大阪教育大学 国語教育講座 野浪研究室 ←戻る counter

2009年度 国語学概説・概論 秋のシナリオ「出会い」コンクール 相互評価結果

投句者一覧
you  yua  ★アイス  rky  あや  あんみつ  おばちゃん  かぼちゃ  くろーばー  すぬーぴー  たぁにゃ  たくし  たこ焼きマン  ちい  なな  ぬーぴー  ばしょー  ひよこ豆  みっちー  めたもん  ショコラ  ピーナッツ  プルート  ロリー 
得点順

みっちー

1、パチンコ店(早朝)

開店前のパチンコ店。
入り口の上に掲げられている看板には大きく『猫のいるパチンコ店』と書いてある。
店の前を走る大きな道路沿いに立ててある旗には『新台“猫パンチ”入荷!』の文字。
入り口の前を、男の店員が箒を持って掃いている。
それを店内から寝そべって見ている一匹の猫。
欠伸をしながら店員の動きを目だけで追っている。
猫の語り『吾輩は猫である。名前はセ。母親が生まれてくる子どもにセバスチャンという一匹分の名前しか用意していなかったため、五匹兄弟の長男として生まれてきた我輩にはその名前を5分割したうちの最初の一文字が与えられた。ものぐさな母親もいたものである。母親も母親なら、あの店員も店員だ。毎日よくもまあ考えも無しに同じことができるものだ。たまには自分で頭を働かせて他の所も掃除してみたらいい、吾輩がよく使う裏口など、ゴミが溢れかえっているというのに』
入り口前の掃除だけ終えて、箒と塵取りを片手に店内に戻ってくる店員。
猫を見下ろして足を止める。
店員「よう、お前は神出鬼没だなあ。いつからそこにいるんだ?」


2、ある家の前の庭(朝)

犬小屋を置くだけで精一杯の庭。
小屋の中で窮屈そうに身体を横たえるゴールデンレトリバー。
頭と前足は小屋に入りきれずに出ている。
鼻先にはドックフードと水が入った皿が置かれている。
犬の語り『僕は犬だ。名前はクリス。けれど僕の飼い主は僕のことを面白がって“クリスちゃん”と呼ぶ。僕は敬虔なるイスラム教徒なのに。今日は断食の日なので、日が昇っている間は絶対にご飯は口にしないと決めている。飼い主はまるで僕を惑わす悪魔のようにご飯を鼻先に置いていったが、僕は負けない。僕にとってイスラムの教えは絶対だ。だけど、僕にとって飼い主の命令も絶対なのだ。この二つが相反する時、僕はどうすればいいのかとずっと悩んでいる』
鼻をクンクンと鳴らす犬。
扉が閉まった先の玄関で物音がし、ピクリと耳を動かす犬。
中から男が出てきて犬小屋の前に立つ。
男「なんだ、また飯食ってないのか。…ほら、行くぞ」


3、パチンコ店内(開店後)

ジャラジャラと大きな音。
店内には『禁煙!』の張り紙があちこちに貼ってある。
十数人の客が各々パチンコ台の前に座り、食い入るように目の前を見ている。
猫はその間を縫うように歩き回って、店内を一通り見てから入り口の前に座り込む。
猫が来ても開かない自動ドア。
しばらくして客が外から歩いてきて入り口の前に立つと、途端に開く自動ドア。
猫は寝そべり前足に頭を乗せて自動ドアを睨む。
猫の語り『まったく、この自動ドアというものはいけ好かない。吾輩と喋ったこともないくせにして、長年ココのいる吾輩のことは無視して邪険にする。それなのに、一見しただけの人間には無条件で簡単に心を開くのだ。どうやらこの自動ドア、心を開くのは人間相手だけだと教え込まれているらしい。自分で考えられないというのは憐れである』
外から客が入ってきたり、中から客が出て行ったりする。
その度に開く自動ドアを猫は目を離さず、じっと睨みつけている。
客たちは猫の横を通るたびに猫の頭を撫でていくが、猫は動かない。
外から新しい客が歩いてくるのが見えて、猫は視線だけをそちらに向ける。
新しいその客は、犬を一匹連れていた。
客はリードをつけた犬を店前にある柱に括りつけて、何事かを犬に命令すると店に入ってきた。
その客は猫の頭を他の客と同じように撫でてからパチンコ台を探しに行く。
犬は礼儀正しく座り込んだまま、飼い主を見送る。
猫は自動ドアから視線を外し、犬を睨みつけ始める。
猫の語り『まったく、犬の中でも人間に飼われている犬というものほどいけ好かないものはない。命令に逆らわず、誰かに従っていることが良い事だと思い込んでいる。誰かに従うほど、人生の中でつまらない時間はあるだろうか。今だって、あの犬は主人の言いつけを忠実に守り、主人の帰りを待っている。少し力を込めればあんな紐、すぐに切ってどこへでも行けるだろうに。……それにしても、この自動ドアは忌々しい』
新たな客が入ってきて、猫は一瞥して固まる。
その客はニット帽を被りマスクをしていてた。
猫の語り『この時期、あのような帽子を被っていることはさほど珍しくはない。マスクも然り。インフルエンザなどという奇病が流行っているらしいから、どの客も口元を覆っている。怪しいのはあの落ち着きのない動作』
キョロキョロとしながら店の奥に消えていこうとする客を、猫は立ち上がって追いかけた。
客は店員の数をチェックするような仕草をしてから、真っ直ぐに裏口へ向かう。
裏口の扉には『関係者以外立ち入り禁止』の張り紙。
客は一度後ろを振り返る。
足元に猫がいることに息を呑み、追い払うような仕草をした。
猫は動じずに客を見返す。
客は猫を気にするのをやめ、裏口の取っ手に手を掛けて開ける。
客が出て行くのを確認して、猫は裏口の下の方に作られた猫用の入り口から外へ出る。
すると、いつもダンボールやゴミ袋が乱雑に積み上げてあるゴミ置き場から、今日は熱い炎が立ち昇っていた。
黒煙が燻り始めている先に、猫はあの怪しい客が走るように逃げ出す姿を確認した。
猫の語り『これは、いわゆる放火というやつか。早く気付いて良かった、こんな店、すぐに火の手が回ってしまうだろう。ここからはもう逃げられない。逃げるなら正面から』


4、パチンコ入り口前(猫が消えてから)

猫が店内に消えていくのを見届けてから、その場に寝そべる犬。
前足で耳を掻く。
犬の語り『なんだろう、さっきの猫は。ずっと僕を見ていた。あの猫はここで飼われているのかな。それにしては、勝手気ままに歩き回っているみたいだった。あの猫には飼い主がいないのかな。だったら、何故こんな所にいるのだろう』
パチンコ店を気にしながら、目の前を走る道路を通る車を目で追う犬。
12台目の車が走り去っていた後で、パチンコ店内の入り口前に猫が戻ってきたことに気付いて視線だけ流す。
犬の語り『さっきの猫だ。戻ってきたということは、外に出たいのか、それとも僕を見張っているのかな。僕はご主人に命令されているから、ここから動くつもりはないんだけどな』
自動ドアの前をウロウロと歩き回る猫。
開かない自動ドア。
それを横目で見ている犬。
猫が自動ドアの前を3往復した時、猫の横を客が通り過ぎた。
途端に開く自動ドア。
猫は人間に続いて自動ドアを通り抜け外に出てそのまま歩いていこうとして、くるりと首だけを回して犬を見る。
猫「もし、そこで寝そべっている暇があるのなら逃げた方が貴殿のためですぞ。裏口の方で炎が燃え盛っておりますから」
犬「なんだって、火事?」
猫「そうです。人間は誰も気付いていないようですから、直に店中に火の手が回りましょう」
犬「それはいけない。主人に知らせないと」
立ち上がる犬。
しかし、すぐにその場に座り込む。
犬「ダメだ、ご主人は僕にここで待っているように言った」
猫「……貴殿、それこそ“犬死”ですぞ。御主人など放って逃げれば良い」
犬「それはできない」
猫「なら、さっさと御主人に知らせて一緒に逃げればよろしい」
犬「それもできない。それより、君は君のご主人に知らせないのか。ここは君の家だろう」
猫「ここは吾輩の家であるが、吾輩の意思でここに居るのだけなのだ。吾輩には主人が居るが、それは誰でも問題はない。吾輩はいつでも自由なのである」
犬「それは自由なんじゃなくて、ただの身勝手だ。君はご主人に暖かい居場所を貰い、ご飯を貰っている。なのにその恩を返そうとしない。身勝手で、恩知らずだ」
睨みあう二匹。
トコトコと猫が犬の傍に近付く。
猫「人間は吾輩に居場所を与え餌を与え、自己満足をしているだけなのだ。ならば、吾輩も自己満足で恩を返せばよろしい。人間は賢く、火事に気付けば自力で逃げることができるだろう。だがその時に、吾輩の身を思い出してくれるとは限らないのだ。それならば先に逃げ、後から無事な姿を見せればよろしい。人間は吾輩を見捨てたという罪の意識に苛まれずに済み、それが吾輩の恩返しなのである」
犬「……」
猫「貴殿こそ、一体何なのだ。御主人の言いつけは絶対で、貴殿はそれで満足なのか。御主人の命令を守ることでその御主人を失うことが、貴殿の望みなのか」
猫の顔を見つめる犬。
不意に立ち上がって店の入り口とは逆方向に力強く走り出すと、括りつけられていたリードの紐が取れる。
犬「……まったく、今日は変な猫に出会ったもんだなぁ」
歩いて自動ドアの前に立つ犬。
すっと自動ドアは開き、犬は中に走り込んでいく。
犬の侵入に気付いた店員の一人が、犬を追いかけていく。
店に背を向けて歩き出す猫。
猫「……吾輩の方こそ、変な犬に出会ったものである。あの自動ドアをいとも簡単に従えるとは」
シナリオの形式・内容になっている?……=34
出会いの人物が映像化できている?………=79
イチオシ=80
得点合計=193
あんみつ
状況の描写が詳細で様子を想像しやすく、猫や犬に焦点をあてたストーリーも面白くよかった。
ばしょー
台詞に頼りすぎず、きちんと状況を伝えられているのが、すごいと思った。
誇り高い猫さんの姿が、ありありと想像できた。
ロリー
猫と犬の出会いという設定がおもしろかったです。
内容もしっかりしていて楽しく読ませてもらいました☆
えりんぎ
 小道具がいちいち描写されているのと、猫の目から見る、といったところが変わっていて面白いと思いました。猫と犬の性格付けも面白かったです。
たぁにゃ
登場人物のことだけでなく、周りの風景も細かく描かれていてとてもイメージしやすかったです。
シナリオの話もとてもおもしろかったです。
かぼちゃ
読みごたえがあって、おもしろかったです。
(*´ω`*)
猫の紳士的な語りがたまりませんでした。どんな猫なのかという表現が出てこなかったのが残念です。
あや
セリフや説明文に心情や表情が詳しく書いてあるわけでもないのに、その時の猫や犬の気持ちがよく分かり、どんな表情をしているのかが目に浮かぶようでした。
私の中では猫はあまり表情が変わらないけど、犬はゴールデンレトリバーという事で優しそうな顔だけど、睨んだり困ったりと表情が変わっていって、読んでいてとても楽しかったです。

