パ ラ メ ト リ ッ ク 励 振


音叉の振動が弦と平行な場合の弦と音叉の瞬間の動きを誇張して表した図である。
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まず、音叉の腕が開くと弦はゆるめられ、下側にたるみ始める。そして、音叉の腕がもっとも開いたとき弦はもっともたるんだ状態になる。
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次に、音叉の腕が閉じ始めると、弦はそれに引っ張られて上昇し始め、音叉の腕がもっとも閉じたとき弦は一直線に引っ張られる。
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そこから再び、音叉の腕が開き始めると、弦はゆるめられるのだが、このとき弦の各部は上向きの速度を持っているため、慣性でそのまま上昇して上側にたるむ。
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さらに、音叉の腕が閉じ始めると、弦は引っ張られて下降し始め、音叉の腕がもっとも閉じたとき弦は一直線に引っ張られる。
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そうしてまた、音叉の腕が開き始めると弦はゆるめられ、下側にたるみ始めるのであるが、これは一番上の図と同じ状態で、弦は1回振動を終えたことになり、以下同じことをくり返す。
V=
以上より、音叉が2回振動する間に、弦は1回しか振動しない。これらから(音叉の振動数)=(弦の振動数)×2 ということがわかる。
特に、音叉の振動数と弦の振動数が一致したとき振幅が大きくなり定常波を生じる。 また、この振動は振動を決めるパラメーター(ここでは弦の長さが変化する)が変化することによって起こる、パラメトリック励振の一つである。

参考文献

・医学歯学のための物理実験/鮎川武二、村田浩 編/集文社/1986年3月15日発行
・物理の考え方 下 /木暮隆夫 著/増進会出版社/1997年3月20日発行
・物理学実験/佐々木忠義、橘高重義、永田正 著/内田老鶴圃/1986年3月1日発行
・物理学実験/信州大学物理学実験指導書編集委員会/学術図書出版社/1988年3月発行
・振動論 /戸田盛和 著/培風館
・振動 波動 /有山正孝 著/裳華房/1970年8月25日発行
・振動と波動 /佐藤清雄 著/培風館/1993年5月発行



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