科学機器の共同利用に関する研究成果報告(平成18年度)

 

@発表題目 A研究者名 B使用機器 C研究内容 D発表雑誌、学会の順で、

以下に記載する。

 

物 理 学 分 野

 

[2006-01]

@Magnetic imaging of spiral terraces in Cr (001) films

AT. Kawagoe, Y. Iguchi, and S. Suga

B超高真空STM

Cナノスケールのらせん状テラスを有する層状反強磁性Cr(001)薄膜の成長とスピン偏極走査トンネル分光法による磁気像に関する報告。

DJ. Magn. Magn. Mat. (in press)

 

[2006-02]

@Dense nano-spiral terraces and magnetic structures in Cr(001)

ATakeshi Kawagoe

B超高真空STM

Cスピン偏極トンネル分光法による磁気イメ−ジングの総説、および最近われわれによってこの手法によって得られた研究成果について講演した。

D4th International Conference on Scanning Probe Spectroscopy and 1st International Workshop on Spin-Polarized Scanning Tunneling Microscopy, Hamburg, Germany, 23-26 July 2006. [Invited Talk]

 

[2006-03]

@Magnetic imaging of spiral terraces in Cr (001) films

AT. Kawagoe, Y. Iguchi, and S. Suga

B超高真空STM

Cナノスケールのらせん状テラスを有する層状反強磁性Cr(001)薄膜の成長とスピン偏極走査トンネル分光法による磁気像に関する報告。

DThe 17th International Conference on Magnetism (ICM) , Kyoto, Japan, 20-25 August, 2006.

 

[2006-04]

@Real-space imaging of growth and morphology of ultrathin Co films on Au(001) by STM

AT. Kawagoe, M. Someta, T. Kudo, T. Miyamachi, and S. Suga

B超高真空STM

CMBE法によるAu(001)上のCo超薄膜の成長と表面モフォロジーと表面再配列構造をSTMおよびLEEDを用いて詳細に調べた実験報告

D19th International Colloquium on Magnetic Films and Surfaces, Sendai, Japan, 14-18 August 2006.

 

[2006-05]

@スピン偏極走査トンネル分光法(スピンSTM/STS)によるナノ磁性体の磁気イメージング

A川越 毅

B超高真空STM

Cスピン偏極STM/STSによって得られたナノ構造体の磁気イメージングに関する成果について講演した。

D日本物理学会 第61回 年次大会 (平成183月)(招待講演)

 

[2006-06]

@スピン偏極STM・STSによる層状反強磁性Cr薄膜の表面磁性

A川越 毅

B超高真空STM

Cスピン偏極トンネル分光法による磁気イメ−ジングの解説と最近得られたCr(001)薄膜の結果についての紹介。MBE法によるCr(001)薄膜の成長とナノ構造と表面磁性の実験結果について講演した。

D第26回表面科学講演大会・第47回真空に関する連合講演会

合同シンポジウム「スピントロニクスの表面科学」(平成18年11月)(シンポジウム講演)

 

[2006-07]

@STM/LEEDによるAu(001)上Co超薄膜の成長と表面観察

A宮町俊生、川越 毅、菅 滋正

B超高真空STM

CMBE法によるAu(001)上のCo超薄膜の成長と表面モフォロジーと表面再配列構造をSTMおよびLEEDを用いて詳細に調べた実験報告

D日本物理学会 2007年春季大会 (平成193月)

 

[2006-08]

@ 炭化水素分子と衝突した陽子のエネルギー損失と収量の角度依存性

A 細川太郎・深澤優子・越智健太・光原圭・大寺栄理子・鈴木康文

B 超音波洗浄器

C 小型イオン源からの5keVの水素イオンビームを十分コリメートし,炭化水素気体に入射したときのエネルギー損失の散乱角度依存性を調べた。実験結果を計算機シミュレーションの結果と比較し,傾向の一致を見た。

D 日本物理学会講演概要集 61巻第1号第2分冊 p.154.

 

[2006-09]

@ 手作り科学館出展教材を用いた小学校での授業実践

A 大寺栄理子・越智健太・光原圭・細川太郎・深澤優子・鈴木康文

B 超音波洗浄器

C 大学祭で開いた科学館に披露した教材を公立の小学校に持参し,それを用いた授業を展開した。この試みは,学校サポート制度や学校インターン制度を活用したものである。こういった手法は教材開発だけではなく,教員養成にも有効であることを実践的に示した。

D 日本物理学会講演概要集 61巻第2号第2分冊 p.404.

