大学院 教育学研究科 数学教育専攻

 
  1.  数学教育専攻では,これまでに培った基礎能力を一層深め,専門分野並びに教育実践に関する理論と応用についての研究能力を育成することによって,算数・数学についての教育と研究を指導的立場で推進しうる人材の養成を目的としています。 そのために,専攻に数学コースと数学教育学コースの2つのコースを設け,それぞれの専門分野の研究を行うとともに,教育の現場における算数・数学教育の研究と実践に関して中心的な役割を担うことの出来る人材の育成を目指します。


  1.  数学教育専攻は,数学コース数学教育学コースの2コースで構成されています。修了後,大学や研究機関の研究者として,また小・中・高等学校の指導者として活躍する道が開かれています。

  2. 数学コースには,解析学,幾何学,代数学の専門分野があります。

教育学研究科(修士課程) 数学専攻専攻とは

 解析学は、さまざまな専門分野の複合体です。本学では、作用素環、作用素不等式、確率論を各教員が担当します。入学後は、学部で学んだ微分積分学・線形代数学・関数論などを基礎に、それぞれの担当教員の下で専門を深く学んでゆきます。おおよそ1年次では、専門書の精読等を行い、専門分野の基礎を学んでゆきます。そのあと研究を行い修士論文を作成しますが、その過程を通じて、教員や研究者としての高い能力を身につけることを目標としています。解析学は、その数学的な厳密さ・美しさとともに、幅広さを持ちます。たとえば、作用素は量子力学に、確率論はランダムな運動に関連するなど、さまざまな物理現象にかかわります。こういった幅広さは、指導的な役割を果たす教員や研究者としてふさわしい素養のひとつといえます。また、各専門分野ごとに豊富なテーマがあり、それぞれ数学としての深さや美しさを持ちます。修士論文作成などを通じて、その面白さを体得することを目指しています。


  幾何学に関しては、位相空間論の研究をします。この分野は集合に位相構造を定義して、「近さ」を考えることにより、極限に関するいろいろな性質を深く研究します。ユークリッド空間の性質を基礎として、図形の性質を研究することを目的としています。この分野の標準的な教科書は R. Engelking 著 General Topology( Heldermann Verlag 1989)です。この教科書を通して、位相空間論の基礎的な理論と応用力を取得し、さらに進んで修士論文のための研究を行うことができます。


  代数学に関しては環論、もっと詳しく言うと表現的環論と言われる R―加群論の研究を行うことができます。この分野は代数学のエッセンスとも言える多様性をもっており、その習得により抽象的思考・論理的思考のトレーニングが行えます。この分野の最も有名な教科書は F. W. Anderson and K. R. Fuller 著 Rings and Categories of Modules, Graduate Textsin Mathematics 13( Second Edition)( Springer-Verlag(1992)ISBN0-387-97845-3 or ISBN3-540-97845-3 )であり、この教科書を通して、環論・R―加群論の基礎理論を習得し、さらに進んで修士論文作成を目標とした研究を行うことができます。

  1.  平成25年度大学院数学教育専攻授業一覧.pdf

  2.  次の研究室ではホームページを開設しており,その中で大学院の情報を掲載しているページもあります。

  馬場研究室HP(代数学)

  岡安研究室HP(解析学,作用素環論)

  貞末研究室HP(確率論)

  瀬尾研究室HP(応用数学,数学教育学)

  真野研究室HP(数学教育学)

  田中研究室HP(幾何学)

大学院での授業科目,研究内容など

大学院生からのメッセージ

過去の修士論文題目(抜粋)

 数学教育学コースの専門領域には、目標論、認知論、教育課程論、教育内容論、学習指導論、数学教育史、比較数学教育、ICT 機器の教育利用など、多様に存在します。本コースでは、これらの専門領域のいずれかに足場をおきつつ、他の専門領域と関連させて研究を深めます。数学教育学コースでは、算数・数学教育に関するある程度の予備知識をもっていることを前提に、講義や演習が展開されます。自ら最も関心のある課題を、数学教育学の専門領域で捉え直し、研究を深め、修士論文に纏めます。一連の研究を通し、算数・数学教育に関する幅広い知見を身に付けることができるでしょう。

  1. 数学教育学コースには,目標論,認知論,教育課程論,教育内容論,学習指導論,数学教育史など多様な専門領域があります。 

 私は中学生時代に確率に興味をもちました。それは些細なことで、二人でジャンケンをして勝つ確率がなぜ1/2ではなく1/3かというのがどうしても理解できなかったからです。それは高校で極限を学ぶことで解決しましたが、確率に関する興味は無くならず、大学入学時から確率を学ぶということを決めていました。


 数学は専門分野だけではなくあらゆる分野の知識が繋がっており、それを学ぶのには学部生の4年間では足りず、また教員にはならないと決めてはいましたが教育関連にも興味があったので、私は大阪教育大学大学院への進学を決めました。私は学部も同大学で学びましたが、大学院での生活は学部の時よりも専門性が上がり、難しいことも増えました。しかしその分、自身が学びたいことに関して、学ぶ機会も時間も増えました。また、同級生も専門分野が違えど各々が研究のことや教育関連の授業に関して取り組んでいたので、共に受講する授業も学部生の時よりも内容の濃い授業になりました。


 私は数学コースに所属していたので、主に教育関連よりも専門の数学(確率論)を学ぶことが多かったです。内容は難しいものでしたが、一つ一つの事柄が解明されることで様々な繋がりが見えました。また、専門外の数学の授業も2年間受講させていただき、専門分野だけでない数学も学びました。それらの数学の知識は高校での数学の、より深い理解にもなり、塾講師として6年間働いていましたが、私なりの数学のアプローチをもつことができ、子どもの理解へと繋ぐことができたと思います。


 数学を知ることで、さらなる探究心や疑問が生まれます。それを調べていくのに大学院はすごくいい場所であると思います。もちろん大変なこともありますが、その分得られることも多いですし、一つ一つのことを深く考える時間や機会を持つことができます。私が中学生の時に抱いた疑問があったからこそ、ここまで学びたい、と思うことができたのだと思います。そして、大学院への進学をしてよかったと思います。興味や関心をもつ内容は人それぞれではありますが、「まだわからないことが多い、学びたい」と思うならば、大学院での進学をおすすめします。


佐々木直人 平成25年度修了生