地域産業界とのつながりとしては、科学機器共同利用センターではこれまで受託研究員を受け入れてきています。平成11、12年度にも毎年2名づつの受託研究員を受け入れてきていますが、この実績をもとに、企業との連携を一層推進するため、12年度は以下の活動を 行ってきました。
(1)本年度の本学「教育研究改革・改善プロジェクト」として「企業を対象としたオープンラボラトリー開設の準備」プロジェクトを申請し、受理されました。本プロジェクトは各種企業における研究員のための、科学機器利用講習会を継続的に開催する体制作りを目指すもので、参加希望企業、および希望する利用機器の調査等をおこなうものです。調査の結果、研究員講習のために、センターで対応可能な分析機器が多くあることがわかりました。
(2)「大阪産官学連携フェア」(2000年1月29、30日、マイドーム大阪)に教員養成系大学として唯一出展し、主催者側の注目を受けました。会期中に見学者のアンケート、希望調査を行ったところ、学生、一般の見学者を含む15件の回答があり、うち9件が企業、大学、国立研究所の関係者でした。本学近辺の企業も数社あり、うち1社からはその後直接センターに問い合わせがあり、現在共同研究に向けて準備中です。「地元産業界に開かれた研究・教育支援機関」に対する期待の大きさが、展示内容に対する質問やアンケート回答の内容から推察されました。
(3)平成12年8月民間アウトソーシング企業から「民間企業技術者のための科学機器研修プログラムの開発」の委託研究申し込みを受け、これを受託研究として受け入れることになりました。本研究は、民間企業の科学技術研究者の基盤技術力向上、及び研究者としての向上心育成を目的とし、科学機器共同利用センターに所属する機器を対象にした研修を行う際に必要となる、研修プログラムを開発することを目指すものです。これに基づき、現在その会社の待機社員にも参加してもらい、高速液体クロマトグラフィー及び走査型電子顕微鏡の研修を行うためのプログラムとマニュアル の作成を行っています。
(4)企業との共同研究を受け入れるため、共同研究に関する本学の規約を事務方に整備していただきました。
これらの活動を行うにあたり、平成12年5月以来、企業側の大学連携担当者と科学機器共同利用センター関係者の間で数度にわたる話し合いを持ち、人材派遣現場における要求水準についての問題点と、派遣人材の研修必要性等について話し合いました。
以上のような経過を経て本センターの企業とのより広範な連携を模索中ですが、社会の潜在的需要は大きく、また本学にとっても社会的貢献の1形態として更に推進してゆく必要性があります。今後の課題として、本学における受け入れ態勢の一層の充実と企業からの相談受け入れ窓口の確立、ならびに対象企業に対する情報発信活動等を行ってゆく必要があります。企業からの相談受け入れ窓口としては、第三者的な窓口としてコンソーシアムの設置構想もありますが、経理上の問題や特許等に関する成果の所属の問題等を検討することが必要です。また現在科学機器共同利用センターの機器類は学内18箇所に分散配置されているためオープンラボラトリーという形で構想していますが、本センターが更に企業との連携を図るためには、機器類を1括収容しうるための設置場所と専従職員の一層の整備が強く望まれます。
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