの教える児童たちの抵抗を和らげ、「書く」ということの面白さを感じさせることのできる教師になりたい。

 

 

 

テーマを決めてから、あっという間の1年でした。追い込まれないとやらない癖を治そうと誓っていましたが、今回卒業論文の完成にあたってそれは叶いませんでした。

 はてどうしようと思っていた時に、救いの手となったのが、それまで書きためてきたメモ程度の原稿と、データでした。データは早めに取っておいたほうがいいという野浪先生のアドバイスどおりでした。「苦しい時期を乗り越えたら、書いたものが次書くことを生んでくれる」という井上先生の言葉の意味も次第に感じることができました。

 この卒業論文の完成にあたっては多くの方のご協力をいただきました。アンケートに協力してくださった1回生のみなさん、アンケートはもちろん、さまざまな面でお世話になった表現ゼミのみなさんありがとうございました。また、ご指導、ご助言を賜りました先生方に感謝しております。中でも、指導教官の野浪正隆先生には、さまざまなアドバイスをいただきました。先生に頂きましたアドバイスは自分の教員生活の中で、子どもたちに還元できればと思っております。

 

 


参考文献

「小学校学習指導要領」文部科学省 平成203

石田余五六他『作文の基礎能力』 新光閣 1967

市川孝『文章表現法』 明治書院 1968

大西道雄「作文・機会と場に生きる表現活動」日本国語教育学会編『月刊国語教育研究』19925月号

大村はま『大村はま国語教室5』 筑摩書房 1983

大村はま『大村はま国語教室6』 筑摩書房 1983

岡野恵子「形にとらわれず意欲的に書く生徒の育成―あらゆる機会を通して書くことの意義を理解させる指導方法―」日本国語教育学会編『月刊国語教育研究』19925月号

首藤久義「おおらかに広がる作文学習の場―袖ヶ浦東小学校の実践―」日本国語教育学会編『月刊国語教育研究』19925月号

高森邦明『作文指導法の理論』 明治図書 1974

中村晃代「書く意欲を高める作文指導―書く目的・読む相手を意識した作文指導―」北海道教育大学函館国語会『函館国語』第十四号1998

日本国語教育学会編『国語教育辞典』 朝倉書店 2001

藤原与一『ことばの生活のために』講談社昭和42

町田守弘「表現意欲喚起の戦略―書くことへ向かう意志を育てるために」東京法令出版株式会社『月刊国語教育』20065月号

森岡健二他編 『作文講座4 文章の理論』明治書院 1968

森岡健二他編 『作文講座5 文章の評価』明治書院 1968

森久保安美「作文指導にもっと人間同士のふれあいを」日本国語教育学会編『月刊国語教育研究』19925月号