合成繊維,天然に迫る量


 世界の1996年の合成繊維生産量は1900万d余りで,天然繊維の 2000万dに迫っている。3分の2はポリエステルだ。

 ポリエステルは,カロザースがナイロンを作った方法にヒントを得て 41年,イギリスでつくられた。絹に似せたナイロンに対して,ポリエステ ルは綿の代替物として生まれた。コストが安く,日光で変色することもない ため,70年代には,ナイロンの生産量をし のいだ。

 ナイロンは,その丈夫さを生かして釣り糸,カーペット,防弾チョッキ から車のエアバックにまで使われている。ストッキングをはじめ,幅広く下 着に使われているのは,軽く,しなやかで吸水性が高いからだ。

 ファッションの分野では「安っぽい」イメージがつきまとっていたが, 人気ブランド「プラダ」のバッグや,光る素材の流行によって復権している。

1998.7.12(日) 朝日新聞 100人の20世紀「ウォーレス・カロザース」より

「プラスチックの歴史」に戻る