平成２６年度　卒業論文

「スレッドタイトルにおける表現特性」

大阪教育大学　教育学部

教員養成課程　国語教育専攻　小学校コース

国語表現ゼミナール

112114　高橋　賢人

指導教官　野浪　正隆先生

目次

序章　はじめに

第一節　研究動機

第二節　研究目的

第一章　研究にあたって

第一節　研究対象

第一項　スレッドタイトルについて

第二項　研究対象となるスレッドタイトル

第二節　研究方法

第一項　分析項目について

第二項　関連性について

第三章　研究結果・考察

第一節　《話題》・《文頭形式》・《文末形式》について

第二節　各分析項目の傾向について

第三節　関連性について

第四章　まとめと今後の課題

第一節　まとめ

第二節　今後の課題

終章　おわりに

第一節　おわりに

第二節　参考資料

序章　はじめに

序章　はじめに

第一節　研究動機

　大学構内や通学時間で、学生がスマートフォンを持っている姿をよく見かける。データとしてみた場合も普及率は、内閣府「消費動向調査」によると54.7%とされており、スマートフォンは私たちの生活へと、より身近になってきたと言えるだろう。私自身もスマートフォンを使用しており、その中で「まとめサイト」を閲覧することが多くなった。この「まとめサイト」とは、匿名掲示板におけるスレッドをサイト管理者が集め編集し、読み手に対して読みやすくまとめたインターネットサイト群である。

　私は何気なく、これら「まとめサイト」を閲覧していたが、自身が引き付けられたり、逆にまったく目に入らないスレッドがあることに気づいた。もちろんスレッドの話題やカテゴリにも影響されているとは思うが、ネット掲示板におけるスレッドの内容やスレッドタイトルには、読み手を意識した表現の特性があるのではないかと考えた。今回の研究ではその中でも、スレッドタイトルに注目し、研究していくことにした。

第二節　研究目的

　本研究では、スレッドタイトルの持つ系統や傾向を明らかにしていく。そのために、分析項目を設け、各項目ごとにスレッドタイトルを分析していく。分析項目は主に３つにわけ、スレッドタイトルに書かれた話題、スレッドタイトルの文末形式、スレッドタイトルの文頭形式について行う。それらの傾向を分析・分類し、スレッドタイトルの特性を明らかにする。

第一章　研究にあたって

第一章　研究にあたって

第一節　研究対象

第一項　スレッドタイトルについて

　研究対象の『スレッドタイトル』及びそれに関する語句の説明をする。そもそもスレッドとは電子掲示板における話題に関する投稿の集まりをといい、スレッドは話題に対しての作成者以外の返信や応答によって形成される。

本研究における『スレッドタイトル』とは、「２ちゃんねる」でスレッドを作成する際にスレッド作成者がつける題名のことである。「２ちゃんねる」では、サイトの中で様々なカテゴリによって分けられており、そのカテゴリの中でさらにスレッドが作成される。ここで「２ちゃんねる」についての概要を説明しておく。

　「２ちゃんねる」（2ch.net）とは、１９９９年５月に初代管理人西村博之が開設した電子掲示板群を取り扱うサイトである。２０１５年１月現在、４５のカテゴリと８７８の掲示板があり、生活のことから政治・社会問題まで様々な話題を取り扱っている。今なお拡大し続けている、コミュニティサイトである。

第二項　研究対象となるスレッドタイトル

　研究対象となるスレッドタイトルは、「２ちゃんねる」で「雑談系２」のカテゴリに属する、「ニュース速報VIP」という掲示板で作成されたものに限定した。この「ニュース速報VIP」とは、２００４年６月に生まれた掲示板である。元々、「ニュース速報板」という掲示板において、悪質であったり盛り上がらないスレッドを移動させる機能によって、移動させられたスレッドを収容するための板であった。掲示板の話題はニュースという名称に限らず多岐にわたり、その影響か２０１２年ごろまで「２ちゃんねる」内では書き込み数が１番多かった掲示板である。私はこの多岐にわたる話題と高い書き込み数に注目し、この「ニュース速報VIP」には幅広い年齢層と多くのスレッド作成者、読み手がいるのではないかと考えた。先述したように「２ちゃんねる」には多くのカテゴリはあるが、中には「東北」「司法試験」といった地域や専門性に特化したものもある。こういった掲示板では、作成者や読み手が限定されたり、書き込みにも偏りがある。「ニュース速報ＶＩＰ」のような多様な話題が取り扱われ、書き込み数の多い掲示板に限定して、研究するのがスレッドタイトルの特性を考える上でよいのではないかと考えた。

　取り扱うスレッドタイトルは、まず『妹はVIPPER』『キニ速』『暇人速報』『vipperな俺』という「ニュース速報ＶＩＰ」のスレッドを収集してまとめているサイトから、無作為に１０００作品集めた。スレッドが作成された時期は、２００７年６月から研究対象を集め始めた２０１４年２月までものである。それらを、「２ちゃんねる」での書き込みが終了した過去ログを保管・閲覧可能にしている『ログ速』というサイトにおいて、まとめサイトと「２ちゃんねる」でスレッドタイトルに相違がないか確認したものが研究対象である。

第二節　研究方法

第一項　分析項目について

　本研究では、１０００個のスレッドタイトルを項目ごとに分析し、話題の関連や傾向がどのようになっているのかをまとめていく。

スレッドタイトルは主にこの三項目を分析していく。

項目名	内容
話題	スレッドタイトルの話題・内容
文末形式	スレッドタイトルの文末
文頭形式	スレッドタイトルの文頭

　

これら三つの分析項目について説明していく。

《話題》とは、スレッドタイトルから読みとれるスレッドの話題・内容である。

実際にスレッドタイトルを例を挙げて説明する。

�@『リメイクドラクエ６超やりてえええええ１！！！』　２００７年７月

�A『彼女に振られたったｗｗｗｗｗ』　　　　　　　　　２０１４年２月

※すべて（『スレッドタイトル』　作成年月）の順

　

　この二つのスレッドタイトルからは、それぞれ異なった話題・内容が読み取れる。

　�@のスレッドタイトルでは、「リメイクドラクエ６」という人気ゲームシリーズのリメイクについての話題だということが下線部分から読み取れる。この場合、このスレッドタイトルの話題は、「ゲーム」とする。

　�Aのスレッドタイトルでは、「彼女」という下線部分から「恋愛・結婚」に関する話題。また、「振られた」という下線部分から、スレッド作成者自身の「体験」がスレッドタイトルから読み取れる。この�Aのようにスレッドタイトルから複数の話題が読み取れる場合もある。