ひよこ豆

① 住宅街、12月13日、午後11時、雨
10メートル間隔で点在している街灯。街灯の光は弱い。
道の幅は狭く、水溜まりがいたるところにある。
幹彦(ミキヒコ、男、)水溜まりを踏むように歩いている。
服は水がしたたる程にずぶ濡れ。
黒色の傘を差している。背は高い。
目の上に切り傷。鼻には鼻血のあとがある。服は破れている箇所もあり、そこから血が流れている箇所もあった。
顔は前に向けられている。
幹彦急に立ち止まる。
七歩程先の街灯の光が水溜まりに乱反射している。
 街灯の下に黄色の物体がある。
街灯の光を受けて光っている。
幹彦ゆっくり街灯に近づく。
黄色いカッパをしたたり落ちる雨に光が反射して光っている。
全身を黄色いカッパに包まれた人が体育座りをして、膝小僧に額を付けている。
幹彦立ち止まって、その人を見る。
左の手首から先がカッパからはみ出ている。全身で肌色の部分はそこだけ。
手首から先は雨に濡れず、乾いている。
幹彦「あの……」
カッパがビクリと動く。顔を上げ、立ち上がる。顔も髪も濡れていない。
 目のすぐ上まで伸びた白い色の髪の毛が瞬時に黒色に変色する。
背丈は幹彦より15センチ程小さい。
街灯にもたれかかりながら立っている。二人の距離は約2メートル。
中性的な顔立ちをしている。女の子。
 女の子「えっと……。大丈夫です。何も問題ありません。」
声は高い。
背を向け立ち去ろうとする。
幹彦「いや、そうじゃなくて」
女の子幹彦が言い終わる前に言う。
女の子「心配要りません。私、護身術の心得ありますから」
女の子振り向かずに歩いて行く。
幹彦「もしかして……宇宙人ですか?」
声は小さい。
女の子立ち止まって、勢い良く振り向く。
女の子幹彦の顔を凝視しながら沈黙。
幹彦「当たって…たみたいですね。良かったー」
幹彦微笑む。
小雨になる。
女の子体を幹彦の方に向け、近づく。水溜まりを避けない。
靴が濡れる。足は濡れない。
女の子「…とても自信があるって顔してますね。根拠はあるんでしょうか?」
女の子幹彦の正面で立ち止まる。
幹彦「根拠…ですか。うーん、昔から人間以外のものは見たら分かるんです。だから、パッと見で人間じゃないことは分かりました。で、幽霊とかは前に見たことがあったので、それとは違うなー、でも、電柱の下って地縛霊のお約束の場所だしなーと思って」
女の子幹彦の言葉を遮るように言う。
女の子「…もういいです、分かりました」
女の子額に手を当て、ため息を吐く。
幹彦「後は…あなたが立ち止まったから確信した」
女の子「無断してました…」
幹彦「?…ああ、油断ね」
雨が止む。

② 近くの公園、12月13日、午後11時20分、曇り
小さな公園。ブランコ、すべり台がある。
街灯の下に濡れたベンチ。
幹彦、女の子公園に入る。
女の子ベンチに座る。カッパは着ていない。
服は濡れない。
幹彦ベンチの前で立ち尽くす。
女の子幹彦を見上げる。
女の子「?…座らないんですか?」
幹彦「遠慮しとくよ…」
幹彦微笑む。
幹彦畳んだ傘に体重をかけて立つ。
幹彦「で、やっぱり記憶は消されるのかな?」
女の子「は?」
幹彦「いや、宇宙人に会った記憶は残ってたら都合悪いんじゃないの?」
女の子首を傾げる。
風が吹く。幹彦服の襟を押さえる。
女の子「誰にとってですか?」
幹彦「え?」
幹彦女の子の顔を見たまま動きが止まる。
女の子「宇宙人の記憶が残っていると、誰にとって都合が悪いんでしょうか?」
幹彦「えっと…誰かな…」
幹彦顎に手をあて上を向く。5秒ほど唸る。
幹彦「うん…じゃ、ま、いいか。宇宙人と話したことはせっかくだったら覚えときたいし。でも、さっきは逃げようとしてなかった?」
幹彦女の子を見て質問する。
女の子「敢えて教える必要が無いだけで、絶対に隠す必要も在りません。」
女の子膝の上で両手を組み合わせる。
人差し指同士をクルクル回す。視線は幹彦に向いている。
幹彦「そういうもんなんだ。」
幹彦頷く。
幹彦「そういえばあなたの名前を教えて貰いたいんだけど」
女の子「特に決めてませんね」
女の子即答する。
幹彦「ああ…そうなんだ。じゃあ、性別とかも…」
幹彦一瞬目を泳がせる。
女の子「特には。一応、今は女性型ですが」
幹彦「ニュートラルなんだね。あっ、これが一番聞きたかったんだけど、地球に来た目的は?人間観察?交流?それとも、侵略とか?」
幹彦満面の笑みで質問する。
女の子「どれも違いますよ。そもそも、地球に来るつもりはなかったんです」
女の子首を振って答える。中指も動かし、手遊びは複雑になっている。
幹彦「えっ!そりゃまた…あー…そうなんだ。えっと、じゃあ何で?」
幹彦地面を向いて、質問する。
女の子「車が故障したんです。当初の目的は火星でした」
幹彦「車?乗り物ってこと?」
幹彦女の子を見る。数秒間女の子の手元を見るが、直ぐに顔に視線を戻す。
女の子「すいません。この星のこの国の言語で該当する単語が即座には浮かばなかったんです」
幹彦「宇宙船の故障ってことね。火星にはどうして?ああ、つまり、どういった目的で?」
一瞬月灯りが女の子と幹彦を照らす。雲が月を隠す。
女の子「あの星が私たちの研究対象です。内容自体は流石に極秘…かな」
幹彦「そこは是非とも聞きたかったけど…。そういえば、なんであんな電柱の下なんかに座ってたの?」
女の子「ただのエネルギィ回復、つまり、休息です。…私からも質問させて貰っていいですか?その傷はどうしたんですか?」
女の子幹彦の全身を見る。血は止まっている。傷口が見える。
幹彦「うーん。いや、特に深い意味はなくて…ちょっと帰り際にドンパチがあったっていうか…」
女の子「ドンパチ?ああ、手繰り合いですね」
幹彦「…いや、確かに髪の毛を引っ張ったりもあったけど、そんなトリッキィなものじゃなくてね…。言葉の変換とかはうまくいってないみたいですね」
女の子「どうも、そのようですね」
女の子立ち上がり、幹彦の目を見る。
女の子「良かったら、私の…ええと…宇宙船ですか?そこで手当てしましょうか?」
幹彦「ええ!宇宙船で!ってことは、宇宙船に乗せてくれるってことですか?是非お願いします!」
幹彦飛び上がる。顔をしかめて腕を抑える。即座に笑顔に戻る。
女の子「はい。どのみち私自身は救援が膠着するまで、この星から出られませんから」
幹彦「流石に救援が動かなくなったら大変だと思いますけど…。えっと、宇宙船て、ここから遠いんですか」
女の子「いえ、そこから行けますよ」
女の子公園の入り口の方向を指差す。
30メートル程先に公衆電話ボックス。

③ 公衆電話ボックスの前、12月13日、午後11時40分、曇り
幹彦、女の子電話ボックスの前に立つ。
灰色の公衆電話。狭いスペースを電灯が照らしている。
幹彦「これで、移動するですか?」
女の子「ええ。ハープ装置というものですね」
幹彦「…移動中に綺麗な音が出るんですか。ええと、使い方とかは?」
女の子幹彦を睨む。
女の子「言語変換のミスをいちいち指摘しないで下さいよ。中に入っていただければ、後は私が操作します」
幹彦頭を下げる。
幹彦「すいません、つい。入ればいいんですね」
幹彦電話ボックスのドアを開ける。
中に入る。ボロボロの電話帳がある。
すぐに、女の子も入ってくる。
幹彦「えっ!あなたも入るんですか?」
女の子「当然です。私が操作するんですから。静かにしていてください」
幹彦自分の口を自分の手で塞ぐ。
女の子電話ボックスのドアを閉める。
受話器を手に取る。
五本の指すべてを使い、素早くボタンをプッシュし始める。
幹彦電話ボックスの外に視線を向ける。
誰もいない道路を見る。向かい側の歩道に白い猫が一匹。
猫は電話ボックスを見ている。
灰色のセダンが通り過ぎる。
猫が逃げるのが見える。
空を見上げる。雲が空一面を覆っている。
電話ボックスの透明な壁にしずくが垂れる。
再び雨が降り始める。
幹彦女の子に視線を戻す。
幹彦、女の子消える。
受話器が落ち、コードによって本体からぶら下がる。
受話器が揺れる。
シナリオの形式・内容になっている?……=37
出会いの人物が映像化できている?………=85
イチオシ=40
得点合計=162
ゆう
描写が細かくて、情景が想像しやすかったです。物語の内容が、おもしろかったです。
おばちゃん
 ある程度特殊な設定でありながらも情景がすんなりと浮かんでくるのは、状況描写の技術がかなり高いからだと思います。
 セリフも細かいながらも自然であり、違和感を一切感じませんでした。
たこ焼きマン
SF的な内容で読んでいて楽しかったです。
チャパ王
シナリオの形式になっているものの中で一番良かったです。

かぼちゃ

(1)自宅・朝
母親が慌ててメグを起こしに来る。
母親「いつまで寝てるの!初日から遅刻する気!?」
メグは目をこすりながら、時計を見る。
メグ「やばい!!」
顔だけ洗い、壁にかけて用意していたスーツに着替え家を飛び出すメグ。