 

 [2006-10]

@ 欠陥を与えたイオン結晶表面でのMeV陽子の散乱

A 深澤優子・越智健太・光原圭・細川太郎・大寺栄理子・鈴木康文

B 超音波洗浄器

C 2つの方法で電子線照射を行ったKCl(001),NaCl(001)表面を,奈良女子大学の加速器からの600keV陽子ビームをっすれすれに入射する方法で観察した。実験結果を計算機シミュレーションの結果と比較し,表面ステップのでき方と散乱の様子の変化について考察した。

D 日本物理学会講演概要集 61巻第1号第2分冊 p.164.

 

 [2006-11]

@ 手作り科学館と学校インターン制度を活用した実験教材の開発

A 大寺栄理子・深澤優子・越智健太・光原圭・細川太郎・鈴木康文

B 超音波洗浄器

C 手作り科学館と学校インターン制度を利用して,自作教材のみならず,小学校の授業単元についても研究した。手作り教材を最も有効に用いるために,どの単元のどこにどんな授業を入れればよいかを考察し実践した。この一連の流れは資質ある教員養成につながることを示した。

D 大阪教育大学紀要 第X部門 教科教育 第55巻 第1号 (2006) p. 17-24.

 

[2006-12]

@ 欠陥を与えたイオン結晶表面でのMeV陽子の散乱

A 深澤優子・光原圭・越智健太・松本雄吾・塩見祐樹・鈴木康文

B 超音波洗浄器

C 二つの方法で電子線照射を行ったKCl(001)表面に,奈良女子大学の加速器からの600keV陽子ビームをすれすれに入射した。一方,表面に生じるステップなどの欠陥を神戸大学の原子間力顕微鏡で観察した。ステップの形状をモデル化して取り入れたシミュレーションの結果と実験結果を比較した。

D 第47回真空に関する連合講演会 講演予稿集 p.128.

 

[2006-13]

@ 電子線照射により作られる結晶表面ステップのイオン散乱への影響

A 深澤優子・塩見祐樹・光原圭・松本雄吾・鈴木康文

B 超音波洗浄器

C 電子線照射を行ったKCl(001)表面に生じる欠陥を神戸大学の原子間力顕微鏡で観察した。ステップの形状をモデル化して取り入れたシミュレーションの結果とイオン散乱の実験結果を比較した。さらに我々が作製したエネルギー分析器による実験結果を提示し,今後の展望を議論した。

D 第7回「イオンビームによる表面・界面」特別研究会 講演概要集 p.9.

 

[2006-14]

@ 小さな手作り科学館による物理実験と教材開発

A 鈴木康文・大寺栄理子・深澤優子・越智健太・細川太郎・光原圭

B 超音波洗浄器

C これまでに作製した十数個の物理教材を同時に展示し,小さな科学館を作った。科学館は本学の大学祭(五月祭・神霜祭)で企画し,ここで行ったアンケートから,教材の評価をし,それぞれの教材について最も有効な活用方法について考察した。

D 物理教育 第54巻 第4号 (2006) p. 310-311.

 

 

化 学 分 野

 

[2006-15]

@       Synthesis of layered zinc hydroxide chlorides in the presence of Al(III)

A       T. Ishikawa, K. Matsumoto, K. Kandori, T. Nakayama

B       X線回折装置、ICP

C       AlCl3を添加したZnCl2溶液の加水分解により塩基性塩化亜鉛粒子を合成し、その組成と構造を調べた。生成物組成はAl(III)添加量とともに変化した。Al(III)が少ないときはZnOが、多くなるにつれ板状の塩基性塩化亜鉛粒子が、さらに多くなると板状の複水酸化物(Zn-Al-Cl系)が生成した。生成物のCl-含有量はAl(III)が多くなるとCO32-によるイオン交換により減少した。塩基性塩化亜鉛はH2Oを選択的に吸着した。

D       J. Solid State Chem., 179, 1110-1118 (2006).

              

 [2006-16]

@       Characterization of rust on Fe-Cr, Fe-Ni, and Fe-Cu binary alloys by Fourier transform infrared and N2 adsorption

A       T. Ishikawa, A. Maeda, K. Kandori, A. Tahara

B       X線回折装置、ICP

C       Fe-Cr, Fe-NiおよびFe-Cu合金を異なる環境(銚子、つくば、宮古島)に二年間暴露し、生成したさびを、窒素吸着とFTIRで調べた。Ni,Cr量が増えると比表面積が増加し、さび粒子が微細化して緻密な保護性の高いさび層が形成されることが分かった。Cl-が多い環境でその効果が著しい。したがって、Cl-環境では、これらの合金元素が鋼材の耐食性を向上する働きがある。

D       Corrosion, 62, 559-567 (2006).