以下の表は、《話題》に関して分析し、出てきた話題である。《話題》はこれらの細項目を利用して分析した。

　

項目	詳細	項目	詳細
TV・マスコミ	番組、ＣＭなどＴＶに関係する話題	企業	会社名や会社に関する話題
生き物	虫、犬、猫など生き物に関係する話題	疑問	スレッド作成者の持つ疑問についての話題
映画	映画の内容や作品などに関連する話題	芸能人	芸能人に関する話題
音楽	音楽のジャンルやアーティストに関する話題	ゲーム	ゲームの内容やキャラクターに関する話題
外国	外国の言語や国そのものに関する話題	健康	病気や作成者、読み手の身体・精神に関する話題
買い物	買いたい物に関する評価や相談に関係する話題	見聞	スレッド作成者が他人から見たり聞いたりする話題
画像・動画	ジャンルに問わず、画像や動画に関する話題	言葉遊び	スレッドタイトル内での文章変形に関する話題
家族	作成者の身内や読み手の家族に関係する話題	恋愛・結婚	恋愛や結婚、彼氏・彼女に関する話題
学校・勉学	作成者の学校や勉強及び読み手の学校や勉強に関する話題	怖い話・ホラー	怖い話、体験、画像に関する話題
作品	映画,音楽,小説や絵画に関する話題	実況	作成時に行われていた試合や番組に関する話題
仕事	作成者の仕事や読み手の仕事に関する話題	自慢	作成者が読み手に関して自慢したい話題
指示	読み手に対して行動を指示する話題	自論	作成者が読み手に伝えたい自分の考えや思想に関する話題
歴史	歴史的事件に関する話題	生活	実生活全般に関する話題
スポーツ	スポーツのジャンル、選手に関する話題	男性・女性	男性、女性に関する話題
体験	作成者自身が体験したことに関する話題	地域	日本における各地域に関する話題
政治	政治や政治家に関する話題	食事	食べ物、食べ方、お店に関する話題
知識	雑学に関する話題	発見	作成者自身が発見したことに関する話題
ニュース	公にあったニュースに関する話題	募集	作成者が読み手に対して募集する話題
ネット	ネット関連や情報に関する話題	漫画・アニメ	漫画、アニメの内容やキャラクターに関する話題
設定	スレッドにおける設定を決める話題	創作系	スレッド作成者が新しい事・物を創作する話題
創作系設定	スレッド作成者が既存の事・物から想像した架空の設定を決める話題	創作系台詞	スレッド作成者が既存のキャラクター・物などを利用し、架空の台詞を発言させた話題

　次に《文末形式》について説明する。《文末形式》では、スレッドタイトルの文末がどのような記号、文字で書かれているか分析した。実際にスレッドタイトルを例にあげて説明する。

�@『一人暮らしの飯のときによくありがちなこと』　２００８年５月

�A『マイクタイソン凄すぎワロタｗｗｗ』　　　　　２０１０年３月　

�B『生まれて初めてカツアゲされた（´・ω・`）』　２０１１年３月

※すべて（『スレッドタイトル』　作成年月）の順

　これら３つのスレッドタイトルはそれぞれ異なった《文末形式》である。

　�@のスレッドタイトルの文末は、下線部にあるように文字で終わっている。このように作成者によってスレッドタイトルの文末が文字で書かれているものは、「文字」と分析した。

　次に�Aのスレッドタイトルでは、「ワロタ」のあとに「ｗｗｗ」というアルファベットが続いている。このスレッドタイトルの文末にある「ｗ」には、「こと」のような文字としての働きがなく、笑っている様子を表すための記号としての働きがあると考え、「記号」と分析した。

　最後に�Bのスレッドタイトルでは、「ｗ」のような１種類の記号ではなく、「（´・ω・`）」という複数の記号で作られた顔文字が文末にある。こういった文末形式は「顔文字」と分析した。

　ここで「顔文字」という文末形式があるので、顔文字については川上正浩の論文より引用し、定義しておく。

顔文字とは、“(^_^)”や“＼(^o^)／”のように表情やしぐさに似せて、文字や記号を組み合わせたシンボルであり、主に文末に付与することで、その文に意味や感情を加えるという目的で用いられるものである。（川上正浩「顔文字が表す感情と強調に関するデータベース」2008）

　以上が主だった《文末形式》である。この３つ以外にも、分析していく中で様々な《文末形式》が出てきた。それらの項目名、詳細をともにまとめて表にしたものを下に載せている。また、《文末形式》の「文字」にも「こと」や「スレ」といった言葉としての違いがある。そのため、《文末形式（具体）》という分析項目を設け、さらに細かく「文字」「記号」の中でもどういったものがあるのか、分析した。

項目	詳細	項目	詳細
顔文字	文末に顔文字がつかわれているスレッドタイトル	数字	文末に数字がつかわれているスレッドタイトル
鍵括弧	文末に」がつかわれているスレッドタイトル	スペース	文末にスペースがつかわれているスレッドタイトル
感嘆符	文末に！がつかわれているスレッドタイトル	すみつきかっこ	文末に】がつかわれているスレッドタイトル
疑問符	文末に？がつかわれているスレッドタイトル	中点	文末に・がつかわれているスレッドタイトル
句点	文末に。がつかわれているスレッドタイトル	文字	文末に文字がつかわれているスレッドタイトル
小括弧	文末に）がつかわれているスレッドタイトル	記号	文末に記号がつかわれているスレッドタイトル

　最後に《文頭形式》について、説明する。《文頭形式》とは、スレッドタイトルの文頭にどういった言葉がくるのか分析したものである。実際に、スレッドタイトルを例にあげて説明する。

�@『【速報】ヨーグルトのふたが...』　　　　　　　　　　　　　２０１２年１０月

�A『ねこを飼う気力を削ぐ言葉をお願いします』　　　　　　　２００８年１月

�B『釘宮理恵ってなんなの？』　　　　　　　　　　　　　　　２０１０年２月

�C『今日バスで可愛いJK泣かしたババアと戦った話する』　　２０１１年９月

※すべて（『スレッドタイトル』　作成年月）の順

　これら４つのスレッドタイトルは、それぞれ異なった《文頭形式》である。

　�@のスレッドタイトルには、文頭に「【速報】」という言葉が書かれている。速報とは、

事件や事の成り行きをすばやく知らせること。また、その知らせ。（『デジタル大辞泉』小学館より）

という意味があり、速報という言葉を文頭につけることで内容の緊急性を表していると考えた。他にも「【悲報】」というように内容の性質を記号をつけて表すものもあり、これらは「記号付き　内容紹介」とした。

