膨張型霧凾

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番号
79
機器名
膨張型霧凾
分野
電子
製作会社
古川理化学機械製作所、昌平精工所
表記
大阪学芸大学天王寺分校
ラベル
天−物−132
台帳品名
台帳番号
購入年
購入価格
寸法 [cm]




観察する部分は上部のガラス製の箱の部分であり、下には断熱膨張操作を行うためのレバー式の仕掛けがある。
水を用いた場合、膨張比が1.25のとき陰イオン、1.31以上のとき陽イオンを核として微小の水滴が生成し飛跡を観察することができたといわれている。
その後、多くの研究者によって改良が加えられ、真空系を接続して膨張操作を繰り返し容易に行えるようにしたり、鏡を側に置き飛跡を立体的にとらえることができるようにしたり、磁場をかけられるようにしたり、連続写真を撮れるようにしたりした結果、陽電子、中性子、中間子などの発見につながった。
また、霧箱は、過熱された液体(液体ヘリウム、液体水素、液体プロパンなど)中に発生する泡を応用した泡箱、高電圧場で飛跡にそって放電現象が起こることを利用したスパーク・チェンバーへと発展し、宇宙線に関する研究、高エネルギー粒子に関する物理などの分野に受け継がれ、幅広く活用されている。

霧箱は、英国の物理学者C.T.R. Wilson (1869〜1959)によって発明された。日本語では霧箱となっているが、英語では雲箱と呼ばれている。
Wilsonは、1897年頃から気象物理に関する研究の一環として、スコットランドで霧や雲の発生に関する研究を行っていた。
1911年に断熱膨張を応用した霧箱を製作し1912年に発表した。のちに、「ウィルソン霧箱」、「ウィルソン箱」などと呼ばれるようになった。

  
・現在位置。
くろすけの巣
→実験機器
第八拾伍話