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プラスチックの性質
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プラスチックは,一般に下表のように,金属やセラミックスに比べて, |
| 主なプラスチックの性質の比較 | ||
| 機械的な性質 | 電気的性質 | 化学的な性質 |
| 性質 | プラスチック | 金属 | セラミックス | |
| 比重 | 小さい | 大きい | 中ぐらい | |
| 硬さ | 軟らかい | 硬い | 硬い | |
| 傷つきやすい | 中くらい | 傷つきにくい | ||
| 強度 | 引っ張り | 弱い | 強い | 中くらい |
| 伸び | 大きい | 大きい | 小さい | |
| 圧縮 | 弱い | 中くらい | 強い | |
| 衝撃 | 中くらい | 強い | 弱い | |
| 弾性率 | 小さい | 大きい | 大きい | |
| 電気伝導性 | 絶縁体 | 導体 | 絶縁体 | |
| 熱伝導性 | 不良導体 | 良導体 | 不良導体 | |
| 耐熱性 | 融点 | 低い | 中くらい | 高い |
| 分解 | 熱分解 | |||
| 耐炎性 | 燃焼 | 融解,酸化 | 不変 | |
| 熱衝撃性 | 中くらい | 強い | 一般に弱い | |
| 耐環境性 | 光 | 劣化 | 不変 | 不変 |
| 湿気 | 不変 | 一般に腐食する | 不変 | |
| 酸・塩基 | 一般に不変 | 腐食 | 不変 | |
| 加工性 | 良 | 良 | 不良 | |
瓜生敏之,堀江一之,白石振作共著 「ポリマー材料(材料テクノロジー16)」(東京大学出版会刊) より抜粋
ポリマーの分子量(重合度)は,合成条件を変えることで調整できる。エポ キシ樹脂は,ビスフェノールAにNaOHを加えてアルカリ塩とした後,エピ クロルヒドリンを滴下しつつ加熱して合成する。ビスフェノールAに対するエ ピクロルヒドリンの割合を変えると,粘りのある黄色液体(多いとき)からもろ い黄色の固体樹脂と,異なる形態のものが得られる。 |
| 平均分子量 | 軟化点(℃) | エポキシ価* | ヒドロキシル価** | エステル化当量 *** |
| 350〜420 | 液体 | 0.50 | 0.14〜0.28 | 85 |
| 450〜580 | 液体 | 0.38 | 0.32〜0.84 | 105 |
| 600〜700 | 40〜45 | 0.31 | 0.9〜1.4 | 115 |
| 900〜1050 | 64〜76 | 0.20 | 2.0〜2.5 | 145 |
| 1740〜2050 | 95〜105 | 0.11 | 5.0〜6.0 | 175 |
| 3300〜4100 | 125〜132 | 0.05 | 9.7〜13.0 | 200 |
| 4800〜8000 | 145〜155 | 0.03 | 16〜27 | 220 |
* エポキシ価は,エポキシ樹脂100g中のエポキシ基のモル数を表す。 エポキシ価が 0.55ならば n=0,0.31ならば n=1である。 ** ヒドロキシル価は,エポキシ樹脂100g中のOH基のモル数を表す。 ヒドロキシル価が 0ならば n=0,0.15ならば n=1である。 *** エステル化当量は,有機酸RCOOH 1モルのエステル化に要するエポキシ樹脂 のモル数で,樹脂中のエポキシ基とOH基の合計個数を表す。 エポキシ樹脂の硬化は,エポキシ樹脂の各分子が三次元的な架橋を形成する ことで行われる。この架橋形成には,エポキシ基が重要な役割を果たすが, OH基も副次的な役割を担っている。エポキシ基は分子の両端に各1個ずつ含 まれるが,OH基は分子鎖の途中に位置し,分子鎖の長さに応じて変わる。 | ||||
藤井光雄,垣内 弘共著 「プラスチックの実際知識 第4版」(東洋経済新報社刊) より参照
ポリマーに添加剤を加えて,プラスチックの硬さ・柔軟性・引っ張り強さ・ 伸び・耐衝撃性・可塑性・耐熱性や軟化温度などの調節(可塑剤,強化剤など ),光や熱による分解の抑制(安定剤)および着色化(顔料)など行われてい る。たとえば,ポリ塩化ビニル樹脂では, |
| 性質 | 硬質ポリ 塩化ビニル |
硬質塩化ビニル と酢酸ビニルの コポリマー |
軟質塩化ビニル と酢酸ビニルの コポリマー* |
軟質ポリ 塩化ビニル* |
| 比重 | 1.408 | 1.35 | 1.22 | 1.31 |
| 屈折率 | 1.54 | 1.52〜1.53 | − | − |
| 引張り強さ (psi) | >9000 | 4500〜9000 | − | − |
| 曲げ強さ (psi) | 15000 | 7500〜14000 | − | − |
| 伸び(%) | 5〜25 | − | 150〜275 | 340 |
| * 可塑剤として,30%のジオクチルフタレート(DOP)が含まれている。 | ||||
藤井光雄,垣内 弘共著 「プラスチックの実際知識 第4版」(東洋経済新報社刊) より参照