　�Aと�Bのスレッドタイトルは、それぞれ「ねこ」、「釘宮理恵」という名詞が文頭についている。前者はねこという生き物全般を表すため「一般名詞」、後者は声優である釘宮理恵という人物名であるため「固有名詞　人名」とした。固有名詞に関しては

『ジョジョのスタンドの名前が邦楽になったらダサい』　２００８年６月

『世界まる見え風ドラクエ』　　　　　　　　　　　　　２００８年１月

※すべて（『スレッドタイトル』　作成年月）の順

上に列挙したように「作品名」や「番組名」などがあるので、それぞれ分けて分析した。

　�Cのスレッドタイトルは、文頭に「今日」という時間を表す言葉が書かれている。そのような時間や年月日を表す言葉は、「一般名詞」とするのではなく「時間」とした。

　以上が《文頭形式》である。分析した項目は、項目名、詳細を表したうえで以下に載せている。また、《文頭形式》でも、《文末形式》と同じように「一般名詞」や「固有名詞」の中にさらに傾向があると考え、《文頭形式（具体）》という分析項目を設け、分析した。

項目	詳細	項目	詳細
一般名詞	「犬」、「ねこ」といった全般的なものを指し示す名詞	時間	文頭に「今日」や「２００７年」のような時間を表す言葉をつけたもの
顔文字	文頭に顔文字をつけたもの	指示語	「この」や「あの」といった指示語を文頭につけたもの
感動詞	文頭に感動詞をつけたもの	指定	文頭でスレッド内のレス番号をしていたもの
擬音	生き物の鳴き声を文字に表したもの	数詞	文頭で「ひとつ」や「１度」といった数をあらわしたもの
記号	「やスペースを文頭につけたもの	接続詞	文頭に「さて」のような接続語をつけたもの
記号付き　一般名詞	文頭に【】（すみつきかっこ）をつかい、一般名詞をつけたもの	嘲笑	「ざまぁ」のような特定の対象を嘲笑する言葉をつけたもの
記号付き　固有名詞	文頭に【】（すみつきかっこ）をつかい、固有名詞をつけたもの	動詞	文頭に動詞をつけたもの
形容詞	文頭に形容詞をつけたもの	副詞	文頭に副詞をつけたもの
形容動詞	文頭に形容動詞をつけたもの	文字	意味や言葉としての働きがない文字をつけたもの
固有名詞	「人名」や「作品名」といった固有名詞をつけたもの	連語	文頭に連語をつけたもの
連体詞	文頭に連体詞をつけたもの

　以上が、分析における主だった３つの項目である。これら以外にもスレッドタイトルにおける別の分析項目を５つ設けた。それぞれスレッドタイトルを用いて説明していく。

�@『席　　替　　え　　の　　思　　い　　出』　　　　　　　　２００９年１０月

�A『女とﾄﾞﾗｲﾌﾞしても会話が続かない('A`)』　　　　　　　　　　２００９年２月

※すべて（『スレッドタイトル』　作成年月）の順

　１つめの分析項目が《字数》である。「２ちゃんねる」の掲示板ではスレッドを作成する際、スレッドタイトルは64 byteまでとされていた。これは文字がすべて全角だと３２文字、半角だった場合は６４字となる。そのため、スレッド作成者はある程度の制限をうけて、スレッドタイトルを作成することになる。こういった《字数》にも傾向があるのではないかと考え、分析した。�@のスレッドタイトルの場合だと、間の空白はスペース記号によって作られている。よってそれらも含めて、１９文字となる。また、�Aのスレッドタイトルは、顔文字を形成している記号１つを１文字と数えるので、２３文字となる。

　

　２つめの分析項目が《顔文字の有無》である。《文末形式》、《文頭形式》でも、顔文字についてふれたがこの《顔文字の有無》という分析項目では、スレッドの文末、文頭に限らずスレッドタイトルに顔文字が使われているかどうか分析する。「主に文末に付与することで、その文に意味や感情を加える」（川上　2008）とあるように、顔文字はスレッド作成者が意味や自身の感情を加えるために使うと考える。そうであるならば、自身の体験や考えを述べたいというスレッドタイトルのほとんどに、顔文字が使われるのではないかと考えた。それを調べるために、今回《顔文字の有無》という分析項目を設けた。�@のスレッドタイトルには顔文字はないが、�Aのスレッドタイトルには「('A`)」という顔文字が使われている。そのため、《顔文字の有無》という分析項目には�Aのスレッドタイトルのみ該当する。

　

　３つめの分析項目である《顔文字の意味》では、２つめの分析項目で見つけた顔文字の意味や役割を分析する。�Aのスレッドタイトルに使われていた「('A`)」という顔文字には、スレッドタイトルの話題からスレッド作成者の「悩み」の感情を顔文字で強調しているのではないかと考える。そのため、《顔文字の意味》としては�Aに使われている顔文字は「悩み」を表していると分析する。

　

　４つめの分析項目は《レス数》である。《レス数》とは、スレッド内において読み手によって書き込まれた返信の数である。今回の研究対象であるスレッドタイトルでは、どの程度の数の読み手に読まれたかわからないため、スレッドへの反応として《レス数》の分析項目を設けた。《レス数》を調べる上で、「第一章　第一節　第二項　研究対象となるスレッドタイトル」でも述べた過去ログを保管・閲覧できるサイト『ログ速』を使用する。�@のスレッドタイトルだと《レス数》は155ということがわかる。ただ、中には保管されていないスレッドも存在する。�Aのスレッドは保管されておらず、分析としては「不明」となってしまった。そのため、関連性を調べる際は《レス数》の「不明」を除いて分析した。

　

　５つめの分析項目は《1レス目の形式》である。スレッドタイトルとスレッドの1レス目は、スレッド作成者が作成する。この《1レス目の形式》にも、スレッドタイトルと関係があるのではないかと考え、分析した。以下は《1レス目の形式》に関する分析表である。

