ウェーブレットは 80 年代初めに現れた非常に新しい分野であり, フーリエ解析を補う新しい解析手段として, 信号解析や画像処理等の工学や物理学,数学などの多くの分野で学際的な研究が なされている. ウェーブレットはコンピュータサイエンスと密接に結びついているため, インターネットを利用して活発に情報交換が行われている. これはコンピュータサイエンスの分野では普通のことであるが, 数学など他の分野にとっては新しい研究形態であり, 電子メールや FTP(ファイル転送)などの形でプレプリントや論文などが流布され, ウェーブレットダイジェスト(Wavelet Digest)というインターネット上の 電子的な雑誌まで発行されたり,多くの人が WWW(World Wide Web)上に ホームページを開設しているので(WWW の本当の可能性は情報の検索ではなく情報発信にある), 公式な形の学術雑誌での発表や本の出版を待っていたのでは研究が間に合わないという状況になっている.
ウェーブレットチュートリアル
Francois Chaplais の A presentation of wavelets in signal processing のホームページ
Stephane Mallat の本 A Wavelet Tour of Signal Processing, 2nd Edition に啓発されて作ったプレゼンテーションがある.
Edward Aboufadel の Discovering Wavelets Web Site のホームページ
学部のカリキュラムにウェーブレットを組み込むための活動の中心になることを目的に作られたホームページ.Discovering Wavelets: Tutorials などのページがある.
Amara Graps の An Introduction to Wavelets のページ
論文 Graps, A.L.; An Introduction to Wavelets, IEEE Computational Sciences and Engineering, Volume 2, Number 2, Summer 1995, pp 50-61のハイパーテキスト版.
ウェーブレットダイジェスト ウェーブレットダイジェストは1992 年の 7 月に Bjorn Jawerth と Wim Sweldens によって始められた電子メールを使って配布される無料の電子雑誌(メールリスト)である. ウェーブレットダイジェストは約 1 カ月ごとに定期的に配布され, 会議の公告や本,プレプリント,ソフトウェアや質問などウェーブレットに関するあらゆる種類の情報を含んでいる. ウェーブレットダイジェストを購読するのは簡単で, 本文には何も書かずに電子メールを add@wavelet.org 宛に送信するだけである. 電子メールの処理は自動的に行われ, 電子メールを送信した住所がメールリストに加えられ, 購読の承認とバックナンバーが電子メールで送られてくる. また,
に接続して購読の申込みや WWW でウェーブレットダイジェストを読むこともできる. WWW で読む場合にはリンクがあるので,バックナンバーを参照したり, プレプリントをダウンロードしたりするときは便利である. ウェーブレットダイジェストのホームページには, ウェーブレットダイジェストに関する説明(The Wavelet Digest)ウェーブレットに関する行事予定(The Wavelet Calendar of Events),ウェーブレットに関して議論のできるフォーラム(The Wavelet Discussion Forum), ウェーブレットに関する本・ソフトウェア・デモ・チュートリアルなどのリソースへのリンク(The Wavelet Gallery)などのサービスが提供されている.
ウェーブレットサイト ウェーブレットに関する多くのサイトへのリンクを集めているホームページを 2 つ紹介しよう. いずれもほとんどコメントがないがいろいろなホームページを見るときは便利である.
Internet Sources(WWW-Server, Gopher-Server, FTP-Server)と Bibtex Bibliographies からなる.
ワシントン大学セントルイス校の Wavelet NetCare のホームページ
WWW-Server, FTP-Server, Bibliography からなる.
ウェーブレットプレプリント ウェーブレット関係のプレプリントのリンクを集めたホームページはいくつもあるがその中から 2 つ紹介しよう.
University of Karlsruhe の Bibliographies on Wavelets のホームページ
ウェーブレットに関する論文等のプレプリントがキーワードで検索できる.
ウェーブレットソフトウェア ウェーブレットのソフトウェアに関するホームページは数多い. フリーウェアやシェアウェアなどを提供するホームページと 販売されているソフトウェアに関する情報を提供するホームページとに大別できる.
Amara Graps の Amara's Wavelet Page のホームページ
ウェーブレットのソフトウェアに関する情報が適切なコメントとともに紹介されている.
サウスカロライナ大学数学教室の Mathematics Information Servers のホームページ
ウェーブレットに限らず数学全般にわたってソフトウェアのリンクを 集めているホームページである.
