水蒸気の温度は?



 みなさんは水蒸気の温度は100℃ぐらいだと思ってませんか?
 白く見える湯気を水蒸気だと思っている人がいるかもしれないけど、湯気は水蒸気ではなく、水蒸気が冷やされてできる小さな水の粒なのです。空気にふれることで100℃以下に冷やされて、目に見えるくらいの大きさの水の粒になるのです。水蒸気は目には見えない気体なのです。
 では、出てきた蒸気を再度加熱してやるとどうなるのでしょう?熱するにつれて白い蒸気が消えてしまいます。何も出てきていないようで、実は250℃以上の水蒸気が出ているのです。マッチに火がついたり、紙や木がこげたりします。
 今から紹介する実験で試してみよう。

材 料

ガスバーナー2つ(水を沸騰させるものと銅管を熱するもの)、銅管、ゴム栓、丸底フラスコ、マッチ、紙、木

作り方・実験方法

jouki11.80〜90cmの銅管の一方の端を固定して、スチール缶(350mlの缶)に2、3回巻きつけるように曲げる。
(「どうしてコイル状に巻きつけないといけないの?」と思う方はここをクリックしてください。)
jouki22.ゴム栓に穴をあけて銅管の端を差し込む。
jouki33.丸底フラスコに水を入れて、銅管をセットしたゴム栓を取り付け、ガスバーナーで沸騰させる。
jouki44.銅管の先から湯気が出てきたのを確認してから、銅管の巻いてある部分をガスバーナーで熱する。(巻いている銅管すべてに炎があたるように熱する。)

(よく見ると管の先から湯気が出ているのが見えます。)
jouki55.白く見えていた湯気が見えなくなってしばらくしたら、銅管の先にマッチや紙・木などを近づけて、火をつけたり、こがしてみる。
マッチに火をつける時のコツ管の先に近づけたままだと水蒸気の勢いで炎が吹き消されてしまいます。だから、火がついた瞬間に管の先からはなすようにしましょう。

(白く見えているのは湯気ではなく火がついたときに出た煙です。)


注意すること。
  1. 銅管がつまっていないか必ず確認する。つまっているとフラスコ内の気圧が上がり、フラスコが破裂する恐れがあります。
  2. 銅管の先からは高温の水蒸気(空気)が出るので、顔や手などを絶対に近づけない。マッチや紙を近づけるときは、横からゆっくり近づける。
  3. 実験をする時は、火事にならいよう、必ず水をいれたバケツを用意する


実際にやってみました。
実験の様子を見たい方はここをクリックしてください。(動画 60kB)


 《参考文献》
 左巻健男著編 『理科 おもしろ実験・ものづくり完全マニュアル』 【東京書籍】
 白岩等 関勇豪 鵜澤和生 著 『授業がおもしろくなる 21授業のネタ 理科1』 【日本書籍】

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