部会の趣旨
日本数学教育学会主催の数学教育論文発表会が昭和62年(1987)に分科会形式をとって以来、問題解決分科会では多数の研究が発表されてきました。平成7年(1995)にテーマ別部会が設置されて発足した問題解決研究部会は、問題解決研究の動向、注目すべき研究、今後の研究の重点などに関する研究情報の交換や共有の場として機能してきました。
一方、これらの、主として研究者による研究と無関係ではないが、問題解決的授業が算数・数学教育の現場において早くから開拓され、実践されています。この実践は、算数・数学教育の進化の様相であると同時に、我が国の算数・数学教育が計算力等の狭い能力の形成に走り、思考力、表現力を育てないとの批判に対する答えを準備するものです。
今平成9年度の問題解決研究部会は、問題解決的授業実践に関して理論と実践とを結びつけ、問題解決、問題解決的授業の算数・数学教育的意味を問う部会とするつもりです。
この部会の研究活動が、問題解決研究と問題解決的授業実践の双方向から我が国の算数・数学教育の進展に寄与するものになることを望むと共に、三年後のICME9に対する我が国の積極的貢献に繋がるものに発展することを期待します。
報告
湊 三郎(秋田大学教育学部)
論文発表会の問題解決分科会、問題解決研究部会における発表・報告(1996年度まで)
発表
1.能田 伸彦(筑波大学教育学系)
算数・数学教育の目標論から問題解決的授業のねらいを指導の内容と方法と評価の観点から考察する
2.山口 武志(福岡教育大学教育学部)
「数学化」の視点からみた問題解決的授業の課題と方向性
3.相馬 一彦(北海道教育大学教育学部旭川高)
「問題解決の授業」の提案と実践例−普段の授業での実現を目指して−
4.柳本 哲(大阪教育大学教育学部附属天王寺中学校)
問題解決における in context の意味と価値
総括討議
上記の部会の趣旨に従い、問題解決を算数・数学教育の授業の中に位置づけ、授業実践の立場に立つ研究に向けて開かれた層の熱い討論が行われることを希望しています。