(2)電車の中
メグは息を切らして電車にかけこむ。
高校からの友人であるセナを見つけ、近くまで行く。
メグ「おはよう。」
セナ「おはよう。あれ、メグ今日すっぴんじゃない?めずらしいね。」
メグ「寝坊しちゃって…。せっかくの入学式だからちゃんとしようと思ってたのになぁ。」
セナ「メグ、大学では彼氏つくるんだってはりきってたもんね。」
と言ってクスクス笑う。
メグ「あの人も合格したのかなぁ…。」

(3)〜回想〜 大学入試会場・朝
試験前に筆記用具を卓上に出すメグ。
しかし、消しゴムがないことに気付く。
慌てて、周りに知り合いがいないかキョロキョロするメグ。
男の子「どうかしたんですか?」
メグは驚いて振り返る。
メグ「あ、消しゴムわすれちゃって…。」
男の子「僕2つ持ってるんで、使いますか?」
と消しゴムを差し出す。
メグ「え、いいんですか!?ありがとうございます!!」

(4)〜回想〜 大学入試会場・試験終了後
メグ「これ、ありがとうございました。本当に助かりました。」
と言って消しゴムを渡す。
男の子「あーどういたしまして。お互い合格するといいですね。じゃあお疲れ様。」
と教室を出ていく。
メグ「すっごい良い人だなぁ。」

(5)入学式場
メグはセナと別れ、自分の番号札と座席番号を交互に見ながら席を探す。
自分の席を見つけ、座る。
何気なく隣に座っていた男の子をちらっと見る。
メグ「あ…。」
その人は、入試の日にメグに消しゴムを貸した男の子だった。
男の子もメグの声に反応してメグを見、「あ…」と声をもらす。
男の子と目が合ったメグは、顔を赤らめる。
メグ「やっぱりメイクして来ればよかった…。」
と小さな声でつぶやく。
シナリオの形式・内容になっている?……=32
出会いの人物が映像化できている?………=79
イチオシ=50
得点合計=161
なぎさ
試験会場での出会いが印象的でした。
くろーばー
素直な気持ちが伝わってきました。
ちい
なんかかわいらしくて好きです。
bon
場面が思い浮かぶようでした。
最後のメイクしてこれば良かったというつぶやきが
女の子の心情をよく表わしていると思いました。
アヤカ
1場面が短いのにも関わらず、場面や心情がよく表れていて良かったと思います。最後の場面の描写が特に女の子のかわいらしさが表されていました。

あや

1 刑務所の前(昼)
肩からボストンバックを1つかけ、やや俯き気味に刑務所の門を出る恭兵
数歩進みむと立ち止まり、ゆっくりと刑務所を振り返る
蝉の声が大きく聞こえる
しばらく見た後、刑務所に背を向けてトボトボと歩き出す恭兵


2 恭兵の部屋(昼)
ワンルームのアパートに帰った恭兵
玄関の鍵を開けて中に入ると、ボストンバックを放り投げる
しばらく”たたき”に立ちすくむと、そのままゆっくりと座り込み頭を抱える
蝉の声が小さく聞こえる


3 恭兵の部屋(夕方)
インターホンが鳴る
微動だにしない恭兵
インターホンが間隔を空けて何度も鳴る
億劫そうに顔を上げる恭兵
16回目のインターホンが聞こえる
恭兵、のろのろと立ち上がりドアを開ける
恭兵「………幸子」
ヒグラシの鳴き声が最初は小さく、徐々に大きく聞こえる


4 恭兵の部屋の前(夕方)
幼い恭也の手を握り、部屋の前に立つ幸子
ドアノブに手をかけたまま立ち尽くす恭兵
幸子「……久し振り」
恭兵「………ああ」
幸子「…今日だったわよね。出所するの」
恭兵「………ああ」
幸子「……どう?久し振りの外の世界は」
恭兵「どうもないさ。俺には何もない」
幸子「…そう。」
恭兵「……」
幸子「……」
恭兵「……すまなかった。」
幸子「………そうね。」
恭兵「……今日はどうしてここに…」
幸子「…貴方に合わせたい子がいたのよ。」
恭也の背中を軽く押し、一歩前に出させる幸子
恭也をチラッと見るとすぐに目をそらす恭兵
恭兵「…お前の子か。」
幸子「ええ、私の子よ……貴方とのね。」
ゆっくりと幸子の顔を見る恭兵
幸子、恭兵と目が合うと小さく頷く
恭兵、ゆっくりとしゃがみ、恭也と同じ目線になる
ゆっくりと恭也の頭に手を置く恭兵
恭兵「………俺の子……」


5 恭兵の部屋の前(夜)
じっと恭也を見る恭兵
幸子の服を握り、幸子を見上げている恭也
恭也の肩に手を置き、恭兵を見ている幸子
幸子「…それじゃあ、そろそろ行くわ。」
恭兵「………そうか。」
立ち上がりる恭兵
幸子「ほら、恭也。ご挨拶は?」
幸子を見た後、恭兵を見る恭也
恭也「バイバイ、おじちゃん。」
幸子「違うでしょ。またね、でしょ?」
恭也「またね、おじちゃん。」
恭兵「…ああ。またな、恭也君。」
恭也の手を引いて帰っていく幸子
2人の姿が見えなくなった後、ドアを開け中に入る恭兵
ドアが静かに閉まる
満月に近い月が光る
シナリオの形式・内容になっている?……=34
出会いの人物が映像化できている?………=86
イチオシ=40
得点合計=160
★アイス
シナリオの設定が独特で引き込まれた。
すぬーぴー
情景がとてもうまく文章で表現されていて、内容も人物を映像化できているので素敵な作品だと思いました。
めたもん
あまり身近にはないようなシナリオだけど、
すごく情景が浮かんできました。
rky
場面の設定がとてもおもしろいと思った。
また、出会いの瞬間がうまく表現されていて、リアリティがあった。

あんみつ

(1)朝 ダイニングキッチン
セミの鳴き声が響く。
テーブルの片隅に置かれた写真立てに向かって合掌する千沙子。
千沙子「お父さん、お母さん、おはよう」
写真にはにっこりと微笑む男性と女性が写っている。
椅子にかけられたエプロンを取り、手早く着けながら台所に立つ千沙子。
ドアが開き、トモが入ってくる。
トモ「あっ、おはよう」
千沙子「おはよ……」
挨拶しながらトモの方を見て、目を見開き硬直する千沙子。
千沙子「えっ……だ、誰!?お兄ちゃん!」
叫びながら後ずさりする千沙子。
トモの背後のドアが半分開き、寝癖をつけた良輔が覗き込む。
良輔「何、千沙子うるさい。ご近所迷惑」
千沙子「お、お兄ちゃん、なんか、人、知らない人が、いる」
千沙子に指をさされたトモ、良輔に向かってにこっと笑う。
トモ「おはよう、良輔!ゆうべは夜勤お疲れ様」
良輔「あ?あーおはよう……これ、俺の彼氏」
千沙子「あー彼……え!?お兄ちゃん、え!?」
良輔「いや冗談だし。お前朝からテンション高いね。バイト先の友達。今日からしばらく預かるから」
トモ「広瀬智之です!よろしくお願いしまーす」
はきはきと自己紹介するトモ。
千沙子「えっ、ちょっと待って、意味わかんないんだけど」
良輔「というわけでなかよくしてやって。じゃあ俺バイトまで寝るから、おやすみ」
良輔が頭をひっこめ、ドアが閉まる。
ちらっとトモのほうを見る千沙子。
ひらひらと手を振るトモ。
苦い表情で軽く頭を下げる千沙子。

(2)夕方 千沙子の部屋
ドアを開け千沙子が入ってくる。
鞄を床に置き、セーラー服の胸元をぱたぱたさせて風を入れる。
スカートをほどき、上着を脱いだそのとき、ドアが開いてトモが顔を出す。
すぐさまドアを閉めるトモ。
咄嗟に胸元を隠し、その体勢のまま固まる千沙子。
トモ「ご、ごめん……部屋間違えた……ごめん」
口をぱくぱくさせる千沙子。
廊下を走り去るトモの足音。
千沙子「何なの……もうやだぁ……」
その場にへたり込む千沙子。

(3)夜 レストラン前
レストランの扉が開き、千沙子が出てくる。
千沙子「お疲れ様でしたー」
中から聞こえた数人の「お疲れー」の声にお辞儀をしながら扉を閉める千沙子。
掌でぱたぱたと顔を仰ぎながら振り返ると、トモが立っている。
トモ「よっ。お疲れ」
顔の横でひらひら手を振るトモ。
千沙子「広瀬さん……どうしたんですか」
トモ「お迎えに上がりました。夜遅くまでバイト大変だね」
千沙子「はあ……ありがとうございます」
街灯の並ぶ人通りのない道を、並んでゆっくりと歩き出す二人。
しばらく沈黙が続く。
千沙子「広瀬さんって……」
足元をぼんやり見つめながら、千沙子が口を開く。千沙子の方を向くトモ。
トモ「トモでいいよ」
千沙子「……トモさんって、何でうちにいるんですか。お家はどうしたんですか」
トモ、苦笑して前に向き直る。
トモ「いやー、実は俺今浪人生なんだけど、親がいなくてね。夜逃げしちゃって。で、叔父の家に厄介になってたんだけど、そこの家族とどうも折り合いが悪くてさー。とうとう喧嘩して追い出されちゃって、住むとこなくなっちゃって。予備校も行けなくなっちゃったし」
頬を触りながら笑うトモ。黙ってトモの横顔を見つめる千沙子。
トモ「……だったらどうする?」
千沙子「えっ?違うんですか!?何それ、気にして損した」
トモから顔を背け、小さな声でこぼす千沙子。
トモ「ははは。そうだよね、良輔と千沙子ちゃんは兄妹二人で頑張って暮らしてるんだもんね」
街灯の明かりがジジと点滅する。
トモ「千沙子ちゃんは、すごく頑張ってると思うよ。それは良輔も言ってたことだし、俺もこの目で見て思ったこと」
再び顔をあげる千沙子に、トモが微笑みかける。
トモ「迷惑かけてごめんね。すぐ出て行くから安心して」
千沙子「トモさん……」
トモ「あーあ、俺も甘えてちゃ駄目だな。一人で頑張らなきゃ。千沙子ちゃん見てて思ったよ。ありがとう」
千沙子の頭を軽くぽんぽんと撫でるトモ。
撫でられた部分にそっと触り、下唇を噛む千沙子。

