多変数関数の描画と重積分

Matlab を起動する.実習フォルダの MATLAB R12 をダブルクリック.
1.ヘルプファイルを日本語にしよう.
2.Current Directory を自分のディレクトリに設定する.
このあたりのことは,シンボリックな演算その1 を参照せよ.


2変数関数の描画

x y を変数とする関数 f を定義するには,

syms x y;
f = x*sin(x*y)
とする.この関数のグラフを描くには,
ezmeshc(f)
と打てばよい.ただし,デフォルトでは -pi < x < pi, -pi < y < pi の範囲のグラフを描く.
a < x < b,c < y < d の範囲を描くには, ezmeshc(f,[a,b,c,d]) とする.
ezmeshc(f,[-pi/2, pi/2, -pi/2, pi/2])
グラフの例題  を参照せよ.プロットの 3D−回転ボタンでグラフを回してみよ.


偏微分とヤコビ行列

偏微分(普通の微分も)するには diff という関数を使う.
例えば, x y z の3変数関数 f = x^2*y*exp(z^3) を偏微分するには,

syms x y z;
f = x^2*y*exp(z^3)
fx = diff(f, x)
fy = diff(f, y)
fz = diff(f, z)
とする.勾配ベクトル [fx, fy, fz} をいっぺんに求めるには,
jacobian(f, [x, y, z])
とする. 例えば,プリント No.15 の問題2.の (2) のヤコビ行列を求めるには,
例題 13-2-8  を参考にせよ.


重積分

プリント No.20 の重積分を matlab を用いて,計算してみよう.
このプリントの重積分は,定積分なので答えは定数である.

問1.では,x y の2変数のどちらから積分しても同じ答えになる. 問1.の例題

問2.と問い3.では,変数 y の積分範囲が変数 x によって変わるので
最初に y で積分して,次に x で積分しなければならない.
問2.の例題     問3.の例題

問4.では,変数 x の積分範囲が変数 y によって変わるので
最初に x で積分して,次に y で積分しなければならない. 問4.の例題

問5.では,積分範囲 D をどう考えるかで,変数 x y の積分順序が 変わってくる.
またどちらの変数で先に積分するかによって 問題の難易度にも差が出る.
問5.の例題

レポートの課題

課題1. 適当な2変数関数のグラフを図示し,プリントアウトせよ.
白黒プリンタだと見にくいので,一枚だけ名前と関数を書いて提出すること.

課題2. プリント No.15 問題2.または適当な関数を一つ定義して,
ヤコビ行列ともしあればヤコビ行列式を求めよ.

課題3. プリント No.20 の問1.から問5.の中から,小問を1個選んで,
matlab を使って答えを求めよ. プログラムに答えを添えて提出せよ.

関数並びに定数
関数記号 意味定数の記号 意味
+ - * / 四則演算i または j虚数単位 5+6i または 5+6*i
^ 累乗 x^5 xの5乗pi 円周率パイ 3.141592
sqrt ルート 2乗根 sqrt(2)=2^(1/2) Inf 無限大 -Inf マイナス無限大
sin cos tan 三角関数 sin(pi/4) = sin 4分のパイNaN 数字じゃない 0*Inf や Inf-Inf など
asin acos atan 逆三角関数 asin(1) = pi/2 ezmeshc 2変数関数の描画
exp log log10 log2指数・対数関数 diff 偏微分する
abs絶対値 jacobianヤコビ行列