項目	詳細	項目	詳細
連続	スレッドタイトルと連続した二文になっている。もしくは、一文になっている。	リンク	スレッドタイトルの話題に関係するサイトへのURLを載せている。
具体例	スレッドタイトルで設定した話題の具体例を挙げている。	引用	スレッドタイトルの話題となった事物の情報を他のサイトなどから引用している。
画像・動画	スレッドタイトルの話題に対応した画像もしくは動画が添付されている。	安価	スレッドタイトルの話題をうけて、スレッド内に向けて安価を行っている。
説明	スレッドタイトルに設定した話題の説明をしている。	無し	１レス目が書かれていない。
疑問	スレッドタイトルの話題に関する疑問を投げかけている。	同一	スレッドタイトルとまったく同じ文章が書かれている。

　�@のスレッドでは、『席　　替　　え　　の　　思　　い　　出』とい文章に連続する形で１レス目に「語れ」と書き込まれていた。そのため、�@の《1レス目の形式》には連続した文と分析し、「連続」とした。また、�Aのスレッドは過去ログが残っていなかったものだったので、引用元であるまとめサイトから《1レス目の形式》を分析した。『女とﾄﾞﾗｲﾌﾞしても会話が続かない('A`)』というスレッドタイトルから「次はどう繋げればいいんだ？」という疑問が1レス目に書き込まれていた。そのため、�Aの《1レス目の形式》には「疑問」とした。

　また、《１レス目の形式》で「安価」という項目を設けている。「安価」とは、ネット用語であり、スレッド作成者や話題の中心人物が番号を指定し、その順番に返信した人がスレッドの設定や行動を決める遊びである。例えばスレッド作成者が「＞＞20が言った物を画像で挙げる。」とした場合、２０番目に返信した人のお題にしたがって行動するというものである。

　以上が本研究における分析項目である。これらを用いて、研究対象を分析した。最後に今まで述べてきた分析項目を表でまとめておく。

スレッドタイトル分析項目
字数	顔文字の有無	顔文字 の意味	話題	文末形式	文末形式 （具体）	文頭形式	文頭形式 （具体）	レス数	1レス目の形式

第二項　分析項目の関連性について

　第一項でも述べたように、研究対象を項目ごとに分析していくことで、それぞれの傾向を調べた。その中でも主だった3つの《話題》、《文末形式》、《文頭形式》の分析項目を利用し、《話題》と《文頭形式》、《話題》と《文末形式》、《文頭形式》と《文末形式》それぞれの項目同士の傾向を調べ、関連性について考察した。

　また、3つの《話題》、《文末形式》、《文頭形式》の分析項目のうち《話題》が《レス数》にどの程度関連しているのか、《話題》と《レス数》それぞれの項目同士の傾向を調べ、関連性について考察した。

第三章　研究結果・分析・考察

第三章　研究結果・考察

第一節　《話題》・《文頭形式》・《文末形式》について

　第三章では、各項目ごとの結果及び関連性について考察していく。

　まず、《話題》の結果について述べる。

スレッドタイトルにおける《話題》は以下の通りになった。

《話題》項目	該当したスレッドタイトル数	《話題》項目	該当したスレッドタイトル数	《話題》項目	該当したスレッドタイトル数
体験	219	発見	36	生き物	14
募集	141	趣味	33	言葉遊び	13
漫画・アニメ	118	食事	33	スポーツ	12
疑問	105	家族	30	怖い話・ホラー	9
設定	69	創作系設定	31	映画	7
ゲーム	68	ニュース	29	創作系題名	6
ネット	65	地域	26	企業	4
学校・勉学	61	外国	22	政治	4
仕事	53	音楽	21	知識	4
芸能人	52	恋愛・結婚	20	自慢	3
生活	47	買い物	19	作品	2
見聞	42	自論	18	歴史	2
創作系台詞	39	男性・女性	18	実況	1
創作系	37	TV・マスコミ	16	不明	1
画像・動画	37	健康	15

　《話題》の項目では、一つのスレッドタイトルに複数の《話題》があった場合、それぞれの《話題》項目毎に集計した。

　研究方法でも例に挙げたスレッドタイトルを集計するならば、

『彼女に振られたったｗｗｗｗｗ』　　　　　　　　　２０１４年２月

※（『スレッドタイトル』　作成年月）の順

には、「体験」「恋愛・結婚」という《話題》がスレッドタイトルに含まれているので、「体験」「恋愛・結婚」それぞれに該当することになる。そのため《話題》の総数はスレットタイトルの個数を越えている。スレッドタイトルの《話題》に最も多かったのは、スレッド作成者の「体験」であった。また、最も少なかったのはテレビや事件を対象に状況を書き込んでいく「実況」、そしてスレッドタイトルからは話題が読み取れない「不明」であった。以下に例示しておく。

《話題》「体験」

『生まれて初めてカツアゲされた』　　　　　　　　　　　　　　２０１１年３月

《話題》「実況」

『こちらスネーク心霊廃墟に潜入した』　　　　　　　　　　　　２０１３年５月

《話題》「不明」

『あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ』　２０１２年７月

※すべて（『スレッドタイトル』　作成年月）の順

《話題》の中で「体験」が多くなった理由を考察した場合、スレッド内での書きやすさと「２ちゃんねる」の匿名性が理由ではないかと考えた。「体験」は作成者自身の実体験を話題にするものであり、スレッド内でも応答や説明が容易である。また、「２ちゃんねる」は匿名で書き込むことができるため、他人に話せない「体験」を自分の周りに気づかれることなく発信できる。こういった要素から、「体験」が多くなったのではないかと考えた。

　また、「実況」が最も少なかった理由として、実況に特化した他の掲示板があることが言えるのではないだろうか。番組ごとや事件ごとに実況をする掲示板があるため、「ニュース速報VIP」では、あまり「実況」が《話題》にならないのではないかと考えた。

次に、《文末形式》の結果について述べる。

　《文末形式》は、上のグラフにもあるように「文字」が５９％（５８９個）を占めていた。その次が「記号」の１８％（１７５個）。「疑問符」が１１％（１０７個）であった。

　また、《文末形式（具体）》でそれぞれにどのような「文字」「記号」が使われていたか分析した。「文字」では、「こと」という言葉が最も多く使われており、特に「ありがちなこと」（３９個）という形式で使われていた。また、「記号」では下のグラフにあるように「ｗ」というアルファベットが多く使われていた。

　この《文末形式》において、「ｗ」や「ありがちなこと」という《文末》はテンプレートであると言えるのではないだろうか。テンプレートとは「型板。」(『デジタル大辞泉』小学館より）とされており、インターネットにおいても固定化された文章やスレッドの流れに対しても使われる言葉である。今回、「文字」「記号」として使用されている割合も「ｗ」「ありがちなこと」は極端に多かったため、これら２つの《文末形式》はテンプレートであるのではないかと考えた。