 

[2006-17]

@       Structure and composition of artificially synthesized rusts of synthesized rusts of Zn-Fe and Zn-Ti alloys

A       T. Ishikawa, M. Murai, K. Kandori, T. Nakayama

B       X線回折装置、ICP

C       Zn-Fe及びZn-Ti合金さびを塩化物、硫酸塩および硝酸塩水溶液から合成し、その組成と構造を調べた。さび粒子の組成と形態は陰イオンと金属イオンに依存した。ZnCl2-FeCl2系ではシート状のサイモンコライト粒子が、硫酸塩系では板状の塩基性硫酸亜鉛粒子が生成した。また、Zn-Ti系では微細粒子が生成した。これらの粒子が集合し緻密なさび層ができ耐食性が向上することが可能である。

D       Corrosion Sci., 48, 3172-3185 (2006).

 

 

[2006-18]

@       窒素吸着による鋼材さびの保護機能の評価

A       石川達雄、吉田倫之、神鳥和彦、中山武典、原 修一

B       X線回折装置、ICP

C       鉄鋼さびの評価法に窒素吸着による比表面積測定を適用した。種々の環境下で生成した鋼材さびについて表面積を測定したところ、腐食量とよく対応した。腐食量が多くなると比表面積が減少しさび粒子が大きくなり、さび層の緻密性すなわち保護性が低下していることが分かった。また、現在行われている目視さびレベル評価法と比表面積がよく対応した。表面積測定が鋼材さびの評価に使えることが確かめられた。

D       CAMP-ISIJ, 19, 1297-1300 (2006).

 

 [2006-19]

@       Effects of amino acids on the formation of hematite particles in a forced hydrolysis reaction

A       K. Kandori and T. M. Sakai, S. Inoue and T. Ishikawa

B       X線回折装置、ICP

C       FeCl3-HCl混合溶液の加熱加水分解反応により生成するヘマタイト粒子の形態ならびに構造におよぼす、様々なアミノ酸の影響について検討を行った。影響の強さは、鉄イオンとの錯形成能の強い物ほど影響が強いことが分かった。また、影響の強いアミノ酸ほど、より小さな回転楕円体粒子を生成した。また、これらの粒子の多孔性は大変高いことが示された。これらの結果は、粒子が多核錯体の凝集によって形成していることを支持する結果であった。

D       J. Colloid Interface Sci., 293, 108-115(2006).

 

[2006-20]

@       Control on Size and Adsorptive Properties of Spherical Ferric Phosphate Particles

A       K.Kandori, T. Kuwae  and T. Ishikawa

B       X線回折装置、ICP

C       Fe(ClO4)3とH3PO4混合溶液の加熱加水分解反応(40−80度)により、単分散粒状リン酸鉄粒子の生成する条件と、得られた粒子の性質を調べた。分散粒状リン酸鉄粒子はいずれも超微細な一次粒子の凝集体であることが分かった。分散粒状リン酸鉄粒子は非常に限られた領域でのみ生成した。分散粒状リン酸鉄粒子は、アモルファスであったが、600度以上で加熱処理すると、結晶性の高いFePO4になった。分散粒状リン酸鉄粒子は、アモルファスで凝集体であるため高い水分子吸着性を示すことを明らかとした。

D       J. Colloid Interface Sci., 300, 225-231(2006).

 

[2006-21]

@       Control on shape, porosity and surface hydrophilicity of hematite particles by using polymers,

A       K Kandori, N. Hori and Tatsuo Ishikawa

B       X線回折装置、ICP

C       FeCl3-HCl混合溶液の加熱加水分解反応により生成するヘマタイト粒子の形態ならびに構造におよぼす、様々なポリマー分子の影響について検討を行った。影響の強さは、鉄イオンとの錯形成能の強い物ほど影響が強いことが分かった。すなわち、極性基として-OH<-CONH2<-COOH<-COOHと-C=Oの順であった。さらにこの順に粒子の多孔性は高まった。また、ポリアクリルアミドだけはメソポアを形成した。このように、ポリマーの種類を選択することによって、ヘマタイト粒子の細孔と親水性をコントロールすることに成功した。

D       Colloid Polym. Sci., 284, 1345-1349(2006).