(4)朝 洗面所
洗濯機の前に立ち、洗剤を計量スプーンで計る千沙子。
ドアが開き、あくびをしながら良輔が入ってくる。
千沙子「あ、おはようお兄ちゃん。今日は朝からバイト?」
良輔「うん」
歯ブラシを手に取り、歯磨き粉を搾り出す良輔。
洗剤を洗濯機の中に入れ、蓋を閉める千沙子。
千沙子「トモさんは、夜勤?昨日遅かったみたいだけど。まだ寝てるかな」
良輔「あいつなら家帰ったよ」
千沙子「えっ?家って……叔父さんの?」
良輔「ああ、トモに聞いたのその話。そうじゃなくて、住むとこ見つかったんだって」
千沙子「そうなんだ……やっぱり本当だったんじゃん」
良輔「え?」
千沙子「何でもない!」
洗濯機のスイッチを押し、洗面所を出る千沙子。
ダイニングに行くと、テーブルの上に手紙が置いてあるのを見つける。
手紙を手に取り、読む。
「今までお世話になりました。住む家が見つかったので、バイトとか家事とかしながら頑張って勉強して、次に会うときには立派に大学生になった俺の姿を千沙子ちゃんに見てもらいたいと思います。ありがとう。お元気で。 広瀬智之」

(5)朝 ダイニングキッチン
窓から見える楓の葉が真っ赤に色づいている。
キャベツを荒々しい手つきで刻む千沙子。
千沙子「で?何でいるんですか?」
トモが椅子に座り、千沙子の後姿を見つめている。向かいの席に良輔が座り、スーパーのチラシを熱心に読んでいる。
険しい表情で振り向き、トモを睨む千沙子。
トモ「えーだって一人暮らし寂しいしー、千沙子ちゃんのおいしいご飯が食べたくなっちゃって」
へらへら笑いながら、椅子の上で体育座りするトモ。
千沙子の包丁を握った手にギリギリと力が込もる。
良輔「お、今日トイレットペーパーが特売だ」
トモ「えっマジで!俺買い物手伝うよ」
千沙子から目を逸らし、良輔と共にチラシを読み始めるトモ。
千沙子「……応援して損した!」
キッチンに向き直り料理を再開する千沙子。
トモ「えっ、千沙子ちゃん俺のこと応援してくれてたんだ!わーうれしい、ありがとう!俺頑張るね!」
勢いよく顔を上げ、千沙子の背中に向かって大げさに手を振るトモ。
千沙子「知りません!もう頑張らなくていいです!」
良輔「『トモさんが心配で夜も眠れないの』って言ってたよ」
チラシから目を上げないまま良輔が呟く。
トモ「マジで!」
千沙子「言ってない!」
同時に良輔の方を向いて叫んだ二人の声が重なる。
笑い出す三人。
テーブルの隅に飾られた両親の写真の前に、丸っこい文字で「トモさん頑張って」と書かれた紙と、合格祈願のお守りが置かれている。
シナリオの形式・内容になっている?……=38
出会いの人物が映像化できている?………=90
イチオシ=20
得点合計=148
ひよこ豆
描写が巧いし、話のオチまで出来てたので良かったです。
たまき
状況が目に浮かんだし、すらすら内容が入ってきて読みやすかった。

たこ焼きマン

(1)家

日の光がこうへいの顔を照らしている。
眩しさを避けて寝返りをうった瞬間部屋の扉が勢いよく開いた。

母「こうへい!もう朝やで入学早々遅刻するで。」
こうへいはのっそりと起き上がり着替え始めた。お気に入りの蝶ネクタイをつけて、食事を終えると
こうへい「ほないってくるわ。」
とゆっくりとドアを開けて朝日を体いっぱいに浴びてこうへいは学校へ行った。

(2)電車

3両目の車両。
こうへいはその車両の席で音楽を聴いていた。
出発のベルと同時に女の子が急いで乗車してきた。
その子はこうへいの目の前の席に座った。
こうへいはおもわず彼女を二度見してしまった。
ちいさな顔におおきな目。
こうへいは彼女を駅に着くまで見つめていた。

(3)大学

駅に着くと大勢の学生たちが下車していく。
こうへいもそれに続いて下車し山の上にある大学へと足を進めていった。
門をくぐり教室へ向かおうとしたとき、こうへいはだれかに呼び止められた。
女の子「すいません。情報処理センターってどこにあるかわかりますか?」
さっき電車で見つめていた彼女である。
こうへい「あ、ああ。わかりますよ。図書館の前の坂を上って左手にありますよ。」
少し声がうわずった。
女の子「ありがとうございます。」
そう言って彼女ははやあしで去っていった。

(4)教室

こうへいは1時間目を終えともだちと喋っている。
こうへい「今日な電車でめちゃくちゃかわいい子に会ってな、んでさらに道聞かれちゃってん。」
森本「まじかよ。お前今日最高についてるやん!それって運命ってやつちゃん?」
こうへい「運命かもな。ははは。」
こうへいはおもわすにやけた。
そしてトイレに行くため席を立ち、教室のドアの取っ手に手を伸ばしたとき向こう側から勝手にドアが開いた。
こうへい「あっ。」
目の前にいたのはさっきの彼女だった。
女の子「あっ。さっきはどうもありがとうございました。無事つけましたよ。」
こうへい「そ、それはよかった。き、君も次の講義はここなの?」
また声がうわずった。
女の子「はい。先輩もここなんですか?」
こうへい「うん。ていうか俺一回生なんやけど…。」
女の子「えっ。ごめん、めっちゃ先輩だと思ってた。」
二人はお互いにくすくすと笑ってしまった。
これがこうへいと佳里奈の出会いだった。
シナリオの形式・内容になっている?……=29
出会いの人物が映像化できている?………=87
イチオシ=30
得点合計=146
ライフ本日レタス1玉59えんです
自分にそういうのがあったらな〜
ってリアルに感じることができたからです。
Ayaka
素敵な出会いの話で、青春だなあと思いました。
なな
男の子のいい感じの出会いをほほえましい感じで描けていてすごく好きです。

めたもん

1.月曜の朝、会社へ向かう途中 駅のホーム

 人でいっぱいのホーム内。
 列の先頭で電車を待つ男性2人。
北原「おれ会社は好きだけど、朝のこの人ごみだけは好きになれねえよ〜」
日野「こんなの好きな奴なんているのかよ。
   それに朝はどこもこんな感じなんだから文句言うな」
 同じように混んでいる向かいのホーム。
 自分のちょうど前あたりにいる、長い黒髪の女性。
日野「だいたいお前は何でも文句つけすぎなんだ。
   ……ん?」
北原「何だよ、知り合いでも見つけたか?」
日野「いや、知り合いというか、向こうのホームに…」
 ガタンガタン、と音をたてて目の前に入ってくる電車。
北原「あー!見えねえじゃねえか、くそ!
   で?知り合いか?」
日野「いーや、見間違いだ」
 電車に乗り込む二人。

2.金曜の朝、同じ駅のホーム

北原「結局月から金までずーっといるな、あの人」
日野「そうだな」
北原「そろそろ教えてくれてもいいんじゃねえか〜?
   どういう知り合いなのか」
日野「…別に知り合いって言ってないだろ」
北原「まあな、でもお前昨日の朝おれと何話したか覚えてるか?」
 前を向いたまま喋らない日野。 
北原「そんだけ気にしてるってことは、少なくともあの人について何か思うところがあるんだろ?」
日野「うるさい」
北原「そうむきになんな!とりあえず今日は飲み決定だな!」
 笑顔の北原としかめっ面の日野を乗せてホームを出る電車。

3.夜、飲み屋

 にぎやかな店内のカウンターに座る二人。
北原「中学の時転校してそれっきりだった同級生で、ただそれだけだと?」
日野「何回も言わせるな」
北原「ふーん」
 グラスを傾けるだけで、飲もうとはしない日野。
 それを口元に笑みを浮かべながらじっと見る北原。
北原「ま、お前が言うならそれでいいけど??」
日野「そういうことにしておいてくれ」
北原「しゃあねえな、今日はとことん俺が付き合ってやるよ!」
 マスターに二人分を注文する北原。
 それを聞いた日野は目を閉じ、少しだけ微笑む。
日野「…お前が?こっちのセリフだ」
 
4.終電待ちのホーム

 朝とは逆の場所に立つ日野。
 ホーム内を眺める。
 同じ2番線に立つ長い黒髪の女性がいる。
 その人を凝視する。
日野「・・・月子」
 小さな声でつぶやく。 
 聞こえるはずの無い声に反応したかのように、
 女性が振り向く。

 


シナリオの形式・内容になっている?……=38
出会いの人物が映像化できている?………=80
イチオシ=20
得点合計=138
まめ
シナリオの最後に出会いを持ってきていてインパクトがありました。
がーこう
殆どが会話だが、ちゃんとシナリオの形式になっていると思う。
ナレーションが入ってなくても情景が思い浮かぶのがよい。
最後にいつもとは反対側のホームに行き「月子」と語りかけているのが印象に残った。

たぁにゃ

○クレジット・タイトル
「この物語はフィクションです。」

1 黒地にメインタイトルが浮かび消えていく
「ソレイユ」

2 家-回想シーン-(冬・夜)
暖炉のある大きな部屋。
明かりは、机の上に置かれたランタンと、暖炉の火のみ。
ぱちぱちと音がする暖炉の前でロッキングチェアが揺れている。そこに座っている母。
母の膝の上に、小さな男の子(サンテ)が暖炉の火を見つめて座っている。
母「今日は、サンテの生まれた日なんだよ。もう5歳になるんだね・・・」
サンテは振り返り母を見る。
サンテ「僕の?全然知らなかった。」
母「今までずっと母さん、病院にいたからね・・・長い間、祝ってあげられなくて、ごめんね」
サンテが勢いよく首を振る。
サンテ「ううん!母さんは謝ることないよ!母さんと一緒にいられるだけで嬉しいから」
サンテがにっこり笑う。母は微笑み、サンテの頭をゆっくり撫でる。
母「そうだ。これ・・・母さんからのプレゼント。もらってくれる?」
母は首につけていたペンダントを外し、サンテの目の前に持っていく。
深緑の丸い宝石が暖炉の炎に照らされて、ゆらゆら光っている。
サンテは少し驚いて目を丸くする、
サンテ「母さんがずっとつけてるペンダント・・・いいの?」
母「サンテなら大事にしてくれるもの。」
母は目をつむる。
母「これはね、母さんが父さんと結婚するときに、おばあちゃんがくれたの。おばあちゃんもこれをひいおばあちゃんからもらったんだって。サンテは男の子だけど、ずっとお母さんから子へとつながっているものだから」
サンテ「僕、ずっと大事にするよ。」
母「ありがとう。それとね、一つ、母さんからお願いがあるの。