最後に《文頭形式》の結果について述べる。

下のグラフは、《文頭形式》の割合を示したものである。

《文頭形式》は「一般名詞」が最も多く、５０％（５０２作品）を占めた。次が「固有名詞」の２５％（２４６作品）。「時間」が４％（４０作品）であった。また、最も少なかったのが「指定」と「嘲笑」である。下にスレッドタイトルを例示しておく。

《文頭形式》「一般名詞」

『虫に異名つけていこうぜ』　　　　　　　　　　　　　　　　２００７年６月

《文頭形式》「固有名詞」

『藤原竜也の結婚式にありそうなこと』　　　　　　　　　　　２０１３年５月　　　

《文頭形式》「指定」

『>>20に1000万円あげます』　　　　　　　　　　　　　　　２００９年１２月　　　

《文頭形式》「嘲笑」

『ざまぁｗｗｗｗｗｗｗと思ったコピペ貼ってけｗｗｗ』　　　２００８年１０月

※すべて（『スレッドタイトル』　作成年月）の順

　例示したスレッドタイトルのうち、まず「指定」について説明する。この《文頭形式》は、《１レス目の形式》でも説明した安価と同じ働きを持っている。スレッドタイトルから指定することによって、より多くの読み手に対して参加を促しているのではないかと考えた。次に、例示されているスレッドタイトルの「ざまぁ」とは、失敗をした人や物に対してする嘲笑の言葉である。今回の《文頭形式》には、１つしか使われていなかった。

　また、《文頭形式（具体）》において「固有名詞」におけるそれぞれの割合を求めた。

結果をグラフ化し、下に載せる。

《文頭形式（具体）》では、「固有名詞」の中でも２１％（５１作品）が特定の人物の名前であることがわかった。また、アニメ・漫画のキャラクター名が１６％（４０作品）と２番目に多かった。

　以上で《話題》・《文末形式》・《文頭形式》の結果と考察を終える。

第二節　各分析項目の傾向について

　ここでは、先述した《話題》や《文末形式》、《文頭形式》以外の結果と考察について述べる。

　《文字》は、「１６〜２０字」が２８％（２７８作品）を占めた。次に、「２１〜２５字」が２４％であった。また、最も多い字数は、「４０字」。最も少ない字数は、「３字」であった。下にそれぞれ例示しておく。

《字数》「４０字」

『C:/Windows/Media/onestop.mid 聞くと冒険に出たくなる』　　　２０１０年３月

《字数》「３字」

『神スレ』　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　２００９年１２月

※すべて（『スレッドタイトル』　作成年月）の順

　「４０字」のスレッドタイトルだが、半角の文字が多かったことによって、この《字数》になった。また、「３字」の『神スレ』というスレッドタイトルだが、本来ならばスレッドタイトルでそのスレッドがどのような《話題》をするのか予想できる。だが、他のスレッドタイトルよりも《字数》が少なく、《話題》がどういったものかわかりにくいスレッドタイトルだと読み手は引き付けられるのではないだろうかと考えた。今後は、《レス数》との関連性も考えたい。

　次に、《顔文字の有無》及び《顔文字の意味》の結果と考察を述べる。

　《顔文字の有無》だが、予想に反し少なかった。顔文字が使われているスレッドタイトルは、１％（９作品）だけであった。次にスレッドタイトルを例示しながら、《顔文字の意味》を考察していく。

�@『彼氏が戦争から帰ってきた(´；ω；｀)』　　　　　　　　　２０１２年１１月

�A『女とﾄﾞﾗｲﾌﾞしても会話が続かない('A`)』　　　　　　　　　２００９年１２月

�B『富士山世界遺産登録ｷﾀ━━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━━!!』　　　　　２０１３年４月

�C『格安マンション買ったんだけどやはり曰くつきでしたm9（｀Д´）』２０１０年１１月

�D『Flashゲーム作ったよー＼(^o^)／』　　　　　　　　　　　　２０１０年２月

�E『大学生の就職率が40％未満で日本オワタ＼(^o^)／＼(^o^)／』２００９年１２月

※すべて（『スレッドタイトル』　作成年月）の順

　�@のスレッドタイトルにおける《話題》から、この泣いている顔文字は「悲しみを表している」もしくは「喜びを表している」と考えた。�Aのスレッドタイトルの《話題》は、作成者自身の「体験」からである。会話が続かないことに対しての「悩みを表している」と考えた。�Bのスレッドタイトルから時事的な《話題》だということがわかる。この「ニュースに対する期待が表されている」と考えた。�Cのスレッドタイトルでは、作成者が問題を「体験」し、それに対する「怒りを表している」と考えた。�D、�Eはどちらも同じ顔文字だが、�Dはゲームが作成できた「喜び」、�Eは就職率低下に対する「諦め」をそれぞれ表していると考えた。

　次に《レス数》について結果を述べる。

《レス数》で最も多かったのが、「０〜２００」で６７％（５３３作品）であった。最も少なかったのは、「６０１〜８００」で２％（２８作品）であった。この《レス数》が多くなるには、たくさんの読み手や期間が必要なので、《レス数》が増えれば増えるほどそれぞれの総数が減るのは考えられる。

最後に《１レス目の形式》について述べる。最も多かったのが、スレッドタイトルと連続した二文であったり、同じ一文になる「連続」の形式であった。全体の３１％（３１３作品）であった。次に多かったのが、スレッドタイトルの「具体例」を挙げるもので２８％（２８３作品）であった。以上のことから《１レス目の形式》として、スレッドタイトルの補足として画像であったり連続したりするものが多い。

