蜜柑 芥川龍之介 ある曇った冬の日暮れである。私は横須賀発上り二等客車の隅に腰を下ろして、ぼんやり発車の笛を待っていた。とうに電灯のついた客車の中には、珍しく私の外に一人も乗客はいなかった。外をのぞくと、薄暗いプラットフォームにも、今日は珍しく見送りの人影さえあとを絶って、ただ、檻に入れられた小犬が一匹、時々悲しそうに、ほえたてていた。これらはその時の私の心持ちと、不思議なくらい似つかわしい景色だった。私の頭の中には言いようのない疲労と倦怠とが、まるで雪曇りの空のようなどんよりした影を落としていた。私は外套のポッケットへじっと両手を突っ込んだまま、そこに入っている夕刊を出して見ようという元気さえ起こらなかった。 | → |
ある |
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形態素解析システム「茶筌」は、解析結果とともに読み方を出力してくれます。
これを利用すれば、ルビ付きのHTMLファイルを作ることができそうだなと思って、作りました。
一太郎にルビ振り機能があるのも知っています。ひらがなナビィにテキストファイルを表示させて、ルビ付きにして保存するという手も知っています。でも、自分でやってみたかった。
それと、一太郎やひらがなナビィの新しいバージョンでは直っているのかも知れませんが、「
C:\copal\Clip2txt c:\temp.$$$
"C:\Program Files\chasen\chasen" c:\temp.$$$ > c:\temp1.$$$
C:\copal\mawk32 -f c:\copal\rubifuri99.AWK c:\temp1.$$$ > c:\temp2.html
c:\copal\txt2clip c:\temp2.html
c:\temp2.html