3 城下街・全景 (冬・昼)
賑やかな城下町。コートを着たたくさんの町人や商人が歩いている。
長く続く街道の奥、隅の白い建物。『宿屋』と書かれている。
宿屋の一室で、一人の少年が叫ぶ。
サンテ「シュクレ!おーいシュクレ!いつまで寝てるんだよ」
ベッドから一人のひょろ長い青年(シュクレ)がゆっくりと起き上がる。
シュクレ「・・・んあ?もう朝?」
シュクレは目をごしごしとこすり、両手を広げ、大きく伸びをする。
サンテは窓の外を指さす。
サンテ「昼だよ!僕ははらぺこ!ここの宿屋はご飯なしなんだから、早くどっか食べに行こう!」
シュクレ「はいはい・・・。よっと」
シュクレはベッドからおり、服を着替える。
サンテはすぐに部屋を出て、料理店へ向かって街道を走っていく。
シュクレ「まったく、元気な奴だねー・・・」
シュクレも急いで部屋を出て、サンテの後を追って走る。

4 料理店・店内
家族連れや休憩中の商人たちで賑わう店内。
隅の二人席のテーブル。サンテの前には肉料理や魚料理がたくさん置かれている。
シュクレの前にコーヒー。
サンテが料理を前ににこにこしている。
シュクレは頬杖をついて窓の外をぼーっと眺めている。
サンテ「あれ?シュクレ、食べないの?」
シュクレ「・・・起きたばかりで走ったら気持ち悪くなったからいらない。っていうか、サンテってそんな大食いだったっけ?」
シュクレが頬杖をついたままテーブルの上の料理を見る。
サンテ「今日はね、特別な日なんだ」
シュクレ「は?」
サンテ「僕の誕生日」
シュクレは呆れた顔をして言う。
シュクレ「誕生日、ねぇ・・・。一人で祝ってるのか。寂しい奴だな」
サンテ「うるさい」
顔をしかめて、サンテは食事を始める。
シュクレ「俺にも教えてくれれば良かったのに・・・」
サンテ「だって僕ら出会ってそんなに経ってないし、シュクレは自分のこととか何も言わないから言いづらい」
シュクレ「まあね。自分から言うのは『祝って下さい』って言ってるのと同じだからね。で、何歳になったの?」
サンテ「15歳」
シュクレは一瞬力が抜けてガクッとなる。顔をあげ、目を丸くし、声を大きくして言う。
シュクレ「15!?」
サンテ「うん。もっと上だと思ってた?」
シュクレ「もっと下だと思ってた・・・」
サンテ「・・・・・。ごちそうさま」
サンテはフォークとナイフをそろえて皿の上に置く。立ち上がってスタスタと入口に向かって歩く。
シュクレ「おい、サンテ!食べたら少しは休憩しろよ・・・!」
シュクレが慌ててコーヒーを飲み干す。
サンテが店員に言う。
サンテ「勘定はあのひょろ長い人に済ませてもらいます」
サンテがドアを開け、店を出る。店内からシュクレの声。
シュクレ「えぇ!?ちょっと!聞いてないって!!サンテー!!!」

5 城下町・街道
むすっとした顔のサンテが宿屋に向かって早足で歩いている。
道の右側の酒場から、髪の長い男(ルイアン)が飛び出す。
ルイアンとサンテがぶつかる。サンテ、よろめく。
ルイアンがとっさにサンテの右腕を掴む。
サンテ「いってー!!!」
ルイアン「おっと、ごめんよ。ん?それは・・・」
ルイアンがサンテの胸元のペンダントを見る。
サンテ「何?何か用??」
サンテは睨んで言う。ルイアンはペンダントから目をはなさない。
サンテ「あなたは誰ですか?腕を離し・・・」
酒場の中から男の怒鳴り声。
男「誰だ!!俺のものを盗ったのは!?!?」
ルイアンははっと我に返る。ちらっと酒場の方を見、サンテをひっぱる。
ルイアン「やば、気付かれた!少年、こっち!」
サンテ「へ?うわっ、ちょっと!?」
ルイアンとサンテは人ごみに紛れ、街道を走り抜ける。
シナリオの形式・内容になっている?……=35
出会いの人物が映像化できている?………=73
イチオシ=20
得点合計=128
みっちー
丁寧に人物の動きを追っていて、頭に映像を浮かべやすかったです。
続きが気になりました。
mns
周りの状況なども書かれていたので想像しやすかった。

rky

【小学校のグラウンド】
運動会が行われており、子供たちの応援の声でとても賑やかである。
アナウンス「午前の部はこれで終わりです。
      午後の部は1時開始です。
      児童の皆さんは教室でお弁当を食べましょう。」
子供たちはぞろぞろと教室へ帰っていく。
保護者は、運動場で弁当をひろげるものもいれば、
外で何か食べようかと学校を出るものもいる。
母「ナナちゃん、どっか食べに行こうか。」
ナナ「うん!時間いっぱいあるしね。」

【学校の外】
2人は飲食店を探している。
ナナ「あっ!ペットショップだ。ちょっと見てもいい?」
母「いいわよ。」

【ペットショップ】
ナナ「うわあ〜可愛い〜」
ゲージの中の犬が、ナナに向かってしっぽを振っている。
店の中は、子犬の可愛い鳴き声があちこちからしている。
たくさんの子犬たちのなかに1匹だけ元気のない子犬がいる。
母「この子、とっても大人しいわね。」
ナナ「ほんとだ〜」
その子犬は、母とナナの方をじっと見ている。
しかし、他の子犬たちのような元気はない。
その時、店員さんがやってくる。
店員「こちらのわんちゃん、昨日まで兄弟と一緒だったんですけど、
   兄弟が昨日飼い主さんの元へ行ってしまったので、元気がないん   です。とっても食いしん坊で元気な子なんですけどね。」
ナナ「ええ〜可哀想〜。うちで飼おうよ!」
母「いくらなんでもそんな急には無理よ。」
ナナ「でもこの子は絶対にうちで飼うべきな気がする!」
母「わかった、ちょっと考えましょ。とりあえずご飯に行きましょ。」

【飲食店】
2人はいかにも古びたうどん屋さんで、うどんを食べている。
母「確かにあのわんちゃん、うちで飼いたいね。」
ナナ「そうだよ!絶対飼うべき!たまたま立ち寄ったペットショップで、たまたま昨日兄弟が売れちゃって、しかもあのわんちゃんの誕生日見た?わたしと一緒なんだよ?これは絶対運命の出会いだよ!」
母「そうね…わかった!そのかわりちゃんと世話するのよ。」
ナナ「やったー!お母さんありがとう!あのわんちゃん、わたしが幸せにしてみせる!」

【家】
それから5カ月後…
わんちゃんは元気に家の中を走り回っている。
ナナ「タロウ!散歩行くよ!」
タロウはしっぽを振りながらナナに近寄ってくる。
母はその様子を見ながら、微笑んでいる。
母「太郎と出会えて本当によかったね。」

シナリオの形式・内容になっている?……=33
出会いの人物が映像化できている?………=74
イチオシ=20
得点合計=127
警備員
多くの人が「友人」や「恋人」といった人との出会いを取り上げている中で、動物との出会いを主題としているので、とくに目にとまった。
ゆーちゃん
シナリオを読んでいるとあったかい気持ちになれました。

yua

1.A高校、試験会場

ハルヒ「あぁ、緊張する…!」
誰にも聞こえない程度の声で呟くハルヒ。
落ち着きなく、周りの学生をキョロキョロと見る。
単語帳に目を落とす男子生徒。
音楽を聴きながら目をつぶって精神統一をする女子生徒。
問題集を開く女子生徒。
ハルヒ「みんな頭よさそう…大丈夫かな…」
緊張で背筋がピンと伸びる。

2.試験前、教室

筆箱の中をゴソゴソ探るハルヒ。
何かを必死で探している。
ハルヒ「あ!!」
教室にいる学生たちが一斉に振り向く。
迷惑そうな表情をした学生もいる。
ハルヒ「ご、ごめんなさい…」
顔を赤らめて、謝る。
その表情はすぐに焦った表情に変化する。
アキ「どうかした?」
周りに遠慮した小さな声がハルヒの隣の席からした。
ハルヒ「え…?」
アキ「何かあった?困ってるみたいだから」
ハルヒ「…消しゴムをね、忘れちゃったの…。バカだよね、受験当日に消しゴム忘れるなんて…っ」
ハルヒの目にはじんわりと涙が浮かぶ。
アキ「じゃあ、これ…」
筆箱から消しゴムを取り出して、ハルヒに差し出すアキ。
アキ「俺、念のために二個持ってるから!」
ハルヒ「…いいの?」
アキ「いいよ。助け合いの精神!」
ハルヒ「ありがとう」

3.試験後、教室

少し騒がしくなった教室。
早々と帰る用意を始めるアキ。
ハルヒ「あ、あのっ…!!」
借りた消しゴムをアキに差し出すハルヒ。
ハルヒ「ありがとう!!本当に…あなたのおかげで助かった…」
アキ「どういたしまして」
ハルヒ「消しゴム、返すっ」
アキ「…返さなくていい」
静かに言うアキ。
アキ「この高校の入学式で返してくれたらいいよ」
ハルヒ「それって…」
アキ「二人とも受かってたらいいな」
笑顔で手を振って、教室を出て行くアキ。
ハルヒ「あ、名前…」
消しゴムを手にしたまま教室で立ち尽くすハルヒ。

4.A高校、入学式

ハルヒ「…会えるのかな…消しゴムの彼に…」
消しゴムを大切に握り締めるハルヒ。
風が強く吹いている。
満開の桜が風に吹かれて、散っている。
ハルヒ「風、強い…」
ボサボサになりそうな髪を必死におさえる。
風が不意に止む。
ハルヒ「…あ、」
前に立つ人に気づくハルヒ。
アキ「やっぱり、ちゃんと会えた。お互い合格おめでとう」
やさしく笑うアキ。
ハルヒ「うんっ…約束どおり、消しゴム返すね!!」
アキに消しゴムを差し出すハルヒ。
アキ「ありがと…でも、その前に名前教えてよ」
シナリオの形式・内容になっている?……=37
出会いの人物が映像化できている?………=79
イチオシ=10
得点合計=126
ショコラ
出会いがうまく表現されてると思いました。

ロリー

1.電車 朝
AM6:45
ゆきは電車に駆け込む。
ゆき「はぁ、はぁ、間に合った…。」
ゆきはくしゃくしゃになった髪を直しながら席に座る。
携帯をいじったり、窓の外の景色を眺めたり、ゆきは長い乗車時間の退屈しのぎをする。

