挨拶〜日本NIE学会の「志」〜

日本NIE学会会長
小原 友行

初代会長の影山清四郎先生の後任として,本年4月に会長に就任いたしました小原友行です。2年間どうぞよろしくお願い申し上げます。

さて,本学会も2005(平成17)年320日に発足して以降,満5年が過ぎています。この間,教育学系の他学会と同様に,研究大会の開催と機関誌発行を中心に活動を展開し,新しく誕生した学会としては比較的順調に発展してきていると認識しております。

 しかし,1020年後を想定した時,現状のままでは発展の継続は難しいように思われます。「研究・実践の量的・質的向上」「若手の人材育成(新入会員増も含む)」「学会の魅力づくり」「NIEの積極的な情報発信の必要性」など,課題も多くあります。その意味では,NIE学会としての新たなチャレンジが求められていると時期と考えることができます。

 いうまでもなく,発足以来変わらない日本NIE学会のアイデンティティは,次の5点だと考えております。

@   NIE学の構築に向けた研究・実践

A   教育の今日的課題の解決に向けた研究・実践

B   NIEの研究・開発と情報発信(機関誌・図書・ウェブなど)を通しての人材育成

C   他学会とは異なるより実践的・開発的・創造的な研究の展開

D   教育界と新聞界との協同(協働)による活動

このようなアイデンティティを継承しつつ,課題の克服に向けて,任期中の2年間には,主に次の8点について取り組んで行きたいと考えております。

@   魅力的な実践研究,開発研究,創造研究の推進(投稿論文の量的・質的拡大に向けて)

A   協同(協働)型のグループ研究の推進

B   情報発信の多様化(研究大会,機関誌発行に加えて,地域の拠点づくりに向けた各地での公開講座や入門セミナー等の企画,ウェブサイトの改善,実践論文集づくりなど)

C   NIEの卒業論文・修士論文・博士論文に取り組む学部生・留学生・大学院生の支援

D   新人・若手教員,保護者,生涯学習担当者などに関心をもってもらうための取り組み

E   国語・社会・総合以外の教科・領域の実践者・研究者の参加

F   国際交流の推進(諸外国から実践者・研究者を学会にゲストして招待など)

G   これらを通しての研究・実践を担う後継者の育成(会員は一人1名の後継者づくりを)

 おわりに,本学会が,活字離れの克服,情報読解力の向上,市民性の育成といった今日的な教育課題の解決とそれを担う人材育成という点で社会貢献できる「志」のある学会として発展していけますように,会員の皆様方のご支援・ご協力をお願い申し上げます。

2010(平成22)年53

 


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