2006年度 解析学I[前期]、解析学I演習[後期] (3回生)
- 教室:C2-409
- 内容:主に関数解析学
- 参考文献 とりあえず手元にあった本を列挙しました。
[1] ヒルベルト空間と線形作用素 日合文雄・柳研二郎 牧野書店
[3] ヒルベルト空間と量子力学 新井 朝雄 共立出版
[7] 関数解析 藤田宏・黒田成俊・伊藤清三 岩波書店
[8] 関数解析 ハイム・ブレジス(著)・藤田宏(監訳)・小西芳雄(訳) 産業図書
--講義内容[後期]--
- 10月6日 夏休みの宿題の解答、第二種フレドホルム積分方程式その1(特別な場合の解法)
夏休みの宿題の解答を黒板にやってもらおうと思ったが誰も(2人)やってきていなかったので仕方なく自分でやった。前期はかなりのんびりしていたので後期はもう少しスピードアップするつもり。前期で微積分を復習(一様収束性)できるようなトピックを選んだので、後期はまず線形代数を復習できるようなのを選んだ。後期の後半で位相空間論と代数学の初歩が復習できるようなものができたらよいが、時間に余裕がなさそうだ。
- 10月13日 第二種フレドホルム積分方程式その2(フレドホルム行列式)
学生が1人増えて受講生が3人に増加。たぶんもう増えない。フレドホルム積分方程式の一般の場合については、線形代数学で学んだクラメルの公式を無限次元化することによって証明ができそうなことを説明し、フレドホルム行列式を紹介しました。時間が足りなくなったのでフレドホルム小行列式については次回に保留。後2回で終わらないと思われる・・・。
- 10月20日 第二種フレドホルム積分方程式その3(フレドホルム小行列式)
前回できなかったフレドホルム小行列式を紹介した後、フレドホルム積分方程式の解がどのように表されるか考えました。後はこれまでいい加減にしてきた議論を正当化する作業に入ります。
- 10月27日 演習
あまり線形代数学を理解していないようなので、演習形式でゆっくりとアダマールの不等式の証明をしようとしたが、最後まで行きませんでした。どうやら1回生のときに実係数の行列しか扱ってこなかったようだ。エルミートやユニタリーという言葉を初めて耳にするということを聞いてびっくりした。
- 11月3日 文化の日
- 11月10日 演習
前回に引き続き、演習形式をとる。やっとアダマールの不等式の証明が終わった。
- 11月17日 第二種フレドホルム積分方程式その3(フレドホルム行列式の収束性)
- 11月24日 第二種フレドホルム積分方程式その4(フレドホルム行列式がゼロにならないときの場合)
- 12月1日
- 12月8日
- 12月15日
- 12月22日
- 1月5日 休講(総合演習)
- 1月12日
- 1月19日 休講(センター試験)
- 1月26日 休講(出張)
- 2月2日 予備日
- 2月9日 予備日
--講義内容[前期]--
- 4月14日 イントロ
不動点定理と正規型1階常微分方程式を通して関数解析学とはどういうものかを簡単に説明しました。講義ノートはとりあえず忙しいので書きません。暇ができたらいつか作るかもしれませんが、あまり期待はしないでください。
- 4月21日 ノルム空間、バナッハ空間
ノルム空間とバナッハ空間の定義だけで終わりました。閉区間上連続関数全体の集合がバナッハ空間になることは次回以降にします。今回基本的な事実を宿題に出しましたので、来週は宿題発表日です。
- 4月28日 演習
宿題の発表をしてもらいました。4人しかできませんでしたが、最初なのでゆっくりいきましょう。次回も引き続き発表日とします。
- 5月5日 こどもの日
- 5月12日 演習
前回に引き続き、演習発表としました。来週は新入生の五月祭のため全学休講日です。
- 5月19日 五月祭
- 5月26日 連続関数全体の集合の完備性、正規型1階常微分方程式の解の存在定理
演習と休講の繰り返しだったため、もう5月も終わるのにほとんど進んでないことに気付きました。今日は当初の目標である連続関数全体がバナッハ空間ということと正規型1階常微分方程式の解の存在定理を不動点定理を使って証明しました。実はもっと一般にピカールの逐次近似法で証明できるので、次回以降にその話をします。
- 6月2日 演習
学生数が4人に減少。しかも宿題をやってきたのが2人のみで演習が進まず。残り時間は演習のつもりで何も準備をしていなかったので、適当な解析的な話題をその場で話した。窓の網戸まで開けていたせいでスズメバチの襲来に見舞われるアクシデントも発生。今日の授業はかなりいい加減に終わってしまった。
- 6月9日 演習
演習はあまり進まず、次回に持ち越し。後半に関数の一様収束と各点収束について。来週あたりからもう少しペースアップしていきたいと思います。
- 6月16日 一様収束性と微分積分
関数の一様収束と微分積分の関係について説明しました。
- 6月23日 関数項級数と微分積分
関数からなる級数の微分積分についてとその応用について話しました。
- 6月30日 ゼータ関数
演習問題を当ててあったのですが、学生が2人しかいなかったので、すぐに講義に入りました。ちょっと脱線してゼータ関数についてお話しました。残り3コマ何をしようか考え中・・・。
- 7月7日 (帰ってきた)正規型1階常微分方程式の解の存在定理
演習の後、正規型1階常微分方程式の解の存在定理をピカールの逐次近似法による証明の途中までしました。中途半端に講義時間が残っているけど、何をしよう??
- 7月14日 線形作用素の有界性と連続性
前回の続きをした後、やっと線形作用素の話に入りました。連続性と有界性が同値であることを証明しました。
- 7月21日 線形作用素の例など
線形作用素の例をいくつか紹介した後、線形作用素全体の集合が作用素ノルムでノルム空間になることと、更に値域の空間が完備であるとき、作用素ノルムでバナッハ空間であることを話しました。以下は夏休みの宿題です。
- 対称行列の作用素ノルムを求めなさい。
- 線形作用素全体の集合が作用素ノルムでバナッハ空間であることを示しなさい。
- 何か適当な関数解析の本を読んでみる。
- 7月28日 予備日
- 8月4日 予備日