2.電車 朝
4つ目の駅で電車が停まったとき、ゆきはふと顔を上げた。
ゆき「うそ……。」
ゆきはそう小さく呟き、息を呑む。
ゆきの視線の先には数人の男子高校生が楽しそうに話している。
ゆきはその中の1人を何度も目で追う。

3.学校 朝
下駄箱で雄介がだるそうに靴を履き替えている。
雄介「おっす!お前も遅刻か!」
ゆきに気付いた雄介は嬉しそうに声をかける。
ゆき「ちゃうし!あと1分!!」
ゆきは慌ただしく階段を上り、教室に入る。
キーンコーンカーンコーン キコンカンコーン
朝のチャイムが鳴る。
ゆき「セーフ。」
ゆきは胸を撫で下ろす。
教室に先生が入ってきてホームルームが始まる。
隣の席の美香がゆきに話しかける。
美香「ゆき今日いつもの電車、乗ってなかった?」
ゆき「うん。寝坊しちゃって遅刻ぎりぎり。」
美香「ふーん。」
美香はゆきの顔を覗き込む。
美香「なんか顔にやけてるんですけど?」
ゆき「え?にやけてた!?」
そう言いながらもゆきの口元がゆるむ。
美香「何?何?どしたん?」
ゆき「電車で初恋の人にそっくりな人見かけてん!多分、いや絶対違う人やと思うけど!」
美香「え!?どんな人?めっちゃテンション上がるやん!」
先生「おい、そこ2人静かにしろ。」
ゆき「美香、声大きいって。」
2人は顔を見合せて笑う。

4.駅のホーム 翌朝
AM6:30
ホームに並ぶ人が次々と電車に乗る。
ゆきはぼんやりとその様子を眺め、電車を見送る。
ゆきはベンチに腰を下ろし、次の電車をじっと待った。
シナリオの形式・内容になっている?……=33
出会いの人物が映像化できている?………=77
イチオシ=10
得点合計=120
ピーナッツ
一文が短く、セリフの部分もとても読みやすかったです。
共感できるところもありました。

ピーナッツ

(1)電車の中 早朝
  買ったばかりのスーツ。初めての電車通学。
  高校からの友人の百合は、携帯で時間を調べている。
  今日は大学の入学式だ。
百合「次で降りて乗り換えやって〜。」
  慣れない電車の乗り換えは大変だ。
朋子「はいは〜い。」

(2)乗り換えた電車の中 朝
朋子「これ全員同じ大学やんな?めっちゃ多いやん!」
百合「ほんまに!同じ学科の子もいるかな?」
  朋子と百合は学科が違うので、同じ学科の子を探しているのだ。
  さっきの電車とは違い、この電車には、同じように新しいスーツを着た子がたくさんいる。
  みんな緊張しながらも、楽しそうな表情だ。
  その中に一人、じっと下を向いたままの子がいる。
  誰かと一緒に来ているという訳ではなさそうだ。
百合「あの子、一人で来てるんかな?」
朋子「そうかな。遠い所から来てるかもやな。」
百合「ってかもう着くで!」
朋子「ほんまや!ドキドキしてきた…」

(3)入学式場 開式前
百合「私一番前の席やねんけど!朋子は?」
朋子「えっと〜、後ろのブロックの二列目。遠いなあ…」
百合「うん。じゃあとりあえず終わったら一緒にお昼食べよう!朋子の所に誘いに行くから待ってて?」
朋子「わかった!じゃあ後で。」

(4)座席 開式前
  そう言って別れたものの、百合がいなくなると急に心細くなる。
  周りは知らない人ばかりだ。
  その時、後ろから声をかけられた。
美香「あの…、あなた、ここの席ですか?」
  関西弁ではないことに驚きながら、返事をしようと振り返った朋子は更に驚いた。
朋子「あ!電車の…」
  声をかけてきたのは、電車の中で見た、あの子だった。
美香「私こっちの席なんで、隣だと思って。」
朋子「そうなん?よろしくね!」
美香「こちらこそよろしくね。私、美香です。」
朋子「美香ちゃん!私は朋子です。友達になってね!」
美香「よかった、友達できて。」
朋子「電車、一人で乗ってたよな?」
美香「うん。私、近畿出身じゃなくて、同じ高校の子もいないから…。友達できるか、すごく不安だったんだ。」
朋子「そっか…。じゃあ私が友達一号やん!で、美香ちゃんも私の友達一号。」
美香「ほんとだ。あ!アドレス教えてもらってもいい?」
朋子「いいよ〜!私も教えて?」
美香「うん!」

(5)式場 昼休憩
朋子「美香ちゃん、お昼一緒に食べへん?私の高校の友達も来るけど。」
美香「いいの?食べる食べる!」
  そんな話をしていると、百合が来た。
  百合の隣には、知らない女の子がいる。
百合「朋子!友達できたねん。真理やで!」
真理「はじめまして。」
  真理は、すごく明るい声で挨拶してきた。
朋子「はじめまして。私は朋子。で、この子は美香ちゃん。」
美香「よろしくね。」
百合「じゃあ、もう四人でご飯行こうか!」
朋子「そうやな!」
  こうして私たちは、大学生活をスタートした。
シナリオの形式・内容になっている?……=20
出会いの人物が映像化できている?………=75
イチオシ=20
得点合計=115
ぷりん
4月の入学式を思い出し、その時の気持ちや状況にとても共感しました。
プルート
私も同じ経験をしたことがあり、すごく共感できました。友達ができるかと言う不安や、できた喜びがよく表現されていて、いいなと思いました。

ばしょー

1.出町柳
高橋「じゃ、夕方4時に枚方でおちあおう。おれはベージュのロングコートを着ている。…わかった。」
高橋は電話を切り、視線を斜め上にあげる。
時計の針が午後3時20分を指している。
高橋「そろそろ行くか」
視線の先には「快速急行 枚方行き」の表示がある電車がとまっている。
高橋はその電車に乗り込む。
電車は発車し、風景はみるみるスピードをあげて流れていく。

2.淀屋橋
斎藤「4時に枚方やで。遅れんなや。ベージュのロングコートやな?分かった。おれは阪神タイガースのキャップをかぶってるわ」
斎藤は電話を切り、視線を斜め上にあげる。
時計の針が午後3時30分を指している。
階段の下に止まっている電車が、発車のベルを鳴らしている。
斎藤は、階段を駆け下り、電車に飛び乗る。
息を弾ませながらも、空いている席に座り、前を見る。
向かいの窓に、汗だくで髪の毛がぼさぼさの自分の姿が映っている。

3.淀から枚方
高橋を乗せた電車は、淀駅に到着する。
うっすらと目を開けた高橋は、淀駅のホームを見て、小さく叫ぶ。
ドアの前には、ホームから溢れだす勢いの中年男性の数。
多くが、口をへの字に曲げ、競馬新聞を握り潰している。
高橋「そうか、今日のレースは大荒れだったのか」
高橋が小さくつぶやくのとほぼ同時にドアが開く。
車内に中年男性が車内に流れ込んでくる。
出発のベルが鳴っているにもかかわらず、車内に入りきれず、人が溢れている。
駅員が、二人がかりで乗客全員を車内に収容し、電車は動き出す。
高橋の眼は虚ろである。
電車は、淀駅に止まる前と変わらないペースで、動いている。
首をまわし、窓から進行方向を見ると、枚方市と書かれた駅がある。
電車が駅に到着する。
高橋が向かいのホームに目をやる。
向かいのホームには、阪神タイガースの帽子をかぶった、斎藤がいる。
斎藤は、こちらのホーム全体を、凝視している。
高橋は斎藤に向かって大きく手を振る。

4.京橋から枚方
斎藤を乗せた電車は、京橋を発車する。
車掌「次の停車駅は、枚方市」
アナウンスを聞いた斎藤は、時計に目をやり、口元を緩める。
窓から見える空はオレンジ色に染まっている。
電車は次第に減速する。
枚方市駅に到着する。
斎藤は、ホームに立ち、向かい側を凝視する。
斎藤に向かって手を振っている男がいる。
斎藤「ベージュのロングコートや!」
斎藤は手を振り返す。


シナリオの形式・内容になっている?……=36
出会いの人物が映像化できている?………=68
イチオシ=10
得点合計=114
くーちゃん
二人のお互いからの客観的な視点がしっかりくみこまれていたよかった。

すぬーぴー

(1)朝
坂を必死に駆け上がる一人の少女。
やっと校舎が見えてきた。
わりと綺麗で大きな大きな学校だった。
桜「わあ‥これが私の通う学校か。前の学校よりも綺麗だしラッキー!」
桜は独り言を言いながら、学校に向かって歩いた。

しかしその道の途中で、一人でうずくまっている男の子がいた。
彼は桜より年上に見えるが制服を着ており、自分の右足をさすっているようだ。
桜は不審に思ったが、彼に声をかけてみた。
桜「あの‥大丈夫ですか?」
彼は驚いた顔で桜を見上げた。
男「あ、ありがとう。部活で怪我した足がまた痛んで、休憩してたんだよ。」
桜「あら‥この先歩けますか?」
男「多分大丈夫。もうすぐ着くしな‥あ、君と同じ学校だよ。」
そう言いながら、男は桜の制服を指差した。
桜「え?そうなんだ!じゃあ一緒に行きましょ!」
男「そうだな、そろそろ行くか!」
初対面の二人は並んで学校へと急いだ。

(2)学校で
校舎に入ったものの、桜はどこへ行けば良いのかわからない状態で目をキョロキョロさせていた。
男「教室何階?」
桜「え、あー‥私実は転校生で、ここの学校に来るの初めてなんです。」
男「へえ!じゃあ職員室行くか。案内するよ。」
桜は彼のあとをついて歩いた。
職員室は校舎の一番端に位置していた。

(3)数週間後、学校の廊下で
桜が廊下を歩いていると、見覚えのある一人の男子とすれ違った。
桜はさっと振り返り、彼に声をかけた。
桜「あ、あのときの‥」
彼も桜の方を振り返って、笑顔でこう言った。
男「‥? おお、久しぶり!」
桜「あれから全然会ってなくて、どうしてるのかなって思ってました。」
男「ああ‥ありがとう。」

二人の間に沈黙が流れた。

桜「あ、それじゃあ、また!」
桜は教室へ向かおうとした。
男「‥ちょっと待って!」
彼は桜を呼び止め、恥ずかしそうにこう言った。
男「良かったら‥今度どっか遊びに行こうか。」
桜は一瞬驚きを隠せなかったが、胸の高鳴りを感じながら答えた。
桜「はい、ぜひ!」