 

[2006-22]

@        イオン濃度同時測定による合成カルシウムヒドロキシアパタイト粒子へのタンパク質吸着機構の研究

A        神鳥和彦、増成 紋子、石川達雄

B        X線回折装置、ICP、UV

C        イオン濃度とタンパク質吸着量の経時変化を同時測定することにより、タンパク質無添加系では、粒子のCa/P比の増加とともにCa2+([Ca])の溶出量は増加し PO43-イオン([P])は減少した。BSA添加系では、BSA分子がCa2+、PO43-イオンとキレートを形成してHap表面に吸着することが分かった。また、BaCl2、AlCl3の系では、カチオンによるバインダー効果が見られた。一方、LSZ添加系では、キレート形成ならびに多価カチオンのバインダー効果はほとんど見られないことを明らかにした

D        日本化学会第86春季年会(2006)

 

 [2006-23]

@        Zn-Al-Mg系複合水酸化物粒子の組成と気体透過性

A        石川達雄、上田正人、神鳥和彦、中山武典

B        X線回折装置、ICP、UV

C        亜鉛合金の高耐食性発現機構を解明するため、ZnCl2-AlCl3-MgCl2溶液の加水分解により人工さびを合成した。Znが多いところではシート状のサイモンコライトが、Mgが多くなるとシート状粒子が微細化した。人工さび層の空気透過性を測定したところ、Zn:Al:Mg=1:1:1で透過性が最も低く、最も緻密なさび層ができることが分かった。このことが、Mg添加が高耐食性の原因であることが分かった。

D        59回コロイドおよび界面化学討論会講演要旨集 p.38(2006).

 

[2006-24]

@        多孔性ディスク状ヘマタイト粒子の生成とそのキャラクタリゼイション

A        神鳥和彦、山元 尚子、石川達雄

B        X線回折装置、ICP

C        FeCl3HCl混合溶液の加熱加水分解反応によるヘマタイト(α-Fe2O3)粒子生成に対するPVAの影響について、詳細な検討を行った。PVAの濃度が高くなると粒子は球状から板状へと変化し、板状粒子が生成した。この粒子は約10nmのクラスター粒子が凝集して形成された凝集体であり多結晶体となった。真空中での処理温度200℃以下では直径2nm以下のマイクロ孔が多く、処理温度300℃以上では直径3〜10nmのメソ孔が多く生成する多孔性粒子となることを明らかとした。

D        59回コロイドおよび界面化学討論会講演要旨集 p.36(2006).

 

[2006-25]

@        人工Zn-Al-Fe合金さびの組成と緻密性

A        石川達雄、上田正人、神鳥和彦、中山武典

B        X線回折装置、ICP

C        亜鉛処理合金の耐食性発現機構を明らかにするため、Zn-Al-Fe合金さびを合成し、その構造と組成を調べた。出発溶液の金属イオン組成および陰イオンに依存し、種々の金属酸化物、金属水酸化物、塩基性金属塩とそれらの混合物が生成した。合金さびの緻密性は暴露環境によって異なり、緻密なさび層はCl-環境では生成するが、SO2環境では生成しにくいことが示唆された。

D        材料と環境2006講演集、pp.115-118.

 

[2006-27]

@        微量Ti添加β-FeOOHさびのXAFS測定

A        中山武典、石川達雄、世木 隆、稲葉雅之、渡部 孝

B        X線回折装置、ICP

C        β-FeOOH中に添加した微量TiのXAFS蛍光スペクトルの高感度測定を、新型大面積高分化能半導体X線検出器(Super SDD)を用いて行った。Ti周りの動径分布関数より、anatase型TiO2の関数と一致した。また、XANESスペクトルにおいてもanatase型TiO2のスペクトルが得られた。β-FeOOH中に取り込まれたTiはanatase型TiO2に近い構造で存在することが判明した。

D        材料と環境2006講演集、pp.119-120.

 

[2006-28]

@        Fe-Cr, Fe-NiおよびFe-Cu合金さびのFTIRおよび窒素吸着による評価

A        石川達雄、前田敦子、神鳥和彦、田原 晃

B        X線回折装置、ICP

C        耐候性鋼の耐食性発現機構を明らかにするため、種々の環境で暴露して得られた2元合金さびの窒素吸着を行った。NiおよびCr添加により比表面積が増加し粒子の微細化が起こった。とくに、Cl-環境ではNi添加によるさび粒子の微細化が著しく、保護性の高いさび層の生成にNiが有効であることが明らかになった。また、FTIRスペクトルから求めたα/γ比は0.5以上では腐食量の増加とともに減少し、さび安定性に関係することか分かった。

D        53回材料と環境討論会講演集、pp.299-300 (2006).

 

[2006-29]

@        α-FeOOHさびの生成過程のXAFS測定

A        中山武典、石川達雄、世木 隆、稲葉雅之、渡部 孝

B        X線回折装置、ICP

C        Fe(II)酸化生成過程を高速XAFS測定で調べた。耐候性鋼の添加合金元素の働きも調べた。 動径分布関数から、green rust IIから空気酸化時間とともにα-FeOOHに変化することが分かった。Cu(II)、Co(II)の添加によりFeまわりの動径分布関数が変化し、さび生成過程に影響することが証明された。また、Cu、Co周りの動径分布関数も反応時間とともに変化し、さび中のこれらイオン存在状態が変化することも見出された。

D        53回材料と環境討論会講演集、pp.291-292(2006).