第三節　関連性について

　ここでは、スレッドタイトルを分析する上で中心とした《話題》・《文末形式》・《文頭形式》についての関連性をデータで考え、考察したことを述べていく。

　また、《話題》がスレッドの伸びに繋がる《レス数》にどのように影響するか考察したことを、述べていく。

《話題》と《文末形式》

	文字	記号	疑問符	鍵括弧	感嘆符	中点	顔文字	スペース	句点	すみつきかっこ	小括弧
TV・マスコミ	10	3	3	0	0	0	0	0	0	0	0
生き物	9	0	2	2	0	1	0	0	0	0	0
映画	7	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0
音楽	14	3	3	0	0	0	0	0	1	0	0
外国	15	4	2	0	1	0	0	0	0	0	0
買い物	10	7	1	0	0	1	0	0	0	0	0
画像・動画	29	3	0	0	4	0	0	0	0	0	0
家族	21	4	2	0	1	2	0	0	0	0	0
学校・勉学	40	11	8	0	0	2	0	0	0	0	0
企業	0	3	0	1	0	0	0	0	0	0	0
疑問	26	3	�@76	0	0	0	0	0	0	0	0
芸能人	24	12	3	9	2	2	0	0	0	0	0
ゲーム	44	12	4	3	2	1	0	1	0	1	0
健康	5	7	3	0	0	0	0	0	0	0	0
見聞	33	5	1	1	0	1	0	1	0	0	0
言葉遊び	3	4	0	3	1	0	1	0	0	0	1
怖い話・ホラー	6	2	0	0	0	0	0	1	0	0	0
作品	2	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0
仕事	30	5	14	2	1	0	0	1	0	0	0
実況	1	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0
自慢	0	1	2	0	0	0	0	0	0	0	0
趣味	9	0	3	0	3	0	0	0	0	0	0
食事	17	10	4	0	0	1	0	0	0	0	1
自論	12	2	1	0	1	0	0	0	0	0	1
スポーツ	5	5	2	0	0	0	0	0	0	0	0
生活	21	11	10	1	0	2	2	0	0	0	0
政治	2	0	1	0	0	0	0	0	0	1	0
設定	43	1	2	1	1	0	0	1	0	0	0
創作系	22	10	0	0	3	0	2	0	0	0	0
創作系設定	27	1	1	2	0	0	0	0	0	0	0
創作系台詞	1	0	0	38	0	0	0	0	0	0	0
創作系題名	5	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0
体験	�A156	35	9	6	1	6	0	1	2	2	0
男性・女性	10	3	2	1	0	1	1	0	0	0	0
地域	15	4	3	1	2	0	0	0	1	0	0
知識	3	1	0	0	0	0	0	0	0	0	0
ニュース	12	9	1	0	6	1	0	0	0	0	0
ネット	37	16	5	1	3	3	0	0	0	0	0
発見	28	17	0	0	0	5	0	0	0	0	0
不明	1	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0
募集	�A109	5	14	0	11	2	0	0	0	0	0
漫画・アニメ	59	24	9	21	4	0	0	0	0	1	0
歴史	2	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0
恋愛・結婚	13	4	1	0	0	1	0	0	0	0	0

《話題》と《文末形式》でどういった傾向があるのかを説明する。太字�@の《話題》「疑問」と《文末形式》「疑問符」のところが他に比べて多い。「疑問」が《話題》の内容なので当然に思えるが、同じ「疑問」で《文末》を文字で終えている場合もある。この違いは、スレッド作成者が自分の《話題》を強調するために「疑問符」を用いたのだとも考えられる。

太字�Aでは《話題》「体験」と「募集」どちらも《文末形式》「文字」が他にくらべ多かった。これは、自分の「体験」や「募集」を読み手にスレッドタイトルの文面どおりに受け取ってもらうため、「顔文字」や「記号」といった誤った意味や感情を持たせる要素を取り除いたからでないかと考えた。

《話題》と《文頭形式》

表１

	一般名詞	固有名詞	時間	記号	副詞	記号付き　内容紹介	形容動詞	指示語
TV・マスコミ	5	4	0	2	0	3	0	0
生き物	11	0	0	1	0	0	0	0
映画	4	1	0	0	0	0	0	1
音楽	9	7	1	0	0	0	2	0
外国	10	8	0	0	0	1	0	0
買い物	10	5	0	0	3	0	0	0
画像・動画	13	8	1	2	1	0	2	3
家族	24	1	1	0	2	1	0	0
学校・勉学	51	1	2	0	4	0	0	1
企業	0	3	0	0	0	0	0	1
疑問	65	18	4	1	11	1	0	1
芸能人	3	41	0	0	0	�A5	0	0
ゲーム	22	34	5	1	3	2	0	1
健康	12	0	0	0	0	0	1	2
見聞	29	1	6	2	1	0	1	0
言葉遊び	6	4	1	0	1	0	0	0
怖い話・ホラー	3	0	2	1	1	0	2	0
作品	1	0	0	0	0	0	1	0
仕事	49	1	0	1	0	0	0	1
実況	0	0	0	0	0	0	0	1
自慢	2	1	0	0	0	0	0	0
趣味	11	1	0	0	1	0	0	0
食事	20	5	1	1	3	1	1	0
自論	6	6	1	3	1	0	0	0
スポーツ	3	5	0	0	0	3	1	0
生活	29	2	4	2	2	0	0	1
政治	2	1	0	0	0	1	0	0
設定	18	16	3	6	2	0	0	2
創作系	20	11	1	3	0	0	0	0
創作系設定	11	16	0	1	0	0	0	0
創作系台詞	14	23	0	2	0	0	0	0
創作系題名	2	2	0	1	0	0	1	0
体験	142	22	12	8	10	4	7	1
男性・女性	14	0	0	0	1	0	0	0
地域	7	14	1	2	0	0	0	0
知識	3	0	0	0	0	0	0	0
ニュース	6	8	2	1	0	�A11	1	0
ネット	24	25	1	2	1	0	1	1
発見	14	9	3	0	2	0	0	2
不明	0	0	0	0	0	0	0	0
募集	76	21	1	8	4	0	6	0
漫画・アニメ	23	�@100	4	3	3	0	1	2
歴史	1	1	0	0	0	0	0	0
恋愛・結婚	18	0	0	0	0	0	0	0

