デンプンの粒

 


 草木がつくったデンプンは,すべて粒(つぶ)のかたちでたくわえら
れます。この粒はデンプン粒(りゅう)といわれています。

 このデンプン粒は,はばが約(やく)0.02μm(注)のデンプン分子
がたくさん集まってできたものです。

(注) 1μm(ミクロンメートルと読む。)とは,その長さのものを千個(こ)並(なら)
  べても,1mm(ミリメートル)にしかならない,すごく短い長さなのです。

 デンプン粒のかたちと大きさは,粒をとり出した草木によってちが
っています。

 土の中にできるジャガイモなどのイモのなかま,タマネギやユリの
なかまからとり出したデンプン粒は,大きくてたくさんとれます。

 しかし,大きなものは粒のはばが100μmにもなるが,はばが1
μmほどの小さなものもあり,粒の大きさにばらつきがあります。

 ウルチ米(まい)やモチ米(ごめ)などは,角ばったかたちで,はばが
2から25μmと小さく,大きさのばらつきが少ないデンプン粒をし
ています。

 ジャガイモのデンプン粒は,ひとつの大きな粒からできていますが,
コメのデンプン粒は,小さなデンプン粒がたくさん集まってできてい
るそうです。そのため,粒をとり出すときに,細かくくずれて,小さ
な粒になってしまうそうです。

 デンプン粒の大きさがちがうと,デンプンを温めて消化(しょうか)
しやすくする温度,デンプンのねばり気などのデンプンの性質(せい
しつ)が大きくちがってくるそうです。


 デンプンの粒のあり方は,ひところに,大きいものが数少なくみつ かるものや,小さなものがたくさんみつかるものなど,さまざまです。  しかし,デンプンの粒がとり出される草木が同じならば,粒のあり 方はほぼ同じになっているそうです。  それでは,デンプンの粒がとり出しやすく,粒がみつけやすいあり 方をしている,ジャガイモのデンプン粒のようすをみてみましょう。

デンプン粒のようす

 ジャガイモのデンプン粒はふつう,だ円(細長い円)形をしています。  粒の中をよくみると,粒のまん中から少しはずれたところから外に むかって,木の年輪(ねんりん)のようなしま模様(もよう)があります。  このしま模様は,しま模様の中心から外にむかって,デンプンの粒 が大きくなっていったことあらわしています。  木も年輪の中心から外にむかって,幹(みき)が太くなっていきます。 しかし,太くなるはやさが四季(しき)によってちがっているのですね。  太くなるはやさがおそい,秋・冬から春にかけて,幹が太くなった ところが線のようになって,年輪ができるのですね。  かたや,デンプンの粒にできるしま模様は,粒をつくっているデン プン分子(ぶんし)の並び方がかわるためにできるのです。  デンプンの粒には,アミロースという分子が列を組んで並んでいる ところと,アミロペクチンという分子が列を組まずに集まっていると ころがあるのです。  そして,右上の図に描いたように,デンプン粒のしま模様の線は, アミロースが列を組んで集まっているところなのです。

参考にした本: (9)