☆熱可塑性樹脂 線状あるいは分枝状のポリマーの集合体であり,加熱すると柔らかくなり, 粘りのある液体に変化する。これを型の中に入れて冷却すれば,自由な形に 成形することができる(可塑性があるという)。さらに,粘りのある液体を 強く加熱すれば熱分解を起こす。耐熱性は熱硬化性樹脂よりも悪い。また, 線状のポリマーであるため,適当な溶剤を加えると溶解しやすく,耐溶剤性 も熱硬化性樹脂に劣る。 |
| 耐熱性 | 耐油性 | 耐水性 | 耐摩耗性 | 電気的性質 | ||||||
| 低下 | 増加 | 低下 | 増加 | 低下 | 増加 | 低下 | 増加 | 低下 | 増加 | |
| 原子団 の種類 | -CH3 | -OH | -OH | -OH | -OH | -CH3 | -CH3 | -OH | -OH | -CH3 |
| -C6H5 | -CONH- | -OCH3 | -CH2- | -NH2 | -C6H5 | -COOR | -NH2 | -NH2 | -C6H5 | |
| -OCH3 | -COOH | -COOR | -O- | -HSO3 | -COOR | -COOH | ||||
| -COOR | -CN | -COOH | -CN | |||||||
藤井光雄,垣内 弘共著 「プラスチックの実際知識 第4版」(東洋経済新報社刊) より参照
ポリマー分子中の枝分かれの程度は,合成法を変えることで調節できる。エ チレンを重合してつくるポリエチレンには,反応中の圧力の違いにより,高圧 法・中圧法・低圧法の3つの方法がある。高圧法では,長い鎖状分子中にたく さんの短い枝がついたポリマーが,一方,中圧や低圧法では枝がほとんどない 長い鎖状分子が,それぞれ生成する。各合成法により得られるポリマー集合体 の性質は表のとおりである。 |
| 高圧法 中圧法 低圧法 | |
| 密度 | 0.92─────────0.95 |
| 軟化温度(℃) | 100─────────130 |
| 硬さ相対値 | 1(軟)─────────4(硬) |
| 強度(kg/cm2) | 140─────────400 |
| 伸び(%) | 500─────────20 |
| 結晶化度(%) | 65─────────95 |
| 引張り強さ(kg/cm2) | 140─────────400 |
| 熱変形温度(℃) | 45〜50─────────〜80 |
| -CH2-結合 1000当りのCH3数 | 34〜40─────────1〜1.5 |
藤井光雄,垣内 弘共著 「プラスチックの実際知識 第4版」(東洋経済新報社刊) より参照
◎ 化学的な性質 |
| 分子量 | 溶解性 | 融点(℃) | |
| C20H42 | 282 | 易溶 | 38 |
| C30H62 | 422 | 可溶 | 66 |
| C60H122 | 842 | 難溶 | 100 |
| C100H202 | 1402 | きわめて難溶 | 約106 |
| C2000H4002 | 28002 | 不溶 | 約110 |
藤井光雄,垣内 弘共著 「プラスチックの実際知識 第4版」(東洋経済新報社刊) より参照
| ポリマー | 溶媒 | |||
| ポリマー名 | SP値 | 溶媒名 | 乾燥速度 | SP値 |
| ポリ四フッ化エチレン | 6.2 | エーテル | 速い | 7.4 |
| ポリエチレン | 7.9 | アミルベンゼン | 遅い | 8.5 |
| ポリイソブチレン | 8.1 | キシレン | 中 | 8.8 |
| 天然ゴム | 8.3 | トルエン | 中 | 8.9 |
| SBR (ブタジエン:スチレン) [85:15] | 8.5 | 酢酸エチル | 速い | 9.1 |
| SBR [75:25] | 8.6 | メチルエチルケトン | 中 | 9.3 |
| SBR [60:40] | 8.7 | トリクレン | 中 | 9.3 |
| ポリスチレン | 9.1 | 塩化メチル | 速い | 9.4 |
| NBR | 9.4 | 酢酸メチル | 速い | 9.6 |
| 塩化ゴム | 9.3〜9.5 | 塩化メチレン | 速い | 9.7 |
| 酢酸ビニル樹脂 | 9.4 | 塩化エチレン | 速い | 9.8 |
| メタクリル酸メチル | 9.5 | ジオキサン | 中 | 9.8 |
| 塩化ビニル樹脂 | 9.7 | シクロヘキサン | 中 | 9.9 |
| マイラー | 10.7 | セロソルプ | 中 | 9.9 |
| エポキシ樹脂 | 10.9 | アセトン | 速い | 10.0 |
| アセチルセルロース | 10.9 | イソプロピルアルコール | 中 | 11.5 |
| ニトロセルロース | 10.6〜11.5 | ジメチルホルムアミド | 中 | 12.1 |
| フェノール樹脂 | 11.5 | ニトロメタン | 速い | 12.7 |
| ナイロン | 13.6 | エチルアルコール | 速い | 12.7 |
| ポリアクリルニトリル | 15.4 | 水 | 遅い | 23.4 |
桜内雄二郎著「高分子化学教室 第2版」(三共出版刊) より参照