表２

	形容詞	動詞	感動詞	連語	連体詞	数詞	記号付き　一般名詞	顔文字
TV・マスコミ	1	0	0	0	1	0	0	0
生き物	1	0	0	0	0	0	0	0
映画	0	1	0	0	0	0	0	0
音楽	0	0	1	0	0	0	0	0
外国	1	0	0	0	0	0	1	0
買い物	0	0	1	0	0	0	0	0
画像・動画	3	0	0	1	2	0	1	0
家族	0	0	0	0	0	0	0	1
学校・勉学	0	0	0	0	1	1	0	0
企業	0	0	0	0	0	0	0	0
疑問	1	1	2	0	0	0	0	0
芸能人	0	1	1	1	0	0	0	0
ゲーム	0	0	0	0	0	0	0	0
健康	0	0	0	0	0	0	0	0
見聞	0	0	0	0	0	0	0	0
言葉遊び	0	0	1	0	0	0	0	0
怖い話・ホラー	0	0	0	0	0	0	0	0
作品	0	0	0	0	0	0	0	0
仕事	0	1	0	0	0	0	0	0
実況	0	0	0	0	0	0	0	0
自慢	0	0	0	0	0	0	0	0
趣味	2	0	0	0	0	0	0	0
食事	0	0	0	0	0	0	0	0
自論	0	0	0	0	1	0	0	0
スポーツ	0	0	0	0	0	0	0	0
生活	1	0	3	0	1	0	0	0
政治	0	0	0	0	0	0	0	0
設定	0	1	0	0	0	0	0	0
創作系	0	1	1	0	0	0	0	0
創作系設定	0	0	0	0	0	1	0	2
創作系台詞	0	0	0	0	0	0	0	0
創作系題名	0	0	0	0	0	0	0	0
体験	4	1	2	2	0	1	1	0
男性・女性	1	0	0	0	1	0	0	0
地域	0	1	0	0	0	0	1	0
知識	0	0	0	0	0	0	0	0
ニュース	0	0	0	0	0	0	0	0
ネット	1	3	1	1	0	0	0	1
発見	0	0	2	2	0	0	0	0
不明	0	0	0	0	0	0	0	0
募集	8	4	2	1	2	1	0	1
漫画・アニメ	1	2	1	0	0	1	0	0
歴史	0	0	0	0	0	0	0	0
恋愛・結婚	1	0	1	0	0	0	0	0

表３

	文字	記号付き　固有名詞	擬音	内容紹介	指定	嘲笑	接続詞	接頭語
TV・マスコミ	0	0	0	0	0	0	0	0
生き物	0	0	0	1	0	0	0	0
映画	0	0	0	0	0	0	0	0
音楽	0	0	0	0	0	0	0	0
外国	0	1	0	0	0	0	0	0
買い物	0	0	0	0	0	0	0	0
画像・動画	0	0	0	0	0	0	0	0
家族	0	0	0	0	0	0	0	0
学校・勉学	0	0	0	0	0	0	0	0
企業	0	0	0	0	0	0	0	0
疑問	0	0	0	0	0	0	0	0
芸能人	0	0	0	0	0	0	0	0
ゲーム	0	0	0	0	0	0	0	0
健康	0	0	0	0	0	0	0	0
見聞	1	0	1	0	0	0	0	0
言葉遊び	0	0	0	0	0	0	0	0
怖い話・ホラー	0	0	0	0	0	0	0	0
作品	0	0	0	0	0	0	0	0
仕事	0	0	0	0	0	0	0	0
実況	0	0	0	0	0	0	0	0
自慢	0	0	0	0	0	0	0	0
趣味	0	0	0	0	0	0	0	0
食事	0	0	0	0	0	0	0	0
自論	0	0	0	0	0	0	0	0
スポーツ	0	0	0	0	0	0	0	0
生活	1	0	0	0	0	0	1	0
政治	0	0	0	0	0	0	0	0
設定	0	0	1	0	0	0	0	0
創作系	0	0	0	0	0	0	0	0
創作系設定	0	0	0	0	0	0	0	0
創作系台詞	0	0	0	0	0	0	0	0
創作系題名	0	0	0	0	0	0	0	0
体験	0	1	0	0	0	0	0	0
男性・女性	0	0	0	0	0	0	0	0
地域	0	0	0	0	0	0	0	0
知識	0	0	0	0	0	0	0	1
ニュース	0	0	0	0	0	0	0	0
ネット	1	1	0	0	0	1	0	0
発見	1	0	0	0	0	0	0	0
不明	1	0	0	0	0	0	0	0
募集	1	0	0	0	1	1	0	0
漫画・アニメ	0	0	0	0	0	0	0	0
歴史	0	0	0	0	0	0	0	0
恋愛・結婚	0	0	0	0	0	0	0	0

　《話題》と《文頭形式》では、太字�@のような傾向が見られた。「漫画・アニメ」の話題では、「固有名詞」の《文頭形式》が他に比べて高くなった。キャラクターや作品だけでなく、作者や出版社といった様々な「固有名詞」がスレッドタイトルに《話題》として取り上げられるからである。太字�Aでは、《文頭形式》の「記号付き　内容紹介」がある特定の《話題》に多くつけられることがわかる。芸能やニュースといった、時事的な出来事に使われやすいのだと考えた。

《文頭形式》と《文末形式》

表１

	一般名詞	固有名詞	時間	記号	副詞	記号付き　内容紹介
文字	306	117	24	31	20	15
記号	77	59	11	0	3	3
疑問符	68	20	3	2	8	1
鍵括弧	�@21	�@32	0	4	0	0
感嘆符	�@7	�@14	1	0	0	1
中点	11	2	1	0	4	1
顔文字	5	0	0	0	0	0
スペース	3	0	0	0	1	0
句点	1	2	0	0	0	0
すみつきかっこ	1	0	0	1	0	1
小括弧	2	0	0	0	0	0

表２

	形容動詞	指示語	形容詞	動詞	感動詞	連語
文字	21	7	12	7	4	6
記号	1	8	0	1	6	0
疑問符	0	1	1	1	1	0
鍵括弧	0	0	0	0	0	0
感嘆符	0	0	1	2	0	0
中点	0	1	1	0	0	0
顔文字	0	0	0	0	1	0
スペース	0	1	0	1	0	0
句点	0	0	0	0	0	0
すみつきかっこ	0	0	0	0	0	0
小括弧	0	0	0	0	0	0

表３

	連体詞	数詞	記号付き　一般名詞	顔文字	文字
文字	3	3	2	3	3
記号	2	2	0	0	1
疑問符	0	0	0	0	0
鍵括弧	0	0	0	0	0
感嘆符	0	0	1	0	0
中点	0	0	0	0	0
顔文字	0	0	0	0	0
スペース	0	0	0	0	0
句点	0	0	0	0	0
すみつきかっこ	0	0	0	0	0
小括弧	0	0	0	0	0

表４

	記号付き　固有名詞	擬音	内容紹介	指定	嘲笑	接続詞	接頭語
文字	1	1	1	1	0	0	1
記号	0	0	0	0	1	0	0
疑問符	0	0	0	0	0	0	0
鍵括弧	0	0	0	0	0	0	0
感嘆符	1	0	0	0	0	0	0
中点	0	0	0	0	0	1	0
顔文字	0	0	0	0	0	0	0
スペース	0	0	0	0	0	0	0
句点	0	0	0	0	0	0	0
すみつきかっこ	0	0	0	0	0	0	0
小括弧	0	0	0	0	0	0	0

