奈良県北葛城郡広陵町(Pi05)


地名:奈良県北葛城郡広陵町馬見中3丁目
標高:70M
露頭種別・現況:宅地造成予定地 現存
堆積物の種類と年代:淡水成粘土 砂 礫 ピンク火山灰 海成粘土(Ma1)

 奈良県北葛城郡広陵町の真美ヶ丘第二小学校の南に位置する一区画にて ピンク火山灰層を観察できる。
(マンション建設に伴い露頭が露出したので長くは残らないと考えられる。1998.12.6調査)

 近鉄大阪線五位堂駅より北へ約1.2km

露頭位置
 基本的に砂層中心の露頭で、高さ20数mの露頭のほぼ最上部にピンク火山灰層を 観察できる。この露頭で見られるピンク火山灰は様々な姿をあらわし詳しくは以下に示す。
 Ma1層準と考えられる暗灰色の海成粘土層(?)をピンク火山灰層の2m下に観察できるが、 Ma1層準を観察してみるとその堆積環境は海水域とは考えにくいもので 粘土層中にレキを含み砂混じりあった。ただし、他の砂混じり粘土とは色がっまたく違うので 見分けるのは簡単である。この暗灰色(黒色)は、この粘土層が堆積した当時 この地域が酸化状態にあったことを示すもので、下部の粘土層とは 堆積環境が異なっていたことが分かる。
 さらに、Ma1層準の2m下に厚さ1.5mの淡水性粘土を観察することができる。

 さらに本露頭は奈良県でピンク火山灰層を観察できる 数少ないポイントの一つで、ピンク火山灰層を観測できる西端限界に近いと考えられる。 この地域一帯でもこの露頭のある地点の標高が最も高いためこの露頭がなくなるとこの辺りで ピンク火山灰層を探すのは困難であると考えられる。

柱状図

色々な火山灰


採取pointの確認図


以下に示すA〜Eの全体位置関係を右図に示す。

 ポイントA 
 火山灰と粘土層の混合層がメインである。その中に純粋な白色のピンク火山灰層 の塊(5cm×5cm×5cm)が所々に含まれている。火山灰層と粘土層の混合部は 15cm程度ある。

 ポイントB 
 左の写真は粘土層の中にピンク火山灰層の塊(4cm×3cm×3cm) だけが残っており、火山灰層と粘土層との混合部は全くない。
右のの左部分では写真は厚さ5cmのピンク火山灰層のみが2m程続いている。
ポイントC
 火山灰層と粘土層の混合部のない露頭である。 ピンク火山灰層自体の層厚は7cm程度である。

ポイントD
 火山灰層と粘土層の混合部のない露頭である。 ピンク火山灰層自体の層厚は5cm程度である。
 ポイントE 
火山灰層と粘土層の混合部しており、ピンク火山灰層自体の塊は入っていない 層厚は12cm程度である。

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終わり

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