 

[2006-30]

@       球状リン酸鉄粒子の調製とそのキャラクタリゼイション

A       神鳥和彦、桑江孝則、石川達雄

B       X線回折装置、ICP

C       Fe(ClO4)3とH3PO4の混合水溶液の加熱加水分解法による球状リン酸鉄粒子の調製と、得られた粒子のキャラクタリゼイションについて検討を行った。球状粒子はpHが1.49〜2.16を示す狭い濃度領域において生成し、その粒子は反応初期に生成する微細な一次粒子の凝集によって生成した。粒子は凝集構造を反映してメソポア性を示し、高い水分子選択吸着性を示した。この高い選択吸着性は、粒子への再水和によるものと考えられた。

D       16回無機リン化学討論会、講演要旨集 p.68 (2006).

 

 [2006-31]

@       Three Components Ring Transformation Affording Substituted 5-Nitropyridines and 4-Nitroanilines

A       Nagatoshi Nishiwaki, Hiroshi Tatsumichi, Mina Tamura, and Masahiro Ariga

B       核磁気共鳴装置、赤外分光光度計、CHN 元素分析装置、質量分析装置、

C       3,5-ジニトロ-2-ピリドンとケトン類との環変換反応を酢酸アンモニウムの共存下で行なった。3成分系の環変換反応が進行し、5-ニトロピリジンと4-ニトロアニリンが得られることを明らかにした。また、ケトンの構造の違いにより、生成物が異なることから、反応機構についても考察を行なった。

D       Letters in Organic Chemistry, 2006, 3, 629-633.

 

[2006-32]

@       Facile Synthesis of 3-Carbamoyl-1,2,4-Oxadiazoles

A       Mina Tamura, Yumiko Ise, Yoshikazu Okajima, Nagatoshi Nishiwaki, and Masahiro Ariga

B       核磁気共鳴装置、赤外分光光度計、CHN 元素分析装置、質量分析装置

C       ニトロイソオキサゾロンから誘導される官能基を有するアミドキシムを前駆体として、3位にカルバモイル基を有する1,2,4-オキサジアゾールを効率良く合成する方法を確立した。

D       Synthesis, 2006, 3453-3461.

 

[2006-33]

@       ホルミルニトロエナミンを用いた多官能ピリジンの合成

A       中池由美・田村美奈・西脇永敏・有賀正裕

B       核磁気共鳴装置、赤外分光光度計、CHN 元素分析装置、質量分析装置

C       ホルミルニトロエナミンにマロン酸誘導体を作用させれば多官能ピリドンが得られ、シアノ酢酸誘導体を作用させれば、アミノ基が転位したアミノピリジンが得られることを明らかにした。

D       日本化学会第86春季年会

 

 [2006-34]

@       α−ニトロ−β−ケトエステルの特性を活かした非対称マロン酸誘導体の合成

A       田場典子・中池由美・舘祥光・伊東忍・田村美奈・西脇永敏・有賀正裕

B       核磁気共鳴装置、赤外分光光度計、CHN 元素分析装置、質量分析装置

C       アセトンジカルボン酸ジエチルのニトロ化体のアシル基が高度に活性化されていることに着目し、従来法では合成が困難であった非対称なマロン酸誘導体の合成を行なった。

D       日本化学会第86春季年会

 

 [2006-35]

@       酢酸アンモニウムを窒素源とするジニトロピリドンの新規な環変換反応の開発

A       立道洋史・田村美奈・西脇永敏・有賀正裕

B       核磁気共鳴装置、赤外分光光度計、CHN 元素分析装置、質量分析装置

C       ジニトロピリドンを用いた3成分系の環変換反応を行ない、種々のニトロピリジンやニトロフェノールを合成することに成功した。

D       日本化学会第86春季年会

 

[2006-36]

@       擬似分子内反応を利用した含窒素複素環合成

A       西脇永敏・角谷健吾・田村美奈・有賀正裕a

B       核磁気共鳴装置、赤外分光光度計、CHN 元素分析装置、質量分析装置

C       α-ニトロ-δ-ケトニトリルに対してアミン、ヒドラジン、1,2-ジアミン類を作用させたところ、擬似分子内反応が効率良く進行し、種々の含窒素複素環化合物が得られることを明らかにした。

D       45回日本油化学会年会

 

[2006-37]

@       α-アリール-β-ケトエステル類のトランスアシル化

A       西脇永敏

B       核磁気共鳴装置、赤外分光光度計、CHN 元素分析装置、X線結晶構造解析装置、質量分析装置

C       α-アリール-β-ケトエステル類のアシル基が高度に活性化されていることを見出すとともに、その反応性を活かしたトランスアシル化反応を行ない、合成化学への応用を行なった。