　上記の４つの表は《文頭形式》と《文末形式》の組み合わせを見たものである。縦が《文末形式》、横が《文頭形式》になっている。表で見ると、「一般名詞」と「固有名詞」では「一般名詞」のほうが多く《文頭形式》に使われていたが、太字�@では「固有名詞」の方が「一般名詞」よりも多く、《文頭形式》に使われている。これは、《文末形式》との影響があると考えた。

《文末形式》「鍵括弧」

『渡部陽一「地獄の…ミサワ…」』　　　　　　　　　　　２０１０年１１月

《文末形式》「感嘆符」

『ローラとコーラの違いおしえてください！』　　　　　　２０１２年１２月

※すべて（『スレッドタイトル』　作成年月）の順

　例に挙げたスレッドタイトルはそれぞれ《文末形式》が「鍵括弧」「感嘆符」のスレッドである。《文頭形式》はどちらも「固有名詞　人名」になっている。《文末形式》「鍵括弧」は、「渡部陽一」が話したことによってに文末に使われ、《文末形式》「感嘆符」はスレッドタイトルを読み手に気づかせるために使われている。このように、《文末形式》は《文頭形式》によってある程度決定されるのだと考えた。そのため、太字�@では他の《文末形式》と《文頭形式》と違った傾向を持ったのだと考えられる。

《話題》と《スレ数》

	１〜２００	２０１〜４００	４０１〜６００	６０１〜８００	８０１〜１００１	不明
TV・マスコミ	9	3	0	1	0	3
生き物	9	1	0	0	0	4
映画	2	0	0	0	0	5
音楽	11	2	1	0	1	6
外国	13	4	2	0	2	1
買い物	9	4	1	0	0	5
画像・動画	32	2	1	0	0	0
家族	19	6	0	1	2	2
学校・勉学	29	11	2	3	5	11
企業	3	0	0	2	0	1
疑問	56	14	4	1	3	27
芸能人	35	6	1	0	2	8
ゲーム	23	13	0	4	2	26
健康	9	5	0	0	0	1
見聞	17	11	2	0	1	11
言葉遊び	11	2	0	0	0	0
怖い話・ホラー	4	2	1	0	0	2
作品	0	0	0	0	0	2
仕事	29	11	3	3	0	7
実況	1	0	0	0	0	0
自慢	1	1	0	0	1	0
趣味	5	0	1	0	1	8
食事	20	1	1	0	2	9
自論	9	2	3	1	0	3
スポーツ	7	2	1	0	0	2
生活	33	6	0	0	1	7
政治	2	0	0	0	2	0
設定	18	6	6	2	1	16
創作系	17	8	4	2	2	4
創作系設定	20	5	0	0	1	5
創作系台詞	22	9	1	0	1	6
創作系題名	1	3	0	1	0	1
体験	139	28	6	6	9	31
男性・女性	11	2	1	0	1	3
地域	11	3	2	3	2	5
知識	2	0	0	0	2	0
ニュース	16	6	2	1	3	1
ネット	35	10	2	6	0	12
発見	26	4	1	0	0	5
不明	1	0	0	0	0	0
募集	65	23	9	4	5	35
漫画・アニメ	55	18	8	1	1	26
歴史	1	0	0	0	0	1
恋愛・結婚	9	6	1	0	2	2

　

　この表は、《話題》と《レス数》の傾向を表した表である。

この中で、「８０１〜１００１」までの《レス数》が多かったのが太字の《話題》である。「体験」「募集」はスレッド作成者によって《レス数》を伸ばすことができる。しかし、「学校・勉学」に関してはそういったスレッド作成者が能動的にスレッドを伸ばすことが難しいと考えた。では、なぜ「８０１〜１００１」までの《レス数》が多かったのか考察した。

「学校」というものはほとんどの人が経験している。そのため、《話題》に対する共感が高く、読み手も集まりやすかったのではないかと考えた。

第四章　まとめと今後の課題

第一節　まとめ

　本研究では、スレッドタイトルを主に《話題》・《文末形式》・《文頭形式》の三つにわけ、スレッドタイトルが特性をつかむことが目的であった。それぞれの傾向や関係性を見ていくなかで、《話題》がスレッドタイトルにおける重要な役割を持っているのではないかと考えた。「顔文字」や「記号」といった《文末形式》や、「固有名詞」を《文頭形式》とするのは読み手に対しての強調の効果はある程度見られると《レス数》から考えられるが、「８０１〜１００１」の《レス数》のような長期的に読み手を引き付けられるものは《話題》自体が関心を持てるものや読み手自身も共感できるものでないとスレッド自体が成り立たないのではないだろうか。スレッドタイトルの持つ特性とは、スレッド作成者が読み手を意識しながら多くの《形式》や共感性の高い《話題》を模索し、工夫していく題材であると私は定義する。

第二節　今後の課題

　本研究では、スレッドタイトルのみに注目し研究をした。しかし、スレッド自体は返信や応答で形成されるものである。今回、研究の中ではそのスレッド内でのコミュニケーションには注目できなかった。今後、「２ちゃんねる」のコミュニケーションを考える上でスレッドタイトルだけでなく、進行していくスレッド内のやりとりからもネット表現の特性を考えていきたい。

終章　おわりに

第一節　おわりに

　この２年間、表現ゼミナールの同回生には大変お世話になりました。時にはけんかしたり、はげましあいながら成長できたのではと思います。それに、院生の方々も共同研究発表の際たくさん教えていただくことがありました。感謝しています。また、今回卒業論文を作成するにあたって、たくさんの先生方にご指導していただきありがとうございました。

　なにより、表現ゼミナールで指導していただいた野浪先生に感謝でいっぱいです。今後、社会にでるにあたって先生からご指導いただいたことや考えたことを胸に努力していきたいと思います。たくさんご迷惑おかけして申し訳ありませんでした。２年間どうもありがとうございました。

第二節　参考資料

　以下、引用した資料・サイト

･『キニ速』　http://blog.livedoor.jp/kinisoku/

・『妹はvipper』　http://vipsister23.com/

・『暇人速報』　http://himasoku.com/

・『vipperな俺』　http://blog.livedoor.jp/news23vip/

・『ログ速』　http://www.logsoku.com/

・『デジタル大辞泉』小学館

・「顔文字が表す感情と強調に関するデータベース」川上正浩２００８