アンペールによる平行電流の相互作用の発見


エルステッドの研究情報を耳にしたアンペールは、いち早く電磁気の研究にとりかかった。 磁力が電線を中心に回転方向に発生するのであれば、ニュートンの作用・反作用の法則より、 電流が流れる2本の導体は互いに磁力によって力を及ぼしあわなければならない。 これが”2つの電流の相互作用について”という論文になった。右ねじの法則を決めるためには、 電流の方向を決める必要がある。 電流の向きを知る術がない時代にあって、 「陽電気が流れる方向を電流の方向とし、磁針の振れによって決定する」とした。 したがって、現在の電流の向きがプラスからマイナスに流れるとされているのは、 このアンペールの論文に由来している。 2本の導体間に働く力は、電流の向きが同じ場合は反発力、 電流の向きが異なる場合は吸引力であることを発見する。 1822年、2本の導体間に働く力を数学的に確立する。 導体間に働く力の大きさは相互の電流の積に比例し、 導体間の距離に反比例する。 同年、等価磁殻の定理、分子電流の概念を提唱する。 電流により磁界ができて磁針が振れる。磁針の中にも電流が流れているとすれば、電流のみの吸引・反発で考えることができる。 また、円形コイルに電流を流すと棒磁石のように磁極が発生する。ソレノイドの発見である。 棒磁石のなか(分子レベルで)では円形コイルと同じような電流が流れているのではないかと考えたのだが、分子電流の概念は100年後のプランクによる量子論確立まで理解されなかった。

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