教員養成課程で学べば
1 こういう教師になれる−子どもの側に立った創造的な教師
学校での音楽教育は今大きく変わろうとしています。上手な演奏を作ることを目指した授業
から、子どもが音楽表現をすることで育っていく授業への転換です。
そこでは「音楽」という概念も広がりをもってきます。西洋の古典的な音楽や日本の唱歌だけで
なく、日本の伝統音楽、世界の諸民族の音楽、ポップス、パソコンメディアを使った音楽、さらには
環境にある音も音楽になっていきます。
大阪教育大学教員養成課程の音楽教育講座は、このような広い視野から人間と音楽との
かかわりを軸として、これからの日本の新しい音楽教育を創っていく人を育てようとしています。
具体的には、教育現場や教育行政でリーダーとなる教師、音楽教育の研究者、地域社会の
文化発展に新しい発想の出せる指導者を育てることを目指しています。
カリキュラムの基本理念は、これまでの音楽の継承と新しい音楽の創造です。
これまでの音楽をきちんと学ぶことは大事なことです。しかし、大学の先生に教えてもらった
ことをまた子どもに教えていくというだけではありません。そこではピアノを弾くとか歌曲を歌うと
いうような活動を通して、音楽表現をするという姿勢が重要視されています。音楽表現をすると
いう行為は、小学生でも中学生でも音楽の専門家でも本質的には同じことです。したがって、
そういう自分自身が音楽表現をするという経験をすることで、子どもへの対し方がわかってきま
す。音楽については、実技とともに理論的な勉強もします。それは人間が生み出した音楽を、
その過程と背景と作品・演奏まで大きく捉えて理解します。
また、教員養成課程に特徴的な科目としては、音楽教育学があります。大阪教育大学では、
20余年も前に全国の教員養成大学に先駆け、音楽教育を指導法の域を越えた一つの学問
領域として扱う授業科目を置きました。今や音楽教育の原理から、世界の音楽教育の動向、
日本の伝統音楽の教育方法の構築、現場の授業実践を対象とした教育実践学等に及ぶ充実
したカリキュラムになっています。
卒業に際して、演奏や作品創作と同時に、音楽教育に関する論文を全員に課しているのも
全国ではまれでしょう。社会人として、教師として、いろいろな知見をもとに自分の考えを論理的
に語れることは重要な能力です。また、大学院へ進み、音楽教育の研究を進めていく基礎とな
ります。
3 こういう職業に就ける
今年度の卒業生は、大学院進学(外国の大学院を含む)、教師(幼稚園を含む)、講師など
になっています。
近年全国の都道府県で教員採用が抑えられていましたが、徐々に回復しつつあり、卒業年
度、採用試験に通らなかった学生も1、2年講師をして、その後合格していっています。
芸術・体育系音楽専攻では、小学校教育において音楽教育の中心を担える人材の養成を
目的としています。したがって、専門専攻科目では以下のように音楽に関わる実技面・理論面
の勉学、および 音楽教育に関わる勉学ができるようなカリキュラムを設置しています。
《音楽に関わる実技面・理論面の科目》
実技面については、まず「ソルフェージュ」では音楽上での聴き、読み、書く力の育成、
「演奏表現(こえ)」「演奏表現(ピアノ)」「創作表現」では、歌唱やピアノによる演奏表現の
基礎的演奏能力と表現力、創作の基礎理論の獲得と音楽作品を創り上げる力を育成する
ことを目指します。「アンサンブル指導法」では、将来音楽の指導者となることを踏まえ、
指揮を含むアンサンブルの指導法を、また「合唱」「合奏」では、声や器楽によるアンサン
ブルの演習を行います。これらの実技面で培われた力は、4回生において、「こえ」あるいは
「ピアノ」を得意とする人は「演奏表現演習」で、また「創作」を得意とする人は「創作表現演習」
で発展させていきます。
なお、実技関係科目でのアンサンブルに関わる成果は定期演奏会で発表いたします。
理論面については、「音楽学?」で日本を含む世界の様々な音楽の営みの原理を概観し、
並行して「音楽学実習」で実習を行います。その基礎に立ち、「音楽学?」等の科目で発展的
に学んで行きます。
《音楽教育に関わる科目》
教員養成を行うという目的に沿って音楽教育に関わる必修科目が2回生から設置されてい
ます。
「マルチメディア音楽教育論」ではコンピュータ操作の基礎、およびコンピュータを含むテクノロジー の音楽教育での可能性を探究します。これらの基礎に立ち、「音楽教育学?」等の科目で原理
的、実践的な探究を重ねていきます。「総合演習」「教職入門」は教職専門科目ですが、教育
実習を視野に入れ、現場の音楽科の教師を招き、音楽の教官がそれぞれの専門を生かして
音楽教育的視点から語りかけます。
■小学校教員養成課程芸術・体育系音楽専攻開講科目一覧はこちら
るような人材の育成を目指し、専門専攻科目では以下のように音楽に関わる実技面・理論面の
勉学、および音楽教育に関わる勉学ができるよう、豊富な科目によるカリキュラムを設置していま
す。
《音楽に関わる実技面・理論面の科目》
実技面については、まず「ソルフェージュ」では音楽上での聴き、読み、書く力の育成、「演奏表現
(こえ)」「演奏表現(ピアノ)」「創作表現」では、歌唱やピアノによる演奏表現の基礎的演奏能力と
表現力、創作の基礎理論の獲得と音楽作品を創り上げる力を育成することを目指します。「アン
サンブル指導法」では、将来音楽の指導者となることを踏まえ、指揮を含むアンサンブルの指導法 を、また「合唱」「合奏」では、声や器楽によるアンサンブルの演習を行います。これらの実技面で 培われた力は、4回生において、「こえ」あるいは「ピアノ」を得意とする人は「演奏表現演習」で、
また「創作」を得意とする人は「創作表現演習」で発展させ、卒業時には公開で演奏発表、作品発
表を行います。
さらに、中学校学習指導要領で「小アンサンブル」や「和楽器」が指導事項であることを踏まえ、
「器楽アンサンブル」「声楽アンサンブル」を設け、その中で和楽器も取り扱っています。
なお、実技関係科目でのアンサンブルに関わる成果は定期演奏会で発表いたします。
理論面については、「音楽学?」で日本を含む世界の様々な音楽の営みの原理を概観し、並
行して「音楽学実習」で実習を行います。その基礎に立ち、「音楽学?」でさらに深め、「音楽行
動論」では作品としての音楽ではなく、人が如何に音楽と関わっていくかという視点からダイナ
ミックに音楽を捉えていきます。
《音楽教育に関わる科目》
音楽専科教員の養成を行うという目的に沿って音楽教育に関わる必修科目が2回生から設置
されています。
まず、「音楽教育学?」では音楽教育の理論的、実践的な学習を行い、「マルチメディア音楽教
育論」ではコンピュータ操作の基礎、およびコンピュータを含むテクノロジーの音楽教育での可能
性を探究します。これらの基礎に立ち、「音楽教育学?」等の科目で原理的、実践的な探究を重
ねてます。また「音楽学習発達論」「音楽学習内容論」では、子どもの音楽的発達、音楽の指導
内容に関わるテーマについて考えます。
「教職入門」「総合演習」では、教育実習を視野に入れ、現場の音楽科の教師を招き、音楽の
教官がそれぞれの専門を生かして音楽教育的視点から語りかけます。
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