このページは,Google Earthで見る地図教材のページにある,リンゴに関わる地図の利用法を解説したページです(2013/12/9公開開始).
最初に,市町村別リンゴ収穫量を表す地図を見てみます.まず,「Google Earthで見る地図教材のページ」の「果実」の一覧表にある「リンゴ」の「収穫量上位30市町村の地図」の欄にある「◯」をクリックまたはタップします. そして,PCでは「開く」を,タブレットやスマートフォンでは「Google Earthで開く」を,クリックまたはタップします.そうすると,下のような,リンゴ収穫量上位30市町村の収穫量を,赤色の球と市町村の領域の高さで表した地図が,Google Earthで表示されます.この地図では,リンゴ収穫量が球と市町村の領域の高さに比例しており,高く表示されている市町村ほど,リンゴの収穫量が多いことを示しています.
この地図を見ると,ミカンの産地とは対照的な分布になっています.リンゴ収穫量が多い地域は本州の中部から北部にかけて分布しており,そのほとんどは,内陸に位置しています.ミカンの産地が,暖かい海岸沿いの地域であったこととは対照的に,リンゴの産地は,内陸の寒い地域にあります. 次に,リンゴの収穫がある全市町村の地図を見てみます.先ほどと同様にして,「Google Earthで見る地図教材」のページの「果実」の一覧表にある「リンゴ」の「収穫がある全市町村の地図」の欄にある「◯」をクリックまたはタップして,この地図をGoogle Earthで開くと,下のような地図が表示されます.この地図では,先ほどの地図に加えて,リンゴの収穫がある全市町村を表す赤色の球が表示されます.この球の高さも,リンゴの収穫量に比例しています.
この,リンゴの収穫がある全市町村の地図を見ると,先ほど見た,収穫量上位30市町村の地図と同様の傾向があるものの,より広範囲に分布していることが分かります.リンゴの収穫がある市町村は,本州中部から北部にかけての内陸部に多いという点では,収穫量上位30市町村の地図と同じですが,収穫がある全市町村の中には,海岸近くに位置するものや,西日本に分布するものもあります.ただし,それらの地域では,生産はされているものの,収穫量はわずかです.上位30市町村の収穫量だけで,全体の77%を占めており,多くのリンゴは,内陸の寒い地域で収穫されたものと言えます.
次に,リンゴ収穫量の地図に,年平均気温の地図を重ねてみます.まず,「Google Earthで見る地図教材のページ」の「農業の背景となる自然・社会環境」の一覧表にある「年平均気温」の「地図」の欄にある「◯」をクリックまたはタップします.そして,PCでは「開く」を,タブレットやスマートフォンでは「Google Earthで開く」を,クリックまたはタップします.そうすると,下のような,リンゴ収穫量の地図に加えて,年平均気温を色で表した地図が,Google Earthで表示されます.
この地図を見ると,リンゴの産地も年平均気温と明瞭な関係があることが読み取れます.本州の中部から北部にかけて,内陸部にのみ,水色に塗られた地域がみられます.ちょうど,その地域に,リンゴ収穫量が多い地域が分布しています.リンゴの収穫量が多い地域は,ほぼ水色で塗られた地域,すなわち,年平均気温が10℃から12.5℃の地域に限られます.ミカンの産地は,年平均気温が15℃以上の地域にありましたので,それよりも大分寒い地域に,主要なリンゴ産地が分布することになります.
リンゴ収穫量の地図に,年降水量の地図を重ねてみます.まず,「Google Earthで見る地図教材」のページの「農業の背景となる自然・社会環境」の一覧表にある「年降水量」の「地図」の欄にある「◯」をクリックまたはタップします.そして,PCでは「開く」を,タブレットやスマートフォンでは「Google Earthで開く」を,クリックまたはタップします.そうすると,下のような,リンゴ収穫量の地図に加えて,年降水量を色で表した地図が,Google Earthで表示されます.
この地図を見ると,リンゴの収穫量が多い地域は,年降水量があまり多くはないことが読み取れます.本州の中部から北部にかけての日本海沿岸には,年降水量が2000 mmを超える地域が広がっていますが,リンゴ収穫量が多い地域は,それよりも内陸に位置しており,年降水量は,ほぼ1500 mm以下です.年降水量が2500 mmを超える地域にも,リンゴの産地はいくつかありますので,降水量が多いと栽培ができないというわけではないでしょうが,収穫量が多い地域は,年降水量が比較的少ない地域にあります.
リンゴ収穫量の地図に,人口密度の地図を重ねてみます.まず,「Google Earthで見る地図教材」のページの「農業の背景となる自然・社会環境」の一覧表にある「人口密度」の「地図」の欄にある「◯」をクリックまたはタップします.そして,PCでは「開く」を,タブレットやスマートフォンでは「Google Earthで開く」を,クリックまたはタップします.そうすると,下のような,リンゴ収穫量の地図に加えて,人口密度を色で表した地図が,Google Earthで表示されます.