二人は互いの顔を見つめ、笑い合った。
シナリオの形式・内容になっている?……=25
出会いの人物が映像化できている?………=74
イチオシ=10
得点合計=109
yu
シナリオの形式になっていたし、出会いもうまく表現していて良いなと思いました。

プルート

@登校中の電車内 朝
  ゆりかとまゆみは電車内で話をしている。
まゆみ「ねぇ、あっちのドアの近くに立っている女の人いるじゃない?すごく綺麗だね」
ゆりか「あーほんとに綺麗だね」
車掌のアナウンス「まもなく××大学前駅」
  電車は××大学前駅に到着し、綺麗な女の人が降りる。
ゆりか「××大学前で降りるってことは、××大学の人かな?」
まゆみ「そうかもね。あんな大学生になりたいな」
車掌アナウンス「まもなく△△駅」
  △△駅で2人降り、高校へ向かう。

A教室 同じ日の夕方
担任「君たちは来年受験生になります。だから、志望校を早く決めておくように。では、今日はここまで。さようなら」
生徒たち「さようなら」
まゆみはゆりかの所に走ってやってくる。
まゆみ「ねぇ、ゆりか。一緒にオープンキャンパス行かない?
ゆりか「うん。いいよ。どこの大学行く?」
まゆみ「××大学行ってみようよ。今の成績だと無理だけど、憧れの大学だし」
ゆりか「今朝会ったあの綺麗な人に会えるかもしれないしね」
まゆみ「じゃあ決定!」

B××大学のオープンキャンパス 昼
ゆりかとまゆみは大学内を歩いている。
ゆりか「もうすぐ、説明会の時間だね」
まゆみ「うん。急いでいこう」
  ゆりかとまゆみは説明会の行なわれる教室に入って、席に着く。
司会者「今日は、在校生を代表して、木場あさみさんよりお話をさせて頂きます」
  拍手が起こる。
あさみ「皆さん、こんにちは」
  話の途中で、ゆりかとまゆみは顔を見合わせる。
ゆりか「電車で見かけた、あの人だ」
まゆみ「やっぱりこの大学だったんだね」
あさみ「・・・・・・皆さん、絶対に諦めないで、頑張ってください。応援しています」
  会場内に大きな拍手が起こる。
ゆりか「・・・・・素敵!あさみさん素敵」
まゆみ「本当だね」
ゆりか「私、無理だと思っていたけど、頑張ってみる!××大学に行きたい!」

C××大学 一年後の合格発表の日の朝
ゆりか「合格していますように」
  合格者の書かれた紙が、貼り出される。
ゆりか「・・・・・あっ!あった!!!」
  ゆりかが周りを見渡すと、あさみの姿をみつける。
  ゆりかは、思い切って話しかけようと、あさみに近づく。
ゆりか「あの・・・・・」
あさみ「はい、どうしました?」
ゆりか「ありがとうございました。あなたのおかげで、この大学に合格しました」
あさみ「えっ?私のおかげ?」
ゆりか「はい。昨年のオープンキャンパスの時、あなたが諦めないことが大切だという話をして下さって。それで、頑張ってみようと思ったんです」
あさみ「そうだったの。嬉しいわ。でもあなたが頑張ったからだと思うよ。でも、本当におめでとう」
ゆりか「ありがとうございます」
あさみ「そうだ、自己紹介。私はあさみって言います。どうぞよろしく」
ゆりか「私はゆりかと言います。よろしくお願いします」
  2人は、お互いに笑いあった。
  

シナリオの形式・内容になっている?……=35
出会いの人物が映像化できている?………=74
イチオシ=0
得点合計=109

おばちゃん

@10年前 6月3日 長瀬小学校 校長室

 音無好美はこの日、初めて長瀬小学校の校門をくぐった。
 母親の郁代とともに新しい学校の校長に挨拶をし、校長は好美の担任になる上塚教諭を紹介した。
上塚教諭:「音無さん、今日から娘さんの担任をさせていただきます上塚と申します。よろしくおねがいいたします。」
郁代  :「あっ、どうも・・・娘をよろしくお願いします。」
上塚教諭:「わかりました。それでは好美さん、教室に行きましょうか。あなたの新しいクラスは3年1組ですよ。」
 好美は小さくうなずき、上塚教諭とともに校舎の2階にある3年1組の教室にむかった。
 
A 同日 長瀬小学校 3年1組の教室
 教室は蒸し暑かった。
 児童たちは今日来るはずの転校生の噂をしきりに話し合っている。
 担任の上塚教諭が教室に入ってきた。
 廊下には見知らぬ女の子が突っ立っている。
上塚教諭:「はーい、みんな聞いて。今日からこのクラスに入ってくる新しい仲間を紹介します。何してるの?早く入っておいで。」
 好美は下を向いたまま、誰にでも読み取れるほどの狼狽した表情をうかべていた。
 教室中がヒソヒソとざわめきだした瞬間だった。
好美  :「音無好美です!よろしくお願いします!」
 2階すべてに響き渡る大きな声だった。
 当の好美本人も自分の出した声の大きさに驚いた様子だった。
 教室は水を打ったように静まり返った。
上塚教諭:「じゃあ、音無さんの席は・・・あそこにしましょうか。」
 そういって指差したのは教室の向かって1番奥の右の隅だった。

B10年前 9月19日 長瀬小学校 3年1組の教室
 好美は新しいクラスにすっかりなじんでいるようすだった。
 ことに、同じ班の山下祐樹とは仲が良く毎日のように遊んでいた。
 ある日好美の友達の奈々が突然声をかけてきた。
奈々:「好美、もしかして祐樹君のこと好きなんじゃないの?」
好美:「なに馬鹿なこと言ってんのよ。そんなわけないじゃない。」

C5年前 9月30日 長瀬中学校 2年C組の教室
 好美は中学2年生。
 放課後は毎日、同級生の奈々や数名の友達と教室で話に花を咲かせている。
 今日もいつもと同じように教室でおしゃべりを楽しんでいた。
 なんとなく視線を窓の下のグラウンドに落とす好美。
 そこにはユニフォームを着た祐樹が汗を流しながら素振りの練習をしていた。

D4年前 3月19日 長瀬中学校 3年C組の教室
 卒業式後、好美は最後のおしゃべりを楽しんでいた。
 その光景は今までと何ひとつ変わらなかった。
 その横を山下祐樹が通り過ぎて行った。
好美:「祐樹君、ちょっと待って・・・」
祐樹:「ん? 何?」
好美:「いや・・・なにもない・・・」
 その日の晩、好美はケータイを握りしめていた。
 そこには祐樹宛のメールが未送信のまま残っていた。
 たった一言「好きです。」とだけ打ち込まれてあった。

E 2009年4月12日 大学へ向かうバスの中
 好美は大学に入学し、慣れないバス通学もまだ3日目。
 友達もでき、お互いの高校生活を和気あいあいと話しているとき、何気なくバスの車内後方を振り返った。
 そこには、中学の時とほとんど変わらない祐樹がいた。
 久しぶりの再会だった。
 
 
シナリオの形式・内容になっている?……=24
出会いの人物が映像化できている?………=66
イチオシ=10
得点合計=100
あき

you

「仲間」


@ 大学 門前
桜が咲いている。
僕は憂鬱そうにその桜の木を見上げる。
「本当にやっていけるのだろうか…。」
今度から通うことになる大学の門前で僕はぼうっと立っている。
「しっかりしろ、俺。」
顔をたたき、気合いを入れ直し門から中に入ろうとする。

A 入学式後
「つ、疲れた…。」
誰だか知らない人たちの長い長い話を聞き終わり、大学の中を歩く。
「…部どうですか。」
そんな声がいたるところから聞こえてきたと思うと、勧誘軍団が僕の所にもやってきた。
すると、僕の目はアメフト部のほうにいった。
「アメフト部どう?みんな初心者だから楽しいよ。」
「え・・・。」
「君みたいに背が低くても大丈夫だからさ。」
興味がないわけではない。僕は迷った。
「もし入りたいならチラシ渡すからそこに書いてあるアドレスに連絡して。待ってるよ。」

たくさんのチラシを手に僕は家路に就いた。


B 自宅 部屋
チラシを前に僕は迷っていた。色々な部活のチラシを並べ、入ろうかどうか迷っているのだ。
「アメフトか・・・。先輩達は優しそうだし・・・。でも痛そうだよな・・・・。」
自分の体を見る。
「体格も良くないし…。でも・・・・・、よし!。」
しかし、僕は迷いをふっきり携帯を手にする。

C グラウンド
周りを見ると僕と同じく新入部員たちがたくさんいた。
「お前も新入部員?」
声をかけられた。
「ああ、お前も。」
「結構人数いるな。そんなに来ないかと思ってた。」
「まあ多いほうがいいけどね。」
そんな感じでみんなと打ち解ける。
「新入生!こっち来て!」
「ハイ!」
皆で先輩たちの所まで駆けて行く。
「これから4年間、ここで頑張るんだ・・・。」
独り言を言い、周りの仲間になるみんなを見まわし、僕は走って行った。
シナリオの形式・内容になっている?……=23
出会いの人物が映像化できている?………=66
イチオシ=10
得点合計=99
たくし
話がリアルに感じられました。

ショコラ

1.教室(午前)
教師「今日から新しいクラスで新学期が始まります。みんなが早く仲良くなれるように今から自己紹介をしてもらいます。」
香織「早く友達つくりたいな・・・」
教室を見回す香織
香織「前の方に座ってる女の子なんか友達になってみたいなあ。」
その女の子の後姿を見つめるカオリ

2.教室(午前)
香織「もうすぐあの女の子の番だ・・」
順番が回ってきて前へ出る女の子
女の子「めぐみですがめぐって呼んで下さい。部活はバレー部に入ろうと思ってます。」
香織「あの子,めぐみって言うんだ・・しかもバレー部って私も入りたかった部活だし、頑張って声かけてみよう。」

3.教室(昼)
愛美の席に近づく香織
香織「さっきの自己紹介でバレー部入りたいって言ってたよね?」
愛美「うん。」
香織「よかったら一緒に見学行かない?」
愛美「いいよ。」
香織「じゃあ放課後一緒に体育館いこう。」

4.体育館(午後)
香織と愛美の方へとバレー部の先輩が近づいてくる
千佳先輩「見学来てくれたのかな?ありがとう。」
香織「はい」
千佳先輩「二人ともバレーの経験ある?」
香織「ないです。」
愛美「私もないです。」
千佳先輩「初心者も大歓迎だから!ぜひ入ってね。」
また練習へと戻る先輩
愛美「優しい先輩だったね。」
香織「うん!」
愛美「私バレー部に入ることにするわ。」
香織「私も!!いい先輩もいることだし。」
愛美「じゃあこれから一緒に頑張ろうね!」
香織「うん、仲良く頑張ろうね!!」
香織は笑顔で愛美に言った