D       45回日本油化学会年会

 

 

[2006-38]

@       ホルミルニトロエナミンをビルディングブロックとする多官能化合物の創製

A       中池由美・戸部義人・田村美奈・西脇永敏・有賀正裕

B       核磁気共鳴装置、赤外分光光度計、CHN 元素分析装置、質量分析装置

C       ホルミルニトロエナミンの多様な反応性を利用し、ニトロフェノール類、ニトロピリドン類、アミノピリジン類などの有用な前駆体となることを明らかにした。

D       36回複素環化学討論会

 

 

[2006-39]

@       α-ニトロ-δ-ケトエステルのタンデム型ビシクロ化反応によるイミダゾ[1,2-a]ピリジン誘導体の合成

A       田村美奈・武西絵里子・西脇永敏・有賀正裕

B       核磁気共鳴装置、赤外分光光度計、CHN 元素分析装置、X線結晶構造解析装置、質量分析装置

C       標題化合物が酸性度の高い水素を有しており、求核試薬を近傍に接近させるために、擬似分子内反応が容易に進行し、従来法では合成が困難であった多官能複素環化合物が得られることを明らかにした。

D       36回複素環化学討論会

 

 

[2006-40]

@       トリニトロキノロンによるフェノール類の求電子的アリール化反応

A       大堤雅生、田村美奈、西脇永敏、有賀正裕

B       核磁気共鳴装置、赤外分光光度計、CHN 元素分析装置、質量分析装置

C       トリニトロキノロンが高い求電子性を示すことを利用して、フェノキシドイオンとの反応を行ない、従来、困難とされてきた求電子的アリール化反応が進行することを明らかにした。

D       有機合成若手セミナ−

 

 

[2006-41]

@       多官能アミノピリジンの新規な合成法の開発

A       中池由美、戸部義人、西脇永敏、有賀正裕

B       核磁気共鳴装置、赤外分光光度計、CHN 元素分析装置、質量分析装置

C       ニトロエナミンが有するホルミル基は活性メチレン化合物と容易に縮合する。基質がシアノ基を有している場合にはエナミンのアミノ基の転位反応が進行し、種々のアミノピリジン誘導体が得られることを見出した。

D       有機合成若手セミナ−

 

[2006-42]

@       Synthesis of Unsymmetrical Malonic Acid Derivatives Using α-Nitrated β-Keto Esters  

A       Yumi Nakaike, Nagatoshi Nishiwaki, Masahiro Ariga, Yoshito Tobe

B       核磁気共鳴装置、赤外分光光度計、CHN 元素分析装置、X線結晶構造解析装置、質量分析装置

C       Intimate Pair を形成することによりα-ニトロ β-ケトエステルがアミン類と容易に反応し、マロン酸アミドエステルを効率良く与えることを明らかにした。

D       The 8th International 21st Century COE Symposium on Integrated EcoChemistry (Kyoto)

 

[2006-43]

@       Three Components Ring Transformation of Nitropyrimidinone

A       Nagatoshi Nishiwaki

B       核磁気共鳴装置、赤外分光光度計、CHN 元素分析装置、質量分析装置

C       ニトロピリミジノンが環変換反応の有用な基質であることを示した。また、3成分系の環変換反応により、ピリミジン、ニトロピリドン、4-アミノピリジン類を容易に合成できることを明らかにした。

D       2nd International Conference on Heterocyclic Chemistry (Jaipur, India)

 

[2006-44]

@    2,5-ジフェニル-1,3,4-オキサジアゾロファン誘導体の光物性

A    志賀 豪士・谷 敬太・堀 一繁・任田康夫・辨天宏明・大北英生・伊藤紳三郎・山本雅英

B    核磁気共鳴装置・CHN自動分析装置・質量分析装置・分取液体クロマトグラフ装置・単結晶自動解析装置

C    2,5-ジフェニル-1,3,4-オキサジアゾロファン誘導体の光物理的性質を電子吸収スペクトルおよび発光スペクトルから検討した。

D    日本化学会第86春季年会、3PA040

 

[2006-45]

[3.3](3,9)カルバゾロファン−ベンゾキノン連結分子の合成と性質

A    青木慎治・谷 敬太・堀 一繁・任田康夫・辨天宏明・大北英生・伊藤紳三郎・山本雅英

B    核磁気共鳴装置・CHN自動分析装置・質量分析装置・分取液体クロマトグラフ装置・単結晶自動解析装置

C    [3.3](3,9)カルバゾロファン−ベンゾキノン連結系の合成を行い、電子物性を各種吸収スペクトルならびに過渡吸収スペクトルから検討した。

D    日本化学会第86春季年会、1K3-35

 