この地図を見ると,リンゴの収穫量が多い地域は,比較的人口密度が小さいことがわかります.リンゴ収穫量上位30市町村は,いずれも黄色か黄緑色に塗られた地域になります.大都市圏や県庁所在都市では,だいだい色か赤色に塗られていることから,黄色や黄緑色に塗られた地域は,比較的人口密度が低い地域になります.ミカンの収穫量が多い地域は,だいだい色の地域にもありましたが,リンゴの主な産地は,それよりも人口密度が小さい地域に分布していることになります.
リンゴ畑の様子を,上空から,そして,地上から見てみます.その前に,年平均気温や年降水量,人口密度の地図が表示されていると,地表面の様子が見えませんので,次のようにして,それらを非表示にします.PCの場合は,Google Earth画面の左にある地図名が表示されている部分の,年平均気温,年降水量,人口密度の左端にあるチェックボックスをクリックして,チェックが入っていない状態にします. タブレットやスマートフォンの場合は,画面左上の線が三本横に描かれた部分をタップして表示される「地図を消去」をタップします.そうすると,これまで表示されていた地図がなくなり,地表面が見える状態になります. 以上で準備が整いましたので,「Google Earthで見る地図教材」のページの,「リンゴ」の「耕地の事例」の欄にある左の「◯」をクリックまたはタップします.そして,PCでは「開く」を,タブレットやスマートフォンでは「Google Earthで開く」を,クリックまたはタップします.そうすると,下のような,リンゴ畑の上空から見た空中写真が,Google Earthで表示されます.
この空中写真を見ると,緑色の地面に,深緑色の点や線が整然と並んでいるのが読み取れます.この整然と並んでいるのが,リンゴ畑です.周辺を探すと,同じようなリンゴ畑がたくさんあるのを見つけることができると思います.それらのリンゴ畑は,ミカン畑とは異なり,いずれも平野にあります.ただし,ある程度縮小して,周辺を見るとわかりますが,近くには山地があり,平野の中でも,比較的山地に近いところにリンゴ畑があります.
再び,最初のリンゴ畑に戻って,地上の様子を見てみます.このリンゴ畑の事例としたところにある道路では,ストリートビューが提供されていますので,Google Earth画面の右上にある人形を,このリンゴ畑を通る道路にドラッグします.そうすると,下のような,ストリートビュー画面が表示されます.
このストリートビュー画面で,道路の両側に見られるのがリンゴ畑です.落葉したリンゴの木が,同じくらいの大きさで並んでいます.周囲には,多くのリンゴの木があることや,周辺には山地があることが分かります.
別のリンゴ畑の様子も,上空から,そして,地上から見てみます.まず,「Google Earthで見る地図教材」のページの,「リンゴ」の「耕地の事例」の欄にある右の「◯」をクリックまたはタップします.そして,PCでは「開く」を,タブレットやスマートフォンでは「Google Earthで開く」を,クリックまたはタップします.そうすると,下のような,リンゴ畑の上空から見た空中写真が,Google Earthで表示されます.
この空中写真でも,緑色の地面に,深緑色の点や線が整然と並んでいるリンゴ畑がみられます.ここでも,先ほどと同様,山地ではなく,平野にリンゴ畑があります.このリンゴ畑でも,ストリートビューが提供されていますので,Google Earth画面の右上にある人形を,このリンゴ畑を通る道路にドラッグします.そうすると,下のような,ストリートビュー画面が表示されます.
ここでは,落葉していないリンゴの木の様子が見られます.また,周辺には山地があることも分かります.
市町村別リンゴ収穫量上位30市町村の地図から,リンゴの収穫量が多い市町村を探して,そこを拡大すれば,リンゴ畑を見つけることができます.各地のリンゴ畑を観察して,上記のような特徴がどこでもみられるのか,例外はないのか探してみてください.
最後に,世界のリンゴ収穫量の分布を見てみます.これまでと同様にして,「Google Earthで見る地図教材」のページの「果実」の一覧表にある「リンゴ」の「世界の国・地域別収穫量の地図」の欄にある「◯」をクリックまたはタップして,この地図をGoogle Earthで開くと,下のような地図が表示されます.この地図では,世界の国・地域別のリンゴ収穫量を,赤色の球の高さで表しており,球の高さが高いほど,収穫量が多いことを示します.
この地図を見ると,世界の各地でリンゴが栽培されていることが分かります.収穫量は,中国で最も多く,ヨーロッパや南北アメリカに,比較的収穫量が多い国が見られます.収穫量が多いのは,いずれも,赤道から離れた,中緯度に位置する国々です.