シナリオの形式・内容になっている?……=37
出会いの人物が映像化できている?………=62
イチオシ=0
得点合計=99

くろーばー

1.更衣室
 6人が更衣室に入る。
 マイ「今日勝つか負けるかで、引退がきまるな。」
    マイは床に荷物を置く。
 ユキ「そうやな。これまで2年半やってきたこと全部出し切ろう!うち、今日はスパイクの調子良さそうな予感するし。」
    靴下を履き、ユニフォームを袖に通すユキ。
 マイ「私もユキが打ちやすいようなトス上げるからね。」
 ユキ「ありがとう!頼りにしてるわ。」

2、試合前
    体育館へと向かう階段を上っていく6人。
    準備運動をし、マイとユキはパスを始める。
    マイの打つボールは、ユキの所からそれる。
 マイ「あれ・・おかしいな。緊張してるのかな。」
 ユキ「ドンマイドンマイ!」
    スパイク練習が始まる。
    ユキの打つスパイクは、ネットに引っ掛かる。
 ユキ「ごめん!トス低いな。」
 マイ「ううん、うちの助走が遅いねん。」
 ユキ「マイ、緊張しなくてもいいよ。みんながついてるから。マイはいつもみたいに思い切り打ったらいいんだよ。」
    しきりにジャンプの助走練習をするマイ。   
 
3、試合開始
    コートの端に並ぶ6人。相手チームの赤いユニフォーム。
    主審が試合開始の笛を鳴らす。
 選手「おねがいしまーす!」
    選手同士が握手する。
 ユキ「声出して、悔いの残らんように頑張ろう。」
    残りの5人が頷く。
    手を組む6人。
 ユキ「さあいこう!」
 5人「おー!」
 
4試合中
    ユキがサーブを打つ。
    相手チームが乱れ、チャンスボールが返ってくる。
  6人「チャンスー!」
    イヨがレシーブをする。
    ユキがマイにトスをあげる。
    ・・マイのスパイクはネットにかかる。
  先生「お前、このまま試合終わってもいいんか?」
    「タイム。」
     先生が審判に言う。
  先生「これまで頑張ってきたやんか。今怖がってってどうするねん。思い切ってやれよ!」
  マイ「はい。。」
     水を飲む6人。 
  ユキ「大丈夫。大丈夫。」
  イヨ「そうそう!私も思いこめてレシーブするから!」
  マイ「そうやんな。せっかく2年半このメンバーでやってきたもんな。ごめん!うち切り替えていくわ!」
  残りの5人「おう!」
     タイム終了の笛が鳴る。
     21−18と書かれた得点板を見ながら、6人はコートへと戻っていく。 
シナリオの形式・内容になっている?……=38
出会いの人物が映像化できている?………=49
イチオシ=10
得点合計=97
you
同じ体育会系のものとしては同じ気持ちになるものです。
その気持ちをよく表しているなと思いました

ぬーぴー

1.12月,ガレージ
「「冷たいー」」
同時に発した言葉。二人は顔を見合わせ驚く。
「いつも一緒だから,言葉もタイミングもうつっちゃった。」
微笑みながら、隆の顔を見る。夕暮れで、はっきり顔を照らさないが、佳織は言葉を続ける。
「・・・もう半年だよ。」
少し歩みを遅めた佳織の手を,隆はしっかりと握った。

2.昨年8月,教室
「今日はいろいろとありがとうございました。勉強になりました。」
スーツに身を包んだ佳織が深々と頭を下げた。
「なにかあったらまた連絡してよ。」
その場に数人いるなかで,一番背の高い男性が言った。
「あ,隆,お前からはなんかアドバイスない?」
突然話を振られ、少し驚く。
「え,あぁ・・・いや,しっかり勉強したほうがいいと思う。そんなに甘いもんじゃないし。」
うつ向きがちにいう隆の言葉に、佳織は耳を傾けた。
「は、はい」
再び佳織の顔に緊張が戻ってしまった。

3.12月,ガレージ
隆が少しの沈黙の後、口を開いた。
「・・・去年の夏・・・」
空を見上げ、それでも佳織の手は握ったまま話した。
「去年の夏に初めて会って,・・・でも印象ないんだよ」
少しふざけた口調で佳織の方を振り返り顔を見た。
「しーってる!あの時私の顔,あんまり見てくれなかったし」
二人の会話以外,足元の砂利の音しか聞こえない。
少しずつ歩んでいた佳織だったが、その時、足をとめ、同時に静寂が訪れた。
「でも・・・半年だよ。私が隆と出会い直したの。」
隆の前に立ち、微笑みかけた。
「2回も出会えてラッキー」
隆を背中に,佳織は停めてあった隆の車に走って行った。
シナリオの形式・内容になっている?……=31
出会いの人物が映像化できている?………=64
イチオシ=0
得点合計=95

★アイス

突然の雷雨
店先にて女が一人雨宿り
ただ空を眺めてはため息ばかり。
そこへ駆け込んでくる男
必死に雨を振り落とす
そしてそれが一段落した時ようやく
男は女がいることに気づく
沈黙する二人
雨は前よりさらに勢いを増して降っている。
突然男が口を開いた
「なかなか止みませんね。ハハハ。」
女は微笑み
「えぇ。」
と答える。
それをきっかけに話が二人の弾む
しばらくして雨が止む
二人は並んで歩き出していった
シナリオの形式・内容になっている?……=21
出会いの人物が映像化できている?………=49
イチオシ=20
得点合計=90
?????
すごくいいと思いました。
ちゅーちゅーらむらむにーむにーむ
出会い方がベタだけど、逆にそれがいいなと思いました。

なな

1 図書館(昼)
麻理「えーっとどれだ?母さん自分で探しにきなよお」
ぶつぶつ小言をいいながら絵本を探す麻理
ドンッ
麻理「あ!すみませ…」
メガネ「…」
麻理「……ん」
メガネ「…汚い」
去っていくメガネ
麻理「…は?今汚いって言った…?なんなのあのメガネ!」

2図書館外(昼)
麻理はあとを追った
しかし見失った
麻理「あいつ…いつか見たら殺す!」

3入学式後の教室(朝)
麻理「おはよー歩美!イケメンいた?w」
歩美「まじないわあ…坊主がいない」
麻理「歩美は坊主しか見ないとこなおした方がいいよ…ちょっ…あの人見て!!超イケメソ!!!」
歩美「あー。麻理好きそーだねえ…さわやか青年的な」
麻理「あたし、話しかけてみる!」

4入学式後の廊下(朝)
麻理「すみませ〜ん!職員室ってどこですかあ?」
正樹「あぁ…あっち」
麻理「ありがとう!!あたし、麻理ってゆーの☆これから仲良くしてね!!」
正樹「慣れなれしい女」
麻理「…え?」
正樹「お前みたいなキャラうぜえ。つーか覚えてないの?」

カシャ

麻理「あー!!!図書館のメガネ!!!!」
正樹「黙れ…お前のような下衆とは話したくない」
去っていく正樹
麻理「…きゅん」
シナリオの形式・内容になっている?……=29
出会いの人物が映像化できている?………=60
イチオシ=0
得点合計=89

ちい


1 彼女の実家
一時退院した彼女はとても幸せそうな顔をしている。
彼女の家族は彼の訪問を歓迎した。
彼は彼女の口にゆっくりおかゆを運ぶ。
彼女『ありがとう』
一口だけおかゆを食べると彼女はそれだけを言い、ほほ笑んだ。

2 病院
彼の携帯に彼女の母親から一本の電話が入る。
母親『ごめんね、今すぐ病院にきてくれるかな』
彼『…わかりました。』
彼はどこか葛藤するような顔でゆっくりバスに乗り込む。
病院前に着くとただひたすらに走り、病室へ駆けつけた。

3 病室
彼が病室に入ると彼女の鼓動を表す機械は静かに音を刻んでいた。
彼女は血の気のない顔で目を閉じたまま。
彼『…なあ』
するとゆっくりと彼女の瞼が上がる。
彼女は声を出さず、唇だけを動かした。
彼女『ありがとう』
シナリオの形式・内容になっている?……=30
出会いの人物が映像化できている?………=50
イチオシ=0
得点合計=80

たくし

場面1○中学校の教室
太郎「いよいよ卒業だな」
   太郎は窓から空を眺める
孝司「俺はバレーボール部に行くからな」
   孝司は太郎の方を叩く
太郎「じゃあ俺も」
場面2○高校への通学路
   高校の制服を着て走る孝司。何者かにぶつかる。
孝司「いてっ」
卓「あっ、わりぃわりぃ」
すぐに走り去る卓。孝司はつぶやく。
孝司「あいつ同じ制服だったな・・・」
場面3○体育館
先輩「じゃあ横一列に並んで自己紹介をしていけ」
孝司は太郎の横に並ぶ。
孝司「田中孝司、石倉中出身、セッター志望です。」
自己紹介が続く。
先輩「じゃあ次」
卓「鈴木卓、大槻中出身、レフト志望です。」
場面4○帰り道
孝司「まさかお前だとは思わなかったぜ」
卓「お前も同じ一年だとはな」
2人笑い合う




        つかんですごみかかるかずき。
かずき「あん!?うるせーな、急いでんだよ、文句あっか!」
     かずきは思い出したようにふと立ち上がって
     入り口の方を見る。
かずき「そうだ!急いでるんだったぜ!」

    ○ゲームセンターの中。
     かずきがずいぶん慌てた様子で受け付けカウンターに
     向かって走っていく。
シナリオの形式・内容になっている?……=26
出会いの人物が映像化できている?………=53
イチオシ=0
得点合計=79

選句者一覧

  (*´ω`*)  ?????  Ayaka  bon  mns  you  yu  ★アイス  rky  あき  あや  あんみつ  えりんぎ  おばちゃん  かぼちゃ  がーこう  くーちゃん  くろーばー  すぬーぴー  たぁにゃ  たくし  たこ焼きマン  たまき  ちい  ちゅーちゅーらむらむにーむにーむ  なぎさ  なな  ばしょー  ひよこ豆  ぷりん  まめ  みっちー  めたもん  ゆーちゃん  ゆう  アヤカ  ショコラ  チャパ王  ピーナッツ  プルート  ライフ本日レタス1玉59えんです  ロリー  警備員 
大阪教育大学 国語教育講座 野浪研究室 △ ページTop ←戻る