スタンフォード大学の David Donoho のソフトウェアのページ
David Donoho らは学問は再現可能な研究 (reproducible research) であるとの考えのもと,彼らの研究が誰にでも再現できるように論文等に掲載した結果が追試験できるソフトウェアを提供している.
WAVELAB 802 for Matlab5.x は David Donoho らスタンフォード大学のメンバー等により MATLAB を使って書かれており,900 を超える MATLAB のファイルからなるフリーウェアであるがレジストレーションが必要である.もちろん MATLAB がなければ使えない. Macintosh,UNIX そして Windows 用のファイルが提供されている. ウェーブレット解析やウェーブレットパケット解析などをカバーするが, とりわけ David Donoho らによって提唱された wavelet shrinkage の部分は圧巻である.
BEAMLAB 200 for Matlab 5.x or 6.x は David Donoho らスタンフォード大学のメンバー等により MATLAB を使って書かれており,beamlet, curvelet, ridgelet による解析ができる.これらはウェーブレット解析では不十分であった画像における特異性の方向を解析することができる.
The MathWorks の The MATLAB Wavelet Toolbox
MATLAB は The MathWorks 社が開発し販売している Macintosh,UNIX そして Windows 上で動く,行列の数値計算とグラフィックスが簡単にできるソフトウェアであり, The MATLAB Wavelet Toolbox は MATLAB を使ってプログラムされた Toolbox と呼ばれる拡張パッケージのひとつである. したがって MATLAB がなければ使えない. 1 次元と 2 次元の各種のウェーブレット解析をカバーし, グラフィックスの完成度には目を見張るものがある. テキストファイルのプログラムソースは容易に書き換えることができる. しかも最も基本的な部分はバイナリで書かれているので計算速度は速い. The MathWorks のホームページではこれらのソフトウェアに関する情報が得られる.
Jack Cohen の Mathematica wavelet programs
Jack Cohen は Mathematica を使っていくつかの教育的プログラムを作っており, Mathematica wavelet programs はその中のひとつである. プログラムと共にノートブックと呼ばれる Mathematica の文書でメイエやドベシィのウェーブレットあるいはマルバールのウェーブレットなどを丁寧に解説している. このようなノートブックを早い時期から無料で提供していることに敬意を表したい. Mathematica がなければプログラムを実行することはできないが, Wolfram Research 社が提供しているフリーソフトの MathReader を使えば, ノートブックを読むことはできる.
Wolfram Research の Wavelet Explorer
Mathematica は Wolfram Research 社が開発し販売している Macintosh,UNIX そして Windows 上で動く,数式処理とグラフィックスが簡単にできるソフトウェアであり, Wavelet Explorer は Mathematica を使ってプログラムされた applications と呼ばれる拡張パッケージのひとつである. したがって Mathematica がなければ使えない. 1 次元と 2 次元の各種のウェーブレット解析をカバーし, すべてのプログラムソースはテキストファイルであり容易に理解でき, 書き換えることができる. Wolfram Research のホームページではこれらのソフトウェアに関する情報が得られる.
Digital Diagnostics Corporation とエール大学 の Wavelet Packet Laboratory for Windows
Wavelet Packet Laboratory for Windows はその名のとおり Windows 上で動く ウェーブレットパケット解析などの時間周波数解析をサポートするパッケージである. マニュアルは簡潔にまとめられていて数学的にもよく書けている. 早くからリリースされていて,価格も MATLAB や Mathematica に比べ低く手頃であるが, プログラムはバイナリであるため書き換えることはできない.
Rice Wavelet Toolbox for Matlab
Rice Wavelet Toolbox は Matlab 用の Open Source Software であり, 1 次元と 2 次元のウェーブレットとフィルタバンクを設計することができる.
ウェーブレットホームページアラカルト
Christopher Brislawn の The FBI Fingerprint Image Compression Standard のページ
このホームページでは FBI(Federal Bureau of Investigation)で使われている 指紋をデジタル信号に符号化するアルゴリズム Wavelet/Scalar Quantization (WSQ) について実例を挙げて説明している. 応用上何が問題になるのかがよくわかる.
左のフレームから Links をクリック,そして Wavelet sites をクリックすると,彼女らの本 Wavelets and Subband Coding の紹介やいろいろな Wavelet groups へリンクするページ:Links to other wavelet/multirate sites がある.
Andreas Klappenecker の List of wavelet people のページ
有名なウェーブレット研究者のホームページへのリンクがある.
Publishers' Catalogs Home Page のホームページ
いろいろな国の多くの出版社のホームページへのリンクがあり参考文献の単行本などの内容等をチェックするのに便利である.
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