[2006-46]

@    完全重なり型カルバゾロファン−テレフタレート連結化合物の合成と性質

A    迫 邦彦・谷 敬太・堀 一繁・任田康夫・辨天宏明・大北英生・伊藤紳三郎・山本雅英

B    核磁気共鳴装置・CHN自動分析装置・質量分析装置・分取液体クロマトグラフ装置・単結晶自動解析装置

C    完全重なり型カルバゾロファン−テレフタレート連結化合物の合成を行い、電子物性を各種吸収スペクトルならびに過渡吸収スペクトルから検討した。

D    日本化学会第86回春季年会、3PA057

 

[2006-47]

@    1,3,4-オキサジアゾール発色団を有するメタシクロファン誘導体の合成と光物性

A    志賀 豪士・谷 敬太・堀 一繁・任田康夫・辨天宏明・大北英生・伊藤紳三郎・山本雅英

B    核磁気共鳴装置・CHN自動分析装置・質量分析装置・分取液体クロマトグラフ装置・単結晶自動解析装置

C    メタシクロファン骨格に組み込まれた1,3,4-オキサジアゾール発色団の合成を行い、各種スペクトルにより同定した。X線解析により構造を解明し、蛍光スペクトルにおける溶媒効果が大きいことを見出した。

D    平成18年光化学討論会、1P012, p182.

 

[2006-48]

@    オキサジアゾロ[2.2]メタシクロファン類の合成と性質

A    志賀 豪士・谷 敬太・堀 一繁・任田康夫・郭 嘉謨・辨天宏明・大北英生・伊藤紳三郎・山本雅英

B    核磁気共鳴装置・CHN自動分析装置・質量分析装置・分取液体クロマトグラフ装置・単結晶自動解析装置

C    [2.2]メタシクロファン骨格に組み込まれた1,3,4-オキサジアゾール発色団の合成を行った。各種スペクトルおよびX線解析により、それらの性質や構造を調べた。

D    18回基礎有機化学連合討論会、1PA27, p242

[2006-49]

@    部分重なり型カルバゾロファンのブロモ体およびその誘導体の合成と性質

A    青木慎治・谷 敬太・堀 一繁・任田康夫・郭嘉謨・辨天宏明・大北英生・伊藤紳三郎・山本雅英

B    核磁気共鳴装置・CHN自動分析装置・質量分析装置・分取液体クロマトグラフ装置・単結晶自動解析装置

C    部分重なり型カルバゾロファンのブロモ化に成功した。さらにブロモ置換基をアリール基に変換できることを明らかにした。

D    18回基礎有機化学連合討論会、3PA19, p416

 

[2006-50]

@    カルバゾール−アクセプター連結化合物の合成と性質

A    迫 邦彦・谷 敬太・堀 一繁・任田康夫・辨天宏明・郭 嘉謨・大北英生・伊藤紳三郎・山本雅英

B    核磁気共鳴装置・CHN自動分析装置・質量分析装置・分取液体クロマトグラフ装置・単結晶自動解析装置

C    部分重なり型のカルバゾールシクロファンと種々のアクセプター連結化合物の合成を行い、それらの構造をNMRから決定した。また、電子吸収および発光スペクトルからエキシタープレックス生成機構を検討した。

D    36回複素環化学討論会、2P-053, p183.

 

 [2006-51]

@     Interplanar interactions in the excited triplet states of carbazole dimers by means of time-resolved EPR spectroscopy

A     I. S. M. Saiful, P. Heinze, Y. Ohba, S. Yamaucji, M. Yamamoto, Y. Tohda, K. Tani

B     部分重なり型および完全重なり型の[3.3](3,9)カルバゾロファン類のESR測定を行い、三重項エキシマーの非局在化寄与の割合を明らかにした。

C     核磁気共鳴装置・CHN自動分析装置・質量分析装置・分取液体クロマトグラフ装置・単結晶自動解析装置

D     Mol.Phy.,104, 1535(2006).

 

[2006-52]

@       Synthesis and Properties of Partially Overlapped [3.n](3,9)Carbazolophanes

A       K. Tani, S. Yamamoto, K. Kubono, K. Hori, Y. Tohda, H. Takemura, Y. Nakamura, J. Nishimura, H. Benten, H. Ohkita, S. Itoh, M. Yamamoto

B       シアンアミドおよび酸素架橋した部分重なり型の [3.n](3,9)カルバゾロファン類(n = 4,5)の合成を行った。それらの構造をX線解析で検討し、部分重なり型のエキシマー構造を解明した。

C       核磁気共鳴装置・CHN自動分析装置・質量分析装置・分取液体クロマトグラフ装置・単結晶自動解析装置

D       Chem. Lett., 36, 460(2007).

