一 次の文章を読んで、右の問いに答えよ。


世の中は{1}だ。誰しも感じたことがあるだろう。
{2]頭がよくても、{2}運動ができても、{2}性格がよくても、ブサイクだったら意味がない。
そんなことは決してないという{3}はだいたい顔が整っている。
本気でそう思うのなら、だれかこの僕を受け入れてくれ。

 僕という人物の紹介から始めよう。
今から15年前の2月25日、日本でも有数の会社の社長である父と誰もが認める美人の間に生まれてきた。
大金持ちの美人のこどもである僕は一切の不自由なく生涯楽して生きていけるレールに乗るはずが、そのレールは一瞬にして崩れ、正反対の向きのレールに車線変更してしまった。
原因はただひとつ顔がブサイクということである。
美人の母とは似てもにつかない僕の顔を見た母は、自分のこどもではないと疑い、結局真相もわからないまま家を飛び出し行方をくらました。
まだ僕が物心つく前のことである。
しかしさすが社長だ。
産みの母が消えてすぐに、新しい母ができた。
彼女はとても優しく、ブサイクな僕にも十分な愛情を注ぎ育ててくれた。
おかげでこのころの僕は自分がブサイクだと知ることもなく、幸せいっぱいの生活だった。
だが幸せとはそう長く続かないもの。
父の会社が倒産し、一気に貧乏家庭となり、優しかった母は急変した。
ある日深夜に一階のリビングから荒げた声が聞こえてきた。
僕は恐る恐るその声に耳をすませた。
「お金がないのに、こんなブサイク育てるとかありえない。せめてあのブサイクをどうにかして。」と父に激怒しながら、嘆願している母の声だった。
ブサイクを育てるのは、無償ではいけないのだろうか。
父は血がつながっているのだから、a僕が求める言葉を母に伝えるだろう。
僕はそっと父に嘆願した。
「しょうがない。施設に入れよう。」
僕は何度も耳を疑い、いや、耳だけでなくこの出来事全て夢ではないかと疑った。
次の日、僕は父と母と家を失い、ある施設で暮らすことになったのだ。  どうだ。偽善者諸君。
ブサイクで貧乏だとたった5年でこんなことになるんだ。
b同情するなら、このブサイクに金と愛情をくれ。