授業科目名 | 代数学I・同演習 | 開講区分 | 専攻共通科目 |
講義題目 | 加群の構造 | 開 講 期 | 後 期 |
講義担当者 | 吉荒 聡 | 木曜日1時限 | 木曜日2時限 |
加群とは環上のベクトル空間であり、可換群(有理整数環上の加群)・ 一次変換が指定されたベクトル空間(多項式環上の加群)等の重要な例があります。 本講義では、単項イデアル整域上の有限生成加群の構造定理の証明とその応用 (特に有限生成な可換群の基本定理・一次変換のジョルダン標準形)を解説します。
1年次で学んだ行列の基本変形を多少制限したもの(単因子論)が この定理の証明における基本的道具です。内容的には、線形代数に類似した面が 多くみられ、線形代数の復習とも言えます。 代数学概論において始めて接した抽象的群論などに比べて、 学生諸君には理解し易いのではないかと思われます。
群論の復習という一面もあるので、巡回群・可換群について繰り返しを恐れずに 基本的性質の実例による確認を行いたいと思っています。
朝早くからの必修ではない講義なので、受講者の主体は代数学に興味を持つ 意欲のある学生であると予想します。少数人数を想定して、中身の濃い講義を する予定です。有志諸君の積極的参加を期待しています。
授業計画講義の方法・評価方法等
- 加群の定義と実例
- 基底と自由加群
- 準同型の行列表示
- 単因子
- 有限生成加群の構造
- 有限生成可換群の基本定理
- ジョルダン標準形
- 諸応用
テキスト板書を補助手段とする、口頭による解説という通常のスタイルで講義を行います。 演習時間中には実例の解説を主に取り上げ、細部の確認は受講者の exercise と します。講義・演習への参加態度によっては、次に述べる口頭試問を 受ける資格を認めない事があります。
夏休み前の最終週に問題を3問ほど提出します。夏休み後に質問の週を設けた後、 提出した問題に関連した事項について、一人あたり約15分程度の口頭試問をします。 その結果によって最終成績を決めます。口頭試問の際には どのような本・ノートを持ち込んでも構いません。
昨年も(講義内容は異なりましたが)全く同じ形式で最終試験を行いました。 10人が口頭試問を受け、そのうち3人は問題文中の概念の定義が言えなかった ため、不合格でした。
「代数入門--群と加群」、 堀田 良之 著、裳華房、 1987参考文献
必要に応じて指示します。