 

[2006-53]

@       Asymmetric epoxidation catalyzed by novel azacrown ether type chiral

quaternary ammonium salts under phase-transfer catalytic conditions

A       堀一繁・田村美奈・谷敬太・西脇永敏・有賀正裕・任田康夫

B       超伝導FTNMR装置・質量分析装置・デジタル旋光計

C       空気中で取扱容易な第四級アンモニウム塩を相間移動触媒とした、医薬品・液晶

合成中間体である光学活性エポキシ化合物合成に関する研究

D       Tetrahedron Letters, 47, 3115-3118 (2006).

 

[2006-54]

@       光学活性アザクラウンエーテル型第四級アンモニウム塩を相間移動触媒として用いた不斉エポキシ化反応

A       堀一繁・中西秀公・谷敬太・任田康夫

B       超伝導FT‐NMR装置・質量分析装置・デジタル旋光計

C       空気中で取扱容易な第四級アンモニウム塩を相間移動触媒とした、医薬品・液晶合成中間体である光学活性エポキシ化合物合成に関する研究

D       18回基礎有機化学連合討論会

 

[2006-55]

@       アザクラウンエーテル型光学活性相間移動触媒を用いた不斉Michael付加反応

A       堀一繁・中西 秀公・江崎俊朗・田村美奈・西脇永敏・谷敬太・有賀正裕・任田康夫

B       超伝導FT‐NMR装置・質量分析装置・デジタル旋光計

C       空気中で取扱・回収容易な第四級アンモニウム塩ならびにアザクラウンエーテルを相間移動触媒とした、不斉Michael付加反応に関する研究

D       36回複素環化学討論会

 

 [2006-56]

@       アンビデントな求核試剤としてのベンゾイルスチリルケテンN,O-アセタールの反応  

A       任田康夫、岡本健、川下峰和、谷敬太、堀一繁

B       核磁気共鳴装置、CHN元素分析装置、質量分析計

C       ベンゾイルN,O-アセタールは、フェニルアセトアルデヒドと高収率で縮合し、ベンゾイルスチリルケテンN,O-アセタール()を与える。は、各種の一級、二級ハロゲン化アルキルとα位で反応する。一方、は、各種のオレフィン系、アセチレン系ジエノフィルとγ位で反応し、シクロヘキセン誘導体を与える。

D       36回複素環化学討論会、講演要旨集、2P−59、pp. 195-196.

 

生 物 学 分 野

 

[2006-57]

@       林床性草本トチバニンジン(ウコギ科)の生活史戦略

A       岡崎純子

B       走査型電子顕微鏡

C       トチバニンジンの生活史を明らかにするため長期継続センサスのデータを

用い個体群動態の解析を行った。

D       日本生態学会54回全国大会 2007.3

 

技 術 学 分 野

 

[2006-58]

@       4点曲げ試験片を用いたモードU荷重下におけるゴム変成および未変性エポキシ系接着剤のき裂進展挙動の比較

A       折田亮介、今中誠、中村吉伸、木本正樹

B       材料試験機

C       エポキシ系接着剤にゴム変成することにより、モードT荷重下における破壊じん性値が大幅に改善されることは、よく知られている。これは、き裂先端部に生じる膨張応力によりゴム粒子のボイド化が原因とされている。しかし、き裂先端部において膨張応力の生じないモードU荷重下においてもゴム変成が破壊じん性値の向上をもたらすかについてはよく知られていない。ここでは、モードU荷重下におけるゴム変成および未変性エポキシ系接着剤の破壊じん性試験を行うことにより、モードU荷重下においてゴム変性が破壊じん性値の向上に寄与するか検討を行った。

D       日本機械学会 14回機械材料・材料加工技術講演論文集(200611月)PP.213-214

 

[2006-59]

@       Fatigue crack propagation behavior of adhesively bonded CFRP/Aluminum joints

A       石井清、今中誠、中山英明

B       材料試験機

C       CFRPおよびアルミニュウム合金を被着体とする接着継手は繰返し荷重下における使用が多い。しかし、これら継手の繰返し荷重下におけるき裂進展挙動については、不明な点が多い。ここでは、継手設計上問題となる被着体厚さの影響について検討を行った。

D       Journal of Adhesion Science and Technology 印刷中

 

[2006-60]

@       DCB試験片を用いた塗装鋼板の塗膜/鋼板界面の破壊じん性評価

A       原圭介、今中誠

B       材料試験機

C       塗装鋼板において、高い密着性塗膜の現状では、塗膜と鋼板との密着性の定量的な試験法は

D       発表雑誌、鉄と鋼 93巻(2007) No4、掲載予定

 

 

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